常念岳登山:第1日

第3編<常念乗越〜常念小屋・周辺>


登山年月日 平成18年8月7日 快晴
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要コース 臨時登山口(5:10)〜(6:45)ヒエ平(7:15)〜(8:10)王滝ベンチ〜(8:35)烏帽子沢〜(9:25)笠原〜(9:45)念力岩〜(11:05)最後の水場(11:15)〜(11:30)第1ベンチ〜(12:05)第3ベンチ〜(12:45)常念小屋(17:30)〜(17:40)夕陽撮影(18:40)
所要時間 登山時間:7時間35分<AM5:10-PM0:45>

         常念小屋から展望する夕方の槍ヶ岳

写真をクリックすれば拡大出来ます 【常念岳の高山植物】

スライドショー 【第1部】 【第2部】 【第3部】 【常念小屋】 【登山口〜常念岳登山ルート】


スライドショー【第1部】
「最後の水場」で十分給水後、「第1ベンチ」と「第3ベンチ」で田綿夫妻のペースでゆっくり休憩。 中高年男性:4−5人も第1ベンチ・第3ベンチで同様に休憩。 第3ベンチから小屋までは「300m」の距離との標示で、安心してしまう。 「第3ベンチ」でも約10分休憩して、常念小屋への最後の登りに掛かる。 
樹林帯が薄くなるにつれて、高山植物も現われ始め、「エゾシオガマ」「ハクサンフウロ」「ミヤマコウゾリナ」「コメウメバチソウ」「イサギギク」「オヤマリンドウ」・・・、更に右手の遠くのガレバに群生する白い小さい花は「チングルマ」だろう・・・。
エゾシオガマ ハクサンフウロ ミヤマコウゾリナ チングルマ?の群生 シラビソ?
コメウメバチソウ ウサギギク:第3ベンチ〜常念乗越間 オヤマリンドウ 常念乗越到着
12時40分頃、常念乗越の標識地点に来た。 田綿夫妻と記念写真を交互に撮り、右手の「横通岳()」方面と「常念岳()」方面を眺め、正面の「常念小屋」へ足を向ける。 この地点は風道と思われる。 肌寒さを感じる程の風を感じた。 小屋前のベンチには早く到着した登山者達が休憩・食事中の様子。 左手の小さい赤い屋根が「信州大学診療所」・・と知る。
常念乗越:田綿夫妻 常念乗越での記念写真 常念小屋全貌 小屋手前ベンチ・診療所(左奥) 常念小屋玄関
12時45分、常念小屋内部へ入り、チェック・インする。 同行した水戸のご夫妻は、先を目指すか否かを休憩した後で決めると言われ、一応同行のお礼と、これからの安全登山を祈り別れる。  「1泊2食料金:¥9,000」を支払う。 指定された2階の部屋へ・・・・余り混雑してない様だが、「6名相部屋」だと聞く。 ザックを指定されたローカに置き、食堂へ・・。
常念小屋玄関の花 午後3時頃の槍ヶ岳 常念小屋夕食メニュー 午後5時半頃の槍ヶ岳周辺の雲の動き
持参した昼食用パンには食欲は湧かず、食堂メニューの¥900の「親子どんぶり」を注文した。 山小屋での¥900は良心的だと感じた。 食堂の外のデッキのテーブルに運び、正面に見え隠れする「北アルプス連峰」の視界の回復を祈りながら、瞬く間に「親子どんぶり」を平らげた。 

間も無く、男女の登山者とテーブルを分け合った。 「中房温泉ー>燕岳ー>大天井岳」から縦走して来たと聞いた。 自然と二人の話に惹かれて話題に仲間入り・・・・。  東京方面から休日利用の登山だと言う。 コンパクトカメラに写された「燕岳ー>大天井岳ー>常念岳」の縦走コースの写真を見せてもらう。 女性撮影とは思えぬような大胆な構図と感覚に関心しながら、全部の画像を最後まで鑑賞射せて貰った挙句に、男性手製の「パン」の美味さも味わった。

二人の会話から、明日は「常念岳登山ー>一の沢登山口」へ下山して、タクシーを呼んで、JR豊科駅で東京へ・・・。 ご馳走になっての返礼ではないが、同行下山後、臨時駐車場から「JR豊科駅」への同乗を提案。 快く同意となり、明日の常念岳下山後。 略7時半頃の出発を約する。 

食堂外のサンデッキで粘って、「北アルプス連峰」の視界改善を待つも、不十分。 午後5時からの夕食が始まる。 上記写真が今夜の「メニュー」で此れに「味噌汁」漬物」「食べ放題のご飯」が付く。 20分程度で食べ終わる終わる頃、急に天候が回復の兆しを示した。 5時40分頃から、サンデッキから暫く、「槍ヶ岳」を中心として撮影を開始した。 


スライドショー【第2部】
急な天候改善は、願っても無い事・・・・。 見る間に北アルプスの間に厚く覆っていた雲が動き、次第に北アルプスの核心部の姿を露にしてくれる。 一昨日まで縦走していた稜線、特に「槍ヶ岳〜大喰岳〜中岳〜南岳〜大キレット〜北穂高岳」までが眼前に見え始めたのだった。 何と素晴らしい幸運だろう・・・・・。 動く雲で異常に北アルプスの神秘性が際立つ様に感じる。 アッ! アソコが南岳先端部が大きく切れ込む「大キレット」で、底が見えぬが左手に高く聳える岩峰は「北穂高岳」に違いない・・・・。 

それらの稜線の沿って視線を移すに従い、数日前に通過したルートは目に浮かぶ。 次第に、雲に夕方の色が付き始める。 常念岳北稜線で、涸沢岳〜奥穂高岳方面は視界に入らない。 茶色の壁面を持つ「常念小屋」の西側の上に明日目指す「常念岳」が綺麗な三角形を見せるが、本当の山頂はその右奥に在るらしい・・・・。

反対方向=北北西方向には、「大天井岳・燕岳」へのルートにある「横通岳(2767m)」とその手前に小さい峰が綺麗に並んで見える。 槍ヶ岳北上空に太陽が降りて来た為に、周囲の雲が茜色に輝く予想が出来た所で、サンデッキを離れて、屋外で撮影する為に18時に移動開始。 
北穂高岳山頂望遠 中岳・大喰岳・槍ヶ岳 大キレット・南岳・中岳 奥穂高岳・大キレット・南岳・中岳・大喰岳・槍ヶ岳
北アルプス:中岳 北アルプス:槍ヶ岳 常念岳と常念小屋 横通岳(右奥)
18時5分、常念小屋の東側の「常念乗越」まで移動して、陽光に照らされている「常念岳」を写す。 約15分経過した20分頃から、「槍ヶ岳」を中心とする「北アルプス稜線」の背後の空が茜色に輝き始めた。 まだ少し槍ヶ岳の南側稜線付近がくもで隠れるが、南岳までの間の峰々の凹凸がシルエットで刻まれて美しい。 徐々に夕食を終えた登山者が小屋から出て来て、全員がこれから始まるであろう「北アルプス稜線」の夕焼けに期待して、西方向を向いている<写真:右下>
槍ヶ岳〜北部稜線 常念岳 大キレット〜槍ヶ岳 夕陽焼けの槍ヶ岳
常念岳手前休憩ベンチ 常念小屋テントサイト 常念乗越からの北アルプス展望:「大キレット〜槍ヶ岳」の夕焼け
18時25分頃から空の色も濃い茜色を呈し、雲も上空まで薄くなり、青空も見え始めた。 とうとう夕陽は槍ヶ岳の北方向の稜線に到達。 これから美しい残照が始まる。 


スライドショー【第3部】
18時そ分、ダイキレットの最低部付近の雲も薄くなり、「長谷川ピーク」も見え始めた。 僅かに「北穂高岳」のピークを隠すのみ・・・・。 常念岳も山肌から明るさ失い始め、「常念乗越」に建つ通信アンテナは東側の青空にシルエットに見える。 その周辺にも、日没と共に急に下がる気温に耐えながら、背を丸めて輝く槍ヶ岳を中心とする稜線のショーに目を向ける。 槍ヶ岳の北方向上空に「飛行雲」が現われ、筋を引く。 
北穂高岳・大キレット部 槍ヶ岳〜北東部稜線 夕焼けに浮かび上がる槍ヶ岳 常念乗越から常念岳 常念乗越の通信アンテナ
通信アンテナ 槍ヶ岳の夕焼け風景 槍ヶ岳北東部稜線の夕焼雲 常念乗越の通信アンテナ
18時40分、最後の夕陽に輝く空を写して、常念小屋へ戻る。  この夕焼けを眺めた「水戸のご夫妻」に入口で出会い、記念写真を写しながら明日の予定を伺ったら、奥さんの疲労を考えて、「大天井岳」方面には行かず、明日、常念岳に登り、そのまま登山口へ戻る事に変更したと聞いた。 又帰路どこかで同行する事もあろう。

2階の同室者達と食堂横の「談話室」で集い、団欒を開始。 7時直前の「全国天気予報」で明日からの天候の急変を聞いて驚いてしまう。 今後数日間の好天が予報されていたが、太平洋の台風が急に方向を東へ変えて、紀伊半島ー>日本海へ直進する・・・・との予報。  100%明日から天候は悪化し、午前中に雨となるようだ。 

今日、常念岳山頂に向かわなかった事を後悔する。 仕方ないが、小雨なら早朝に山頂に登って下山を急ぐ計画を描く。 殆ど全員計画変更を考えて、2階の6人部屋へ戻る。
北アルプス:槍ヶ岳と北東部の夕焼け空 常念小屋:田綿夫妻 同室の登山者達との団欒:談話室にて

午後7時半頃、6人の登山者がフトンを敷き詰めて各自の寝床を決定後、自然に「自己紹介」が始まり、今回の登山経過・これからの計画を紹介開始した。 数日前に羨望の目で眺めた「奥穂高岳ー>ジャンダルムー>西穂高岳」の難ルートに話題が移る。 身を乗り出して、数日前に通過したと言う「2人の体験談」に聞き入った。 

殆ど同年輩であり、九州から登山に来た定年退職者<名刺交換>は体調不良の中を「西穂高岳ー>奥穂高岳」を通過した話は実に参考になった。 
「ジャンダルム通過ルート」に対する彼の経験と意見は以下の通り。
@ 「大キレット」と殆ど困難さは変らないが、通過時間は略、2倍以上で、その長い難ルートに耐える「スタミナ」は必須
A 「西穂ー>奥穂」ルートの方が危険度は低いが、スタミナの消耗は大きい。 高度差から同感。
B 総合すれば、小生のスタミナと経験であれば、好条件<晴天>下なら、通過は困難でない・・・とチャレンジを薦めてくれた事。

午後8時半就寝まで、もう一人の同コース通過経験者の話も聞き、非常に有意義な夜になった。 福岡から来た前者の方と連絡先を交換。 彼の所属する「山岳会」のHPへ後日アクセスして、彼の約2週間に渡る北アルプス中心の登山・縦走記録を読ませて貰った。 其処に、偶然出遭った「小生:nantaisan」との談話等が紹介されていた。

興味ある方は次のHPへアクセス<福岡>下さい。 
  < http://souzan.fuyu.gs/kaihou/Web_Souzan_160.pdf > 
  福岡勤労者山岳連盟  福岡想山会  増崎文彦氏

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