羅臼岳(1,661m)登山:第1編
<岩尾別温泉登山口待機>

移動月日7月23日
道の駅「鶴の里」(12:00)<つるセンタ-見学>(13:50)(14:10)ー>(17:10)宇登呂(17:20)ー>(18:10)岩尾別ー>(18:30)羅臼登山口「岩尾別温泉駐車場(泊)
天候待月日:7月24日
羅臼岳登山口:「岩尾別温泉駐車場」にて雨天の為登山中止(泊)

 羅臼岳登山口:木下小屋

移動:道の駅「鶴の里」−>羅臼岳登山口「岩尾別温泉」
【7月22日】:雌阿寒岳下山ー><温泉>ー>道の駅「鶴の里」(車中泊)
【7月23日:道の駅「鶴の里」(12:00)<鶴センター内見学>(13:50)ー>羅臼岳登山口「岩尾別温泉」駐車場
<露天風呂>(泊)

非常に静かな夜を、道の駅「鶴の里」駐車場で過ごし、前日(22日)の「雌阿寒岳」登山の疲れを癒す為、午前6時〜9:00までベットでラジオのニュース・天気予報を聞きながら横になる。 外は昨日の天気と変り、小雨模様。 この数日間も余り良くない予報だった。 10時にパンに朝食後、PCへ昨日の雌阿寒岳登山の写真を移動して、レビューをする。 形の良い「阿寒富士」と対照的な「雌阿寒岳」が思い出される。 荒々しい現在の火口と其の底部の「赤沼」「青沼」。 離れた北部の旧火口周辺の眺めは、ゆったりと波打つ砂丘のように見えた。 12時に側の「鶴センター内部を見学。 幾つものケージ内に飼育中の鶴を観察・撮影後、センター建物の鶴関連展示を鑑賞した。 2時過ぎにセンターを出発して「羅臼岳登山口:岩尾別温泉」に向かった。 羅臼岳の登山口は「羅臼村」「岩尾別温泉」はるか遠く縦走を要する「硫黄山」からの3箇所がある。 最も安全で登山しやすい「岩尾別温泉登山口」を選択した。 宇登呂のコンビニで明日の登山時の昼食の弁当を購入して知床方面に向かった。 「道道#98の「岩尾別」で右折して案内板に従い「イワウベツ川」の右岸に沿って「岩尾別温泉」に向かうが、常に「大型キャンピングカー」(車幅:2.4m)では他の車との交差の可能性で不安が付きまとう。 処々に幅員の狭い場所が有り、今回も乗用車との2回の交差で苦労した末に、立派なホテル「岩尾別温泉」の駐車場到着。 だが、宿泊者以外は駐車禁止。 入口の大きい樹木下のスペースを見出して無事駐車。 既に天候の関係もあり暗くなり始めていた。 カメラ片手に周辺の様子を観察に歩き、有名な「露天風呂」の場所を確認。 一人の登山客が入浴中だった。 撮影後、荒い桶片手に、着替えを「ショッピングバック」に入れて、入浴に向かった。  
使用したフォード・グランドタイガー     水車とホテル案内板 露天風呂案内板 露天風呂
無料の露天風呂:三段になった「湯壷」 岩尾別温泉にあるホテルの夜景:地の涯

微かな小雨が降る中、誰も居ない露天風呂を独占して入る。 天然石の湯壷が3段になり、新しいお湯が「第一段目の湯壷」に流れ込み、其のあふれたお湯が「第2段目」、「第3段目」と流れ込み、最後に「イワウベツ川」に流れ出るようだ。 第1番目は熱くて入れず、最もぬるい「第3段目」の湯加減が好みに合った。 20分間位、お湯から出たり、入ったりしたが、湯壷周辺のみが赤味の裸電球の照明以外は「真っ暗で」、川の方から「ヒグマ」が今にも出没する気配を感じてそれ以上、その露天風呂を独占して入浴し続ける気になれず、上がってしまった。 ヒグマの恐怖を感じながら、小雨の中での着替えも此処だけの経験だろうか・・・。 キャンピングカーに戻り、【夕食】をすませた。 TVニュースを見たくなり、豪華に見えた「岩尾別温泉ホテル:地の涯」を訪ねて、「明日の天気予報」を訊ねたら、『ロビーのTVを見て確認してください』との親切なアドバイスを遠慮なく受けて、午後9時30分の閉館まで休憩させてもらった。 その間「PCの写真のレタッチ」を平行して進めた。 居心地の悪くない「大型キャンピングカー」だが、ホテルのソファーには及ばない。  閉館直前まで休憩させてもらい、車内に戻り、明日の登山の可能性は低い予報を確認して、10時頃就寝。 夜中、樹木から落ちる雨の音が次第に強くなることを悟った。  

7月23日:天候不良で登山中止・駐車場待機
小雨で煙る朝、7時ごろ目覚めた。 暫く「カーラジオ」を聞きながらベッドに留まり、8時前起床。 パンとコーヒーの朝食を済ませた。 PCの写真のレタッチ、10時から「羅臼岳登山ルート」と「情報」を検討。 じゅっくり岩尾別温泉登山口から山頂までのルート・ポイントを地図と対比しながら頭に入れた。 AM11時前から「高校野球放送」を聞きながら、軽い昼食を済ませ、「羅臼岳登山情報」入手の為に、ホテルの奥にある「木下小屋」を訪問した。 木下小屋は普通の民家を思わせる佇まいの新しい綺麗な木造の建物で階段を上り、広い木製デッキを経て「入り口」に通じていた。 頭髪を剃った「修行僧」の雰囲気の40歳台の感じの良い管理人が出てきた。 事情を話すと「正座式のテーブル」の側で「お茶」を勧めながら、最近の羅臼岳のルートの様子、今日の天気の予想・ルート上の水場・高山植物の種類と場所・ルートでの「ヒグマ情報・遭遇した時の注意と退避方法」等を、懇切丁寧に提供して頂いた。 小生の自己紹介をしたら、「阿久津勇氏」個人について話が移った。 彼の自衛隊退職後の「北海道〜四国八十八箇所歩行の旅」を題材にしたエッセーの執筆、趣味の写真・スケッチの話・・・等々に及び、短時間で親近感を覚えた。 故郷を聞いて「栃木県塩谷郡」と聞いて、宇都宮在住の小生との距離の近さが更に縮った。 木下小屋のオーナーではなく「代理管理人」である事もわかった。 住所・メールアドレス・電話等をお互いに交換した。 2−3時間話し込んだ。 露天風呂の話をしたら、木下小屋の風呂へ招待された。 明日の登山後に「入浴」することにして分かれた。 
露天風呂上部の樹花 三段式の美しい露天風呂 第1段目の露天風呂

木下小屋を出てもう一度「無料露天風呂」に行き、写真で記録。 駐車場より北へ僅かに下ると川の方向に「3つの湯壷」からなる露天風呂がある。 非常に綺麗な、透明の温泉である。 日中でも入浴者はゼロ。 第1弾目の湯壷には塩ビパイプで給湯されている(写真下左から2枚目)。 其のお湯は1段目からあふれるたお湯が「第2段目」に落ち、最後に「第3段目」に入る。 徐々に湯の温度も低下するので
湯加減せずに、好みの温度の温泉には入れるわけだ。 秋になると、露天風呂を覆うように茂る広葉樹の木の葉は落ちて、紅葉した木の葉で覆われる露天風呂になるだろう。 カメラを車に置いて、 入浴に20−30m離れた「露天風呂」に入った。 頭上の木の葉から雨粒を受けながらのただ一人の入浴は最高の贅沢気分を味わう。 こんな素晴らしい露天風呂が無料で入れるのだから・・・。  富良野岳と十勝岳登山前後に入浴した「吹上露天風呂」も良かったが、入浴客が多いのに比べ、この「岩尾別温泉登山口」の露天風呂は入浴客がゼロで、最高の露天風呂と思う。 
三段目の湯壷 一段目の湯壷 木下小屋 風流な水車             ホテルの植え込みの花

フードロッカーの重要性:怖い体験(米国)
木下小屋横から羅臼岳の登山口があり、トイレ・登山届の箱・それに登山者への掲示板がある。 掲示板には「羅臼岳への登山ルート」と「羅臼平経由〜三峰(1509m)〜サシルイ岳(1564m)〜オッカバケ岳(1450m)〜南岳(1459m)〜知円別岳(1544m)〜硫黄山(1563m)〜カムイワッカ湯の滝」に抜ける縦走路(1泊2日コース)の詳しい地図があつた。 他に「キャンプする時の注意:フードロッカー」使用義務」の告示板と「ヒグマと遭遇した場合の安全な退避方法」を書いた掲示板だった。 これらの記事板からも「羅臼岳登山ルート」でのヒグマの生息濃度が高い事が伝わってくる。 
「キャンプサイトでのフードロッカー使用義務」な看板をみて、二十年前の米国駐在時代に家族4人でのドライブ旅行での怖い経験を思い出した。 3週間目に訪れたカルフォルニア州の「ヨセミテ国立公園」の宿泊設備が満員の為に、数十マイル奥の「ベアーパーク」(直訳:クマの公園)でキャンプサイトでテント泊した時に「各テントサイト」ごとに「鉄製のフードロッカー」が設置されていて、「羅臼岳登山口」と同様の理由・利用方法」が書いてあった。 我々は忠実に指示通りに「フードロッカー」に全ての食料を保管してテント内に就寝。(テント内への如何なる食糧も持ち込めなかった)  所が「不幸にして我々の「隣のテント宿泊者」がlこのキャンプ場のルールを無視して、フードロッカーを利用せず、多量の食糧を車(ピックアップトラック)に残して就寝。 真夜中に、物凄い音がした。 同時に「ベアー・ベアー・ベアー」という【叫び声】で目が完全に醒めた。 直後「わがテント」の側で「大きい牛が呼吸しながら草を食むに似た音」を聞いた。 それは「グリッズリーベアー」(北米のクマの種類=北海道のヒグマよりもやや茶色でより大型)が、隣のテント宿泊者の車内の食糧を取る為に「車」をひっくり返し、その食糧を食べる「音と呼吸の息」だった。 誰かが、そのクマを追い払う為に「物」を投げたらしく、大きい牛が走るような振動と同じ「物凄い足音」を残して、クマは逃げ去った。 その間、「数分間」は生きている心地はしなかった。 幸いにも「子供二人と女房」は熟睡中で騒がなかったので救われた。 クマは逃げ去ったがテント外に出る勇気無く、テント内に留まった。 あくる日に「パークレンジャー」(国立公園警備隊員)が、其の違反者を訪れ「公園使用ルール違反切符」(かなりの高額の罰金らしい)を切った。 一人の違反者の為に大勢が被害に遭う非常に危険な状態だった。 子供は如何して「其の時」起こしてにくれなかったのかと文句を言っ たが・・・。  人間の食料の味を覚えて近づくクマは怖い。 前夜、就寝前にトイレに出た女房が「トイレの側のゴミ箱」が散乱していたことを昨夜見たという。 その時には「クマ」がテントサイト内に既に居た事だ。 幸運にも彼女はクマに遭遇しなかった。 
        【北海道内の登山で最も怖いのは「ヒグマ」と遭遇する時】だ。
羅臼岳登山口掲示板 登山・縦走ルート図 キャンパーへの忠告:ヒグマ生息地でのキャンプ時の注意

最高の露天風呂から上がり、コーヒーを飲みながら「ラジオで高校野球放送」を聞いていたら、キャンピングカーの前に、露天風呂の方から「野生の鹿(エゾシカ)」1頭が現れ、ゆっくりと舗装道路を横切り、駐車場横の草むらに移動して、草を食みだした。 望遠レンズ(28−300mm)を装着して車外に出て、鹿の撮影試みた。 既に辺りは暗くなり始める条件だが、勿論、三脚使用の余裕はない。 手持ちでISO感度を800に設定。 20mから徐々に距離を詰めて、10〜15mの距離からで撮影開始。 若いメス鹿らしい。 草を選び、常に移動しながらの食事だが、警戒心は強くなさそうだが、目だけは常に、前後左右に動かして、周囲を警戒しているのだろうか? 35mmフイルム換算で「300mm〜最大480mm」の間でズーミングしながら連写を継続した中から、面白そうなシーンを17枚選択した。 夏に入り「鹿の毛色の斑点」は鮮明で美しい。 豊富な草に恵まれているのだろう。
 【撮影条件】 タムロン28−300mm 望遠サイドで撮影(35mm換算=300−480mm)、 ISO感度<800−1600>
 午後6時30分頃、 若葉を求めて食欲旺盛、 10mへの接近にも警戒心は少ない 
美味そうに見える「柔らかいフキの葉」は鹿の好みの食料ではなさそうだ
        
ISO感度=1600に上げても撮影条件が厳しくなった                撮影限界照度の為、5mに接近・最後の撮影
いよいよ辺りも暗くなり、ISO感度=1600(最大)にしても手持ち撮影が困難になったので、思い切り近づき、5mに近つき1枚(上部左の写真)撮影した時に頭を挙げ、流石に気づいて山中に消えてしまった。 久し振りに「動物撮影」で緊張した時間をすごした。        再度、木下小屋の「阿久津氏」を訪れ、詳細な情報・彼の手書きの絵ハガキのお礼に【麦焼酎「壱岐」】(小生の故郷:壱岐の名産品)をお礼に置いて、「羅臼岳登山ルート」の熊生息地通過時の安全の為に【大きいベル=カウベル】を購入した。 明日、登山前に「小屋に立ち寄れ」と彼は言う。 彼自慢の「10種以上の雑穀飯のおにぎり弁当」を提供してくれるらしい。 この上なく有り難い申出に喜んでお受けする返事をした。 18時〜19時に夕食後、PCの写真を約2時間レタッチして、就寝は午後9時頃だった。 明日の天気も余り好転しそうにない予報だ。 数日間は余り変らぬ天候らしく、明日は晴雨に拘らず登山する決心を固めた。

『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。『Shockwave.com』の無償ソフト : http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html

『羅臼岳登山の待機』 <スライドショー>