根子岳(2207m)・四阿山(2354m)登山
第1編:菅平牧場P〜根子岳〜大隙間

登山年月日 平成20年5月23日 快晴
登山者 殿川紘史  単独行
登山ルート 【5/22】大沼〜黒桧山〜駒ヶ岳〜登山口P(12:45)〜(16:00)菅平高原牧場P(車中泊)
【5/23】
菅平牧場P(6:10)〜<菅平牧場コース>〜(8:15)根子岳(8:55)〜(9:35)大隙間〜(11:00)中四阿分岐〜(11:25)四阿岳(12:25)〜(12:45)鳥居峠コース分岐〜(13:10)四中阿〜(14:00)小四阿〜(14:45)大明神沢〜(15:25)牧場P(16:00)〜(19:00)神川町(21:10)〜(00:30)宇都宮
所要時間 登山時間:9時間15分
総合時間:18時間20分

  大隙間からの根子岳南東斜面
   <根子岳・四阿山間の鞍部>

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根子岳・四阿山縦走ルートガイド 縦走登山ルート図 第1編スライドショー

【四阿山(2354m)概要】

四阿山(あずまやさん)は長野県群馬県の県境に跨る標高2,354m。日本百名山の一つに数えられている。吾妻山・吾嬬山(あがつまやま)などとも呼ばれ、嬬恋村では吾妻山が用いられている。
約90万年前〜30万年前に活動した安山岩質溶岩による成層火山で、34万年前の噴火により直径約3Kmのカルデラが形成された。その後の侵蝕により現在の複数峰による(四阿火山)の形態に至る。四阿火山とは周辺の根子岳、四阿山、浦倉山、奇妙山の総称。志賀高原から続く火山帯に属する。       <Wikipediaより抜粋>
<登山ルート>
@「菅平牧場コース」: 菅平高原・ダボス牧場駐車場〜根子岳〜大隙間〜中四阿分岐〜四阿山:3時間25分
A「中尾根コース」: 菅平高原・ダボス牧場駐車場〜小四阿〜中四阿〜四阿山:2時間10分
B「峰の原高原コース」: 青年の家〜小根子岳〜根子岳〜大隙間〜四阿山:3時間55分
C「四阿高原コース」: 別荘地ホテル〜六合目〜四阿山:3時間45分
D「鳥居峠コース」: 鳥居峠〜林道終点〜花童子宮跡〜古永井分岐〜四阿山:3時間50分

【根子岳(2297m)概要】

南の四阿山と仲良く並んで聳えている根子岳は四阿山火山群の第一外輪山として登山者はセットで登ることが多い。四阿山が日本百名山なら根子岳は花の百名山として、春から秋にかけて様々な花が山全体を彩る。根子岳単独のルートも幾つかあり、最も賑やかなのが牧場コースで、静かな山旅をするなら峰ノ原高原コース、一般的ではないが須坂市米子瀑布からのコースもスリルがあって楽しい。



【根子岳・四阿山縦走登山背景】

赤城山登山を終了後、13時30分頃大沼湖畔を出発。 一路菅平高原へ向けて車を運転。 午後4時前に、高原入口料金所で私道通行料(¥200)を支払い、直線の急坂を登る。 16時に菅平高原・ダボス牧場事務所下駐車場に到着。 事務所で明日の根子岳経由、四阿山登山の登山口確認等を終えて、車内で小休止。 17時−18時は携帯ラジオの「大相撲中継」を聞き、18時45分までに夕食を済ませた。 その後は、駐車場で「動力パラグライダー」らしき物を調整する人に近づき色々話込んだ。 その道では日本での第一人者である「須藤氏」である事をしり恐縮しながら、経験を聞きながら、上空からの山並みの撮影の魅力に引き込まれた。 最後に、名刺交換。 須藤氏から「パラグライダー撮影記録のDVD-ROM」を頂いた。

第1部:牧場P〜根子岳山頂

5時15分目覚め、20分起床・洗面・朝食・登山荷物確認。 6時10分、駐車場傍の登山口を出発。 ダボス牧場内の細い道を、略直線状に登りながら、快晴の冷たい朝の空気を味わう。 背後を振り返ると緑の絨毯の中に所々に若葉の付けた「シラカンバ」が点在し、遠くには、高原一帯に広がる農場(白く輝く面は、フィルムで覆われた温室?だろう・・・)が見える。 正面から朝の陽光を浴びながら前進。
赤城山登山と同様に、カメラとビデオを双方使うので、その分時間が掛かる。 
菅平牧場コース登山口 菅平牧場からダボス牧場の間を縫って「根子岳登山ルート」が延びる

牧場内と言えども、上部まで来ると、駐車場付近のシラカンバの木々の新芽の色が異なる・・・当然だが、この周辺の木々の葉は初々しい。 6時50分頃、牧場を通過し、樹林帯に入る。 直ぐに第1番目の「根子岳ルート標識」を見た。 間もなく、開花した「ミネヤマザクラ」が目に入る。 「ソメイヨシノ」と違い、花と同時に、赤色に近い葉が出ている。
新芽を出したシラカンバ 根子岳ルートの背後は菅平高原が広がる 山頂まで約40%地点 ミネヤマザクラが開花中

7時05分過ぎに登山路で、開花した「ショウジョウバカマ」を発見。 少し高度を上げると、同じ花がつぼみ状態・・・・平均気温の差異が明瞭に違うことが理解できる。 第2番目の標識は、ダケカンバの幹に直接取り付けてあった。 更に高度を上げるた午前7時45分には、新芽を出していない「ダケカンバ樹林帯」を通過。 それ以上には、木々は無く、クマザサが生える景観となった。 8時を過ぎて、ルートも土から小石混じりに変わった。 兎に角、快晴の登山は気持ち良い。 
樹林帯直前にはショウジョウバカマの花が開花 シラカンバ林を貫通 ダケカンバ樹林帯が広がる  頂上近くは樹林帯が切れる

8時10分前に第3番目の標識を確認。 間もなく、勾配が緩くなり、8時15分には、根子岳(2207m)山頂到着。 其処には、石の祠が石垣の上に祭られている。 頂上は予想外に広く、ザックをそこいら下して、頂上周辺の展望を楽しみながら、「ビデオ」と「ケメラ」を引っ切り無しに使い、撮影する時間ばかり・・・。 山頂には数人が既に休憩したり、景色を撮影している。
頂上直下はクマザサ帯 山頂直前の標識 山頂から見える「四阿山」 根子岳山頂の「石製祠」と「鐘」


第2部:根子岳山頂〜北部縦走稜線

根子岳を背にすると、菅平高原の牧場と農場地帯が広がり、農業用の白いフイルムが目立つ。 予想外に牧場に見える「牛」は少ない。 目指す「四阿山」が東方向見え、その青く見える山容・・・斜面には樹林帯は青色に、その間に白色が目立つ・・・・以外に残雪が多い事に驚く。 「アイゼン」が必要な時が有りそうだ・・・・念の為に持参した事が役立ちそうだ。 
根子岳山頂の「方位盤」 山頂で「峰の原高原」と「四阿山」のルートと交差する 南南東方向に目指す百名山の「四阿山」がそびえる

30歳前後の登山者と相互に「高原」と「四阿山」を背景にして記念写真を撮り合う。 彼は四阿山に登山するか如何か未定だという。 一通り景色の撮影を終えて、朝兼昼食?として、給水届維持に、おにぎり:1個、スナック、乾燥果実等を口に入れた。 周囲の数人の登山者も皆、9時前だが、食事中である。 四阿山への縦走路は根子岳東稜線を下りて、クマザサ茂る美しい草原を抜けて、鞍部から樹林帯入る。
菅平高原を背に記念撮影 北東方向の望遠 残雪の四阿山北西斜面 根子岳山頂から南東稜線を下り「四阿山」へ

8時50分、根子岳山頂から、正面に見える「日本百名山:四阿山()」を目指して出発した。 赤茶色の土を踏みながら、東に下りるルートを辿ると直ぐに、予想外に厳しい岩の崖を通過する必要がある。 3m程度の高度差ながら、足場が見つけ辛く少し時間が掛かった。 首に欠けた「カメラ・ビデオ」が邪魔で、一旦ザックに収納して通過。 左手には「小根子岳(2128m)」から延びる平坦な稜線が美しい。 少々雪もあり牧歌的な散策コースに見えた。
根子岳山頂東側の崩壊地 小根子岳(2128m)から延びる稜線:長い平坦地と湿原が見える

左端下2枚の画像がその狭い厳しい岩の崖部分である。 この地点以降は、気持良いハイキングコース・・・が鞍部まで続く様だ。 クマザサが一面に生えた斜面で、ルンルン気分で前進。 
山頂直後に巨岩を超えるスリリングルートがある     巨岩を過ぎるとクマザサ原が鞍部(大隙間)まで続く 稜線北側が切れ込む岩壁


第3部:根子岳北部縦走稜線〜大隙間

山頂筑後の巨岩を超える狭い厳しい岩の崖部分を9時15分頃に通過した。 その巨岩の裏手の岩肌には、緑系統のペンキを薄く塗った如く、緑がかかって見えた・・・右端下2枚目の画像。 9時20分頃、根子岳方向を振り返ると右手斜面は、濃い緑色の樹林帯、左手は南側へ傾斜する草原(クマザサ)に見える。 
東斜面〜南斜面は密にクマザサが生茂る 根子岳南斜面の崩壊部 巨岩の裏(東面)は緑の苔 斜面中間点から振り返る

前方も全面クマザサ原が続く・・・・その中に幼木が点々と黒緑色が混じる。 根子岳山頂部は、この斜面から見ると2−3個の小ピークから成る様に見える。 花は少なかった(8月が最盛期らしい)が長閑な「花の百名山」のイメージである。 
山頂直下の岩を超えると長閑な下りルートとクマザサ原が南西方向にも続く 根子岳・四阿山の鞍部(大隙間)から根子岳を見上げる

9時30分頃、根子岳と四阿山の鞍部「大隙間」に到着。 樹林帯に近い場所から一面に残雪があり、先行していた中高年夫妻が立ち止り、思案中・・・・らしい。 四阿山へ登りますか??の問いに、「残雪が多そうだから、断念して再度、根子岳方向へ戻る・・・」との返事。 挨拶して、四阿山に通じる「踏み跡」伝いに前進・・・・行ける処まで進み、其処で、「アイゼン」うぃ付けよう・・・。
根子岳のクマザサ原 鞍部手前付近「四阿山北西斜面」を見上げる 鞍部の残雪と根子岳南東斜面


『四阿山縦走登山:第2編』へリンク