雨飾山(1963m)
第1編<雨飾山荘〜ブナ平〜笹平>


登山年月日 平成18年9月21日 快晴
メンバー 殿川 紘史<単独行>
登山ルート 【9/20】乗鞍岳登山口駐車場(15:10)ー(16:45)小谷温泉休憩舎駐車場
【9/21】小谷温泉休憩舎駐車場(6:05)ー(6:50)ブナ平(6:55)ー荒菅沢(7:30)ー(8:50)笹平ー(9:15)山頂直下(9:20)ー(9:35)山頂(10:55)ー笹平ー(12:05)荒菅沢(12:50)ー(13:20)ブナ平(13:40)ー(14:20)小谷温泉休憩舎駐車場(14:40)ー(22:10)宇都宮自宅
所要時間 【登山】:8時間15分<AM6:05-PM2:40PM>
【総合】:16時間05分<AM6:05-PM10:10>

       荒菅沢から雨飾山・岩頭を望む

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【雨飾山登山地図】   【雨飾山・北アルプス周辺地図(山旅マップ)】
【雨飾山周辺地図<西部方面>】  【雨飾山周辺地図<東部方面>】

【雨飾山背景】

糸魚川と接する県境の山で展望が素晴らしく、北アルプス、日本海もよく見える。ブ ナを中心とした鬱蒼とした森が、夏でも涼しく快適だ。はじめはきれいな川の流れな どを眺めながら、ゆったりと登っていける。途中急な所もあるが、荒菅沢まで来ると ひと息つける。ここからしばらく急な登りが続く。林の中を通り、岩場を過ぎると笹 平を直前にお花畑が広がる。頂上からは北アルプスの山々に日本海が望め、その眺望 は見事だ。

【雨飾山へのアクセス】

9月19−20日に過去の会社の同僚との恒例の登山で乗鞍岳登山を終えて、登山口バスセンターからから直接、雨飾山登山口の一つである「小谷温泉口」を目指した。 午後4時過ぎ暗くなり始めた時間帯に「小谷温泉」に着き、更に奥まで車で入れると聞いて、「雨飾山荘」駐車所湯に到着。 駐車場には4−5台の車があった。


【登山ルート】
以下の3つの登山ルートがあるが、今回は乗鞍岳登山直後の為に、最も近い「小谷温泉休憩舎」を選択した。
@ 
小谷温泉休憩舎ー>ブナ平ー>荒菅沢ー>笹平ー>雨飾山山頂往路:4時間・復路:3時間>
A 
雨飾温泉雨飾山荘ー>笹平ー>雨飾山山頂<往路:4時間30分・復路:3時間30分>
B 
大網登山口ー><西尾経由>−>雨飾山山頂<往路:4時間・復路:3時間>


第1部<駐車場〜ブナ平> 【スライドショー】

雨飾高原休憩舎:左・女子トイレ、右・男子用 小谷温泉休憩舎 駐車場 小谷温泉本館 雨飾山ルート図・解説板

雨飾・天狗原山植物解説板 雨飾山登山ルート概念図 ノジギク? ツリフネソウ キツリフネ

ミヤマシシウド 「オニシオガマ」 サラシナショウマ テンニンソウ ヤマニガナ
「小谷温泉休憩舎」駐車場を雨飾山へ向かうと間も無く「湿地帯」に出る。 一帯には「ノギク?」「ツリブネソウ」「キツリフネ」「サラシナショウマ」「ミヤマアキノキリンソウ」「ミヤマシシウド」「ヤマニガナ」等の湿地帯を好む高山植物が多く茂る。 早朝の日陰の撮影は中々上手く行かない。  出発直後の体が温まる前の平坦地歩きは大いに助かる。

ミヤマアキノキリンソウ ミヤマママコナ ヤマアジサイ 「フナ平」のブナ樹林
「湿原帯」を過ぎると徐々に坂道の勾配が増す。  樹林帯をジグザグに登ると急に平坦地となり「ブナ平」と標識があり、周囲には結構大きいブナの木々が茂り鬱蒼とした雰囲気がある。 登山口から45分経過の6時50分。  一息休憩を入れながら、水分補給と「干ブドウ」を口に入れる。

第2部<ブナ平〜荒菅沢> 【スライドショー】

ジャコウソウ サラシナショウマ 紅葉開始したカエデ 「荒菅沢」直上部から見える雨飾山岩峰
「ブナ林」を過ぎて、徐々に樹林帯の樹高が低くなり、勾配がなくなると、急に視界が開け、先方に荒菅沢・・・・。 沢への下る左手に多くのラッパ状の先端は薄く付け根は紅色の花が目に付いた。 帰宅して調べると「ジャコウソウ」と在った。 頭上の「カエデ」に秋を告げる紅葉の兆しが見えた。 

「荒菅沢」直上部から見える雨飾山岩峰:花崗岩の岩塔群 ミヤマカラマツと雪渓 荒菅沢と雨飾山
沢の左手奥には稜線が大きくうねる険しい岩塔が見える。 此れが目指す「雨飾山」の一部だろうか? 手前の緑色に背には、白い表面が滑らかな岩肌が正面に展開する。 多分「花崗岩」だろう。 間も無く「荒菅沢」となる。 「ミヤマカラナツ」の背後には、9月下旬でありながら、薄汚れた残雪が視界に入る。 

荒菅沢と奥部の三角形の岩塔 荒菅沢の残雪:9月21日時点 荒菅沢から直登坂開始
「荒菅沢」に下りて左手=上流方向を見上げると、重なる様に三角形の岩塔が見え、左岸にはブロック状に残った汚れた雪渓が見えた。 沢の水量は多くはないが、最適な休憩・給水地点である。 二名の男性登山者が休憩・食事中だった。 沢を渡ると直ぐに左手をジグザグの急坂が低い樹林帯の中に見える。 3名の登山者が其処を下りて来た。
駐車場から約1時間半で余力も十分で、休憩せずにその道に取り付いた。  

ジャコウソウ キオンの綿毛 タテヤマアザミ 荒菅沢右手の花崗岩の壁面

第3部<急坂のガレ場〜笹平> 【スライドショー】

北アルプス南西部方面の山々(高妻山・黒姫山だろうか? 同定出来ない) 小谷温泉登山口駐車場 「笹平」直下のガレ場の急坂<左>と登山者
このルート最大の勾配のジグザグ登山道を30分も登ると、稜線に出て、背後に視界が開け、幾つもの山々が見え、眼下には今朝出発した「小谷温泉休憩舎駐車場」が小さいが明瞭に確認出来た。 その稜線もガレ場と変り、歩き難い岩の重なり合う急坂となる。  
休憩中に後から登って来た略同年輩の夫婦の登山者に挨拶後、先行して貰った。 奥さん先行で中々登山慣れした夫婦と判断。

雨飾山北部の「鋸山」方面 「1894mピーク」付近から覗く笹平の奥に見える「雨飾山」 オヤマボクチ
「金山天狗原山」分岐点が、「1894m」地点。 ここからの展望は今までと一変・・・・・。 正面左手に紛れも無い目指す「雨飾山」が優しい丸い山頂を見せた。 荒菅沢から見上げた険しい岩塔の重なる容姿とは全く異なる姿に戸惑う。 登山情報の如く、正面には広大な笹の茂る「笹平」が始まる。 

ヤマハハコ タテヤマアザミ 「笹平標識」付近の「エゾオヤマリンドウ」:現状の笹平の代表的高山植物
雨飾山北部方面 笹平標識 広大なササが茂る「笹平」に数多く咲く「エゾオヤマリンドウ」
「笹平」には一条の登山路が明瞭に見える。 「1893m」ピークから右手の細いルートを辿ると、南東部に位置する「金山(2245m)・天狗原山(2179m)」に続く様だ。 この笹平にはクマザサと背丈の低い草原で、目に付く開花中の花は「キキョウ」「アザミ」等で、秋の高山植物である「キキョウ」が中心であった。 

小谷温泉休憩舎登山口から、2時間45分に「笹平標識点」に到着。 ここを雨飾山方面に向かって右のルートを辿ると「雨飾山荘」からの登山口に約3時間で通じる。 先行した同年輩のご主人に記念写真を頼み、相互に写す。 彼は「Canon 5D」を持ち、盛んに「エゾリンドウ」のクローズアップ撮影をした。 スタイルから判断して、相当のカメラ暦を感じた。 奥様の話では、登山を忘れて撮影に夢中になり困ります・・・と口にされたが、じっと辛抱して撮影の済むのを待つ姿は「オシドリ夫婦」に間違いない。  結構趣味の写真をコンテストに出品・入選すると仰った。 予想的中・・・。

『雨飾山:第2編<笹平〜山頂>』へリンク