【鳳凰三山縦走登山】
第1日目<青木鉱泉〜鳳凰小屋>
第1編:青木鉱泉P〜南精進ヶ滝
登山年月日 平成19年8月24−25日 快晴 
登山者 殿川紘史単独行
登山ルート 【8/24:第1日目】
青木鉱泉P(5:35)〜(7:25)南精進滝入口(7:45)〜(8:25)鳳凰の滝(9:05)〜(9:50)白糸の滝()〜(10:35)五色滝(11:15)〜(12:05)鳳凰小屋(12:50)〜(13:35)地蔵岳(15:10)〜(15:40)鳳凰山荘(宿泊)
所要時間 【登山時間】10時間05分<5:35AM-3:40PM>
【総合時間】10時間05分<5:35AM-3:40PM>

       鳳凰三山概念地図
<左より・薬師岳・観音岳・地蔵岳>

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【鳳凰三山縦走全体図】 【三山山頂部詳細地図】  【鳳凰三山概念図】

【鳳凰三山】概要

鳳凰山(ほうおうさん)は山梨県赤石山脈(南アルプス)北部の以下の三つの山の総称である。鳳凰三山とも呼ばれる。北から順に「地蔵ヶ岳(じぞうがだけ 2,764m)」「観音ヶ岳(かんのんがだけ 2,840m)」「薬師ヶ岳(やくしがだけ 2,780m)」また、地蔵ヶ岳の西の高嶺(2,779m)は、地蔵ヶ岳より高く、三角点もある。実際には、赤石山脈の本流(県境)からは外れており、その支脈は、甲斐駒ヶ岳の南の駒津峰から始まり、仙水峠、アサヨ峰、高嶺と続くが、甲府盆地前面に張り出しているため、白峰三山仙丈岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳秩父山地甲府盆地などの眺めがよく、日本百名山に数えられている。

茶色っぽい山が多い南アルプスの中で、甲斐駒ヶ岳とともに例外的に花崗岩の白い山肌となっている。また、南アルプスの中では比較的高山植物の乏しい山である点も甲斐駒ヶ岳と共通している。地蔵ヶ岳の山頂部は地蔵仏地蔵ヶ岳オベリスク)と呼ばれる巨大な尖塔があり、甲府市内からその姿を見る事が出来る。この山域の象徴的存在である。1904年(明治37年)、この岩峰に初めて登ったのはウォルター・ウェストンである。

山小屋は薬師岳山頂直下に薬師岳小屋、そこから夜叉神峠方向にかなり下った場所に南御室小屋がある。鳳凰小屋は地蔵岳または観音岳より下った樹林帯に位置している。南御室小屋と鳳凰小屋は幕営可能であるが、薬師岳小屋は幕営禁止となる。また、夜叉神峠・広河原・青木鉱泉・御座石鉱泉の各登山口にも宿泊施設がある。
薬師岳小屋」  「南御室小屋」 「鳳凰小屋」    <WIKIPEDIA より抜粋掲載>

【登山ルート】
@ 青木鉱泉ー>鳳凰小屋ー>地蔵岳ー>観音岳ー>薬師岳ー>青木鉱泉・・・・合計時間:12時間15分
A 青木鉱泉ー>薬師岳ー>観音岳ー>地蔵岳ー>高嶺ー>白鳳峠ー>白鳳峠入口・・・・合計時間:11時間50分
B 広河原峠入口ー>白鳳峠ー>地蔵岳ー>観音岳ー>薬師岳ー>青木鉱泉・・・・合計時間:11時間45分
C 御座石鉱泉ー>燕高山ー>鳳凰小屋ー>地蔵岳ー>観音岳ー>薬師岳ー>青木鉱泉・・・・合計時間:13時間15分


【青木鉱泉P〜ドンドコ沢登山路@】 【スライドショー】

【駐車場前泊(23日)】
8月初旬、木曾駒ヶ岳・空木岳縦走登山の直後に登山予定が他用で果たせず、今回8月下旬、改めて静岡県伊豆(函南)から直接、鳳凰三山登山の為に、青木鉱泉駐車場から鳳凰小屋ー>地蔵岳ー>観音岳ー>薬師岳ー>青木鉱泉のルートで1泊2日の縦走登山を計画した。
8月23日午後函南のリゾートマンションを車で出発・・・道中で昼食して、日没近い6時30分に青木鉱泉駐車場に到着。駐車場の看板に従い、少し離れて存在する「青木鉱泉管理室」へ出向き、今夜も含めた2泊3日駐車条件で駐車料金(¥2,250)を支払う。 1日:¥750である。 暗い山道伝いに車に戻った時は既に日没を過ぎていた。 駐車場には人影は無いが、5台程が既に駐車中・・・鳳凰三山縦走中の登山者の車らしかった。
前日車中泊・定番の夕食<レトルトカレー+サラダ+コーヒー+果物>を済ませ、明日から1泊2日の縦走登山の装備の点検を終えた午後9時頃就寝。

8月24日】
午前5時起床・車内でお湯を沸かし朝食<パン+バナナ2本+紅茶>を済ませた。 5時35分、薄暗い中を駐車場出発。 青木鉱泉本館前から小さいが目立ち易い標識に沿って、「ドンドコ沢」経由で地蔵小屋への登山路を選択した。
青木鉱泉有料駐車場 駐車場から「青木鉱泉」建物へ 「ドンドコ沢」登山道 「ギボウシ」の花

青木鉱泉の屋敷の端に、「ギボウシ」「クルマユリ」「ミヤマシシウド」が咲いていた。 5時35分、青木鉱泉を出発。 不思議だが登山者は自分以外は誰もいない。 平坦な車道?を歩き5時45分頃、「ドンドコ沢登山道」と「薬師岳登山路」の分岐点に達した。 右側の「ドンドコ沢登山道」を辿る。 そこの看板には「鳳凰三山の登山概念図」があった。
「クルマユリ」 「ミヤマシシウド」 「ドンドコ沢登山道」と「薬師岳」分岐の道標識 右の「ドンドコ沢」を辿る

ドンドコ沢に沿っているルート故に朝早い関係で多少薄暗く感じる。 道端には「シナノナデシコ」「イブキボウフウ」「オオイタドリ」等があ花を咲かせている。 6時05分にドンドコ沢の堰堤工事現場に差し掛かる。 そこの看板には「鳳凰三山の高山植物の花の写真」と「鳳凰三山の登山概念図」があり、丁寧にカメラで撮影した。
「シナノナデシコ」 「イブキボウフウ」 「オオイタドリ」 「ダム工事現場」 「鳳凰三山概念図」

堰堤工事現場右横の細い道を辿る頃、40歳代の単独行の男性登山者が後ろから来た。 写真撮影で立ち止まる頻度が多いから・・・と遠慮する男性に先行して貰った。 「ミズヒキ」「ヤマハハコ」「マルバタケブキ」「メタカラコウ」等の高山植物の花が道脇の日陰に咲いていた。 登山路は薄暗く、凹面をなす登山路を跨ぐ様に、苔蒸した倒木が横たわり、その先に不明瞭な「ドンドコ沢登山路」の表示があった。 ウエブ検索で、この付近でルートを見失い、30分程度時間をロスしたとの記載があった。 偶々表示を見つけたが、運が悪いと簡単に見逃す程度の表示とテープだった。
「ミズヒキ」 「ヤマハハコ」 暗い「ドンドコ沢」登山路 「マルバタケブキ」 「南精進ヶ滝と地蔵岳」方面 「メタカラコウ」


【ドンド沢登山路@〜南精進滝入口】 スライドショー

この「ドンドコ沢登山道」には幾つもの「滝」があるらしい。 その第一番目の滝<南精進ヶ滝>の方向が「標識」にある。 「山側登山道」と「川沿登山道」の分岐点で、「山側登山道」を選択して前進。 薄暗い樹林帯内の登山路沿いに「バイケイソウ」「ソバナ」等の花や食用に成りそうな「キノコ」が見つかった。
「二つの分岐道」 「バイケイソウ」 「ソバナ」 倒木に着いた「キノコ」 「ドンドコ沢」登山道の下草

薄暗い樹林帯の登山路の中で、急に色鮮やかな柿色の花「フシグロセンノウ」、更に驚く程次々に「レンゲショウマ」の花株が幾つも現れ、木漏れ陽を受けて輝く花の撮影に時間を費やした。 殆どの「レンゲショウマ」の花は下向きで花の中心の「シベ」を中々上手く撮影出来ない。 全体が暗く、花が2cm程度と小さい為に、花に近づく関係で、光量不足で、カメラブレの心配をする。
「ソバナ」 「フシグロセンノウ」 日陰に咲く「レンゲショウマ」の群落に出会う

山側から河原に近づき「南精進ヶ滝・地蔵岳」方面を示す標識の前後で、「バイケイソウ」「ノリウツギ」「ミヤマシシウド」
「レンゲショウマ」の花があった。 
「レンゲショウマ」 「バイケイソウ」 「南精進ヶ滝・地蔵岳」方面 「ノリウツギ」 「ミヤマシシウド」

更に「レンゲショウマ」「マルバタケブキ」「テンナンショウ?の青い実等も見ながら緩い勾配の登山路を前進。 途中で小さい沢水が流れる付近を通過。 滝が近づいた気配を感じた。
「レンゲショウマ」 「マルバタケブキ」 「トゲブキ」の実 「ドンドコ沢」登山路の小さい沢の水流


【南精進滝周辺】 スライドショー

「南アルプス国立公園・南精進ヶ滝」の看板に出会う。 その地点で脇道に逸れて「南精進ヶ滝」方向へ別れる。 7時30分頃、其処に黒大理石の「遭難慰霊碑」があった。 その「蝉の諦く短き生涯閉じにけり」と書かれた碑文字にご両親の耐えがたい気持が感じられた。 昭和62年11月8日に命を落とした東洋大学ワンダーフォーゲル部員だった息子を偲ぶ慰霊碑に少し息を呑む。 約2年前に病気で娘に先立たれた事を思い出してしまった。 
約50m程度前進すると滝の音が聞こえ、眼前に流れ落ちる水流が走る。 「南精進ヶ滝」でどうも2段の滝らしい・・・落差は50m程度・・・とのウエブに記載されてある。 
遭難慰霊碑 「南精進ヶ滝」へ 「南精進ヶ滝」下流部・右側上部に滝が見える

左正面から2段になって流れ落ち、2段目は三角形の形に見える。 一部に朝日が当たり、全体の撮影が難しい。 滝壺付近には水飛沫が飛散し、対岸の岩割れ目に「タカネビランジ」と思われるピンク色の花の塊が2−3見える。
「南精進ヶ滝」中流・上流部 「タカネビランジ」 2段の滝上部ー>中段部 滝壺部

滝の周辺には「タカネビランジ」「ヤマホタルブクロ」「キオン」が咲いていた。 上部の滝(一段目)は2段目に比べ、幅は狭く、落差も大きく、勾配も急に見える。 
第1段目の滝 第2段目の滝 「タカネビランジ」 「ヤマホタルブクロ」 「キオン」

滝壺の真上に出て、再び異なったアングルから滝を撮影。 陽光が当たると白濁した水は白く飛んで水の質感が残らない。 滝壺の周りに黄色の花「エゾキリンソウ」や青紫色「ヤマホタルブクロ」が咲いていた。 
第1段目滝上部 「エゾキリンソウ」 第2段滝滝壺 第1段と第2段目滝全貌 第2段目滝から滝壺

眼下の滝壺から水を集め、再び、10数メートルの落差の滝が左手方向にあるらしい・・・俯瞰出来る位置へのアクセスが不可能であった。 「南精進ヶ滝」の全貌は掴めなかった。 7時50分頃、元の標識「南精進ヶ滝」へ戻った。
第3段目滝の落下口 第2段ー>第3段目 第2段目の滝 南精進ヶ滝との分岐


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