瑞牆山(2230m)登山
<瑞牆山荘〜富士見平小屋〜山頂往復>

登山年月日 平成14年10月30日 快晴
登山メンバー 殿川紘史 由紀子
登山ルート 【10/29】大弛峠(15:30)−>(17:05)瑞牆山荘(車中泊)
【10/30】瑞牆山荘(7:15)−>(7:50)富士見平山荘(7:55)ー>(8:15)渡渉地点(8:20)ー>(9:40)瑞牆山頂(10:30)ー>(11:50)富士見平小屋(12:00)−>(12:35)瑞牆山荘(12:55)−>(14:30)昼食(15:30)ー>(16:40)甲府駅ー>(17:05)長兵衛小屋駐車場:大菩薩峠登山口(車中泊)
所要時間 登山=6時間20分 <AM7:15-PM1:35>  総合=9時間50分  総歩数=17,000歩


   瑞牆山(2230m)山頂部の奇岩
     <金峰山山頂からの展望>
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瑞牆山登山ルートマップ
スライドショー:瑞牆山登山・第1編<瑞牆山荘〜山頂>  第2編<山頂展望〜瑞牆山荘>



【瑞牆山概要】
瑞牆山という名は古記には見当たらないが、しかしこの山が古くから知られていた事は、弘法大師文学とか古代文学称せられるものが、アマドリ沢上流の岩壁に刻せられていたという言い伝えを以ても察せられる。 奥秩父山域の一般的な山の印象=原生林に包まれた山とは違い、「岩峰を連ねた個性的」な山である。 特に金峰山山頂から眺めた「瑞牆山」は山頂の全貌とその周辺に連なる奇岩が印象的である。 一度金峰山に登り、急に登山したくなって翌日登山を決めたほどである。  瑞牆山への登山ルートは次の4ルートが在る。
@ 瑞牆山荘ー>富士見平小屋ー>ヤナギ坂ー>山頂 <登山所要時間:2時間50分>:最も一般的
A 小川山林道入口ー>林道終点ー>不動滝上ー>山頂  <登山所要時間:3時間30分>
B 大弛峠ー>金峰山ー>大日小屋ー>富士見平小屋ー>ヤナギ坂ー>山頂  <登山所要時間:6時間35分>
C 金峰山荘ー>砂防堤ー>八丁平ー>ヤナギ坂ー>山頂  <登山所要時間:5時間20分>

前日の10月29日に大弛峠から金峰山に登山して、眼下に異様な岩壁を持つ山が八ヶ岳を背景にあるのが、日本百名山:瑞牆山(2230m)であることを確認して、急遽登山することを決めて、金峰山下山後、直接最も登りやすい「瑞牆山荘」登山口に向かった。 牧丘町ー>山梨市ー>甲府市ー>須玉町ー>増富ラジュームラインー>渓流沿いに走り、1時間30分かけて日暮れ迫る「瑞牆山荘」前駐車場に到着。 幸いにも側に清潔な「トイレ」もあった。 夫々自分の好みのメニューで調理して夕食後、霧氷で満喫した「金峰山」の写真をPCに移して鑑賞して、10時ごろ就寝。

6時50分起床。 今日も天気は申し分ない。 穏やかだが昨夜の冷え込みで外気は冷たい。 今日の登山ルートは短いのでゆっくり朝食して、7時15分山荘前を出発。 ミズナラを主体とする落葉樹は今が紅葉の最盛期で周囲は紅葉で眩い位だった。 約35分掛けて先道を辿り、「富士見平小屋」に到着。 名前の如く、松林の先からは「富士山」がバッチリと展望出来た。 この富士見平小屋は「瑞牆山」と「金峰山」の登山ルート分岐点でもある。 ログハウスのように見える目立たない富士見平小屋を右に見て、瑞牆山へ向かう。 右のルートをとれば、昨日登った「金峰山」に通じる。 松林を縫ってなだらかな坂道を辿り「ヤナギ坂」を通過してゴロゴロした道を下り、8時15分、沢を横切った地点で小休止。 此処からは大きい岩の間を通過する急坂が始まった。 高度を増すに従い、松の木々の間から、瑞牆山特有の大きな丸味のある巨岩がそそり立つのが見え始めた。

  登山口から小1時間の「富士見平小屋」周辺       富士山の展望も中々良好  登山路から見る山頂部

振り返れば、同じく松の枝の隙間から「南アルプス」の峰々が見え始めた。 定かでないが「甲斐駒ヶ岳(2967m)」「地蔵ヶ岳(2764m)」「千丈ヶ岳(3033m)」あるいは「北岳(3192m)」であろうか? 

南アルプスの山並み: 間ノ岳・北岳・地蔵岳・千丈岳・甲斐駒ヶ岳等々

ルートは巨岩の間を縫って高度を上げてゆく。 右手に迫る巨大な岩峰を見て、どうやってあの頂上に辿れるのかと心配したが、其れを左に巻いて、北側から急な岩を登って頂上に到達出来た。 頂は「金峰山」から展望したよりも広く丸い形の巨岩かあらなっていた。 左(東方)は「金峰山」「国師ヶ岳」、南方は「富士山」、西方は「南アルプス連峰」の展望が開け、西北方向には「八ヶ岳連峰」が連なって伸び、その先には「浅間山」が見える素晴らしい展望の利く山頂であった。 

山頂直下の巨岩 道中:富士山   瑞牆山山頂標識・方位版          富士山望遠
八ヶ岳連峰 眼下の巨大な岩塊 金峰山頂:五丈岩 八ヶ岳連峰 南アルプス望遠

丸いテーブル状の山頂だが、岩の端に近づくと100m以上の絶壁で下は目がくらむ程の垂直に見える。 その周囲はすべて丸みは帯びているが尖塔を思わせる形状の塔が幾つも束ねられて林立する様な奇岩が無数にある。 遠景は山岳風景。 近景は岩峰群、その中間は紅葉した「カラマツ」「ナラ系統の落葉樹」「常緑の松」等が低い尾根を連ねている。 

八ヶ岳を背景で       山頂南側の眼下に続く巨大な岩隗            恐る恐る覗き込むカイカー

先ず、一番目立つ存在の「八ヶ岳連峰」をクローズアップしたい。 前日の金峰山からの展望と違い、連峰の頂が全部明瞭に展望できる。 左(南)から「編笠岳(2524m)」「西岳(2398m)」「権現岳(2715m)」「阿弥陀岳(2805m)」」主峰の「赤岳(2899m)」「横岳(2829m)」「硫黄岳(2760m)」「天狗岳(2646m)」と続き、その北に蓼科高原の主峰「蓼科山(2530m)」や「浅間山(2568m)」方面へと続く。

八ヶ岳連峰(左から):編笠岳・西岳・権現岳・阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳・天狗岳 それに続く「蓼科山系」

南東方向の彼方の山脈の頂には雪を持つ「間の岳(3189m)」「北岳(3192m)」「地蔵岳(2764m)」「千丈岳(3033m)」「甲斐駒ヶ岳(2967m)」が左(南)から展望される。

南アルプス望遠(定かでないが):間ノ岳・北岳・地蔵岳・千丈岳・甲斐駒ヶ岳

山頂の南側は100m以上の落差で落ち込み、常緑の木々の間に間に「丸みを帯びた尖塔」が聳える岩稜・岩壁が点在し、遠景の山脈よりも見応えがある。

丸みを帯びた見事な巨大な岩隗が山頂の周辺に散在する 八ヶ岳連峰を背景にして

昨日登った「金峰山山頂」の先端「五丈岩」がハッキリと確認出来、更に奥には「国師ヶ岳」も続く(写真右下)。 山頂は弱い風が吹くが、昨日の「金峰山」と違い比較的穏やかだった。 時々登山者が登ってくる。 山頂滞在50分間で、10名前後だったろうか? 

先端部には又小石? 緑と灰色の巨岩の配列 国師ヶ岳・金峰山・山頂:五丈岩

頂上の展望は何時まで見ても見飽きることがないが、10時30分に下山開始した。 岩の隙間を通過するルートでは、登山者に道を譲る為自然にスローペースになる。 11時を過ぎても山頂を目指すハイカーがいた。 山頂から1時間20分経過後の11時50分に「富士見平小屋」に到着。 小休止を兼ねて小屋周辺を散策した。 この小屋は素泊まり専用らしい。松林にはテント泊者のテントがあった。 樹林帯の中だが明るく全体に風通しもよいキャンプサイトだった。 広場には秩父山地の主要な山の地図があり、位置関係もハッキリ判った。 

富士見平小屋  小屋周辺のキャンプサイト 富士山の全貌 富士見平〜瑞牆山荘間の紅葉

明るい樹林帯を遊びながら下山開始した。 朝は坂道を急いで周囲の観察は出来なかったが、落葉した木々から十分に陽光が降り注ぎ快適な下りだった。 紅葉も瑞牆山荘駐車場に近づくにつれて最盛期の木々が増えた。 茶色と黄色主体の紅葉で、「カエデ」に代表れるような赤い色は少なかった。 12時35分に駐車場着。 

  明るい下山ルート          茶色・黄色主体の紅葉                瑞牆山荘は直ぐそこ!!

コーヒーを飲んで小休止の後、由紀子を送るためにJR甲府駅に向かった。 途中のレストランの「ホウトウ」の宣伝に引かれて、昼食で立ち寄った。 空腹のためもあるが、「山梨名物:ホウトウ」はボリュームもあり、約1時間余とたっぷり時間を掛けた昼食だった。 時間を調べて、東京までの列車に乗るためにJR甲府駅で由紀子を下し、明日はまだ天気が続くので「大菩薩峠」の登山口に向かった。 甲府市ー>塩山市ー>大菩薩ライン経由で、17時過ぎに「長兵衛小屋」横の駐車場に到着。 道中でザックも無い中高年「ハイカー」に呼び止められ、下山口を間違えたらしく同乗させて駐車場まで運んだ。 全く荷物の無いハイカーには今も理解が難しい。 地図も無いから道を間違えるのも道理だろう。 明るい内に「夕食」を済ませ、野球放送を聴きながら、「瑞牆山」の写真をPCに移し、鑑賞して22時頃就寝。