【木曾駒ヶ岳〜空木岳縦走登山】
第1日目
<第1編:木曾駒ヶ岳〜千畳敷〜極楽平〜濁沢大峰>

登山年月日 平成19年8月8−9日 晴〜曇 <1泊2日>
登山者 殿川紘史単独行
縦走ルート 【8/8:第1日目】
頂上木曾小屋(6:15)〜(6:25)木曾駒ヶ岳(6:30)〜(6:40)中岳〜(6:55)乗越浄土〜(7:25)千畳敷〜(8:05)極楽平(8:10)〜()濁沢大峰〜(10:10)桧尾岳(10:35)〜(12:00)熊沢岳(12:05)〜(13:00)東川岳(13:10)〜(13:30)木曾殿山荘(泊)
所要時間 【登山時間】7時間15分<6:15AM-1:30PM>
【総合時間】7時間15分<6:15AM-1:30PM>

       ブロッケン現象
    <木曾駒ヶ岳山頂にて>

写真をクリックすれば拡大出来ます 【スライドショー】をクリックするとスライドショーがご覧いただけます

【木曾駒ヶ岳・空木岳縦走マップ】 【木曾駒〜空木岳縦走地図】 【木曾駒〜戦場敷カール〜島田娘周辺詳細】

【空木岳】
空木岳(うつぎだけ)は長野県にある標高2,864mので、木曽駒ヶ岳に次ぐ木曽山脈(中央アルプス)第2の高峰である。日本百名山の一つであり、駒ヶ根市飯島町大桑村の境界にそびえる。空木という山名は、伊那谷ウツギの白い花が満開の時期、空木岳の頂上だけ雪が残っているのが見え、残雪とウツギの花を重ね合わせたことに由来する、といわれる。深田久弥日本百名山を選ぶ際、木曽山脈南半分から一つ選ぼうとして南駒ヶ岳と空木岳とで迷った結果、最終的にはわずかに背が高いこと、そして山名の美しさから空木を選んだという。山頂一帯は花崗岩の岩場であり、砂礫による滑落に注意して通過する必要がある。空木岳の頂上東側は空木平と呼ばれる圏谷地形で、高山植物の宝庫である。また西側に下った鞍部は木曽殿越と呼ばれ、木曽義仲が越えたという伝説がある。北隣の東川岳(2,671m)からは目の前に立ちはだかるようなピラミッド状の空木岳を見渡せる。
                      <Wikipedia より抜粋>
【登山ルート】
概略すると、空木岳へのアクセスは東西南北の其々からルートがあるが、何れも一日での到達は容易でなく、普通なら1泊2日の工程となる。 今回は木曾駒ヶ岳登山後に空木岳へ縦走するルート=@を辿った。

@【北側】千畳敷経由ー極楽平ー桧尾岳ー東川岳ー木曾殿山荘ー空木岳    <合計:8時間>
A【東側】菅の台ータカウチ場ー駒峰ヒュッテー空木岳    <合計:7時間40分>
B【西側】JRくらもと駅ー金沢土場ー木曾殿山荘ー空木岳    <合計:約10時間>
C【南側】伊那川渓谷登山口ー越百山ー南駒ヶ岳ー空木岳    <合計:約12時間20分>


【頂上木曾小屋〜乗越浄土】 【スライドショー】

昨夜6時30分に就寝・・・記録的な早い就寝で中も熟睡出来た模様。 今朝は5時20分起床・・・5時40分頃から朝食(これで終日縦走するエネルギーが摂取出来るか心配な内容・・)。 直に出発準備にザック内容の確認とパッキング。 道中での昼食を念頭に・・・・。 6時15分、頂上木曾小屋を単独で出発。 今日は昨日の午後よりも天気は好さそうだ。 木曾駒ヶ岳に一旦登り、中岳経由のルートとして、小屋裏からの木曾駒ヶ岳巻道は取らなかった。 宝剣岳、三ノ沢岳を前景に今日目指す「空木岳」方面の景色を撮影して山頂へ到着・・・。
丁度6時27分・・・山頂から空木岳方面を見ていた時に背後から朝日が射し、前景の三ノ沢岳斜面から登る霧の上に「ブロッケン現象」を発見・・・大急ぎでカメラを「マニュアル設定」に変更して、それをズーム最大で第1枚目を撮影・・映像を確認して、第2枚目を条件変更で撮影するまで、10秒以内・・・だが、ブロッケン現象は殆ど消えてしまった。
PCで画像をレタッチして「ブロッケン画像」を観察すると頭が円の中心に位置し、虹の円が一重、その外に二つ目の円が見える。 更に注意深く見ると、右上には第三の円の一部が写っている。 ウエブで検索すると、二重の円も出来る・・・と記載されている。 本当に珍しいブロッケンに遭遇しいた様だ。 一瞬の幻想的な自然現象に遭遇出来てラッキー・・!! 今日は良い事が在りそうだ・・と縁起を担いだ。 
早朝の澄み切った空気のお陰で北方向の雲海の上に「奥穂高岳」・・側に「前穂高岳」・・・その周辺の特徴ある凹凸が幾つも確認出来た。
頂上木曾小屋から見る「宝剣岳〜三ノ沢岳方面」 乗鞍岳〜穂高岳方面? 「ブロッケン現象」に遭遇 奥穂高・前穂高岳?

「乗鞍岳〜笠・穂高岳方面〜甲斐駒ヶ岳方面?」、「伊那前岳・2911mピーク・中岳」、南アルプス越しの「富士山」、「宝剣岳稜線」越しに空木岳と南駒ヶ岳方面を再度撮影。 6時35分に山頂を出発して中岳方向へ歩き始めた。 
乗鞍岳〜笠・穂高岳方面〜甲斐駒ヶ岳方面 伊那前岳・2911mピーク・中岳    富士山     宝剣岳稜線〜空木岳・南駒ヶ岳

昨夜、頂上木曾小屋へ宿泊した中高年女性が単独で山頂へ登って来る。 三ノ沢岳頂上にも朝の陽光が当たり始めた。中岳への下りルートに来ると、雲海に浮かぶ「木曾御嶽山」が中岳の左手に見える。 クローズアップしたら、山頂付近は陽光が照らして居るようだ。 登山者5―6名が木曾駒ヶ岳へ登って来たが、彼等は頂上山荘、天狗荘、又は宝剣荘の宿泊者だろう・・・。
三ノ沢岳方面」 中岳(手前)と御嶽山望遠     雲海に浮かぶ御嶽山 宝剣岳稜線〜空木岳・南駒ヶ岳   「南アルプス方向?」

上空は殆ど全体が青空が占め、本日の好天を保証する様だ。 6時40分、中岳を超えて、乗越浄土の山荘そばまで来た。 今日の空木岳までの縦走ルートは二つある。
<#1>乗越浄土ー>宝剣岳山頂ー><険しい稜線沿い>−>「極楽平」:所要時間推定=50−60分・・・危険度大
<#2>乗越浄土ー>八丁坂ー>千畳敷カールー>千畳敷駅ー>極楽平:所要時間推定=90分 ・・・・安全大
危険を避けて<ルート#2>に決定。 オットセイ岩越しに富士山がはっきり確認出来た。 6時55分、八丁坂を下山開始。 
宝剣岳〜三ノ沢岳(右奥) オットセイ岩と富士山望遠 天狗小屋・中岳(右奥) 空木岳・南駒ヶ岳望遠 乗越浄土と千畳敷


【乗越浄土〜千畳敷〜極楽平】 スライドショー

八丁坂のジグザグ路を下るのは早い!! 坂の下部付近で、木曾駒方面へ登る登山者とすれ違う。 千畳敷カールから宝剣岳やその凹凸の多い稜線を見上げると、真っ青な空・黒い岩隗・高山植物の緑・花の黄色が混じる見事な光景が眼に入った。 
乗越浄土から千畳敷越の「南アルプス連峰」望遠 宝剣岳と側の岩隗 同左の拡大

今日の長い稜線縦走を考えると道草は喰えない・・・と数枚の写真撮影に留め前進した。 7時25分頃、千畳敷カールに降りた。 ルートの直ぐ右側斜面には無数のミヤマキンポウゲの黄色の花とハクサンイチゲの白色の花が目立つ。
千畳敷から続く高山植物と宝剣岳周辺の険しい岩隗 乗越浄土から八丁坂を下り宝剣岳方面を見上げた風景

カール低部にある「剣ヶ池」の縁には早くもカメラマンが朝の静かな池面に映り込む「宝剣岳とその稜線」の写真でも狙っているのだろうか・・・・。 7時35分、小休止して千畳敷ホテル前を出発してジグザグの坂道を辿り、「極楽平」へ向かう。
 「タカネオトギリ」が朝の陽光を受けて、眩しく輝く。 ここからチングルマが岩間に咲く坂道が始まった。  
八丁坂分岐から見えた「宝剣岳の岩隗」と「剣の池」 木曾駒ヶ岳を目指す夫婦    「タカネオトギリ」    チングルマ咲く極楽平への道

前を見たり、右横・下等の見ながら、出来るだけスローペースを意識して登坂・・・。 中高年の男性3人組が後ろから来る。 朝は早いが、陽光も強く、汗が出る程の気温に感じる。 高度を増すにつれて、千畳敷ホテルの赤い建物が小さくなり、伊那前岳に続く稜線の上に「南アルプス連山」が見える。 極楽平御直前で、草むら中に可憐な花「ミヤマホツツジ」を見つけて撮影した。
極楽平への坂道から展望する宝剣岳とその稜線 極楽平への坂道から展望する「千畳敷ホテル」とアルプス 「ミヤマホツツジ」


【極楽平〜濁沢大峰付近】 スライドショー

8時05分、極楽平の標識側に到着。 一人の女性登山者が宝剣岳方向をみて立ち尽くし何か思案中・・・多分、木曾駒ヶ岳登山ルートを考えているのだろうか? 岩場の険しい宝剣岳越えルートか、安全な千畳敷〜八丁坂〜乗越浄土のルートにしようか・・・と勝手な想像をした。 凄く展望が効く・・・30−40分前までは雲海に浮かんでいた「木曾御嶽山」周辺の霧が消えて、麓まで綺麗に見える。 「島田娘(2858m)」や「2711mピーク」方面や三ノ沢カールにあるピラミダルな「三ノ沢岳」は眼前に見える。 5分間だけ休憩@して、8時10分に極楽平を出発。 緩い勾配の稜線を歩き始める。 
千畳敷と宝剣岳から交差する「極楽平」 木曾御嶽山の望遠 「2711mピーク」方面 ピラミダルな「三ノ沢岳」

足元には10cm程度の背丈の高山植物が眼につき始めた。 「タカネツメクサ」と「チシマギキョウ(長い毛あり)」が混じりる。 此処で気がついたが、「イワギキョウ」と「チシマギキョウ」の双方がある。 チシマギキョウには花びらの周辺に羽毛が生え、イワギキョウには羽毛がない。 「エゾハハコヨモギ」?を砂礫の中に生育している。
振り返ると島田娘(2858m)のピークが団子の様に見え、その左側に目を凝らすと今朝通過した「木曾駒ヶ岳」や「中岳」が見えた。 
「タカネツメクサ」と「チシマギキョウ(長い毛あり)」 「エゾハハコヨモギ」? 「木曾駒ヶ岳」・「極楽平」・「島田娘(2858m)」・宝剣岳稜線

なだらかな稜線に一本の筋=縦走路が続き、その先に丸い皿を伏せた形の山は「木曾駒ヶ岳」だ。 木曾駒ヶ岳周辺では結構頻繁に「ウスユキソウ」を見かけた。 狭い範囲でもそれらは全部が同一ではない事が素人の小生でも解る程度の差異が見えた。 図鑑によると薄雪草(ウスユキソウ)には結構種類が多い・・・8種類ある。 この稜線には「ヒメウスユキソウ」が多いと出ていた・・・そう意識するとその様にもみえるが,隣は少し異なる。 足元だけでも結構楽しみながら縦走出来るが、目を進行方向に移すと「島田娘」付近からの展望は素晴らしい!! 稜線は曲がりくねるが凹凸があり、「檜尾岳」、「大滝山」、「熊沢岳」、「東川岳」の順序に並び、「空木岳」の右手奥にはどっしりした「南駒ヶ岳」が見える。
「木曾駒ヶ岳」望遠 「ヒメウスユキソウ」 「島田娘」付近からの展望:「檜尾岳」「大滝山」「熊沢岳」「東川岳」「空木岳」「南駒ヶ岳」

写真撮影で道草を食う機会が多い小生を追い越して、大きいザックを背負った中年男性が先行した。 又足元がどうしても気になる・・・・長毛の無い「イワグキョウ」、長毛のある「チシマギキョウ」が群れをなす様に点在し、その中に「ヒメウスユキソウ」・「タカネニガナ」も混じる。 目立たぬが、種類も多いお花畑の中を歩く・・・・。
単独行の中年男性 長毛の無い「イワグキョウ」       長毛のある「チシマギキョウ」        「ヒメウスユキソウ」・「タカネニガナ」

【第2編:<木曾駒ヶ岳〜空木岳縦走>】へリンク