大変静かな夜で完全に熟睡して、4時30分目覚め・起床。 雌阿寒岳登山にはルートが「3本」ある。 <阿寒湖畔温泉コース>・<雌阿寒温泉コース>及び<オンネトーコース>である。 今日は「オンネトーコース」からの登山を選んだのは、静かな車中泊が出来ると考えたからだ。 5時15分、駐車場横の登山口に向かう。 やや山中に入った所に「登山届用ボックス」があり、登山予定を記入して投函。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
キャンプ場出口の登山口の標識 | 朝食休憩した五合目 | イワブクロ |
直ぐ密度の高い樹林帯を歩く。 各地点ごとに「一合目」「二合目」「三合目」・・・と標識が出ており、略どの位置を通過中かの見当がつけられて便利だが、「雄阿寒岳の標識」と違い、夫々の間隔は正確のように感じた。 五合目地点はやや開けた赤エゾ松樹林帯あり、6時30分ごろ、此処で朝食をとる。 その間、一人の登山者が、追い抜いて行った。 食事を含めて、15分間休憩して、再出発。 六合目を越える頃から、急坂となり、路面が砂利に変り滑りやすくなった。 斜面には「イワブクロ」が目立ち始め、「群落」を形成した所を通過した。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
イワブクロの群生 | メアカンキンバイ |
ザラザラの歩きにくい急坂は続く。 七合目に至ると正面に「雌阿寒岳の登山ルート」が遠くまで見え始め、形の良い円錐形の「阿寒富士」が右手に全貌を現わした。 登山の予定外だが、是非登ろうと決める。 足元には「メアカンキンバイ」「ガンコウランの黒い負数の実」・「エゾツガザクラの赤い実」が真上をむけて伸びている。 シーズン最後の「コマクサ」がガレた斜面に「一株・二株」と散見された。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
眺望の開けた七合目 ガンコウラン | エゾノツガザクラの実 | 残っていたコマクサ |
八合目の「阿寒富士」登山分岐点に7時30分に到着。 雌阿寒岳の登山ルートを離れて、「阿寒富士」に通じる細い小道がハイマツの間を縫うように伸びていた。 そのルートをショートカットしながら、最短距離で「ケルン」に向かった。 8時10分にケルンにザックをデポして、ザラザラの極端に歩きにくい「阿寒富士」への急坂をジグザグに登り始めた。 ザラザラの火山灰地の岩陰に「メアカンフスマ」の大きい株を発見して撮影。 8時30分に「360度の展望」のある「阿寒富士」に山頂に到着。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
阿寒富士から見た雌阿寒火口部 メアカンフスマ | 阿寒富士頂上と雄阿寒岳 | 阿寒富士から見た雌阿寒岳 |
山頂は見た目よりも広く、北東部に細長く伸びていた。 左手は「雌阿寒岳」の火口壁・噴火口が全貌出来、北東部には「阿寒湖温泉コース」の「剣が峰」・「フレベツ岳」・「阿寒湖」更に、均整の取れた「雄阿寒岳」が阿寒湖の盟主の様にデント背後に見える。 この景色を見たら「雄阿寒岳」が無ければ、雌阿寒岳からの北東部の展望=「阿寒湖の展望」の価値は、格段に劣るだろう。 見事な景色だ。 急坂を苦労しての登った価値は「十二分」である。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
雌阿寒岳望遠(阿寒富士頂上) 雌阿寒岳の噴煙 | 阿寒富士の火口壁(北東部) 阿寒富士から見た雄阿寒岳 |
<オンネトーコース>から見えた「阿寒富士」の形状は均整が取れ、稜線も「正円錐形」を成すが、山頂から見た北東部は火口の険しさが顕著に現れている。 黄色と赤色の強い粘土質に見える山頂部は異様に見えた。 真北に見える「雌阿寒岳の噴煙」が強い黄燈色系の岩石との「コントラスト」が素晴らしい。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
阿寒富士の火口壁 阿寒富士から見た雌阿寒岳望遠 |
15分間山頂部に滞在して、元のザラザラの急坂を「ケルン」に向けて下り始めた。 一人のハイカー息を切らして登って来て、「頂上までの時間」を聞いた。 火山灰で歩き難い上に、急坂でキツイ登りに疲れた気持ちはよく判る。 8時40分にケルンを通過して、「噴気ガス=毒性に注意」の看板を見ながら、風で吹き寄せる「亜硫酸ガス」を避けるように、だらだらの稜線をひたすら登る。 <阿寒湖畔温泉コース>との分岐に差し掛かると「雌阿寒岳噴火口底部」が覗ける。 中央部に丸い「青沼」が目立つ。 小さいが周囲の赤系の土の色と正反対の「青色」だ。 火口の途中からも、少量の噴煙が出ている。 9時10分に待望の雌阿寒岳山頂に到着。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
雌阿寒岳の南東斜面 | 雌阿寒岳火口壁上部 | 雌阿寒岳:青沼 剣が峰と雄阿寒岳(雌阿寒岳より) |
雌阿寒岳の展望は「阿寒富士」よりも素晴らしい。 特に南に聳える殆ど同じ高さの「阿寒富士」は綺麗な円錐形に見え、北東部の眺めは、左から「フップシ岳(1223m)」、阿寒温泉コース上の「剣が峰(1336m)」、正面に「阿寒湖」、その背後に「雄阿寒岳」が昨日の山容からは想像もつかない「綺麗な円錐形の山」として座り、右手前に「フレベツ岳(1098m)」がバランスよく配置された景色をなす。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
阿寒湖・剣が峰・雄阿寒岳 | 北東火口と阿寒湖 | 雌阿寒岳噴煙と阿寒富士 | 雌阿寒岳北面火口壁 |
雌阿寒岳には南北に夫々噴火口があり、北部噴火口越えに見る景色は「荒涼とした火山地帯」と背後の「阿寒湖と雄阿寒岳」がその反対の雰囲気漂わせている。 阿寒湖よりも雄阿寒岳の存在の方が大きい。 昨日登山した雄阿寒岳の登山ルートからの実感と本日雌阿寒岳から眺める雄阿寒岳の印象は正反対である。 こんなに形の良い・存在感の大きい山とは全く考えもしなかった。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
雌阿寒岳・南東火口噴煙と阿寒湖 阿寒湖温泉コースとフレベツ岳 剣が峰と阿寒湖 剣が峰・阿寒湖・雄阿寒岳 |
雌阿寒岳の方が、圧倒的に多くの登山者が登るのは「登り易い」と「山頂からの眺望」が考えられるが、多分「登山し易い」事が一番の理由だろう。 昨日の雄阿寒岳登山の予想外の苦しさに比較すると、「半分以下の時間」で、且つ容易に登れた。 登山ルートの整備状況も関係するが、急坂が少ないことは大きい違いに思う。 雌阿寒岳の眺望の素晴らしさの一つのは「火山らしい風貌と火口から立ち上る真っ白い噴煙」がその美しさを引き立てたいる。 赤黒い土と真っ白い噴煙のコントラストを見れば「説明不要」であろう。 <下の写真参照> |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
雌阿寒岳北東】火口・フップシ岳 青沼と阿寒富士 | 噴煙・剣が峰・阿寒湖・雄阿寒岳 | 雌阿寒岳北東部火口の噴煙 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
阿寒湖温泉コース稜線 | 雌阿寒岳火口壁と噴気孔 | 阿寒富士(雌阿寒岳頂上から) 北東部噴火口の噴煙 |
西方から吹く風で寒さを感じ、頂上から少し下がった北東斜面で風をよけ、噴煙と阿寒湖を眺めながら「昼食」のスナックをほおばった。 二人連れの中年の登山者と会話を交わす。 学会で札幌に来たついでに<雌阿寒温泉コース>から「雌阿寒岳」に登山したしたようだ。 一人は帰路の急坂は「傷めている膝」を心配して、<阿寒湖畔温泉コース>を下るそうだ。 今から下る<雌阿寒岳温泉コース>はそんなに急坂だろうか??? |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
雌阿寒岳山頂定礎 | 白湯山・阿寒湖・雄阿寒岳 | 阿寒湖温泉街と阿寒湖 | 雌阿寒岳頂上部 |
山頂に50分滞在した午前10時に下山開始。 下り始めると「オンネトー湖畔」が、濃い青緑の原始林の中に「エメラルドグリーン」の湖水が際立って見える。 その背後には「阿寒湖」がフップシ岳の右に見えた。 ゴロゴロした歩き難い下山路は急坂と変った。 先程会った二人組の一人(車回収のために折り返さざるを得ない)と一緒に歩き始めた。 間もなく樹林帯に入るも、歩き難いことには変りはない。 休憩なしの下山で、11時15分に「雌阿寒温泉コース登山口」に着いた。 頂上に比べ、登山口の天気は「真夏の陽光」その物だった。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
赤沼と阿寒富士 | 雌阿寒岳から見るオンネトー湖畔 雌阿寒岳北西稜線と阿寒湖 | 雌阿寒岳・阿寒富士・オンネトー |
昨日の「野中ユースホステル」で入浴した所だった。 此処からキャンピングカー駐車場(国設オンネトーキャンプ場)までは、最短距離を通っても「約45分の歩行」を要する。 バスの便は不明だから、時々通過する観光客の乗用車による<ヒッチハイク>で戻ることに決めた。 バス停留所で待つこと5分、5−6台目で「若い女性のドライバー」が反応して停車してくれた。 「国設キャンプ場入口」を告げ、「OK」の親切な返事。 「湯の滝」に向かうと言い、反対に「道」を尋ねられた。 目的地と殆ど同じで双方安心した。 11時35分キャンプ場着。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
オンネトー湖面の雌阿寒岳・阿寒富士 エメラルドグリーンの湖水 | 双岳展望地 オンネトーキャンプ場を覗く |
昼食・休憩・写真画像のPCへの移行・写真のスライドショー鑑賞等で3時30分まで車内で過ごす。 入浴のために、先程の下山口の「雌阿寒岳温泉」に向かう。 同じ温泉でゆっくり入浴して、午後4時30分、道の駅「阿寒:鶴の里」を目指した。 約1時間で目的地に着きそこで宿泊した。 その日の夜中に雨が降り始めた。 |
『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。『Shockwave.com』の無償ソフト : 『Shockwave.com』の無償ソフト : http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html スライドショー : 【雌阿寒岳登山】 |