【鳳凰三山縦走登山】
第1日目<青木鉱泉〜鳳凰小屋>
第4編:鳳凰小屋〜地蔵岳
登山年月日 平成19年8月24−25日 快晴 
登山者 殿川紘史単独行
登山ルート 【8/24:第1日目】
青木鉱泉P(5:35)〜(7:25)南精進滝入口(7:45)〜(8:25)鳳凰の滝(9:05)〜(9:50)白糸の滝()〜(10:35)五色滝(11:15)〜(12:05)鳳凰小屋(12:50)〜(13:35)地蔵岳(15:10)〜(15:40)鳳凰山荘(宿泊)
所要時間 【登山時間】10時間05分<5:35AM-3:40PM>
【総合時間】10時間05分<5:35AM-3:40PM>

         タカネビランジ
      <地蔵岳周辺ガレバ>

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【鳳凰三山縦走全体図】 【三山山頂部詳細地図】 【鳳凰三山概念図】 


【鳳凰小屋〜地蔵岳直下ザレ場】 【スライドショー】

小屋周辺には沢山の高山植物が人工的に植栽され、登山者に季節毎の花を対協しており、中々優れたアイディアだと思う。 名前と実物が一致しない高山植物として「シナノナデシコ」「オオカノコユリ」「キインレイカ」「シロヒゲソウ」があったが今回その問題が解消した。 取り敢えず、今夜の宿泊の手続きを始めた。 「1泊2食:¥7,500」は予想外に安いと思った。 小屋の主人に確認して、これから夕食までの時間に「地蔵岳:オベリスク」まで空身で登山したい・・・と話すとザックの置き場所を指定して呉れた。 
鳳凰小屋入口掲示板の「鳳凰三山」で見られる高山植物の花 青木鉱泉〜韮崎間バス運行 「タカネビランジ」

小屋周辺と少し離れた沢の方にかけて数多くの花を鑑賞しながら撮影した。 「タカネビランジ」、「カイタカラコウ」、「アキノキリンソウ」、「ヤナギラン」、「サラシナショウマ」、「シナノナデシコ」、「キインレイカ」、「シロヒゲソウ」、「セリバシオガマ」・・・・。
「カイタカラコウ」 鳳凰小屋前庭の「アキノキリンソウ」 「ヤナギラン」クローズアップ 「サラシナショウマ」

小屋まで一緒だった東京のKNさんともう一人の男性の3人でゆっくり登山する事で合意。 13時05分に鳳凰小屋の裏手から地蔵岳へ登山開始。 ここから沢を越えて、直接「観音岳」への登山ルートもあった。 約30分間唐松の樹林帯内の登山路を歩くと、ザレ場が始まった。 徐々に勾配がきつくなり、白い細かい砂ばかりの斜面は歩き難く、とても滑り易い。 ザレ場には「タカネビランジ」、「ヤマホタルブクロ」が砂地に咲き、更に幹だけになった「ダケカンバ」の枯れ木が霧の中にボンヤリと見え始め、幻想的だった。 滑り易いザレ場はとても歩き難く、一歩進んで、半歩下がる・・・様だった。
小屋上部の樹林帯 「セリバシオガマ」 ダケカンバの瘤 「地蔵岳」崩壊地の枯れたダケカンバ 崩壊砂地の「タカネビランジ」

鳳凰三山には「タカネビランジ」が多く咲く・・・と聞いて来たが、地蔵岳までのザレ場にこれ程数多く咲いているとは予想外で、目に入る花を片っ端から撮影したが、上に行くに従いその数に根負けした。 左手のダケカンバ樹林帯から草原へ変わると、黄色の「キオン」、「オオカサモチ」「トリカブト」「ホタルブクロ」「タカネヒゴタイ」等の群生があった。
耐える「ダケカンバ」 「タケネビランジ」 「キオン」の群生地 「タカネヒゴタイ」 「ヤマホタルブクロ」


【地蔵岳直下ザレ場〜賽ノ河原】 スライドショー

13時45分、沢山の高山植物の群生地を過ぎると、「南アルプス国立公園」と書かれた看板のある平坦地へ到着。 相変わらず霧が立ち込め、視界は50m程度で、「地蔵岳:オベリスク」を探しても方向も不明。 真夏と言うが、この状態では寧ろ寒く感じた。 白色の細かい花の集合体が水平に広がった様な「オオカサモチ」は黄色の「キオン」と共に特に目立った。
「地蔵岳」直下部の崩壊地に多い立ち枯れた「ダケカンバ」 地蔵岳直下部崩壊地の「オオカサモチ」と「トリカブト」群生

13時50分に「南アルプス国立公園」の看板の側に着いた。 NNさんともう一人の男性登山者の記念写真を撮る。 「賽ノ河原」と呼ばれる付近には、沢山の「石造りの仏像」があり、それらは祈願をしたい登山者が持ち込んだ石仏だそうだ。
殆どの石仏には苔等がなく、比較的新しい石仏・・・この習慣は余り古くない・・・と自己認識した。
地蔵岳直下部崩壊地の「キオン」「オオカサモチ」群生 「地蔵岳(2764m)」表示板 地蔵岳「賽ノ河原」の仏像

祈願にも色々あるが、特に「子宝祈願」だとKNさんから教えて貰った。 予期せぬ子供を生む人達と同時に、如何しても子供が欲しい夫婦もいる。 石仏の顔が皆穏やかに見えるのはその性かも知れないと思う。 賽ノ河原まで登って来た時は結構霧が濃かったが、徐々に霧が薄くなり始め、「地蔵岳:オベリスク」がボンヤリと見え始め、背後には青空が覗き始めた。 
地蔵岳オベリスク直下部の「賽ノ河原」の仏像群:子宝祈願が多い ガスに煙る「地蔵岳:オベリスク」

陽光は出ないが、見る間に霧が晴れて、「オベリスク」先端も如何やら見える様になった。 もう少し待てばスッキリと晴れるかも…との期待が膨らむ。 観音岳方面と広河原方面と思われる方向から二組の登山者が来た双方からこの賽ノ河原へ来た。 この周辺だけでなく、多くの「タカネビランジ」の花が沢山咲いている・・・との情報に、花が好きというKNさんは明日の観音岳・薬師岳・広河原への縦走が楽しみだ・・・と如何にも嬉しそう。
観音岳方面から来た登山者 「オベリスク」を背景に 賽ノ河原の「仏像群」 ガスに霞む「観音岳」方面 「タカネビランジ」


【賽ノ河原〜地蔵岳周辺】 スライドショー

折角、地蔵岳まで来たし、時間も十分あるから、可能な限り「オベリスク」の先端まで登って観たいとの衝動に駆られ、NNさんも同意・・・。 賽ノ河原から岩塔を目指し始めた。 途中のザレ場や岩の隙間等に、見れば沢山の「タカネビランジ」の花が咲いた株がある。 綺麗な株を選んで、撮影しながら、勾配が増し、両手を使わぬと困難な箇所に入って来た。
地蔵岳周辺のガレ場に咲く「タカネビランジ」の株 ガレ場の「ハイマツ」 地蔵岳岩峰:オベリスク 斜面の「ダケカンバ」
「オオカサモチ」群 ガレ場や花崗岩側に寄り添う様に咲く「タカネビランジ」 「白花タカネビランジ」

KNさんに先立って岩の塔を目指す。 振り返ると「賽ノ河原」が小さく見え、視線を上げると「観音岳」への稜線が少しハッキリと見えてきた。 岩の隙間には葉が極細い青紫色の「シャジン類」と思われる花に出会う。 後で調べたら、鳳凰三山に特有の「ホウオウシャジン」だと解った。 結構乾燥している岩の隙間に「ミヤマダイモンジソウ」の可憐な花ビラを見つけた。 14時25分頃、岩塔の2/3位の地点に到達。 岩の隙間に「屋根付き石仏」が鎮座していた。 
「タカネビランジ」 賽ノ河原から地蔵岳オベリスクへの斜面 「ホウオウシャジン」
仏像の一つ 「ホウオウシャジン」 「タカネビランジ」 「ミヤマダイモンジソウ」 「タカネビランジ」「タカネニガナ」

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