社山(1827m)登山 <栃木県の山 120>
立木観音〜阿世潟〜阿世潟峠〜社山山頂:往復

登山年月日 平成16年7月11日  曇〜薄晴
登山メンバー 殿川紘史  単独行
登山ルート 自宅(5:40)−>(6:50)立木観音駐車場(7:10)−>(8:05)湖畔ー>阿世潟登山口(8:20)−>(8:45)阿世潟峠(9:00)ー>(9:20)中継所(9:40)−>(10:40)社山山頂・昼食(12:05)ー>(13:15)阿世潟峠(13:40)ー>(14:00)阿世潟登山口ー>(14:40)イタリア大使館別荘(15:30)−>(15:40)歌ヶ浜駐車場(16:00)ー>(18:10)自宅
所要時間 登山:8時間30分 <AM7:10-PM3:40>  
合計時間:11時間 <AM5:40-PM6:10>


    中禅寺湖湖畔から望む社山 
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社山登山ルートマップ
社山登山記録写真:スライドショー

【社山関連情報】<栃木県の山 120>
『栃木県の山120』にリストアップされた山で日光・中禅寺湖の南に位置し、周辺の「茶の木平」「半月山」比べてアプローチがやや長いため、訪れる人はあまり多くないが、右側に中禅寺湖や日光連山、左側に足尾の山々、そして関東平野の遠望と、一大パノラマを楽しめるコースで、野生の鹿の影濃い山域でもある。

登山予定の7月11日は天気予報では午後から夕立と雷の確率が50%と出たが湖畔駐車場(歌ヶ浜)からアプローチをそれ程でない為に、予定通り自宅を5時40分に出た。 中禅寺湖までの道路は日曜日だが時間が早い為、混雑もなく平日同様に空いていた。 湖畔の鳥居をくぐり、左折して木立観音に向かい、6時50分に、中禅寺湖遊覧船着き場に隣接する公共駐車場に駐車。 7時10分に出発。 駐車場の端の看板で「中禅寺湖周辺観光案内地図」を見て、社山の位置関係を確認した。 既に駐車場から中禅寺湖越しに見える形良い「社山:三角形の山」がくっきりと見えた。半月山方面に向かう「中禅寺湖スカイライン」入口手前から右のゲイトをくぐって湖畔沿いの道路を歩き「阿世潟」に向かう。 直ぐに「イタリア大使館・別荘庭」の左を通過して湖岸から少し離れた静閑な背の高い樹林帯を歩く。 風がそよぎ、下界の猛暑が考えられない涼しさだった。 湖岸の砂浜の横は中禅寺湖越しに「男体山」や「中禅寺湖市街」が良く見えた。 湖岸の砂浜で陽光を浴びながら中禅寺湖の展望を楽しむ。 1時間10分で「阿世潟」に到着(8時45分)。 

中禅寺湖周辺地図 社山への登山マップ 半月山からの眺望 歌ヶ浜からの社山 阿世潟からの男体山

樹林帯の方に方向表示があり、「社山登山口」である事を確認出来た。 ゆるい坂道に続いてよく手入された階段の登山路を上り詰めると其処が「阿世潟峠(標高:1417m)」で、案内看板がある。 左方向は「半月山(1753m)」、右が目指す「社山(1927m)」である。 樹林越しに「中禅寺湖や男体山」や「足尾方面」が見える。 足尾の山は木が少なく赤い山肌が無残にもむき出しの部分が現在でも此処から見えた。 標識のそばに,高山植物「ギボウシの花」が数株残っていた。 

阿世潟峠標識 中禅寺湖説明看板 ギボウシ 足尾銅山方面 一部は完全な禿山

阿世潟峠は標高:1417mと表示され、社山までは標高差:510mである。 軽食・水の補給を含めて約15分間休憩した9時に背丈の低い笹の茂る急坂に向かって出発。 左側がガレ場の箇所を過ぎて、気象観測用設備・中継器のある
小ピークに9時20分に出た。 大きい石に越を下ろして水の補給。 3人連れが登って来た。 此処から見上げても社山頂上は何処が判らないがガレ場を過ぎると急坂が迫る。 登山ルートは背丈の低い幼木に覆われた中に消えていた。 此処の展望は「中禅寺湖」「男体山」が眼前に見えその奥に「太郎山」、右手には半月山や駐車場も見える。 9時40分に社山への急坂を登り始めた。 途中から右後ろを振り返ると「中禅寺湖」が前面に広がり、戦場ヶ原やその奥の農場・太郎山(2368m)、切込湖・刈込湖の南にある「三岳」も見える。 何故か一本だけ早く紅葉したナナカマドの葉が背景の真緑の木々とコントラストをなす。

男体山+太郎山 中禅寺湖の眺め 気の早いナナカマド 戦場ヶ原と太郎山 八丁出島と中禅寺湖

成る程、登山ガイドブック記載の様に「相当の急坂」が続くが、道中の展望は充分に楽しめる。  「奥白根山」はガスで頂上は見えないが、男体山等の山並みは良く見えた。 中禅寺湖の「八丁出島」がはっきりと判る。 足尾の禿山は歴然だが、NHKTV特集で放送された内容を思い出しながら観察すると、3つの地域に分類出来る。 @以前として草木も皆無の地域 A草原が出来始め回復の兆しが見える地域 B草原が濃く、幼木が生長して林を形成開始した地域だ。
登山路周辺も伐採された状態と違う笹の草原が続いたが、此処も銅山の煙(SO2ガス)で枯れた地域らしい。 西の足尾方面の空は晴れ始め、一部に入道雲さえも見える。 急坂が緩んだ樹林帯を抜けると、其処に「社山」山頂標識が木に取り付けられていた。 3等三角点もある。 10時40分山頂到着だ。 足尾方面を除いて展望は良くない。 既に山頂にいた東京から着たグループに頼んで標識前で記念写真を撮って、少し前進して笹が茂る南西斜面に移動しした。

八丁出島の半島 足尾鉱山方面の禿山   足尾方面の空 回復中の笹原と幼木 社山山頂標識

ここは東北方向を除いて全体の展望が素晴らしい。 西方には「皇海山(スカイサン:2144mm)」、北西には「奥白根山(2578m)」、北には「男体山」と3つの日本百名山が同時に見渡せる。 眼前には笹原に続く「黒檜山(1976m)」や「前白根山(2370m)」「白檜山(2394m)」「錫ヶ岳(2388m)」と魅力的な山が沢山ある。 今度機会が在れば山頂から「黒檜岳」へ縦走して先手ヶ浜へ抜けてみたい。下山開始の12時までの1時間20分の間休憩・昼食の後の30分間を大きい岩上で昼寝をした。 12時05分に山頂に戻り下山開始。 男体山(2484m)の頂上はガスに隠れ始めた。 急坂を中禅寺湖を見ながらの下りは最高の展望が可能だった。

   皇海山 黒檜岳方面の笹原 公害後に回復中 正面に中禅寺湖を見ながら稜線くだり

ガスの流れが止まり「男体山」「太郎山(2368m)」「山王帽子岳(2077m)」「三岳(1945m)よりはっきりと見えてきた。振り返ると社山頂上付近から純白の雲が立ちあがる様だ。 急に中禅寺湖湖水面を這うように走るものがある。 望遠レンズで撮影ご分析したら「三角波」現象だった。 三方向から吹いて来た風が衝突して急に波が盛り上がる様に見える。 低い笹の間を縫う様に下山路が続く。 東京から来たという5−6人のパーティーが先行してくれた。 地元の人も余り登らない社山まで東京から来るなんて驚きました。 

<右:三岳・山王帽子岳・太郎山・男体山> 山頂の雲  中禅寺湖面に走る三角波 低い笹原の稜線ルート

正面に中禅寺湖を眺めながら下る稜線の展望は中継施設のあるガレ場を過ぎると高度の低下と周囲の木々で平凡になる。 13時15分に阿世潟峠着。 25分休憩して今朝登ってきた中禅寺湖岸の「阿世潟」に下り始めた。 14時40分に「イタリア大使館・別荘」に入場料:¥100で初めて訪問。 内部は綺麗に管理されて広いリビングとし執務室が繋がった真夏用の別荘である。 正面:北側には中禅寺湖や奥白根山方面が見える位置で最高の場所だ。 約10名が見学中だった。 登山の疲れを窓辺のソファーに凭れ掛かり、湖水を眺めながら、フリーの良く冷えた麦茶を何杯も頂いて
いい気分に成った。 結局40分間も内部のソファーに休憩してこの建物を出て、中禅寺湖側から建物を観察。 外庭には「ゆり」「ミヤマオダマキ」「ルピナス」「クリンソウ」「ヤナギラン」が植え込まれていた。 外部仕上げは100%木を薄くした板で装飾された非常に綺麗なデザインの外装であった。 窓ガラスの四角の枠に対して壁はモザイク調に木のタイルを張った壁であり周囲の環境に融合が図られている。 もう一度訪問したい。 建物の周囲は散策出来る広い公園に成っている。

ユリ ミヤマオダマキ ルピナス クリンソウ ヤナギラン
              【イタリア大使館・別荘】 
<左2枚>建物外装のでデザインは秀逸    建物内部空間
          湖岸沿いのガクアジサイ

15時30分に其処をでて、歌ヶ浜の駐車場には15時40分着。 装備を解いて出発。 途中、中善寺湖美術館?前で喫茶店に立ち寄り、「コーヒー+チズケーキ」セットサービスで甘みを補給して帰途についた。 今日の登山は早朝からスタートしたので例外的にゆっくりの行程を満喫したが、普通はこんな事は不可能だ。