【2泊3日縦走計画】 |
第1日目<7月28日>:振内町駐車場ー>ゲイト入り口ー>北電・取水口ー>幌尻岳山荘(泊) 第2日目<7月29日>:幌尻岳山荘ー>幌尻岳ー>戸蔦別岳ー>幌尻山荘(泊) 第3日目<7月30日>:幌尻山荘ー>北電・取水口ー>ゲイト入り口ー>振内町駐車場 |
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降雨の為に緊急下山 |
昨夜合意した出発時間:8時頃の予定を急に変更した方が良い事態が発生した。 アレほどの快晴だった昨日の天気が急変して、夜中に雨の音が聞こえ始めていた。 4時頃早起き組みの物音で目覚め「小雨」を確認した。 隣りに就寝中の「富士市の井出さん」に話し掛け、今日の出発時間の変更を相談した。 幌尻岳渡渉ルートの沢の複雑さ(V字谷)から、雨による水深の急変が予想されるからだ。 直ぐに早立ちの合意が成立して準備にかかった。 4時40分に起床。 朝食も早々に掻きこんで昨日の装備予定の変更にかかる。 「カメラを防水処理してザック内に収納」・「ザックカバー使用」・「雨具使用の為に最上部に収納」等を終え山荘の外に出たのは5時20分、この小雨の中に幌尻岳向けて登山する人達は既に出発済みだ。 丁度その時に、30歳台の渡渉経験ありの下山者を知り3人での下山を5時30分に開始した。 最初から「渡渉シューズ・普通のスパッツ」を着け順調に下山を進めた。 雨は強くないので「雨具」を着用しなかった理由は「渡渉・淵巻き時」に身体の自由度が奪われる事を心配したからだ。 「登山と同じルートでの経験」と「同行者が居る事」の安心感で、登山時の様な「極度の緊張感」から開放された。 最後4−5回の渡渉ポイントからは「登山時の水位」を上回っている事を認識 した。 また雨も明らかに山荘出発時よりも強く降り出した。 最深の注意を払い危険ポイントも無事渡りきったと殆ど同時に、雨はかなり強く降り始めた。 7時05分だった。 「渡渉シューズ」−>「登山シューズ」への履き替えで約20−25分後に「林道歩き」開始した。 |
強くなった雨の中を早足で歩きながら、同行の井出氏と「早立ちの判断」が正解だったこと、もしこの強度の雨が30分も続くと「増水危険」 多いこと等を話した。 もう林道の砂利の路面には筋をなして雨水が流れ始めた。 雨具を嫌って着用しなったが帽子だけで余り気になら ない。 途中で3人先行する若い女性グループに追いついた。 段々とザックの重みが肩に堪え始めたが、強い雨の中でザックを下ろして の休憩する場所はない。 往路でタクシーを降りた付近を通過したのは、8時15分頃。 もう雨の中の歩行に嫌気がさした頃、ヤット井出さ んの車の駐車場ガ見えた。 殆ど上半身の半袖シャツ(ポリエステル)は、ずぶ濡れの状態だった。 入口ゲイト駐車場到着は8時40分。 1時間10分の早足だった(標準時間=1時間40分)。 3人の女性の車の前後に余裕少なく脱出困難な状況を見かねて、井出さんと二 人で脱出を手伝った。 お陰で全身100%濡れた。 |
井出さんの4輪駆動のクルーザーの中の狭いスペースでシャツを脱ぎ水を絞った。 車内は寒くないので新しいシャツに着替えることを諦めて、ズボンも濡れたのもを着たまま、9時に振内町役場に向かった。 30日午前12時頃の出迎え予約のタクシー会社への「キャンセル」の連絡は、携帯電話不通話の為に不可能だったが、10時前には振内町役場に到着できるだろうとの判断をした。 井出さんは2日目の夜中にこの知らない道を駐車場まで運転したと話してくれた。 道中、「車内の暖房」で多少の寒さを凌いだ。 昨日の幌尻岳登山の興奮は二人にとって忘れられない経験になるだろう。 途中で携帯電話通話地区に入り「タクシー会社」へ電話するも、誰も出なかった。 雨も小降りの振内役場駐車場到着は9時45分。 直ぐタクシー会社に行き「キャンセルと事情」を話し、了解を得た。 タクシー会社オーナー兼運転手氏は、大型バスで団体登山客を乗せて「入口ゲイト」に9時頃出発したと言う。 途中の狭い道路で交差したバスを思い出した。 |
キャンピングカー内で全身の着替えをした後に、役場入口の「駐在所」を訪れ、「下山届」を提出し、無事満足以上の登山が出来たお礼を残した。 登山後の山荘から道中を一緒し、振内役場まで同乗をさせてくださった「井出氏」は直ぐ出発して、明日の「羊蹄山登山」を目指す。 今後の交信の為に「アドレス・連絡網」を交換し、無事の帰宅を約して別れた。 |
井出氏と別れた後、車内で先ず「コーヒー」を飲み休憩・登山装備の整理・車内整理・Eメール送受信等で、12時30分まで過ごした。 小降りだった雨も殆ど止んだ。 今日の計画を次の様に決めた。 @ 振内町の「鉄道記念館」見学(駐車場提供のお礼に伺った時に役場で入手した推奨情報) A 道中の温泉で入浴 B 千歳市経由(郷里の中学同級生への再会:もし在宅の時) C ニセコ地域の道の駅(宿泊) |
幌尻岳〜戸蔦別岳縦走の思い出:写真 |
最も印象が強かった「幌尻岳〜戸蔦別岳縦走」の2泊3日間の思い出を写真でまとめてみました。 下山路では急いだ行動と降雨の為にカメラをザックに収納した為に全く撮影しなかった。 重複した写真の使用にご容赦を!! |
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北電・林道の高山植物の花々に歓迎されて、超えねばならない殆ど未経験の渡渉の重みがプレシャーとしてのしかかる(1週間前の「斜里岳の渡渉経験が唯一)。 「渡渉の入口の取水口」を目指して歩いた。 |
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取水口を超えて糠平川に沿って「渡渉開始点」に向かう時に珍しい3種類の「蝶」を観察した。 |
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いよいよ「渡渉」開始。 「渡渉第1ポイント」を前にしての緊張感は今でも忘れられない。 第1歩ー>第2歩の流水抵抗の大きさは予想外に大きく、3−4mの渡渉距離が数倍にも感じた。 渡渉経験=ゼロからの進歩?は、必然的に早かった。 札幌で購入した「渡渉専用シューズ」に助けられた。 「専用シューズ」が無ければ、途中で相当の危険を冒したであろう。 「費用節約?」でスポーツ店員のアドバイスを無視して購入しなかった経験もあわせ、渡渉装備の必要性を痛感した。 |
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14−15回の渡渉を無事にこなして、「幌尻山荘」を見た時の安堵感もまた忘れられない。 最後の渡渉ポイントは「山荘の前」(写真上)。 設備の良い山荘で熟睡して翌日の登山最初の展望は「夕張・日高方面の雲海」だった。 稜線に出ると豊富な「高山植物」との出会い。 時間の経過を忘れて夢中で撮影。 大規模の北カールの先に聳えるシルエット幌尻岳の展望・・・・ |
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そのルートの両側の高山植物は見事だった。 「ミヤマアズマギク」「エゾツツジ」「ミヤマダイコンソウ」「ミヤマリンドウ」等々。 |
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3時間余の登山でついに幌尻岳の山頂に到着。 360度の展望と其の視界距離に圧倒された。 「青空・筋雲・雲海・カール等」全てが期待を大きく超えた。 周囲の山々の同定は、大勢の登山者の同じ行動だった。 幌尻岳北方の稜線に続く頂上の尖った「戸蔦別岳」「北戸蔦別岳」「ピパイロ岳」、北西の彼方に見えた「夕張岳」「芦別岳」南東方向の「オサマントッタベツ岳」「カムイエクウチカウシ岳」等の山また山々に感激した。 |
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北に伸びる稜線に沿った縦走路から見えた「七つ沼カール」の美しさ!!。 青空を映して七つの「真っ青な沼水」。 沼水越しに見た幌尻岳とその南東方の多くの山々の重なり・・・・。 縦走時間の制約も忘れて「七つ沼カール」へ降りたい衝動に駆られた。 |
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「戸蔦別岳」は登山者のにぎわいも無く、360度の贅沢な展望を独り占め出来た。 振り返った「幌尻岳へ続く細い緑の稜線」の美しさ。 北を向けば「北戸蔦別岳」「ピパイロ岳」等々への稜線は更に長く、魅力的だ。 山頂で撮影できた「黄色の羽に黒の筋模様の蝶」。 幌尻山荘分岐直下で「高山植物の花々」に群がっていた「真っ赤に白・黒模様の派手な蝶」にも遭遇出来た。 「花の百名山:富良野岳」にも劣らぬ「高山植物」・初めての緊張した「渡渉経験」に恵まれた縦走を満喫した。 |
第3日目の下山で経験した「降雨と渡渉の危険」も体験出来た。 我々が下山した30分後には「渡渉困難」となり、山荘からの下山者も、大型バスで登山に向かったパーティーは、1時間後には「渡渉」出来ず、再度、振内町に引き返したとバスの運転手(=タクシー運転手)に聞いた。 最後まで幸運に恵まれた幌尻岳縦走は「渡渉装備」「渡渉の経験」「雨と渡渉の危険」等学習一杯の山行であり、北海道百名山全部(9座)の登山完了の山にもなったが、もう一度「異なるルート」からの登山に挑んでみたい。 |
『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。『Shockwave.com』の無償ソフト : http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html
【幌尻岳・戸蔦別岳縦走:スライドショー】 1・ 幌尻岳登山:第1日目<振内〜幌尻山荘> 2・ 幌尻岳登山:第2日目<幌尻山荘〜幌尻岳山頂> <幌尻岳山頂〜戸蔦別岳〜幌尻山荘> <高山植物・蝶編> 3・ 幌尻岳登山:第3日目<山荘〜振内>【幌尻岳縦走の思い出】 |