高原山縦走栃木の山
<鶏頂山・釈迦ヶ岳・中岳・西平岳>
  (1765m)・(1795m)・(1730m)・(1712m)

登山年月日 平成16年6月17日 快晴
登山メンバー 殿川紘史・福川正勝
主要ルート 宇都宮自宅(5:50)−>(7:15)鶏頂山荘登山口(7:30)ー>(8:30)大沼入口ー>(8:45)弁天沼(8:50)ー>(9:15)釈迦ヶ岳分岐ー>(9:35)鶏頂山山頂(10:35)ー>(10:45)釈迦ヶ岳分岐ー>(11:40)大間々台分岐ー>(11:50)釈迦ヶ岳山頂(12:35)ー>(12:50)中岳山頂ー>(13:30)西平岳山頂(13:35)−>(14:10)中岳ー>(14:45)釈迦ヶ岳山頂(15:05)−>(15:45)弁天池分岐−>(16:00)弁天池ー>(1:15)スキーリフト終点ー>(16:45)駐車場(17:00)ー>(18:30)宇都宮自宅
所要時間 登山時間計:8時間15分 <AM7:30−PM4:45> 
全体:10時間40分 <AM5:50-PM6:30>

釈迦ヶ岳山頂にて
 (背景:鶏頂山)
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高原山縦走ルートマップ
スライドショー@:【登山口〜鶏頂山山頂】 A:【鶏頂山〜釈迦ヶ岳〜中岳〜西平岳〜釈迦ヶ岳〜登山口

【高原山関連情報】<栃木の山120>
塩原、鬼怒川の温泉地に囲まれた、「高原山」は次の四つの山(鶏頂山・釈迦ヶ岳・中岳・西平岳)の総称であるが、その中で「釈迦ヶ岳」が最高峰である。 この山の斜面には二つのスキー場(鶏頂山スキー場とメイプルヒルスキー場)があり、冬はスキー客で賑わうが、春から秋にかけ、静かな山旅が楽しめる。 また登山道の傍らには、かって信仰登山が盛んだったことを偲ぶ石板碑が散見できる。 登山ルートは4つあり、今回は「鶏頂山スキー場登山口」を利用した。

久し振りに「栃木の山120」の中から「高原山」を選んで登山する事にした。 珍しく早朝、5時40分に同行する福川氏が小生宅に立ち寄り、小生のキャンピングカーに乗り換えて、5時50分に出発。 国道#119経由で今市市に入り、国道#121で鬼怒川温泉を通過して、竜王峡の先で右折して「有料道路:日塩モミジライン」に入った。この有料道路は長さ当たり全国一安い有料道路で知られている。(普通車:¥610) 約15キロ進んだ「赤鳥居」前の駐車場の7時25分到着。既に3台の車が置いて在ったが、このシーズンでは山菜取りか登山だろう。 7時30分に錆びかけた「赤の鳥居」を潜り、唐松林の中のコースを辿った。 朝の露が辺りの草に残っていたが登山靴・ズボンが少し濡れる程度ですんだ。 唐松林から出たところは、スキーゲレンデ。 ここには草が生い茂っていたがその中に花壇に在るような「白い菊」が数株在った。 又草を飛び移る「蝶」にも出会う。 福川氏の説明でこのスキー場は数年前に経営難で倒産したらしい。 広い歩き易い元ゲレンデを歩くこと40分で、8寺25分、スキー場最上部に到着。 此処のスキーリフト設備は無残な形で残っていた。 二人の中高年ハイカーが休憩中だったが自分達は遅いから先行してくださいと言った。 此処から日光連山(左から男体山・大真名子山・小真名子山・女峰山・赤薙山等)が綺麗に見えた。 

登山口:赤鳥居 花壇栽培の純白の菊 タカネキマダラセセリ 日光連山の眺め

「鹿沼」への入口を通過して、再度杉らしい樹林帯に入り、寧ろ降り勾配の道となる。 諸所に泥濘の跡がある。 緩やかな上坂を辿ると、8時45分に「栄明霊神」の鳥居・石の祠・池・石碑群・釣鐘がある「弁天沼」に到着。 この一帯は草原状で開けて明るい。 道標には「左:釈迦ヶ岳へ1820m)」「右:鶏頂山へ870m」と距離が記されている。 5分の小休止して右の鶏頂山を最初に目指す。 

弁天池周辺:弁手池・祠・朽ちた木製鳥居・釣鐘・平家一門の記念碑・ツツジ シダ

大きい石が多い急なルートに変わるが、「御助水場」が在ったが殆ど飲める水はない。 両側には「何々霊神」と刻まれた石版碑の多い坂道をジグザグに登ると、9時15分に「釈迦ヶ岳」と「鶏頂山」分岐である鞍部に着く。 風も無く暑い為に発汗量が多いので水を頻繁に摂った。 左側は爆裂火口で切り立った崖でその縁に沿っている急な林間のルートを約15分登ると神社が見えて9時35分に「鶏頂山(1765m)」山頂に到着。 殆ど雲もない快晴で初夏特有の霞が少し程度の視界の利く日和となった。

霊泉:御助水 鞍部展望:御嶽と釈迦ヶ岳、中岳と西平岳 道祖猿田彦大神 鶏頂山神社・社殿

先ず、神社正面に見える南西の「日光連山」や西の「帝釈山・田代山・荒海山」や更に北には「那須連峰」も見える。初夏としては相当に視界が良い日だろう。 日射は強く炎天下ではじっとしていられない程に感じる。

日光連山:男体山・大真名子・赤薙山
・女峰山・太郎山・奥白根山等
奥怒沼山・燧岳・帝釈山・田代山等         燧岳?

神社の裏手に回ると高原山の主峰「釈迦ヶ岳」、その右手に「中岳」「西岳」と三つの峰が続く。 今日登山する主峰は「釈迦ヶ岳」だが、その右手の二つの峰(中岳と西岳)を見て、福川氏も序だから縦走しようと決まった。 稜線を見る限りほんの少しのアップダウンの様だった。 日光の奥にある「奥白根山」もクッキリと望遠レンズで撮影出来たし、その右手方向の高い山はナンだろうか? 「会津駒ヶ岳?」それとも「燧岳?」、多分「燧岳」の可能性が大きい。

鶏頂山展望:釈迦ヶ岳・中岳・西平岳    男体山・大真名子・赤薙山・女峰山    太郎山・奥白根山

勿論、日光連山は殆どクッキリと見える素晴らしい展望で、鶏頂山山頂に来てから休憩中に、大真名子山上空に真っ白い入道雲が湧き上がり始めた。 山の同定問答中に、スキー場リフト終点で会った中年夫婦が登ってきた。 この神社には「道祖猿田彦大神」が祀られていると偉く感心していた。 何かの思い出でも在る様だった。 昼食・スナックを食べて、約1時間経過した、10時35分に次の目標:釈迦ヶ岳を目指して下山開始。 10分間で鞍部に到着した。 左手の爆裂火口や鶏頂山、此れと対峠している「釈迦ヶ岳・中岳・西平岳」を観察。 爆裂火口の崖は凄い崩壊状態が続くようだ。

日光連山:男体山・大真名子・赤薙山
・女峰山・太郎山・奥白根山等
釈迦ヶ岳・鶏頂山鞍部展望:中岳・西平岳 鞍部展望:鶏頂山

その右手の火口に沿って真っ直ぐに熊笹を掻き分けながら前進。 10時52分に弁天池分岐を通過。 ひっそりと小さい石で出来た御岳山の祠が背の低い笹の中にあった。 背丈以上の熊笹が多い被さる釈迦ヶ岳へのルートは足元が見えず、至極歩きにくい。 九州の「大崩山」山頂付近のミヤコザサを思い出した。 福川氏はこんなのは初めてと随分イヤな気分だった。 笹に加え上空は高い樹林帯で風が通らず暑苦しい。 給水を頻繁にしながら、木の根や滑りやすい急坂を登る。 途中で、3人連れのハアイカーとすれ違う。 「大間々台」登山口から来たという。 間もなくその「大間々台」分岐標識を左に分けて、釈迦ヶ岳の頂上を目指す。 11時50分、その頂上に到着。 予想外に時間が掛かった。

鞍部:鶏頂山 御岳山頂祠 釈迦ヶ岳山項直前 釈迦ヶ岳山頂:標識(左)と鶏頂山(右)

頂上の展望は那須岳方面を除いて、殆ど300度の展開で大満足。 しかし強烈な陽光を遮るものが無く、陽晒し状態で第2回目の食事をした。 鶏頂山は此処から眺めると「三角形」の整然とした山に見え、その背後には藤原町〜栗山村に掛けての山岳地域が望まれ、更に背後は「日光連山」〜「奥怒沼山・帝釈山・田代山」等に続く。 日光連山には雲が湧いて頂上部を隠していた。 三角点の奥に「釈迦如来像」が鎮座していた。 此処からの鶏頂山の眺めは良い。

鶏頂山背後の展望:藤原町〜栗山村方面 釈迦如来像 藤原町・栗山村方面 鶏頂山

釈迦ヶ岳山頂北部上空に大きな雲が湧き始めた。 山頂の標識で記念写真を写す。 12時20分頃、二人の中年ハイカーが登ってきた。 鶏頂山山頂であった二人でなくその後で在った二人だった。 三角点にタッチして5分もしない中に下山していった。 何か相当に急いだ様子だった。 あんなスタイルの登山の楽しみ方は理解できなかった。 鶏頂山で合意した様に、南に位置する「中岳(1730m)」と「西平岳(1712m)」まで縦走する為、12時25分に熊笹が一面に生えた急斜面を「中岳」に降り始めた。 釈迦ヶ岳から見る二つの峰は予想よりも離れ、鞍部は鶏頂山から見た時の数倍もあり、帰途が思い遣られることを感じた。 一気に200m近く降り、中岳山頂へのルートは狭い凸凹した岩を縫いながらの時間を食うルートだったが、却って登山らしく面白かった。 山頂手前から見る「釈迦ヶ岳」も形が整っていた。 12時50分頃、視界ゼロの中岳山頂の標識で記念写真撮影して、直ぐに「西岳」に向った。 相変わらず凸凹・木の根の蔓延る狭いルートを注意深く降る。 

鞍部に来ると見上げる程高く見える「西平岳」を睨み、急坂を登ると、ガレ場に出た。 唯一高原山系で草木の生えていない地域だった。 常に崩壊が続き、表土の流出で植物が生えないことが判った。 頂上直下部のガレ場の先端に溶岩ドーム状の岩があり、眺望しながら休憩・給水。 「鶏頂山」は北西に位置し、「中岳」を挟んで主峰の「釈迦ヶ岳」が見え、中央部の小高い山が「御岳」らしい。 一先ず、樹林帯の中の「西平岳(1712m)」山頂に向かい、標識を入れて記念撮影。 背景は「釈迦ヶ岳」だ。 休憩するスペースも無い山頂を離れて、少し南方向を偵察した。 この方向に降ると「藤原町」のJR新藤原駅への登山ルートだろう。 1時間で「釈迦ヶ岳林道」の登山口に通じる。

西岳展望:(左)中岳・釈迦ヶ岳と(右)鶏頂山   鶏頂山を背に 西岳標識 西岳山頂:1712m

西岳ガレ場で5分休憩後、元の道を折り返し、「中岳」を目指す。 14時10分に山頂を通過後、鞍部手前で10分休憩。 日射が強く、予想外に疲労した。 中岳下山路で「ヨウラクツツジ」を撮影。 

西岳展望:鶏頂山 ヤシオツツジ幼木 西岳ー>中岳へ ヨウラクツツジ

西岳山頂に戻り、5分休憩後、元の道を辿り「中岳」を通過して鞍部に到達。 10分休憩後、「釈迦ヶ岳」への約200mの急坂に取り付いた。 途中で福川氏の大腿部の調子がおかしくなって休憩・休憩を繰り返す。 小生は先行して山頂で待つことにした。 14時45分、釈迦ヶ岳山頂に帰着。 周辺の山は急に発生したガスに遮られて見え隠れし、2時間前の釈迦ヶ岳の状況を大幅に変わった。 福川氏も山頂に戻り、元気付けに「グレープフルーツ」を半分ずつ食べた。

釈迦ヶ岳ー>御岳ー>弁天池ー>スキー場ー>登山口:赤鳥居
元気をもち直して、15じ05分に下山開始。 疲れた脚には足場の悪い急坂は意外に堪えるようで、福川氏の筋肉が調子が悪い。 健脚の彼が初めての経験だった。 小生の中古登山靴の右踵に予想外の剥離現象が出て、下山の距離と共にその開口部が拡大し始めた。 弁天池へのショートカットルートは石が散乱して問題のある靴には更に厳しい条件だった。 最後までもちそうだが、自己流修繕の登山靴を履いた軽率を反省!! これ程のロングトレイルとは予想外だ。 勿論、途中で色気を出して縦走に切り替えた事も、二人の夫々の問題点に影響している。 15時15分にスキーリフト終点に到達。 後はスキーゲレンデ主体の降り道だけだ。 16時45分かなり疲れて駐車場に帰着。 靴底は大きく開き、ハードシューソールがはみ出しそうな状況だった。 17時駐車場を立ち、18時30分、自宅帰着。