白山登山・第5日:第4/4編
<馬のタテガミB〜殿池避難小屋
〜別当出合登山口>

登山年月日 平成17年7月31日(木) 小晴〜曇〜小雨〜大雨〜曇
メンバー 殿川紘史 <単独>
主要ルート 【7/31】南竜ヶ馬場(6:55)ー>(7:25)南竜ヶ馬場分岐(7:35)−>(8:40)クロボコ岩(8:50)−>(9:10)馬のたてがみ(9:45)−>(10:35)殿池避難小屋(10:50)−>()別当出合分岐ー>(13:00)別当出合登山口(13:15)−>(13:25)駐車場(14:00)−>(14:30)温泉(15:40)−>(17:00)勝原・(民宿泊)
所要時間 下山時間:6時間<AM6:55-PM1:25>
総合時間:10時間<AM6:55-PM5:00>

          エゾノシモツケソウ
      <観光新道:別当出合い分岐付近>

写真をクリックすれば拡大出来ます 白山周辺登山ルート概念図   白山室堂登山ルート概念図

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南竜ヶ馬場テントサイトをベースに白山全体を登山・散策して高山植物中心に写真撮影する事。 天候次第で柔軟に計画を変更する。

【7/27】『別当出合登山口』 
5日間の登山準備・休憩
【7/28】『登山』
別当出合登山口ー>南竜ヶ馬場キャンプサイト・テント設営・周辺散策
【7/29】『室堂散策』
 南竜ヶ馬場ー><トンビ岩コース>ー>室堂平ー><室堂平周辺散策>ー>南竜ヶ馬場ー>別山付近ー>南竜ヶ馬場
【7/30】『御前峰登山・お池巡り』
 南竜ヶ馬場ー><展望台コース>ー>室堂平ー>御前峰ー>お池巡りー><エコーライン>−>南竜ヶ馬場
【7/31】『下山』
 南竜ヶ馬場ー>分岐ー>くろぼこ岩ー><観光新道>ー>別当分岐ー>別当出合登山口

後ろ髪を引かれながら、真砂坂をくだり、道中で「タテヤマウツボグサ」と「ハクサンタイゲキ」の群生に出会いながら、空模様に押されて下山速度を上げ始めた。 10時30分頃、観光新道中の非難小屋「殿池避難小屋」が濃い霧の中から現れた。 丁度良い場所の為か、屋外のベンチに大勢が休憩・何かを食べていた。 

なぜ立派な非難小屋内部で休憩しないのか不思議に思いながら小屋に入ってすぐに疑問が解けた。 小屋入口に近い内部に「トイレ」がある為に、耐え難い臭気が内部に漂う。 外に出て昼食の「パン+コーヒー+ミソ汁」を・・・と思って広げた時に雨が降り始めた。 仕方なく小屋内部に戻る。 EK氏は如何しても耐え難く、再度外に出てしまった。 

慣れると人間の鼻はすぐ鈍感になって大丈夫と信じて雨を避ける為に、内部で食事を済ませたが、最後まで駄目だった。 どんな理由かは不明だが、明らかに設計上の問題点だった。 外部にトイレ入口を作ると余程強風・降雪で機能麻痺が起こるのだろう??? 早々に昼食を終えて、外に出て、10時50分に非難小屋ー>別当出合登山口を目指した。

「観光新道」別当坂分岐直後から、凄い雷雨になり、鉄砲水が洗う沢を2度も渡渉する事になるとは予想出来なかった。 

白山登山口スライドショー 【第1部】 【第2部】 【第3部】

ミヤマシシウド タカネナデシコ タテヤマウツボグサ ハクサンタイゲキ 種々の高山植物
観光新道:真砂坂のお花畑 ハクサンシャジン タテヤマザミ ハクサンシャジン
ハクサンシャジン 殿池非難小屋 タテヤマアザミ イトギシスゲ 真砂坂稜線
殿池非難小屋を出てまもなく登山路の両側に「エゾシモツケソウ」が背の低い熊笹や雑草の中から蕾が至る所から生えていた。 色も「濃いピンク色」〜「ピンク色」〜「淡いピンク色」の花が混在していた。 霧の中から鋭いエッジ状の稜線が見えてきた。 これからの下山道は相当に勾配がきつくなる事が予想された。
エゾノシモツケソウ 観光新道稜線の岩場 ニッコウキスゲの種子
「エゾノシモツケソウ」に良く似た「ピンク色の花<右下と2段下の写真>」が見られたが、多年草らしく、「エゾノシモツケソウ」とは明らかに違うが名前が判らない。 又花の形状から同じ花の様に見えるが「色」が「白とピンク」に分かれている。之も良く見たが、図鑑からは名前を特定出来なかった。 
タテヤマアザミ オヤマリンドウ ヨツバヒヨドリ タテヤマアザミ シモツケ
真砂坂の岩 シモツケ ヨツバヒヨドリ オニシモツケソウ
「真砂坂」に所々に奇岩が現れ始めた。 白山噴火による火山特有の質感だった。 そんな岩にも色んな植物が生えており、植物の生命力の凄さを知る。
ハリブキの実 ナナカマドの色変わり オオヨモギ ミヤマホツツジ コメススキ
ヨツバヒヨドリ 真砂坂の稜線下山路 ミヤアマアキノキリンソウ ゴゼンタチバナ
かなり馬のタテガミからは高度が下がり、周囲の植物相が変わってきた。  「ミヤマアキノキリンソウ」や笹の影に「黄色のホトトギス」が開花していた。 12時直前に、「観光新道」が左に折れて別等出合登山口に通じる道と「白山(旧越前)禅定道」が別れるポイント「別当坂分岐」点に来た。  
不動滝望遠 ニッコウキスゲ ホトトギス ダケカンバ 「観光新道」:「別当坂分岐」
「別当坂分岐」を左折し熊笹の中をよく整備された「階段」が続いたが、遂に「ダケカンバ」主体の樹林帯に入った頃から、急に激しい雨が降り始めた。 大きい「ダケカンバ」の下で止まり、雨宿りすべきか、前進すべきかを考えたが、どうも一時的な雨でなさそうだと判断して、前進することとした。 凄い雨と雷の音であの尾根筋から樹林帯に下りてからであった事を幸運に思う。 首に掛けた「カメラ」の防水対策としてポリエチレンバックを二重に覆い、ジャケットの中に隠す。

如何してもザックの底部から雨具を取り出す決心がつかない。 一旦雨具を出すと、すべての荷物が濡れ、且つザックに収まり切れない心配が中心だった。 兎に角、今朝のパッキング時の「天候予想」が100%外れた事だ。 

滑りやすい大きい石の下山路は本当に歩き難い。 雨は容赦なく全身に降り注ぐ。 登山路が沢を横切る地点が何処で、どの程度の水量かが心配になって来る。 第1回目の沢渡り地点がとうとう現れた。  「幅:2−3mの泥流」を2本のストックで探りながら、水中の深さを推定するしか方法がない。  流れは速いが、深さは最大30cm程度である事を確認してまず、小生がわたり、次に「EK氏」に要領を告げるが、水の音と緊張で中々判って貰えない。 

彼女は「ストック使用」を拒んで、幸運にも無事にわたり切った。 もう同様の渡渉は無いのだろうか??? 時間の経過と共に険しい谷の水嵩は急速に増える「鉄砲水現象」が心配になって来る。 
クガイソウ ダケカンバ樹林 「柳谷の濁流」:一ノ瀬<約2時間の豪雨>
心配した通り、最後の渡渉地点が「別当出合登山口」側の吊橋の真上に在った。 「渡渉幅は約2−3m」。 今回はEK氏に十分説明して先行。 ストックでの探りでは深さは予想外に浅いが、水流は早い。 3点伝いで巧く渡渉出来そうである事を確認して先行した。 「ストック2本」をEK氏に投げて、同様のルートを辿る事を安全の為に強要した。 吊橋の側からは「砂防新道」経由の登山者数人が心配そうに二人の渡渉を凝視していた。 無事わたり終えて振り返ると、渡渉点からすぐ流れ落ちる水量の勢いに驚いた。 無事通過できた事は幸運??だったろうか・・

ずぶ濡れの姿で、別当出合登山口休憩所内に到着。 丁度13時ジャストだった。 カメラを取り出し水分をタオルでふき取りザックに収納。 小休止中の登山者は約100名位雨を避けて、バスを待つていた。 皆無事に下山出来た安堵感が顔前面に現れていた。 我々二人も同様だった。 15分休憩して、約400m下の駐車場に向かう。 雨の勢いは変わり弱くなっていた。 水の流れる駐車場までの道を急ぐ。 13時30分頃、駐車場着。 濡れたザック、靴、帽子、ジャケット等を脱いで、防水シートに包んで、キャンピングカー後部に置き、市ノ瀬下流の「白峰温泉センター」の道を急いだ。 一之瀬駐車場手前の「柳谷」に掛かる橋から見る濁流<上部写真2枚>は約2時間の豪雨とは言え、谷間に流れる水量の増加速度を目の当たりにした。 

「白峰温泉センター」に14時30分到着。 ゆっくり5日間の白山での汗を流した。 約70分後に温泉センターを出発して明日の「荒島岳」登山の為に、約30−40キロ離れた「勝原」へ向かい、予約済みの民宿に入り、女将さんの心こもる手料理を頂く。 天気は好転しそうだ。

【荒島岳登山:第1/2編<勝原コース>】へリンク