花の百名山:富良野岳(1,912M )

○ 登山年月日 平成13年7月13日  晴天
○ メンバー 殿川紘史  (単独行)
○ 主要ルート 登山口(5:20)ー>(6:15)上ホロカメットク分岐(6:20)ー>(9:25)上富良野岳(9:30)ー>(9:50)上ホロカメットク山(9:55)ー>(10:10)上富良野岳(10:15)ー>(11:10)三峰山ー>(11:30)中間のピーク(12:10)ー>富良野岳分岐(13:05)ー>(14:10)上富良野岳(14:40)ー>(14:55)富良野岳分岐(15:00)ー>(16:20)十勝岳温泉登山口(18:00)ー>(18:10)吹上露天風呂(18:30)ー>(18:40)ー>(18:50)夕陽撮影(19:10)−>望岳台(十勝岳登山口:泊)
○ 所要時間 トレッキング:11時間 <AM5:20−PM4:20>          
総合時間:13時間20分 <AM5:20−PM6時40分>
 縦走ルート地図: 【上富良野岳〜上ホロカメットク山〜富良野岳】

旭岳方面の展望

    <富良野岳山頂>

7月12日:稚内フェリー埠頭〜音威子府〜十勝岳温泉駐車場
7月9-11日の礼文島散策後、稚内フェリー埠頭で一泊。 翌12日、国道#40を南下して「サロベツ展望台」、豊海町「宮ノ台展望台」(以前皇族が訪問された)で30分)、幌延ビジターセンター側の展望台(30分)から、道北の大規模酪農風景を撮影し宗谷半島を横断するように、オホーツク海岸線を走る国道#238にでた。 道の駅「音威子府」で昼食・休憩。 明日の「富良野岳」登山を考慮して食料品を調達して、18時45分に「十勝岳温泉登山口」駐車場到着。 明日の天気を気にして「宿舎管理人」へ問い合わせると、レストランのTVで確認する事を許可される。  間もなく西の空が色ずき始めた。 急遽「カメラ」を取り出し、約30分間、十勝岳温泉登山口からの「夕焼け」の見事さを堪能した。 この夕焼けは、昔祖父の天気の予想:『夏の夕焼け、イデ(田んぼの水放出口の意味)外せ』からすると『雨』となる。 TVの天気予報は「好天」を報じた。 撮影後立派な駐車場トイレの100V電源を拝借して本日の全ての写真をメモリーからPCに移して「スライドショー」で全体を鑑賞した。 何度見ても「今夜の夕陽」はめったの見られない見事なシーンだった。 夕食後、明日の富良野岳登山のルート確認と装備の準備をして22時就寝。
十勝岳温泉駐車場の夕陽>



富良野岳縦走:十勝岳温泉〜上富良野岳〜上ホロカメットク〜三峰山〜富良野岳〜十勝岳温泉

 
4時30分起床。 早い登山者は4時前から行動開始したようだが、朝に弱い小生は4時半起床が一杯。 夕食が8時頃で遅く、朝食はコーヒーのみで出発。未だ朝日は見えないのは十勝岳・富良野岳連峰に遮られているからだ。  山並みが明るいが、駐車場は少し明けきれていない。  昨夜記入した登山届を提出して出発。  平日の為、、勿論他の登山者のいない単独行だ。  自然保護の為に北海道国立公園が緑の回廊で結ばれ「動物が自由に移動出来る環境」が保全されている地図があった。  歩き易い幅の広い登山道が、白と赤茶けた岩の旧火口に向かって伸びている。  早くも富良野岳は緑の絨毯の後ろに、明日登山予定の十勝岳山は荒廃した旧火口壁背後に見える。 その様子は対照的だ。 既に活動休止中の富良野岳と噴火中の十勝岳中腹の影響がはっきりでている。 
登山口表示板(富良野岳) と 駐車場(キャンピングカー) 自然保護区 <旧火口と十勝岳望遠>
朝霧の山並  旧火口壁 富良野岳(左)と十勝岳(右)の望遠
ヌッカクシ富良野川」源流に近い沢を渡る所では、黒く汚れた氷を跨ぎ通過。  「八手岩」の名を持つ奇岩の頂きのピークの稜線は急峻だ。 眼前には、緑で覆われた緩やかな三角形「富良野岳」、後ろには正三角形の「十勝岳のピーク」が見え最高の眺めの登山ルートを辿る。 6時20分ごろ「上富良野岳」に通じる上ホロカメットク分岐通過。  周辺は高山植物が芽を出し、また開花し始めた素晴らしい地域だ。 光量は少ないが感度を最高に上げると手持ち撮影可能だ。  撮影した花・植物名を挙げると「ゴゼンタチバナ」・「イソツツジ」・純白の慣れんな「ツマトリソウ」・「ナナカマド」・「タカネナナカマド」・「ヤマトリゼンマイ」・純白の花弁と黄色い花芯の「サンカヨウ」・「ウラシマツツジ」・大きい葉の中心から紫の小さい花を出す「エンレイソウ」・真白な花弁と長いおしべの目立つ「ミツバオウレン」・「エゾノツガザクラ」「ショウジョウバカマ」・「エゾノハクサンボウフウ」 ・黄色の花の「チシマノキンバイ」・ドウダンツツジに近い「不明の花」・「ウコンウツギ」赤い可憐な花の「コケモモ」・小さい純白の風鈴形の「イワヒゲ」・「ミヤマリンドウ」・「キタカネキンポウゲ」「キバナシャクナゲ」・ピンクの派手な花の「エゾコザクラ」・純白の「チングルマ」・苔の様に低い、5mm未満の赤い花の「ベニバナミネズオウ」・「ヒメシャクナゲ」・「ニシキノツガザクラ」・「ヨツバシオガマ」等々と切りがないがない数だ。 これは全部登山道から登山しながら撮影したもので当然見落とした物を入れるとまだまだある筈だ。花に魅せられて連続撮影で多少空腹を感じて、「八手岩」が正面に見える稜線で、15分間の「朝食・休憩」。 そこから登山口の十勝岳温泉の山荘が約500mmの望遠レンズ越しに、岩間から思ったよりも近くに確認出来た。 2時間余経過しているが花の撮影に夢中で余り高度を稼いでいない証拠だ。 残雪も各所に確認できる高度だ。
沢の残雪  八手岩望遠 富良野岳 旧火口の侵食
 八手岩 十勝岳温泉 三峰山と富良野岳 登山ルート
9時半頃、頂上の目立たない「上富良野岳」(1893m)に到着。 ザックを山頂表示塔下に置いて、カメラ持参で、往路(登り)20分、復路(下り)10分の「上ホロカメットク山」(1920m)を往復した。  上ホロから眺める「上富良野岳〜富良野岳までの稜線」は素晴らしい。 上ホロまでの途中の鞍部の「表土の侵食のモデル」があり、その写真を下に掲載した。 今日の好天は遠くまで視界があり最高の登山日和に感謝。  約10数人の制服姿の登山者が「上富良野岳」に登山してきた。 何かを調査している様だ。 自衛隊員で通信状態の調査とかで、大きなバッテリーや通信機、アンテナ等を背負った若い隊員が含まれていた。 
上富良野岳 十勝岳
  上ホロカメットクへの小道と侵食 
「上ホロ」からは「十勝岳」へのルート全体が展望できた。  山頂(2077m)まで大砲岩経由で1時間30分強の距離。 殆どが登り一辺倒のルートだが「高度差:200m弱」だから見えるほどでない。 登山口方面は急激に落ち込んだ崖になり近づくのも危険に見える。十勝岳への別ルート「十勝岳温泉〜三段山〜大砲岩」の「三段山〜大砲岩」間は一般ルートから外されているのも頷ける。  三段山(1748m)からは「上ホロ〜富良野岳」までの展望が素晴らしいとの記載がある。 侵食の激しい火口壁の色の変化が面白い。  上ホロまでの途中の鞍部の「表土の侵食のモデル」があり、その写真を下に掲載した。 今日の好天は遠くまで視界があり最高の登山日和に感謝。 10時15分に上富良野岳を立ち、富良野岳方面に進んだ。 
 上ホロカメットク山頂から見る十勝岳 十勝岳稜線の望遠
富良野岳 上ホロから十勝岳へ><1803mピークから富良野岳へ>
三峰山までは殆ど平坦地に近い歩き易い道で「小石のガレ場」や「ハイマツ」が交錯する。 チングルマの小群生地がある。 山頂近くの石に羽を休めた派手な蝶「ヒオドシクテハ」の接写・撮影に成功。 余り活発に飛び回らなかったから可能だった。  湿原植物の宝庫と言われる「原始が原」が左手(南)に見え始めた。 同時に「ヒグマ」の住処でもあるらしい。 点在する湿原が大都市近郊の山から見下ろす「ゴルフ場」と同様に芝生に見える。
ヒオドシクテハ  三峰山から見る十勝岳    
三峰山:1866m 富良野岳望遠       湿原植物の宝庫:原始が原望遠
三峰山と富良野岳分岐(十勝温泉登山口への下山ルートとの合流点)の間で「昼食・コーヒー」の為休憩。 風のも無く快適な40分の休憩で体力を回復して出発。 13時過ぎに「分岐点通過」直後から最後の急坂が始まる。 山頂は山腹に隠れて見えない。  予想通り一度平坦地に出た。 その地域一帯は広大で見事な「お花畑」。 南斜面の高山植物にとっても最高の条件だろう。 このお花畑が雪渓を背景にした景色は如何にも高山にいることの査証だ。 通過しながら撮影した花の名前は群落を形成していた「キバナシャクナゲ」・ピンクの「エゾコザクラ」・純白で派手な「ハクサンイチゲ」・「チングルマ」・「エゾヒメクワガタ」「エゾアズマキク」・「ミヤマリンドウ」・「エゾウサギギク」・「ハクサンチドリ」・「チシマノキンバイ」・「エゾコザクラ」・「イワベンケイソウ」・「コイワカガミ」・「ヨツバシオガマ」・「トカチフウロ」・「エゾツガザクラ」等々。 振り返りながらりながら「高山植物」特に「ハクサンイチゲ」の群落を前景に撮影した。 これぞ「日本花の百名山」たる所以だろう。 最後の急坂を登り返して待望の「富良野岳」山頂に14時10分に到着。 好天下、花の群れに見とれて撮影で時間を掛けてしまい、登山口から山頂まで「他の山からの縦走」とはいえ、「8時間50分」の長いトレッキングだった。
チングルマの群生地と富良野岳分岐     富良野岳山頂からの展望:十勝岳温泉登山口と稜線
富良野岳から富良野平野方面の展望   
    ハクサンイチゲ群生と原始が原 ガスに煙る十勝岳
雲にみえかくれ始めた「十勝岳方面」の眺めは幾ら見ても見飽きることがない。 雲間には「旭岳連峰」も見え隠れした。  西北の眼下には登山口の十勝岳温泉もはるか彼方に、でも明瞭に見える。 南は「湿原の原始が原」、南西方向には「前富良野岳」(1625m)の独立峰も見える360度の大展望地だ。  天候はやや崩れ気味で「十勝岳」の山頂は雲に隠れ始めた。 後から登山して来た中年ハイカーにお願いして山頂標識の側で記念撮影。 周囲一面を眺め其の光景に見とれていたら、自分の前に「一匹のシマリス」が激しく動き回り始めた。 多分ハイカーからの「餌付け」に慣れた習性だろうか?  急いで且つ静かに、身をよじり「ズームレンズ」で追いかけるが激しい動きでカメラぶれが心配だ。 感度を上げて、シャッター速度:1/1000秒以下の速度で撮影。 4枚撮影後、「餌付け」しなかった為にとうとう逃げられてしまった。  たったの4枚をトリミングした写真「シマリス」を下に掲載した。
富良野岳山頂 前富良野岳:1912m 十勝岳温泉:登山口
            富良野岳山頂で遭遇したシマリス四態>          
山頂に30分の短時間滞在の14時40分に下山開始。 15時直前に「富良野岳分岐」。 そのまま往路とは異なる十勝岳温泉登山口に最短のコースを辿り休憩無しで、16時20分に登山口到着。 休憩を兼ねて、カメラのメモリーからPCに全部の画像を移動。   18時に本日の汗を流す為に、露天風呂の「吹上温泉」へキャンピングカーで移動。 男女10数名が浴槽に浸かり、夫々の体験談・今後の計画を語り合いながら、やや熱い温泉を堪能している。 これで無料だから有り難い。 約20分間の入浴後、18時40分に、明日の十勝岳登山口である「望岳台駐車場」に移動。  到着直後から「望岳台の夕陽」を撮影開始。 20分で完全に日没。 昨日の夕陽の方が焼けた程度は大きかった。 薄暗くなる頃、福岡県から来たという中年の夫婦と遭遇。 二人で2−3週間北海度内の観光・登山をしていると言う。 明日の晴天を期待して別れた。  19時30分から定番の夕食。 本日の写真をレビューっして明日の登山ルートの確認・登山用品の準備を完了して、22時ごろ就寝。 ラジオの天気予報は明日の天気も良さそうだ。 晴天の連続にえらく運が良いと思い寝込んでしまった。

『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。
『Shockwave.com』の無償ソフト :  http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html  

 【富良野岳縦走:風景編】のスライドショー




【富良野岳登山道の高山植物の写真集】

富良野岳登山道の高山植物の数があまりにも多いので、登山記録とは別に掲載いたします。  上記の【写真集タイトル】をクリックしても直接アクセス可能ですが、非常に枚数が多いので、ダウンロードに時間が掛る事をご容赦ください。  掲載した高山植物の種類は以下のものです。 名前がはっきりしないものもございます。  もしその名前がお判かりの方は、管理人に、『掲示板』か『HPのメール』で教えて頂けると光栄です。  
    
ゴゼンタチバナ・イソツツジ・ツマトリソウ・ナナカマド・タカネナナカマド・ヤマドリゼンマイ・サンカヨウ・ウコンウツギ・オオバツツジ・ウラシマツツジ・エンレイソウ・ミツバオウレン・エゾノツガザクラ・ショウジョウバカマ・ミヤマシャクナゲの蕾・エゾハクサンボウフウ・エゾヒメクワガタ・ヨツバシオガマ・チシマノキンバイ・<  >・コケモモ・チングルマの花・チングルカの実・イワヒゲ・ツガザクラの実・ミヤマリンドウ・キバナシャクナゲ・イワウメ・タケネキンポウゲ・ベニバナミネズオウ・<   >・ヒメシャクナゲ・ニシキノツガザクラ・カクサンチドリ・ミヤマキンポウゲ・チシマフウロ・<  >・イワベンケイソウ・エゾコザクラ・チシマノキンバイソウ・エゾアズマギク・エゾウサギソウ    〜以上〜