『鳴神山(980m)』

第1編:木品登山口〜鳴神山山頂

登山年月日 平成19年01月08日 (日) 曇〜晴
メンバー 殿川 紘史・HH氏
主要ルート 宇都宮(7:10)〜(8:40)梅田南小学校前(9:25)〜(10:30)木品登山口(10:40)〜(11:00)不動の滝〜(12:30)肩の広場(13:40)〜(13:45)鳴神山山頂(桐生岳)(14:20)〜(14:25)肩の広場=雷神岳神社(14:40)〜(15:50)木品登山口〜(16:45)梅田南小学校前(17:05)〜<田沼・佐野経由>〜(18:40)宇都宮
所要時間 【登山】7時間20分 <AM9:25-PM4:45>
【総合】11時間50分 <AM7:10-PM6:40>

    鳴神山:東峰(桐生岳)からの北方向展望

写真をクリックすれば拡大出来ます

【鳴神山〜吾妻山縦走ルート概念図】  【鳴神山〜金沢峠縦走路】

【鳴神山情報】

鳴神山は群馬県の東、桐生市北部に位置する山です。桐生の市街地から近いので、市民から身近な山として親しまれています。毎年4月下旬から5月上旬にかけて、山頂付近に群生するつつじ(アカヤシオ)や「カッコソウ」の花が見られ花の山としても人気が高い。 <注:カッコソウ(勝紅草)は桜草の一種で格別に美しいが絶滅危惧種でも危機が最も高い>

その昔雷神上人が住んでいたと伝わり、それが山名の由来という。
山頂直下には雷神岳神社があり霊山らしい雰囲気に満ちている。小さな双耳峰で、見晴らしのよい東峰を桐生岳、見晴らしは利かないがヤシオツツジが綺麗な西峰を仁田山岳とも呼ぶ。

登山ルートは東西に二つあり、西側は桐生市川内町から、東側は梅田町からです。今回は東側の「梅田町」から高沢川に沿って木品登山口まで歩き、鳥居の先に樹徳高校山荘がある。 其処から登山ルートを辿りました。

【鳴神山登山の背景】

2007年度最初の登山となる「鳴神山」登山は、約5年前「荒沢岳」の山頂で遭遇したHH氏の推奨と誘いで、正月気分が抜けきらぬ時のカンフル剤としての特効薬となり、寒気で家に篭っていた状況を変える事になった。 
前夜、近郊の山ながら、真冬を意識して十分の寒気対策で準備完了して就寝。
当日5時40分に意を決して起床。 朝食を済ませて薄暗い6時15分、車を始動する時に、予期せざるハプニング発生・・・・「昨夜の冷込」でエンジンが始動できない!!

年始早々の大慌て・・・・「JAF」への至急の電話・・・・・「HH氏」への事情と遅れの可能性の連絡。 
幸いにも、6時45分・・・・電話連絡後、30分で自宅駐車場前へ到着。 直ぐに「エンジン起動成功」・・・・バッテリーが弱っているから早めに交換を忠告されて終了。 勿論、1980年代以来の年間契約の御蔭・・・・「100%JAFサービス」に感謝して、7時10分自宅出発し、待ち合わせ場所の「桐生市郊外:梅田町南小学校駐車場」を目指す。
幸い、道路の渋滞も無く、予想外に早く・・・「HH氏」の到着を約20分程度待つ余裕に安堵・・・此処で再度「JAFに感謝」。 

 【木品登山口〜肩の広場】   スライドショー 

自宅出発:7時10分ー>登山口「梅田町南小学校前」到着:8時40分。 道中道を間違えたというHH氏の好意に助けられて余裕ある出発となる。 9時到着し、9時25分に鳴神山(980m)の「木品登山口」を目指して車道歩き・・・・車道の様子から、車で入れそうなだが、ガイドブックの記載「駐車場狭小」で歩きを選択。 
前日の雨で周囲の山並みは全部新雪を被り真白で登山道は雪道を予想し、アイゼンも持参。 登山口までの「高沢川」沿いに歩く途中から陽光も射し始めた。

10時30分に「木品登山口」着。 鳥居の傍に「鳴神山」登山口の表示と大きい周辺地形の説明あり。 少し奥の家屋が「樹徳高校山荘」だろうか?  もう一度靴の紐を締めなおして、10時40分に山荘の右手の細い道を登り始めた。 
鍛冶谷戸からのハイキングルートの標識 木品登山口標識 登山口の奥には「樹徳高校山荘」がある 「雷神岳神社」鳥居

樹林帯を約10分程度歩くと、滝が右手に見える・・・「大滝=不動の滝」らしい。 間もなく、登山道にうっすらと雪が覆い始めた。 ルート沿いには「桧木」が整然と植えられた管理道路だろう。 間伐されて積み上げられた木材が新雪を被る。  雪が10cm程度積もり、石がゴロゴロした狭い場所や、急に広がり、アスファルト舗装された場所もありでとても不思議な登山道が続く。 時折、急勾配に雪が積もり滑りやすかった。
不動の滝 苔むす岩 間伐用林道はゴロゴロ石や舗装が混じる不思議なルート 杉林の視界が開け雪の量が増える

桧木の樹皮の一面だけに雪が付着した様子から、一定方向からの風の証だろう。 綺麗に間伐され、枝も上部まで落とされた良好に「管理」樹林帯が続いた。 ゆっくり歩く為に呼吸は乱れず、又休憩する適切な場所も雪で見出せず、山頂まで「15分」の標識を過ぎる。 普段は坂道に弱いHH氏も休憩は不要との返事で前進を継続。 
右手上部に青空が見え始め、稜線が近い事を悟る。 右手に「樹木の少ない部分」があり、『カッコソウ保護』を示す看板がある。 「カッコソウ」は初めて聞く花の名前だった。 <下山して初めて図鑑で知った>
山頂まで1/3地点標識 沢に近い登山道 雑木の根にも新雪が覆う 「カッコソウ」保護柵

木品登山口を出て、50分間の登坂で12時30分、稜線の「肩の広場」に到着。  此処は「吾妻山へのトレッキング路」と鳴神山の別の登山口「川内町」からの登山路の交差点でもある。 左に行けば「鳴神山:西峰(仁田山岳)」へ、右に登れば「鳴神山:東峰(桐生岳)」である。
二つの鳥居と狛犬が「雷神岳神社」を守る。  その神社は鳥居を潜った右手にある。 
「肩の広場」への直登の急坂 鳴神山〜吾妻山へのハイキングルートに交わる 右折して「鳴神山」山頂へ

 【肩の広場〜鳴神山山頂】   スライドショー 

稜線には結構強い陽光が木々の隙間から漏れるが、北方向から強い風が吹き寄せ、立ち止まると寒気がする。 手袋で冷える指先をカバーして、「肩の広場」の形式をカメラに収めた。  12時30分も過ぎる為に、空腹を感じ、寒さに敏感なHH氏が探した「神社舎」の裏手の風下で「昼食」する事に合意。  其処には早く到着した中年のご夫婦が昼食を終える時だった。 約5−10cm程度の新雪が地面を覆い所々は風で地面が露出している状況・・・・・。
こんな寒い日にも登山する「登山愛好者」がいる・・・・・と同類項の存在を見て安心した。
「雷神岳神社」の鳥居二つが肩の広場にある 双耳峰の仁田山岳へ 鳥居を潜り神社へ 風を避けて社横裏へ

真冬の登山食には「暖かい物」が最適・・・・・HH氏に買って貰った「鍋うどん」を夫々のバーナーで暖めた。 低温では「常温用ガス」は蒸発し難く、約30秒位、素手でガスボンベを暖めて、十分振り回しガス化を促進して点火した。 HH氏は準備良く、「低温用ガス」を持参していた。 
火を消すと瞬く間に「鍋うどん」が冷えるので、急いで食べた。  「事前調理済み」のために、「うどん・スープ・野菜・香辛料」等が別々にパックされて、アルミ製の薄い鍋に収めてある。 全く水分の漏れの心配もなく、登山・ハイキング等に最適の食品だった。 
神社建物裏で「鍋うどん」を作り寒さを避ける 鳥居から山頂へ 左折して山頂広場へ

暖かい「鍋うどん」を食べ、果物・コーヒーで昼食を済ませ、13時35分に山頂へ向かう。 5分で「鳴神山山頂(980m)」 。1000m以下の山ながら、予想外の展望が広く、360度には至らぬが、視界の広さに驚く。 こんな寒い日に登山した苦労?に十分過ぎる展望だ。
この頂から見える山々はガイドブック記載に因ると「榛名山」「赤城山」「袈裟丸山」「皇海山」「日光白根山」「男体山」「筑波山」「武尊山」・・・と数えると数の多さに驚く。  今日は雪雲に隠れて、「赤城山」「妙義山」「筑波山」「榛名山」以外は山頂部分が隠れて、同定は困難だった。 「桐生市街」も南東方向に見える。
石の祠が並ぶ 1000m以下の山頂に似ず360度の展望に近い 鳴神山:東峰から南方の桐生市街方面

「鳴神山」は小さい二つの峰でなる「双耳峰」で現在いる「東峰(=桐生嶽)」と西方の「西峰(=仁田山岳)」。  展望はこの東峰しかないあが、4−5月の「ヤシオツツジ」が満開になると「西峰」は素晴らしいらしい。
石の祠が4体横に並び、特に北方向の展望は見事・・・・。
東峰山頂の展望:北西方向<赤城山・皇海山・男体山?・袈裟丸山・武尊山・日光白根山>

【鳴神山(桐生岳)山頂展望】   スライドショー 

年始早々に日曜日に登山した記念に北方向を背景に「HH氏」の記念写真を撮る。 眼前の山のヒダは特に綺麗だ。 「新雪で白い筋」のある幾つかの稜線、「落葉樹林帯」を示す薄褐色の面、多分「杉か桧木」からなる常緑樹林帯の黒色のコントラスト・・・・。  その背景には頂を雪雲に隠れる高い山々も見える。 上空はそれらの雲を強い風が吹き払うが次々に湧き上がる。 
鳴神山山頂標識:赤城山・皇海山・男体山?・袈裟丸山・武尊山・日光白根山も見えるらしいが、夫々の山頂部が雪雲に覆われて明瞭な同定は出来なかった 

残念ながら、この周辺を示す「登山地図」を持参せず、方向と位置関係から可能な「山々の同定」も不正確になった。 正面から少し右=東方向=真北方向には「武尊山」「皇海山」「日光白根山」「男体山」等の百名山があり、その間には「袈裟丸山」等もあるはずだ。
正面の山の稜線の雪の白い筋と樹木の黒色 武尊山・袈裟丸山・皇海山・日光白根山方面らしい・・??

正面左手遠方に見えるのは間違いなく「榛名山」と「赤城山」だろう・・・・その右手には「武尊山」「皇海山」「袈裟丸山」や「日光白根山」・・・を見える筈だ。  HH氏は豊富な登山暦からかなり正確に同定を続ける。 
西峰=仁田山岳 赤城山?らしい 同行のHH氏は360度の展望先の山々の同定に懸命

自宅に帰ってからの同定を考えて、幾つもの角度と倍率で撮影枚数を重ねた。 山頂を覆う新雪は陽光でどんどん少なくなって一部地面の石が露出している。 
「鳴神山」は信仰の山と言うが、山頂の「4体の石祠」や肩の広場の「雷神岳神社」社舎は此れを物語る。
眼前の山の稜線と谷の凹凸に陽光が陰影:
落葉樹林帯・常緑樹林帯・雪面のコントラスト
西峰の稜線 石の祠:4体 西峰に続く稜線

『鳴神山登山:第2編』へリンク