金峰山(2598m)登山:第1編
大弛峠ー>朝日岳ー>金峰山山頂

登山年月日 平成14年10月29日 快晴
登山メンバー 殿川紘史・由紀子
主要コース 【10/28】宇都宮自宅(19:30)−>(01:30)牧丘町道の駅「」泊
【10/29】牧丘町道の駅(7:15)−>(8:20)大弛峠(8:35)−>(9:00)朝日峠ー>(9:20)大ナギー>(9:30)朝日岳(9:35)−>(10:30)ケルン(10:35)ー>(10:45)金峰山山頂(11:40)−>(12:50)朝日岳(13:10)−>(13:25)大ナギー>(13:55)朝日峠(14:10)ー>(14:45)大弛峠(15:30)−>(17:05)瑞牆山登山口(車中泊)
所要時間 登山=6時間10分 <AM8:35-PM2:45>  総合時間=9時間50分 <AM7:15-PM5:05>  総歩行数=17,500歩



    金峰山山頂を目指して寒風を切る

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金峰山登山ルートマップ
スライドショウー:金峰山登山:第1編 @<大弛峠ー>朝日岳>  A<朝日岳ー>金峰山山頂>

【金峰山概要】
日本百名山のこの山読みは甲州では「キンプサン」と呼び、信州では「キンポウサン」と呼ぶ。 奥秩父の山の中で「北奥千丈岳(2601m)に次ぐ第二番目に高い山だが、奥秩父で最も展望の優れた山で、同じ日本百名山:甲武信岳の南西、異様な岩山の「瑞牆山(ミズガキヤマ)」の南東に位置する。 山梨県と長野県を結ぶ「川上牧丘枝林道」を挟んで「国師岳」と相対する。
【金峰山の登山ルート】

東西南北の夫々から登山口があり全部で4本ある。
@<北>:「川上牧丘林道」:金峰山荘〜<尾根コース>〜金峰山小屋〜山頂<登山時間:約3時間30分>
A<西>:瑞牆山荘〜富士見平小屋〜大日小屋〜大日岩〜山頂<約3時間40分>
B<南>:奥御岳林道:甲府市森林浴広場〜造林記念碑〜御室小屋〜山頂<約6時間30分>
C<東>:大弛峠〜朝日峠〜朝日岳〜鉄山〜山頂<約2時間30分>=>最短距離・易しいルート

この年の春:河口湖・三つ峠山訪問の翌日に「金峰山」登山を計画して、牧丘町内まで来て、キャンピングカーがオーバーヒートして故障のために、断念した山を、秋の紅葉には少し遅い10月末に、登山しようと思い立ち10月28日夕食を終えて、宇都宮の自宅を出発した。 今回は珍しく女房同伴。 国道#旧4号ー>#50号ー>#16ー>#411を経由して埼玉に入り、奥多摩湖畔道路を辿って「大菩薩ライン」の曲がりくねった国道をひた走り、午前1時過ぎに、目的地の牧丘町・道の駅に到着。 トイレの位置を確認して、直ぐ就寝。 明日は天気は良さそうだが、寒そうだった。

金峰山登山:第1編<大弛峠駐車場ー>朝日岳ー>金峰山山頂>

昨夜遅い到着とロングドライブで、朝起きの不得手な者には、6時起床がヤット!!。 予想以上に天気は良く、昨夜の冷え込みはきつかった。 コーヒー・パンの朝食で体を温めて7時15分、道の駅を出発ー>「川上・牧丘線」の細い曲がりの多い急な道路を路面のスリップに注意しながら運転。 8時20分、今日の登山口「大弛峠」に到着。 道の側面が駐車場で、何度も切り返してヤット駐車。 数台が駐車しているだけで少ない登山者数だ。 峠では風は強いし、あたり一面霧氷で木々は全面真っ白だった。 金峰山と反対の「国師ヶ岳」方面の斜面は霧氷で白く見えて綺麗だ。 急いで支度・防寒対策をして8時35分に峠を出て、「金峰山」に向かう。 出発の「大弛峠」の高度が2360m、金峰山(2595m)、途中に朝日岳(2579m)で途中、アップダウンのみで上昇高度は少ない。 直ぐに樹林帯に入ると風は当らないが、手先が早くも冷たい。 ダケカンバの細い枝先の白い霧氷があ青空に透けて見事!! 


樹林帯の2447mのピークを過ぎて、朝日峠で9時。 木々で陽光が届かず立ち止まると寒いので、休憩せずに前進。急坂を登ると「大ナギ」の大きい石のガレ場に出た。 此処は、このルート最初の展望地点だった。 西方の「国師ヶ岳」今朝登ってきた長野県・川上村に抜ける道路、南側全部が見下ろせる位置だった。 周辺の霧氷に覆われた風景は見事だ。 寒い中の登山の報酬?には十分過ぎる。 今年最初の寒波のお陰!! 高度=1500mm付近はカラマツの紅葉で「濃褐色」の絨毯に見え、高度が上がるにつれて、霧氷の白が覆い始める。 陽光を浴びた霧氷は輝き、日陰の木々は真っ黒く見えて、写真撮影条件としては最高の状態だった。 普段は余り自然への感動の少ない女房の満足の様子。 写真撮影に夢中になっていたら、後続の中年の5−6人のパーテイに追い越された。


「大ナキ」のガレ場を過ぎると平坦地になり、登山道両側には松の葉も一面白装束、樹林に混じるダケカンバの枝先は全部純白の塗装をしたクリスマスツリーの様にみえ、陽光があたる面はキラキラ輝く。 遠くの山も同様で陰影が強調されて美しい。 徐々に高度を上げて、2575mの標識が建つ「朝日岳」山頂。 少し西に進むと今日目指す「金峰山」の特異な山頂の巨岩「五丈岩」も見える。 その五丈岩が陽光でスポットライトを当てたようだ。


5分間の小休止中、ファインダーを覗いてはシャッターを切る繰り返し・・・。 ガレた急坂を注意して下り、鉄山(2531m)の北斜面を巻いて、目指す「金峰山」に向けて緩い勾配の樹林帯を進む。 樹林帯が切れると眼前に幾つかの「ケルン」が見えた。 遮るものが無く遠慮なく風が吹き抜けて顔面が痛い。 此処からの展望をあらわす言葉がない!! 左手は目指す「金峰山」へ続く緩やかなハイマツ帯のルートの先に岩がゴツゴツとした頂上らしきものが確認できる。 西方には、異様な岩からなる山頂を持つ日本百名山の「瑞牆山(2230m)」眼下に見え、その後方には雲で稜線は見えないがこれも日本百名山の「八ヶ岳連峰」がある。 北を見れば、瑞牆山に続く「小川山」、長野県側の「川上村」の平地が続き、動きの早い上空の雲で黒くなったり、陽光でスポットを浴びたりで、陰影が明瞭で写真に最適の景色!!。


寒さで数枚の写真を写すと指先の感覚が鈍くなる。 低温度に弱いデジカメは大丈夫だろうか? 未だ作動不良は出ていない様だ。 立ち止まるだけですることの無い女房は風を避けて、山頂へ向けて先行を促した。 背丈の低い落葉した木々の枝葉すべてが「純白の塗装」をしたようだ。 背景の黒い基調に浮かび上がる。 中景の瑞牆山周辺は雲で作り出される黒い模様でカラマツの紅葉に斑点を付けたようになり、普段見ることの無い素晴らしい景色を展開し呉れた。


山頂に向けて歩きながらもシャッターを切る。 白い装束の霧氷・黒い斑点・茶褐色のカラマツの紅葉・青い空・白い雲とすべてが兎に角派手な演出をして呉れる。 大きい石の間を縫うようにして山頂にたどり着く。 山頂標識で写真撮影していた人に頼んで「標識・八ヶ岳」を入れて写真を撮る。 八ヶ岳の正反対の南側には雲の間から富士山も見える視界は最高だった。 赤いヤッケを着ている女房はこんな景色では丁度良いアクセントになり、再々右・左と注文して位置を変えて点景に活用した。 大きい石の積み重なった頂上標識から少し低い所に大理石製の方位版があり、正面は「五丈岩」の存在があたりを圧倒している。 


風を避けて「五丈岩」の南側の祠の横が休憩場所には最適のようだった。 大理石の方位版を見るとこの山頂からの展望の豊かさが判る。 その中の幾つかを拾って見ると以下の通り。
【南方向】:富士山・河口湖・三つ峠山等々
【北西方向】:瑞牆山・八ヶ岳連峰(編笠岳・権現岳・赤岳・横岳・硫黄岳等)
【西南方向】:南アルプス(北から:甲斐駒ヶ岳・千丈岳・北岳・間ノ岳・塩見岳)が壁のように連なる
【北方向】:妙義山・浅間山
【東方向】:国師ヶ岳・奥北千丈岳・甲武師ヶ岳・大菩薩峠・雲取山・両神山等々

金峰山登山:第2編<金峰山山頂ー>朝日岳ー>大弛峠駐車場>に続く