巻機山(1967m)・割引岳@(1930m)
登山ルート:<ヌクビ沢ルート>

登山年月日 平成15年10月5日 曇〜薄晴
登山メンバー 殿川 紘史・平居さん・前田さん
主要ルート 【10/4】宇都宮(14:35)−>(17:20)沼田ー>(20:10)登山口駐車場
【10/5】登山口(6:35)−>(6:40)井戸尾根分岐ー>(7:10)割引出合ー>(8:35)ヌクビ沢出合ー><ヌクビ沢コース>ー>(9:40)行者の滝ー>(12:10)割引岳分岐稜線(12:25)−>(12:40)割引岳(12:55)−>(13:15)巻機山頂上(13:50)ー>(14:05)巻機山(14:10)ー>(14:35)巻機山非難小屋(14:45)−>(14:55)偽巻機山ー><井戸尾根コース>ー>(15:45)七合目ー>(17:10)五合目ー>(17:50)登山口駐車場(18:15)−>(20)沼田ー>(22:15)宇都宮自宅
所要時間 登山時間=11時間15分 <AM6:35−PM5:50>                           総時間=15時間40分 <AM6:35-PM10:15>



  行者の滝:ヌクビ沢

巻機山登山ルートマップ

スライドショー@:割引岳〜巻機山登山<ヌクビ沢コース>


                       【巻機山登山ルート】
巻機山登山ルートは南側:3ルート、北側:2ルートあるが、北からのルートは一般的でなく、大部分の登山者は南側のルートを使う。 前年は南側でも最も一般的な「井戸尾根ルート」を使ったので、今回は「ヌクビ沢」の沢登を味わえるコースを選択した。 このルートは「割引沢出合」ー>「吹上の滝」・「アイガメの滝」ー>「ヌクビ沢出合」ー>「行者の滝」ー>「巻機山と割引岳の中間鞍部」に到達する。 標準コースタイムは約4時間30分。巻機山山頂までは更に20分、合計標準タイムが4時間50分の時間的に長いルートである。 <井戸尾根コース:4時間30分>

登山前日の10月4日午後2時半に宇都宮自宅をキャピングカーで出発、奥日光・沼田を経て六日町から国道#291に入り、巻機山登山口・有料駐車場に午後8時到着して車中泊。 道中雨が降り、時には強くなったりで、明日の登山の可否判断が難しい状況だった。 2箇所ある駐車場にはすでに20−30台の登山者の車が駐車していた。その夜も車中で雨の音を聞きながら就寝した。

午前5時目覚め、小雨が降って居ることを確認して5時15分起床。 <定番「釜飯+味噌汁」+コーヒー>の朝食を5時30分に終了して、登山装備を支度した。 今回同行する「平居さん・前田さん」が埼玉から到着したのは6時ごろ。 幸いに小雨は殆ど止んでいた。 6時30分、駐車場を出て「登山計画書」提出ポストに向かい、手続きして6時35分出発。 「井戸尾根コース」との分岐点を左にとり「ヌクビ沢」方面に向かう。 田んぼの畦を通過して小さい沢伝いに草丈の高い小道を進む。 昨夜来の雨で濡れた草がズボンをぬらすが、スパッツのお陰で影響は最小限。 約30分で「割引出合」。 此処で沢道を選ぶ。 直ぐ流れの多い幅2−3mの渡渉だったが、雨で水量が予想よりも多いが濡れることなく、石を2−3個飛び渡って、沢の右岸へ。 

沢を数回右岸・左岸と渡渉を繰り返して、沢沿いに斜面を歩くこと20分で「吹上の滝」に出た。 此処で@回目の休止。 雨で濡れて滑りやすいルートを抜けたが、斜面伝いのルートは狭く通過に苦労するところが2−3箇所あった。 更に20分で大きい岩が続く幅:10m以上の沢となり右に大きく回りこんで、斜面を通過して「アイガメの滝」の下に到着。 急流が水を砕き、ルートもその飛沫で濡れており草・岩にしがみ付いて急坂を登り、漸くそこを通過。 A回目の休止。 沢沿いの斜面には「サラシナショウマ」「ノコンギク」「トリカブト」「イタドリ」「シシウド??」等の植物が繁茂していたが、ジュックリ観察出来るユトリは少なく、手っ取り早く撮影して前進した。 B回目の休止。  

吹上の滝 アイガメの滝 アイガメの滝から川下の展望 アイガメの滝

出発から2時間後、「ヌクビ沢出合」に到着。 この地点でルートは二つに分かれる。 「割引岳」に直登する『天狗尾根コース』と「ヌクビ沢」の渡渉を繰り返して「行者の滝」を経て「割引岳と巻機山の中間点の鞍部」に出る『ヌクビ沢コース』だ。 巻機山最初の平居さんは『天狗尾根コース』を希望したが、地図でも『天狗尾根コース』のルート不明箇所があるために予定通り『ヌクビ沢コース』を進むことに確定した。 幾つかの渡渉後、「三ー沢」と「ヌクビ沢」出合で小休止。 「ヌクビ沢」最大の滝「行者の滝」とその横の巨大な一枚岩の急坂を登る。 一応ロープが有るが体重移動の調節でそのまま滑らないで登板出来た。

ヌクビ沢出合から上流の遡上 ヌクビ沢最大の「行者の滝」横の「一枚岩」の急坂

水量は徐々に減り、沢幅も減少するがゴロゴロした石の上・間の渡渉を繰り返す楽しいコースが続く。 約10mを超える滝の左岸を急登した(写真下右2枚目)。


もう此れで沢は最後と思うとまた現れる。 我々のゆっくりペースより速いペースで後発の10数名のグループが先行した。 ヌクビ沢でも際立つた「天狗岩」も過ぎて谷の深さは減少するが更に沢登りが続く(写真下・中央)。 早朝の天気からは想像し難い好天で上空には長く伸びた「刷毛で梳いた様な不思議な雲」も現れた。

十数回の渡渉の繰り返し        ヌクビ沢の長い谷  上空の不思議な雲 背景は天狗岩

常に先行して、ルート先導役もその必要性が無い程度に判り易く、沢での危険性も少なくなったが左右からは急な崖が迫る。 ほぼ目途をを感じてか女性二人からは「バンザイ」の合図も見えた。

V字型のヌクビ沢の望遠    周囲の崖の無数の沢 殆どを登り切り思わず「バンザイ」のアクション

谷から見上げる稜線の木々は紅葉には未だ早すぎるようで「黄色」に変化している途中に見える。 雲の様子からは上空の激しい風がわかる様だ。 ヌクビ沢最後の大きい滝=崖を上りきり、此処から先は沢を離れて、左岸の崖の急坂を辿るルートが始まった。

ヌクビ沢の右岸の高い岩山 ヌクビ沢最後の渡渉と崖登り

今まで辿った沢を離れて急坂から見下ろす景色は「谷と南西方向の山並み」共に視界出来たが、南部方面には雲が覆っていた。 落葉しながら鮮やかな色の「ナナカマドの実」が左岸に在った。 12時10分に待望の稜線に出た。 やや遅れて二人が「割引岳」と「巻機山」の中間鞍部にそろった。 出発から5時間10分を経過。 此処からの展望は略南北方向に開けていた。 「コシヒカリで有名な南魚沼の水田地帯」とそれ続く山岳部に「上空の雲の位置」を示す黒い点が移動する。

ヌクビ沢最後の急坂と登山口=南方面の展望 割引岳と巻機山山頂鞍部からの展望:北側

東方向は「牛ヶ岳」・「巻機山」・「前巻機山(偽巻機山)」その遠くには「谷川岳」・「朝日岳」近くの特徴ある「鋭い三角形山」も見える。 巻機山やそれに続く山頂部は「紅葉」で黄色・真紅色の所が点々と見えた。 草紅葉と緑のハイマツ帯も美しい。 コシヒカリの産地の水田地帯が略南北に伸びる。

鞍部からの展望:巻機山山頂〜前巻機山方面 北部の水田地帯:南魚沼地方

先行して休憩中の「4人家族」の方に「記念写真」を稜線で撮ってもらった。 5時間掛けた沢登を終えた安堵感が読み取れる。 此処から見える山々は殆ど頂上部が平坦〜丸い形状でヌクビ沢等を形成する荒々しい稜線とは正反対に見える。

鞍部で記念写真 鞍部から北東部の展望 南部:前巻機山〜谷川岳・朝日岳方面

この稜線に3個のザックをデポして、左手=西方の「割引岳(1931m)」に3人で登山した。 約15分であまり広くない頂上へ。 展望は360度オープン!!。 崖場が多く険しいが紅葉が綺麗な「金城山」は北西の眼下に見え、八海山系も雲に見え隠れしていたが、「魚沼水田地帯」の整然とした黄金色の区画は別の美しさを感じる。

割引岳道中からの展望:「前巻機山」・「非難小屋」・「朝日岳・谷川岳」方面 割引岳山頂

約15分間の展望を楽しみ記念写真撮影後、デポしたザックを担いで目的地の「巻機山山頂」に向かった。 

巻機山登山A:割引岳〜巻機山山頂〜<井戸尾根コース>下山記録に続く