常念岳登山:第1日

第1編<臨時登山口〜ヒエ平〜念力岩>


登山年月日 平成18年8月7日 快晴
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>+田綿氏夫妻
主要コース 【8/6】奥飛騨温泉郷(15頃)ー>(17時頃)臨時駐車場(車中泊)
【8/7】臨時登山口(5:10)〜(6:45)ヒエ平(7:15)〜(8:10)王滝ベンチ〜(8:35)烏帽子沢〜(9:25)笠原〜(9:45)念力岩〜(11:05)最後の水場(11:15)〜(11:30)第1ベンチ〜(12:05)第3ベンチ〜(12:40)常念小屋(17:30)〜(17:40)夕陽撮影(18:40)
所要時間 登山時間:7時間35分<AM5:10-PM0:45>

        念力岩通過後の沢沿いの登山道 

写真をクリックすれば拡大出来ます 【常念岳の高山植物】

スライドショー 【第1部】 【第2部】 【第3部】 【常念小屋】 【登山口〜常念岳登山ルート】

【登山路崩壊による登山計画変更】

8月5日、北アルプス:奥穂高岳から新穂高温泉へ。 5泊6日の長い北アルプス連峰縦走を終えて、疲労と安堵感、更に夕食後から朝5時まで、6日間で撮影して約3500枚の写真をメディアからノートPCヘ移し、スライドショーで鑑賞。 5泊6日間の最長縦走記録を画像で再確認。 午前5時〜7時過ぎまで仮眠。 7:30−8:00まで「洗濯・ロープ物干し」。 8-9時:朝食。 9−10:30は家族・友人へ携帯メール。 

10:30-11時に、常念岳登山ルートの情報入手の為に道の駅から「常念小屋」へ電話して情報に驚く。 
7月19日の集中豪雨は各地で被害をもたらした。 常念岳への二つの登山ルートが大雨の被害に逢い、特に「三股ルート」は完全崩壊で、開通の見込み無く、「一の沢ルート(ヒエ平)」も登山口への車道が崩壊したが、約2時間弱歩けば、登山口まで行ける事を確認。 縦走登山計画は以下の通りだったが、止む無く当初計画を変更して「一の沢登山口〜常念小屋〜常念岳」往復に切り替えた。 当初は以下の登山ルートで1泊2日の「常念岳〜蝶ヶ岳」縦走を計画していた。

【当初計画登山ルート】

8月7日:崩沢出合先駐車場<鳥川林道>ー>三股ー>「2207mピーク」ー>常念前岳ー>常念小屋<小屋泊>
8月8日:常念小屋ー>常念岳ー>蝶ヶ岳ヒュッテ<休憩>ー>蝶ヶ岳山頂ー>三股ー>駐車場


【修正登山計画】

8月7日:臨時登山口〜ヒエ平(正規登山口)〜王滝ベンチ〜烏帽子沢〜笠原〜念力岩〜最後の水場〜第1ベンチ〜第3ベンチ〜常念小屋
8月8日:常念小屋〜常念岳〜常念小屋〜胸突八丁〜笠原〜烏帽子沢〜ヒエ平〜<林道>〜臨時駐車場

【本日の登山予定】
7月19日の大雨は計画変更した「一の沢登山口(ヒエ平)」への一の沢林道にも崩壊を起こし、「ヒエ平」から徒歩で約2時間弱手前の「青少年の森」駐車場に臨時ゲイトが設けられていた。 8月6日午後4時頃、事前に得ていた情報通り、「青年の森」駐車場側に「臨時登山案内所」が設置されていた。 普段よりも約2時間の「車道歩き」を強いられる。

駐車場には約5-6台の車が駐車中だったが、翌整備されスペースは十分だった。 水戸ナンバーの車の横に停車して、有尺準備中の登山者らしきご夫妻に声を掛けた。 茨城県から来て、明日:常念岳ー>大天井岳、明後日:大天井岳ー>燕岳、翌々日:燕岳ー>登山口へ下山・・・・の計画である事を知る。 明日は常念岳までは同じルートである事話す。 

この駐車場は「県営:烏川渓谷緑地 森林エリア」の入口にあり、種々の森林緑地公園が複合的に作られたものらしい。 道路を隔てた駐車場の反対側の高台には立派過ぎる「建築物:森の家」があり、其処のトイレの使用が許可されていた。 少なくとも無人の大きい建物は「箱物行政の遺産?」に違いない。 登山者の臨時駐車場の施設としては勿体無い!!・・と思ったが、大雨による「一の沢林道の崩壊事故」が無ければ、殆ど外部の人間には存在すら知られずにいる施設だろう。 

昨日夕方周辺の様子を調べた。 「県営:烏川渓谷緑地 森林エリア」・・の看板をみて緑地公園・・・だと察した。 駐車場周囲は結構深い森:森林に覆われていた。 駐車場の側の木に成る「実」を撮影・・・・「沢ぐるみ?」らしい。 トイレ施設のある大きな建物は「森の家」と記され、人の気配は全く無い。 裏手に廻ると、別棟の作業小屋らしき物があり、間伐材らしき丸太を「杭」に加工する設備があった。 内部は鉄筋コンクリート造で素晴らしい建物・・・・・勿体無い!!


スライドショー【第1部】
午前4:30目覚め。 4:45〜朝食。 5:10 臨時駐車場を出発。 既に隣のご夫妻は出発された模様。 帆布製の臨時登山案内所には一人の中高年男性が居て、常念岳登山路の崩壊事情の説明と登山の注意を喚起してくれた。 昨夜出した登山届けを告げて、5時15分にゲイトを通過。  数人の登山者がタクシーで駆けつけて、第二部隊を待機する様子。 予告で約2時間の舗装林道を歩き始める。 辺りは十分な明るさが無く、カメラの露出数値で凡その明るさを知る。 掲示板には 『登山者にお知らせします』 の注意書きがあり、7月19日の大雨の被害と迂回路の説明がある。
「烏川渓谷緑地」看板 「サワグルミ」らしい 無人の立派な「森の家」 臨時登山案内所 登山路崩壊予告
固い舗装道路・登り勾配・ザックの重量等で嫌いな林道舗装道路歩きが始まった。 直ぐに樹間から今日目指す「常念岳??」多分、「前常念岳」の山容が見えた。 直ぐに森林に囲まれた視界の少ない道路となり、こんな時の何時もの様に仕方なく、道路両側の植物・花に目を映しながら、略、4キロ/時速で「ヒエ平」を目指す。 名前不詳の花が次々に現われ、撮影しながら前進・前進。 名前は後で調べよう!!
名前調査中! オオイタドリ? 名前調査中! オオマツヨイグサ 名前調査中!
苦労して歩く登山者の横を「ワゴン車」が走り抜ける・・・・乗車した人物は明らかに「登山者」達である・・・。 特別許可証を取得済みだろうが、不思議だし、延々と歩く本人からすれば解釈に困る。 第1箇所目の崩壊地点手前で登山者数人が降りて歩き始め、ワゴン車はまた引き返した。 これが2回続いた。  
オカトラノオ 名前調査中! ミヤマアキノキリンソウ キクイモ ハナウド
前方に数人の登山者が見えるが、中々距離が詰められない・・・その内に,後方から来た一人の登山者<花束所持>が追い越して前に出た。 撮影する度に距離が離れ、賢明に詰めては又、撮影時間:約10-20秒で離される事の繰り返しが続く。 如何して「花束持参」の登山だろうか???と自問するも答えは浮かばない。 <胸突八丁付近で転落した奥さんの命日に当る今日現場へ向かう途中だった事を後で知る・・・・現地を見て如何してこんな所で転落死?と思った>
ハナウド キオン クガイソウ 道路崩壊箇所:崩壊場所を迂回する山道へ
「臨時登山案内所」を出てから、約1時間の地点<上記写真:右から2枚>で今回の大雨による道路崩壊箇所<第2箇所目>に出くわす。 舗装道路全体のみならず、山側も道路巾以上に崩壊して、数十メートル下の谷間まで大規模に崩壊した現場だった。 復旧工事計画に着手された模様だが、何時までに復旧可能か見当も着かない凄い量の土砂の流出だった。


スライドショー【第2部】
6時35分頃、道路左手に「町営駐車場」の標識があり、約30台の収容が可能の様だが、今回の大雨で一台も見られない。 その直後に、巨木が山手から流出して道路巾の2/3を埋めた場所に来た。 写真だけ見ると巨木がアスファルト道路に生えている様に見える<写真:下左から2枚目>。  6時45分、臨時駐車駐車場を出てから、1時間30分で、正規の登山口<ヒエ平>に到着。 其処で、駐車場で出合った「水戸からのご夫妻」と合流出来た。 他にA-3人が休憩中だった。

スナック・給水・トイレ休憩を約30分取って鋭気を養い7時15分に田綿夫妻と一緒に出発。 此処の高度:1260m、常念小屋までの距離:5.7kmの標示が在る。 ダラダラの勾配が樹林帯:常念樹林帯を進む。 視界は悪いがルート沿いに適度の高山植物の花が散見された。 それらをカメラに収めながら前進・前進。 今年最初の登山という「田綿夫妻」の足取りは軽い。 間も無く「山ノ神」神社鳥居を通過。 0・5km前進。
名前調査中! 巨木も道路へ 名前調査中! 一の沢登山口案内所 常念小屋まで焼く5・7キロ
ツリフネソウ 「山ノ神」標識と神社鳥居 ウツボグサ 名前調査中! 熊の爪跡
ヤマホトトギス 王滝ベンチ<小屋まで3.6km>:小休止・補給 樹齢:130年の切株 派手なキノコ
熊の爪跡だという証拠:樹皮の剥がれた木を通過<上記写真・左>。 登山口から2・1kmの「王滝ベンチ」標識地点で小休止:給水する。 ルート側に切り出された直径:約50cm程度の樹皮が厚い<約15mm>木があり、樹齢:130年に驚く。 異常に目立つ黄赤色の固いキノコを見つけて「何だろう?」と3人で呟く。 
オニシモツケ ヒメシャジン 名前調査中! 烏帽子沢:小屋まで2・9キロ 最初の木梯子
登山口から「2.8km」前進した地点には「烏帽子沢」の黄色い標識が在る。 丁度常念小屋まで半分の距離・・・此処までは緩やかな勾配の登山路だが、此れからはモット急勾配になるだろう。 引き続き、高山植物の撮影は続けて進む。 「オニシマツケ」「」「」「」が見られた。


スライドショー【第3部】
河原に出て、梢に「笠原」の黄色い小さい札が下がる。 地図にある「笠原」だろう。 9時25分に通過した。 樹林帯に入ると薄暗く感じる雰囲気で「シダ類」と思われる植物を撮影。 登山ルート上部に迫出す様な岩があり、「念力岩」と赤ペンキで書かれていた。 9時45分頃、念力岩を通過後、暗い樹林帯を抜けると陽光がまぶしく射す、沢沿いの登山路となり、両側には多くの高山植物の花が繁茂していた。 「マルバタケブキ」「キオン」「シモツケソウ」「ヤマハハコ」「クルマユリ」「オタカラコウ」「シhナノオトギリ」等で特に、ピンク色の小さい花の集合した「シモツケソウ」の花と蕾が目を引いた。 
略中間地点:笠原(河原) ヤマブキショウマ ミミコオモリ 名前調査中! 「念力岩」 マルバタケブキ
キオン 登山路両側に咲き誇る高山植物群 ピン黄色の「シモツケソウ」
「シモツケソウ」の蕾とハ開花状態 ヤマハハコ マルバタケブキ
沢の清流 クルマユリ 沢沿いのルート シナノオトギリ ニッコウキスゲ オタカラコウ

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