北アルプス縦走・第5日
<南岳小屋〜大キレット〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘>

第5編<D沢のコル〜穂高岳山荘>

登山年月日 平成18年8月4日 <快晴>
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要コース 南岳小屋(6:15)−><大キレット>ー>(7:00)2748ピークー>(7:40)長谷川ピーク(7:45)−>(8:30)A沢のコルー>(9:00)飛騨泣きー>(9:30)山荘直下(9:40)−>(10:05)北穂高小屋(11:00)−>(11:05)北穂高岳北峰(11:15)−>(11:30)南峰−>(12:50)最低コル−>(13:10)D沢のコル(13:30)−>(14:40)涸沢岳(14:45)−>(15:00)穂高岳山荘(宿泊)
所要時間 総合:

              前穂高岳と北尾根
                <涸沢岳より撮影>

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スライドショー 【第1部】 【第2部】 【第3部】  【南岳小屋〜北穂高岳コース】
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【大キレット画像】
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【穂高岳連峰ルート全体図】 【南岳〜穂高岳山荘】 【大キレット地図】】 【南岳山荘】 【穂高岳山荘】

【本日の登山計画】

南岳小屋ー><大キレット>ー>「2748ピーク」ー>「長谷川ピーク」ー>「A沢のコル」ー>「飛騨泣き」−>北穂高岳ー>北穂高岳帆北峰ー>南峰ー>涸沢岳ー>穂高岳山荘


スライドショー:【第1部】<最低のコル〜D沢のコル>
12時30分頃、北穂高岳:南峰を通過し、12時50分に「最低のコル」に差し掛かる。 そのコルを通過すると、「涸沢槍」への岩場の急坂になる。 最低のコル付近から、涸沢小屋や涸沢ヒュッテを経由して穂高岳小屋への登山路である「ザイテングラート」の急坂を登る登山者の群れが小さく見えた。 その急斜面には筋状に草の緑色・砂利・黄色・茶色と見えるが、黄色は明らかに高山植物らしい。 「ミヤマキンバイ?」だろうか・・・・ 

13時10分、「D沢のコル」と思われる場所で休憩する事になった。 眼前には安全に近づける「雪渓」がある。 6月中旬、上州武尊山(ホダカ)へ登山した時に、リーダーが雪渓内部から切り出した「純粋な氷」を夫々が噛付いた事を思い出した。 自然の成り行きで、チタン製コップを出して、その雪渓を約10cm程度深く削り、内部の綺麗な氷を削り出した。 昼食用パンにつける「蜂蜜」をかけてスプーンで激しくかみ混ぜると、低温で固くなった蜂蜜と氷のシャーベットが適度に混ざり、真夏の「かき氷」ソックリの物が出来た。 口に入れてその冷たさと美味さは絶品だった。 

同行の「山崎製パングループ」に其れを見せながら、各自が「シャーベット」を味わう様に「蜂蜜の小ボトル」を回した。 兎に角、大好評だった。 騒ぎながら食する中に、通過中の登山者も同様に特製シャーベットを作り食べ始めた。 水半分入れたペットボトルを雪渓にこすり付けると、口から氷がボトルに入り、冷却した水が得られた。 手持ちの500mlボトルで冷水を作った。 此処で20分間も休憩して、リーダー氏の掛け声で出発となる。 
涸沢岳へ最後の岩場 同左上部のクローズアップ 同左右上部クローズアップ 最低のコル付近 D沢のコルへ
ザイテングラートを登る登山者 D沢のコルへ下る 急斜面の岩間の高山植物 D沢のコルの雪渓
D沢のコルでの雪渓の雪を蜂蜜で「シャーベット」を味わいサァー出発 涸沢カール下部に見える「涸沢ヒュッテ」
D沢残るからの登坂 涸沢槍? シャーべットの雪渓 急傾斜のアップダウンの繰り返し 岩間の雑草:
D沢のコルから涸沢岳への登りに掛かる途中で休憩 涸沢岳から北穂高岳へ向かう登山者


スライドショー:【第2部】<D沢のコル〜涸沢岳>
20分間も「氷のシャーベット」を味わった「D沢のコル」からは、急峻な岩の登りが続く。 危険箇所はないが、角度が50-60度にもなる所をジグザクに斬られた岩壁のルートを喘ぎながら登る。 こんな岩の割れ目に「ミヤマオダマキ」の花を見つけた。 凄い生命力に感心する。 花に励まされて手掛かりがはっきりした岩の間を抜け、上部のスペースで同行の山崎製パン女性3名の岩登りを撮影した。 時折、先程通過した「北穂高岳・南峰」らしきピークも背景に入る。 
岩場に咲くミヤマオダマキ 北穂高岳を背景に涸沢岳直前の岩場登坂中 ザックの幅一杯の岩の間を抜け様と努力・・
山崎製パングループ:3人娘?の第2・3人が間も無く通過 間も無く「涸沢岳」山頂に到着
「D沢のコル」を出発して約50分後、難関の急峻な岩場を抜けて、今日最後のピーク、「涸沢岳()」山頂に到着。 同行の5名の記念写真を「山頂標識」と共に撮影。 入れ替わって、自分も入った写真も撮って貰う。 今朝6時頃、南岳小屋を出て、北アルプス縦走路の核心部である「大キレット」を通過して「北穂高岳」へ登り、同様に険しい「北穂高岳〜涸沢岳」の岩場を無事越えた喜びと安堵感が彼らの「バンザイ」に繋がった。 ガスで視界がない山頂には5分程度で、眼下に在るべき今夜の宿泊地「穂高岳小屋」を目指す。 スーットガスが通過して「赤い屋根の小屋」は見えた。 
涸沢岳山頂 涸沢岳山頂:今日最後の頂き・山崎製パングループ 今夜の宿:穂高岳山荘を俯瞰
前穂高岳と奥穂高岳 涸沢岳ー>穂高岳小屋へ下山路:穂高岳小屋、前穂、奥穂もガスで見え隠れする。


スライドショー:【第3部】<涸沢岳山頂〜穂高岳山荘>
涸沢岳山頂ー>穂高岳小屋へのガレ場に近い砂利の滑りやすい急坂もあり、最後の最後まで細心の注意を払いながら、小屋を目指した。 ガスの晴れ間から、前穂高岳に続く、幾つものピークが繋がる不思議な光景に何度もシャッターを押す。 その右にはガスで隠れた「奥穂高岳」の威容が続く。 小屋は極狭い鞍部に這い蹲る様に建てられている。 右手(白出沢側)も左手(涸沢カール側)も直ぐに急角度で谷に落ち込む。 小屋正面(東側)は大雪渓に面している。 こんな厳しいガレ場の少量の砂の中から見事な株の「ヨツバシオガマ」が咲いていた。 
前穂高岳・奥穂高岳(右) 涸沢岳から前穂・奥穂を見ながら穂高岳小屋へ ヨツバシガマの花 2峰と前穂高岳(右奥)
ジグザクを繰返して、小屋手前の狭い岩場に階段状に作られた「キャンプサイト」があり、派手な色のテントが岩に張り付く様に張り巡らされていた。 丸いコンクリートの平坦地は荷役用の「ヘリポート」らしい。 其処へも一張のテントが在った。 15時ジャストに「穂高岳小屋」到着。 同行したリーダーから、チェックイン後、15時半頃から小屋前の休憩デッキで団欒しましょう・・・との誘いを受けて喜んで加入を約して一先ず別れた。 

小屋は新しく、内部の設備類も上質である。 「2食付き1泊」約9,000円を支払う。 詳しいスタッフの注意事項や食事方法・場所・諸設備の説明を受けた。 明日のコース「穂高岳小屋ー>白出沢ー>新穂高温泉」について説明を受けて、装備(アイゼン・ストック2本)なら注意すれば通過出来る事を聞く。 小生の一人前の40歳代男性も安全通行を確認していたが、アイゼン無では危険であると言われていた。 5日間も此処の急斜面の雪渓を意識して運んだ甲斐があった。 
間も無く穂高岳小屋へ 涸沢岳から俯瞰氏ながら穂高岳小屋へ キャンプサイトと穂高岳小屋
穂高岳小屋正面と奥穂高岳の前峰 山崎製パングループ 穂高岳小屋正面の景色:前穂高岳・常念岳望遠
割り当てられた宿泊場所は「約30名定員」の2段ベットの部屋。 但し、今夜は大混雑で「フトン一枚/2名」就寝だと言われた。 昨夜の「南岳小屋」の寝苦しさを思い出すも、宿泊出来るだけで由と考える・・・・。 2段ベツトの上部中央が寝場所に決まる。 15時半頃、山崎製パングループと小屋前の休憩デッキで合流。 「コーヒー」「紅茶」「ウイスキー」と各種飲み物、幾種類もの御摘み・・・女性3名の準備した物らしい。 遠慮しながらも色々沢山頂戴しながら、今日のコースとスリル・厳しさ・・・等を思い出しながら、明日からの下山コース等を話題にする。 

時々、ガスの通過時に、ポツリ・ポツリと雨粒が落ち出した。 動かずにデッキに座ると結構寒さを感じる。 小屋正面からは北アルプスの東側に位置する正三角形をした「常念岳(2857m)」を中心に、右手に「蝶ヶ岳(2664m)」、左手方向に「東天井岳(2814m)」それに続く「大天井岳(2922m)」等が横一線状に並ぶ。 それらの山頂は陽光が残り、輝いて見えた。 「常念岳」ー>「蝶ヶ岳」はこの縦走を新穂高温泉へ下り、一日置いて、車で移動して登山予定の山である。 
北尾根越しの常念岳 常念岳クローズアップ 常念岳〜蝶ヶ岳方面 穂高岳小屋から俯瞰する涸沢カールと涸沢ヒュッテ

『北アルプス縦走・第5日:第6編<穂高岳小屋周辺風景:夕焼け〜日没>』へリンク