乗鞍高原五色ヶ原トレッキング
:第5編<かもしかコース>

第5編:カンバ尾〜出合い小屋>

訪問年月日 平成18年7月27日ー30日 曇・小雨・曇
メンバー 殿川紘史 <単独>+ツアー客<6名>
主要コース 【7/29】道の駅(6:00)−>(6:40)ツアー出発点−>「乗鞍山麓:五色ヶ原トレッキング<かもしかコース>」(7:40)ー>(8:50)水場−>(9:35)久手御越滝−>(9:05)牛首−>(10:45)池之俣御興滝−>(11:15)炭木岩−>(11:40)烏帽子小屋(12:15)−>(13:05)青垂の滝−>(13:50)カンバ尾ー>(14:30)横手前ー>(15:15)横手滝展望台−>(15:25)出合い小屋(15:45)−><バス>−>(16:30)出発点(16:50)−>(17:10)栃尾露天風呂(17:50)ー>(18:00)道の駅「奥飛騨温泉郷・上宝」(車中泊)
総合時間 トレッキング時間:8時間50分<AM7:40-PM4:30>
総合時間:12時間<AM6:00-PM6:00>

          かもしかコース終点:出合小屋

写真をクリックすれば拡大出来ます  【第1部】 【第2部】 【第3部】 

【乗鞍山麓・五色ヶ原関連情報】  【概要】  【散策コース】  【アクセス】 


【スライドショー:第1部】
このコース最大の「青垂の滝」を十分鑑賞して沢を渡り、ジグザグの山道を辿り、「#カンバ尾」へ向かう。 通過した樹林帯には木陰に咲く多くの植物が繁茂して雨上がり楽しいトレッキングとなる。 少し判る名前の植物をリストアップすると、赤い実をつけた「タケシマラン」、多くの蕾が一ヶ所から出て白い花を咲かせる「トチバニンジン」、ランに似た「名前不詳」の植物等。

13時50分頃、「#11:カンバ尾」を通過。 青垂の滝〜カンバ尾までのルートは花も多く、五色ヶ原高原の豊かな樹林層も鑑賞出来る見応えのある区間だった。 小さい洞に光る「ヒカリゴケ」、「トチノキ」、「ブナの巨木」「ダケカンバ樹林」、此処に多い「サワグルミ樹林」、ネコがじゃれ付く「マタタビ」の葉は葉先がピンク色や白色に変っていて直ぐに区別出来た。 独特の縞模様のコケは樹皮につく「ブナの幹」にはツキノワグマの爪痕が付いたものもあって、動物群も豊かである証しである。 

14時30分頃、「#12:横手前」の標識を通過。 この間にも「ゴゼンタチバナ」、樹皮が赤みが濃い「クロベ」、見事なサイズの葉を持つ「ホウノキ」、箸になる「クロモジ」、魚の名前を持つ「サワラの幼木」、朽ちた樹幹に生える種々の幼木、「クルマバックバネソウ」等が目に付いた。
タケシマランの赤い実 名前不詳 左の植物の花 トチバニンジン 熊の爪痕 トチバニンジン 左の植物の花
青垂の滝:雌滝 ブナの巨木 熊の爪痕 横手滝への標識 ダカカンバの茂る「カンバ尾」付近
サワグルミの葉 小洞穴中のヒカリゴケ マタタビの葉 「トチノキの葉?」や「サワグルミ」の樹林帯
トチノキ ホウ葉? #12標識 日陰に咲く「ゴゼンタチバナ」の花と種子 クロベの幹
クルマバックバネソウ クロモジ サワラの幼木 朽ちた樹幹に芽を出し成長する幼木類


【スライドショー:第2部】
杉の様に真っ直ぐ伸びた赤い樹皮の「クロベ」樹林帯の急坂をジグザグして下ると、日陰に「ヤマオダマキ」がひっそりと咲く一株を見つけた。 ハナを付けた「ハナウド」、「タカネヒカゲノカズラ」、奇妙な小さいが目立つ黄色のキノコ、赤い実の「タケシマラン」、「ヨツバヒヨドリ」、「ベニバナイチヤクソウ」、若い実をつける「ミヤマシグレ」、赤い実を付ける「アカミノイヌツゲ」等を鑑賞しながら、下ると滝の音が近づいた。

「横手滝」らしい。 左手下の樹間から、相当の水量の流れと其処に掛かる「吊橋」が見えた。 間も無く「横手滝」展望台に近づいた。 「サワグルミ」の樹間から糸を引いた様に流れ落ちる滝の様子が見えた。
横手滝と青垂の滝間 クロベの森 クロモジの木 ヤマオダマキ
日陰に咲く「ヤマオダマキ」 ハナウドの花 横手滝手前200m 気妙なキノコ?
名前不詳 名前不詳 タカネヒカゲノカズラ タケシマラン 横手滝? 横手鳴滝?
ミヤマシグレの若い実 アカミノイヌツゲの実 「横手滝」下流部の吊橋:アクセスを許されず
ヨツバヒヨドリ 過去の水力発電水路? ベニバナイチヤクソウ 展望台から樹間越しに見える「横手鳴滝」


【スライドショー:第3部】
15時15分、「横手滝」展望台に着いた。 ガイドに尋ねると「横手滝」へは行って駄目だと言う・・・・が不思議でならない。 その滝はもう一つのトレッキングコースである「シラビソコース」に属するからだとの返事。 

此処からは「横手滝の全貌」葉見えない。 仕方なく、この展望台の樹間を通して各分を覗き込み、何枚もの写真に収めた。 凹凸の岩肌に沿う様に流れる白い糸・・・が手前のサワグルミの緑色の葉とのコントラストが見事だった。 展望台からの距離は約50m以上だろう・・・。 我々の後に出発したツアーグループが6−7名展望台へ集まって来たので、このコース終点の「出合い小屋」へ綺麗に設置された幅広い「木道」・・・いや「木製ローカ」が相応しいルートを辿る。

この広いローカは「車椅子使用者」がアクセス可能に設計されたらしい。 素晴らしい構想だと感心した。 こんな自然を是非鑑賞して欲しい。 

10分間で、ログハウス構造の瀟洒な「出合い小屋」へ。 汚れた登山靴の洗い場と小道具には感心した。 広場には既に大型バスが2台到着して、我々を出発点まで送り届けるのだそうだ。 このバス料金もガイド料金<¥8,800/人>に含まれる。 バスのボディには上品な色付けの「写真:五色ヶ原高原の自然」が焼き付けられている。 

20分後の15時45分、約3グループのトレッカー達を乗せて、舗装の狭い道路を走った。 45分乗車して16時30分出発点帰着した。 
幾重にも分かれて流れ落ちる「横手鳴滝」の一部:滝へのアクセスは許されず・・・不思議な規制!!
横手滝展望台 滝壺部分 ヤマアジサイ ダケカンバ 終点:出合い小屋裏
カモシカコース終点の「出合い小屋」 トレッカーを迎えに来た「主催者のバス」:トレッキング出発点へ戻る
バス車体へ描かれたコース内部の景色 木に巻きつく蔓 コース全体概念図 「五色ヶ原」の解説文
カモシカコース説明 シラビソコース説明 カモシカコースルート図 シラビソコースルート図 コース出発した建物
【帰途の経験多い女性ガイドとの会話】

出合い小屋ー>出発点までの道中に補助座席に座った、別のグループのガイド<経験者らしい女性>と会話した。 
話題は当然、@このコース散策中の疑問、特に「2コース選択」の自由度だった。 返答は下記の「トレッキング後の私的コメント」欄に記載の通り、脆弱な「コース保護」だと言うは、論理性に乏しい。

A 次は「ガイド料金」の妥当性について・・・・このコースを所有・管理する地方自治体の関連費用<ガイド人件費・コース補修管理費・関連設備費・その他>を合計して、年間の予想トレッカー数で計算したものだと言う。 所謂、「費用積算方式」を採用している。 如何にも公共組織の考えだろう。 このコース設定以降2年目であるらしい。

B ガイド教育・・・・ガイドの習熟度は問題であると認識していた。 ガイドメンバーが自主的に此処の自然の知識を増やす為に勉強中であるらしい。 是非、ガイド間のバラつきを少なくして欲しい。

こんな会話をする内に、トレッキング出発点の「」へ帰着した。 第2コース<シラビソコース>に¥8,800支払う意欲は無かったが、国内初めての「有料ガイドトレッキング」を楽しんだ。


【乗鞍山麓・五色ヶ原トレッキングコース:コメント】

乗鞍岳の西部に位置する乗鞍高原<五色ヶ原>の自然をガイドの案内でトレッキングするコースで、@「カモシカコース(滝巡り)」と A「シラビソコース(池巡り)」の二つから成り立つ。 このコースをトレッキングする切欠は「5泊6日:北アルプス縦走」の天気待ち期間中の足慣らし的意味で初めて日本の「有料ガイド」に参加した感想を纏めたい。

【コ−ス選択権】
当然、参加する顧客が何処のコースをトレッキングしたいか・・・選択出来るのが当然である・・・が、驚く無かれ、主催者が決めるのである。 「無料ガイド」なら仕方ないが、後述する高価なガイド料を支払いながら、顧客はその選択の自由度が無い事である。  主催者のコース選択の理由は以下の通り・・・。

  @ 先ず「カモシカコース(滝巡り)」を選択して参加。  次に参加する時に A「シラビソコース(池巡り)」をトレッキング出来る規則であった。  余りの無神経さに質問したら、コース保護の為である・・と言う。
コース保護なら、保護出来る限界人員数を決めて、それ以上の参加を受け付けなければ良い。 顧客の好みでどちらを廻りたいかを決めれば良い。 其れ以外の主催者側の魂胆が見え見えである。

【ガイド料(コース当り)】
参加する人数で案内料金は変る。 下記料金には、案内料金、施設利用料、バス送迎料、ガイドブック、保険料が含まれています。 10名限度  10名を越えるグループでは二組になる。
<ガイド:1名>6名以上:¥8,800  4−5名:¥10,000  3名:¥15,000  2名:¥20,000  
外国のトレッキングガイド料金を考えると、6−10名組で「1名当り:¥8,800」とは驚くべき高額料金である。
少なくとも、コース難易度(危険度)・コース時間・コースの総合的価値・・から判断して、¥5,000/人が妥当で、75%の過剰価格設定と言えよう。

【トレッキングコース(カモシカコース)の印象】
全体時間は「8時間コース」で在った。 コース時間設定はトレッキング初心者でも参加出来る速度、且つ道中での休憩や、コース内での自然に対する質問も十分可能な設定であり、妥当であった。 この種のガイド付きトレッキングは、正に同行するガイドの知識と経験で参加する価値が大きく変る。 小生の参加したガイド氏(男性)はまだ勉強途中であった。 

『乗鞍岳登山:第1編』へリンク