【鳳凰三山縦走登山】・第2日目-A
<鳳凰小屋〜地蔵岳〜観音岳〜薬師岳>

第8編:観音岳稜線〜観音岳付近
登山年月日 平成19年8月24−25日 快晴 
登山者 殿川紘史単独行
登山ルート 【8/9:第2日目】鳳凰山荘(5:50)〜(6:50)地蔵岳(7:05)〜(8:50)観音岳(9:20)〜(9:40)薬師岳(10:15)〜(12:20)水場(12:25)〜(13:00)青木鉱泉(13:10)〜(13:15)駐車場(14:00)〜(18:25)塩見岳登山口P(車中泊)
所要時間 【登山時間】7時間20分<5:50AM-1:15PM>
【総合時間】12時間35分<5:50AM-6:25PM>

    鳳凰三山:観音岳山頂付近

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【鳳凰三山縦走全体図】 【三山山頂部詳細地図】  【鳳凰三山概念図】


【観音岳への稜線@】 【スライドショー】

7時40分、地蔵岳下の賽ノ河原を出てから、35分経過。 進行方向右手には3座の百名山を視野に入れ、左手には八ヶ岳〜金峰・国師・等〜富士山までを視野に・・・・観音岳への稜線ルート上では白砂の中から生えた様に林立する丸味のある花崗岩群・・・その隙間にはピンク色の「タカネビランジ」の花・・・と快晴の縦走路としては最高の光景が連続する。
こんな岩陰に寄り添って咲く 「タケネビランジ」 農鳥岳・間の岳・北岳 白いザレ場にこんな岩隗 岩に寄り添う「タケネビランジ」

東京から単独で鳳凰三山縦走で「タカネビランジ」を見に来たKNさんは「凄い!!・凄い!!」を連発しながら歩き、カメラでそれらを撮影しながら後方を追う。 稜線の色は白色の砂・・・面に沢山の丸味を帯びた岩隗がキノコの如く沢山現れる。 
「タケネビランジ」 稜線の色は白色の砂・・・面に沢山の丸味を帯びた岩隗がキノコの如く沢山現れる 「タケネビランジ」

振り返ると30分以上も歩いた筈だが、地蔵岳:オベリスクが未だ後ろに迫る位置関係に驚く・・・・要するに前後左右の素晴らしい風景に見惚れて、予想外に時間が掛かっているのだ。 高山植物は数が少ない高山の「鳳凰三山」ではあるが、アザミ類に見える「ミヤマヒゴタイ」ややや日陰を好む「ミヤマシャジン」も視野に入る。 
「地蔵岳」のオベリスク望遠:一人の登山者は尖塔頂上に 「ミヤマヒゴタイ」 岩とザレ場の境界に花 「ミヤマシャジン」

黒〜グレー色の花崗岩、カラマツ・ダケカンバ等の緑色、それに見事な高山植物の花、連なる百名山・・・・これらの風景を引き立てる主役は濃い青空と其処に散らばる白い雲だろう。 花期を過ぎ、実を付けて、それが又ピンク系等の色になっている「タイツリオウギ」の下向きの鞘・・・も花同様の美しさを味わえる。 
丸味のある岩塔と流れ雲 岩割れ目に生きる花 左手に北岳を見ながら前進 「タイツリオウギ」の豆 青空の白雲と花崗岩の対比


【観音岳への稜線A】 スライドショー

快晴の下、白砂と登山靴で起こる摩擦音が唯一の雑音で静寂の世界を黙々と行く・・・時々、我々同様にザック姿の登山者が視野に入る程度で、交差する時に交わす挨拶が「人工の音」・・・・真夏の快晴・日陰無の稜線歩きは結構暑い。
至る処に露出する花崗岩 ヤマホタルブクロ 観音岳への稜線の刷毛雲 至る処に露出する花崗岩 「タイツリオウギ」の豆

少し視野を下げると、荒涼とした花崗岩の山肌部分が直接濃い青空に接する処も多い。 地蔵岳オベリスクもその典型だ。 こんな乾燥地帯に元気に育つ高山植物とその花群・・・・その生命力は驚嘆に値する。 「ヤマホタルブクロ」のその例だ。
「地蔵岳」〜「観音岳」への稜線の青空と雲の流れ ヤマホタルブクロ 青空に突き出る地蔵岳の岩塔:オベリスク

濃い青空に葉毛で掃いた如き雲・・・・・カラマツ樹林帯の日陰で咲く「サラシナショウマ」の白い花房・・・・珍しい白色の「シロバナタカネビランジ」と薄いピンク色の「タカネビランジ」が混じって咲く株を見ると、白色はピンク色からの変異過程であるのか・・・・?と考える。 北岳の東斜面のバットレスが正面に見える。 その下部には深い谷が見え、長く残る大雪渓ルートである「左俣コース」と二俣で分岐して右稜線へ出る「右俣コース」がよく解る。
岩綾(地蔵〜観音の間のピーク)と地蔵岳 「サラシナショウマ」 「間の岳」・「北岳」     岩綾(地蔵〜観音の間のピーク) 「シロバナタカネビランジ」

午前8時・・・・地蔵岳の賽ノ河原を出発してから55分経過・・・地蔵岳と観音岳の間にあるピーク「岩綾」も過ぎているが予想外に観音岳への稜線は見た目よりも長い。 花崗岩と白砂だけの環境でも僅かの岩間の隙間から生える「タカネビランジ」には強く生きる力を感じる。 鳳凰三山縦走関連写真で見た事がある特徴ある老いても力強く生きる「カラマツ」の木が目に入る。 根もとの幹の太さから推定すると百年は下るまい・・・と・・・・。 縦走ルート中央にある一本は今でも一方向へ延びる枝先には元気な緑色の葉が茂る。 これを見る登山者はその生命力にエネルギーを貰うだろう。 
岩綾(地蔵〜観音の間のピーク) 「タカネビランジ」の「シロバナ」 岩綾(地蔵〜観音の間のピーク) 風雪に耐えて生きる「カラマツ」の樹幹


【観音岳への稜線B】 スライドショー

同時に、気候変動?で雨量が減少して・・・立ち枯れの過程か?・・・とも思うかも知れない。 観音岳への稜線上には殆ど凹凸はなく平坦に近いが、今まで歩いてきた地蔵岳方向は幾つもの凹凸と一つ目立つ「岩綾」が見える。 西斜面は花崗岩剥き出しの絶壁・・・反対に東斜面には緑で覆われた広い樹林帯(ハイマツ帯)である・・・・コントラストが見事・・・。
地蔵岳山頂:オベリスク 「ダケカンバ」 観音岳への稜線から地蔵岳方面を振り返る:岩綾(地蔵〜観音の間のピーク)
観音岳山頂の望遠 地蔵岳〜観音前岩綾を振り返る 観音岳山頂への稜線:花崗岩のザレ場が多い

ここにも今にも「立ち枯れしそうなカラマツ」の木が根元をくねらせ白砂に座り込む格好で生きながらえる様に見える。 あたりは一面の白砂・・・。 左後方の地蔵岳右手には青濃く見える「八ヶ岳連峰」が一番目立つ存在だ。 
風雪に耐えて生きる「カラマツ」の樹幹 地蔵岳〜観音岳への稜線風景:アサヨ峰(左背後) 地蔵岳右背後:八ヶ岳連峰

地蔵岳オベリスク手前のザレ場への斜面の勾配はこの稜線から見る限りでは45度を超える急斜面だ。 八ヶ岳連峰の複雑な険しい峰峰が望遠レンズを通すと綺麗に見える・・・。 主峰の赤岳・阿弥陀岳・手前の編笠岳・背後の硫黄岳〜天狗岳・・・・少し離れた位置に聳える独峰は「蓼科山」らしい。 
八ヶ岳連峰の望遠 地蔵岳の岩塔:オベリスクと急斜面 蓼科山〜八ヶ岳連峰 八ヶ岳主峰:赤岳

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