切込湖・刈込湖トレッキング:第1/2編
栃木県の山120

光徳牧場〜涸沼〜山王峠〜切込湖・刈込湖〜小峠
〜湯元〜湯滝〜光徳牧場


登山年月日 平成16年8月10日 曇
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要登山ルート 宇都宮(9:00)−>(10:50)光徳牧場駐車場(11:05)−>(12:00)山王峠(12:30)−>(13:10)涸沼(13:30)−>(14:30)切込湖(14:40)−>刈込湖(15:30)−>(16:00)小峠(16:20)−>(16:50)湯元源泉ー>湯の湖(17:00)−>(17:15)湯滝(17:20)ー>(17:50)光徳牧場入口ー>(18:25)光徳牧場駐車場(18:30)ー>(18:40)赤沼茶屋(19:00)ー>(21:15)宇都宮自宅
所要時間 トレッキング:6時間20分 <AM11:05-PM6:25>    
全体:12時間15分 <AM9:00-PM9:15>

切込湖に映る周辺の山並み

 切込湖岸:倒木の苔 
写真をクリックすると拡大できます
切込湖・刈込湖トレッキングルートマップ:【概念図】 【地図】
スライドショー 【第1/2編:光徳牧場〜切込湖・刈込湖〜小峠】  
  【第2/2編:小峠〜湯元温泉〜湯の湖〜湯滝〜光徳牧場】

【切込湖・刈込湖関連情報】<栃木県の山120>
切込湖・刈込湖は日光湯元温泉の北東の山中にある火山性の堰止湖で、中高年や家族連れ向きのコースとして多くのハイカーに親しまれている。 都会の喧騒を離れて心身をレフレッシュするには最適なハイキングコースである<注:栃木の山120より転載>。
【トレッキングするコース】
『左周りコース』か『右周りコース』の二通りがあるが、ガイドブックの解説は【右回り=湯元温泉〜小峠〜刈込湖・切込湖〜涸沼〜山王峠〜光徳牧場】であるが、今回はこの解説書とは反対の『左周りコース』を採用した。 今年の3月にこの『左周りコース』で登山仲間と二人で「ワカン」を履いて、光徳牧場駐車場ー>牧場ー>山王峠まで辿ったが余りに積雪が多くコースの1/3である山王峠までに2時間以上を要し、且つトレッキングルートの踏み後が不明瞭で中止した経緯がある。

宇都宮の自宅を午前9時出発。 道路は予想したよりも空いていて、2時間掛からない10時50分に光徳牧場入口の公共駐車場に到着。 駐車スペースは充分だった。 天気予報は午後山間部で雷・夕立の可能性50%を報じたが、雨具一式を携帯するので心配せずに、11時05分に出発。 『左周りコース』は湯元温泉までは3時間30分の標準時間が
示された看板とルート概念図が、コース入口にある。 山王峠に通じる車道を左に入るとミズナラを主体とする樹林帯の中をルートがあるが、地面は1mに満たないミヤコササが生い茂った心地よいコースで始まる。 緩やかな坂道を過ぎると急な勾配になるが、立派な階段が取り付けられていた。 50−60人の東京から来た中学生グループが上から降りてきたが、彼らは今朝湯元温泉を出て『右回りコース』を辿っていた。 約1時間経過した頃、樹林帯を抜け、平坦地に出た。 此処が山王峠だ。 ベンチに越を下ろし周囲の景色を確認する。 高山植物の「サワヒヨドリ」「オタカラコウ」の花を撮影して、給水・昼食(第1回目)をしながら休憩。 親子連れ、中年夫婦が「右回りコース」から光徳牧場を目指して行く。 北方向の「於呂倶羅山(2020m)」の上空が暗くなり、少し雨が落ちてきた。 合計30分位滞在して12時30分に「涸沼(カレヌマ)」目指して出発。 

切込湖・刈込湖トレッキングルートと時間 光徳牧場への入口 サワヒヨドリ オタカラコウ

直ぐに車道に出た地点に「ルート説明看板」がある。 其処を左に下る。 木道の先は不規則な石の階段が続く下りを進む。 幾組ものハイカーが上って来る。 ガイドブックに従った『右周りコース』を辿る人達だ。 約30分で山王峠から涸沼のベンチに到着。 この沼は噴火口の水が無くなって今は草原になり周囲は「三岳」「於呂倶羅山」「山王帽子岳」に囲まれている場所で、クガイソウ・イワノガリヤス・イブキトラノオ・ズミ・ヤマオダマキ・マルバダケブキ等が生えている。

マルバダケブキ 涸沼の看板 涸沼の周辺の気温 マルバダケブキの花

ミヤコザサの中からでも生えている「マルバダケブキ」の黄色の花は今の時期では最も目立つ高山植物で、他には「日光アザミ」「ハイオトギリ」が目についた。 アザミには多くの昆虫(八チ・蝶・蛾)が集まり蜜を吸っていた。 先程心配された雨模様は消えて薄かるさが蘇ってきた。 居心地の良い涸沼のベンチで20分も休憩後、目的地の「切込湖・刈込湖」を目指して草原から鬱蒼と茂る林間ルートに向かう。 その付近で「コバイケイソウの実」「ソバナ」があった。 8月初旬と言うのに紅葉を急ぐ木もある。 鬱蒼と茂る日当たりの悪い道端に「ミミコウモリ」の群生があった。 約1時間進むと『切込湖』が見えて来た。

マルバダケブキ 日光アザミに群がる昆虫類 涸沼の低部草原 マルバダケブキ
コバイケイソウ    ソバナ 早すぎる紅葉 ミミコウモリ 切込湖表示

綺麗な水を見て降りようかとしたら湖水で手を洗っている一人の婦人を見つけてスナップした。 2−3人連れらしい。 湖の端は砂浜があるので、約10−15m低い「刈込湖岸」に降りた。 降りるルートは無かったが楽に湖岸に近づけた。湖水の南側一面が苔に覆われて、特に倒木の表面の苔が湖水面に映って神秘的な雰囲気が漂っていた。 先に降りていた2−3人の婦人達は湖岸を離れて涸沼方面(「右回りコース」)に去った。 石や倒木の苔を撮影し、刈込湖方向を見ると湖水面に周囲の山並みが綺麗に映った状態は特に神秘的だ。 この湖水周辺には自分ひとりしかいない。

【切込湖岸】     一部の砂浜            倒木・湖岸の苔           湖水面に映り込んだ苔
周辺の山並み 北側の湖岸 豊富な苔に続く樹林帯

10−15分間湖岸にいた後に元のトレイルに戻り、「刈込湖」方面に向かう。 切込湖と刈込湖は約5−10mの水路で通じていた。 ルート表示看板によれば、「刈込湖」の方が大きいが安全に湖岸に降りるところは無い。 樹林越しに湖水を見ながら前進。 切込湖の説明看板に来た。 「右回りコース」なら此処が「刈込湖」を最初に見る位置だ。 此処からは鬱蒼とした樹林帯と大きい石の間を通過する登り道だが、手入れの行き届いた木製階段は諸所にある。 登りきると平坦地となり、「小峠」が近い事を知る。

オオアマドコロ 湖水中の木の根 岩についた苔 切込湖入口標識図 ミズナラの林

陽光が差し込むミズナラ樹林の下草として「オタカラコウ」が群生したところがあった。 確信は無いが「ソバナ」だろうか? 青紫の釣鐘状の花が5−6段をなしてついている。 

オタカラコウ 名前不詳 ソバナ 日光の野鳥

岩から滴り落ちる水音を聞きながら「小峠」の標識のベンチに腰掛けて、第2回目の昼食・給水・デザート(ミカン)を摂り更に休憩した。 午後4時を過ぎて誰もルートにはいないようだ。 4時20分に湯元温泉へ向けてミヤコザサの茂る道を下る。 この周辺にいる「小鳥」「植物」の説明看板は有難い。