荒島岳登山:第2/2編
<荒島岳山頂〜シャクナゲ平〜勝原登山口
〜民宿〜鳩ヶ湯温泉>


登山年月日 平成17年8月1日  快晴
登山メンバー 殿川 紘史・ EK氏
主要登山ルート 民宿(7:20)−>勝原スキー場(7:35)−>(8:30)リフト終点ー>(10:20)ブナ樹林帯(10:40)−>(11:10)シャクナゲ平(11:15)−>(12:15)荒島岳山頂(13:20)−>(14:00)ブナ樹林帯(14:15)−>(15:55)スキー場駐車場ー>(16:00)民宿(16:50)−>(17:15)鳩ヶ湯温泉(17:40)−>(21:00)富山市内近郊(22:30)−>(23:15)道の駅(車中泊)
所要時間 登山:8時間20分<AM7:35-PM3:55>
総合:15時間40分<AM7:35-PM11:15>

        小荒島岳山頂の展望
        <荒沢岳登山路から>

写真をクリックすれば拡大できます  【荒島岳登山ルート】

【荒島岳情報】
福井県大野市の南東にそびえる「荒島岳」はその秀麗な姿から大野富士とも呼ばれる。 標高はそれほど高くないものの、大野盆地からこの山を仰げば、深田久弥が、『日本百名山』の一山としたことに納得がいくだろう。  それだけに古くから大野の人たちも多く登拝し、山頂には荒島大権現奥ノ院の堂がある。 山容が美しいだけでなく、みごとな展望や豊かな樹相なども大きな魅力だ。  『山と渓谷社:荒島岳の紹介文の一部より転載』

【登山ルート】
荒島岳への登山ルートは以下の<3コース>がある。
<1> 「中出コース」:登山口(みずごう)ー>林道登山口ー>小荒島岳ー>シャクナゲ平ー>荒島岳山頂
<2> 「佐開コース」:登山口ー>シャクナゲ平ー>荒島岳山頂
<3> 「勝原コース」:登山口(ロッギギンレイ)ー>スキー場リフト終点ー>シャクナゲ平ー>荒島岳山頂

「中出コース」の標準登山時間よりも約1時間多く掛かった、午後1時15分に荒島岳山頂に到着。 到着直後は霧の為に視界は約50m程度だったが、幸運にも徐々に晴れ始め、間もなく周囲から霧の雰囲気は消え去ったが、山頂展望概念図<下の写真>の様な周囲の山々は見える程度ではなかった。 1523mと特別に高くない百名山ながら、周囲に高い山がないので、360度の展望が出来るとガイドブックには書いてあるが、残念ながら見えなかった。 山頂は山らしくない平坦地で、山頂標識がなければ、何処が山頂か判断出来ない。 

荒島岳山頂には「九頭龍川ダム」の監視用に『電波反射板』があったが、2000年に撤去され、その跡地は高山植物相への復元作業が継続されていた。 山頂がお花畑の様に「クガイソウ」「ノアザミ」「ハクサンフウロ」「エゾノシモツケソウ」等の郡生が見られるのも、復元作業の成果だと後で判った。 

周囲の風景を入れてたくさんの花が咲く様子を撮影後、昼食開始。 その頃、我々よりも約15分遅れて、「5名の登山者」が到着した。 「シャクナゲ平」で休憩中だったグループで、地元の新潟県から来た様だ。 「パン+コーヒー+生キュウリ+ミソ汁+みかん」のメニューだった。 昼食中に眼前の「ノアザミ」に蝶が来たので中断して近接撮影した。 その後、小さい蜂も同様に「ノアザミ」に来た。 クガイソウに来た蝶は動きが早く撮影出来なかったが、ノアザミでは動きがピタリと止まり撮影を催促するように花の上で周り始めた。 

久しぶりにゆっくり昼食に時間を掛けた。 EK氏は下山後、バスで金沢市へ出て、その後「鳩ヶ湯温泉」に行く予定があるので、13時20分に下山開始。 下山中も視界が少ないので、ドンドン速度が上がった。 「シャクナゲ平」付近の樹林帯の日陰で給水等で10分間の休憩をしただけで下山を急ぎ、15時55分に登山口に到着。 途中日陰のないスキー場の急坂では午後の強い真夏の太陽光が当たり、首周辺が酷く焼けた様に感じた。 

スライドショー  【第1部】 【第2部】 【第3部】

荒島岳山頂標識 荒島岳山頂展望図 「クガイソウ」群生地 エゾノシモツケソウ
山頂神社祠跡 荒島岳山頂の電波反射板塔撤去(2002年)跡に播種され復元中のお花畑
高山植物の復元地:ハクサンフウロ・ミヤマシシウド・ニアザミ・クガイソウ・エゾノシモツケ等 アゲハ蝶
ノアザミの花を近接撮影中に飛んで来た「アゲハ蝶」:花の蜜を吸いながら少しずつ回転を開始
撮影中の人間には無関心に花の上で少しずつ右回りに回転して正面を向いた瞬間に逆方向を見て直ぐ飛び去った
ハクサンフウロ エゾノシモツケソウ 「ノアザミ」の花の蜜を吸いに来た蜂
この蜂は白山観光新道の蜂とは大きく異なる 九頭流川と貯水ダム 小荒島岳の望遠 ブナの幹に這うセミのサナギ
【セミのサナギ】
「ブナ樹林帯」を下り、シャクナゲ平付近でブナの幹に「セミのサナギ」を見つけた。 当初は抜け殻だと思って触れてみると動き出したのに驚いた。 中学時代を送った頃、夏の宿題で『昆虫採集』で「セミの孵化過程」の標本を作った時を思い出した。 九州のセミは全部、夕方日暮れ直前に地面から這い出して付近の木々の枝や幹に這い上がり、安全な所でしがみ付いて、孵化していた。 孵化開始から2−3時間程度で羽が完全に伸びて翌朝までには色も完全に成虫並みにかわり、日の出と共に飛び立っていた。 此処で見たセミは明るい午後2時−3時頃に地中から這い出していたか、間違えて昨夜孵化に失敗したかだろう。
【アサギマダラ】
暫くブナ樹林帯を下っていたら。珍しい蝶「アサギマダラ?」が前を飛び数メートル先の枝に止まった。 荒島岳山頂でもクガイソウに来た同じ蝶を見たが、動きが早く撮影は不可能だった。 レンズ交換の時間をとれば逃げられる可能性を感じて、距離は離れているが、標準ズームレンズ「17−85mm」の85mmで数枚撮影した。 その中の一枚を約7−8倍に拡大した写真である。 この荒島岳には珍しい蝶が多いことを後で知った。
アサギマダラ? 白山連峰方面の展望 九頭龍川の蛇行点 異常?に変色した杉林中の杉
荒島岳登山概念図 白山系周辺概念図:鳩ヶ湯温泉にて

駐車場で昨夜宿泊した民宿の独身の娘が経営する喫茶店に立ち寄る事にEK氏と合意した。 カーナビで「EK氏の今夜の宿泊場所:鳩ヶ湯温泉」を検索すると金沢市内へ出るなど馬鹿馬鹿しい事が判明。 民宿から約15キロ前後と凄く近いので、小生が車で一旦、EK氏を鳩ヶ湯温泉へ送れば約30−40分のロスだけと判明。 民宿横の清流で腕・上半身を洗ってサッパリした後、EK氏も安心して田舎には不相応に感じた喫茶店に入った。

 客は意外に多く注文した「コーヒー」が中々来ない。 その間、この地方の湧水を飲んで凄く美味いので、大型コップで3杯も飲んだ。 これで脱水症状は完全に回復するに違いない。 サービスに出されたお菓子を食べながら、「荒島岳情報パンフレット」を読みながら、約一時間も過ごした。 

17時頃、鳩ヶ湯温泉へ向かう。 道は九頭龍川の蛇行に沿うので道幅も狭く予想外に時間が過ぎた。 EK氏が無事唯一の温泉宿「鳩ヶ湯温泉」に入るのを見届けて、3日間の登山同行のお礼を相互に交わして、17時40分小生の明日の目的地:「立山駅」に向かった。 

道中で、20時頃給油と食料品の調達でストップ。 コインダンドリーの所在地情報を聞いて、国道を少し離れた市内で21時頃に洗濯開始。 出来上がる間、夕食後は果物を鱈腹食べて、写真画像をパソコンへ移し、コインランドリーの古い週刊誌を読んだ。 22時半頃、国道に戻り国道沿いの「道の駅」を見つけて車中泊地に決めた。 少々騒がしかったが、疲労で熟睡できた。 

『立山登山:第1日目<立山駅〜室堂〜雷鳥沢キャンプ場>』へリンク