北アルプス縦走:第2日

『笠ヶ岳』・第1編

鏡平小屋〜弓折岳


登山年月日 平成18年8月01日 曇〜晴〜曇
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要ルート 鏡平小屋(8:35)−>(9:15)弓折岳分岐(9:30)ー>(9:50)弓折岳ー>(10:20)大ノマ乗越(10:30)ー>(11:30)大ノマ岳ー>(12:10)秩父平(12:40)−>(13:10)秩父岩ー>(13:55)笠新道分岐(14:05)−>(14:10)抜戸岳−>(15:15)笠ヶ岳山荘(泊)
所要時間 総合:6時間40分<AM8:35-PM3:15>

        「弓折岳分岐」稜線のミヤマクロユリ
         

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【笠ヶ岳方面概念図】 【笠ヶ岳登山ルート図】 スライドショー:【第1部】 【第2部】 【第3部】

【笠ヶ岳関連情報】  【笠ヶ岳山荘情報】 

北アルプスの銀座コースから谷一つ隔てて悠然と聳える笠ヶ岳は秘境の山である。 何処からも見えるが、登山するとなると北アルプスのルートから一つ外れている関係で、笠ヶ岳を目指さないと登頂出来ない、不便な位置にある。 少しずつ形を変えながらも、何処からでも笠の形をした頂を見せ、端正で美しい山容は飛騨の名山に相応しい。 

【登山ルート】
@ 新穂高温泉ー>笠ヶ岳登山口<笠新道>ー>杓子平ー>抜戸岳ー>笠ヶ岳小屋ー>笠ヶ岳 <7時間55分>
A 新穂高温泉ー>わさび小屋ー>鏡平小屋(泊)ー>双六分岐ー>抜戸岳ー>笠ヶ岳 <10時間20分>
B 中尾温泉登山口ー><クリヤ谷>−>雷鳥岩ー>笠ヶ岳 <8時間>

【8/01 登山計画詳細】

【8/01】 鏡平小屋ー>双六分岐ー>弓折岳ー>抜戸岳ー>新穂高温泉分岐ー>笠ヶ岳小屋(泊)
7月31日、新穂高温泉ー>鏡平小屋で宿泊し、翌8月01日に鏡平小屋から笠ヶ岳へ向かう。 その日は笠ヶ岳山荘に宿泊して、双六小屋まで行く工程である。 それ以降(8月02-05日)は「北アルプス縦走」には入る。

8月01日の早朝、屋根に当たる雨音で目覚めしたのは午前3時頃、トイレに行き意外に強い雨に驚き、今日はこの鏡平小屋での滞留を余儀なくされるかもしれない・・と覚悟する。 昨夜の天気予報は曇程度だったのに・・・。 朝5時起床時も引切り無しに雨が降っていた。 5時半朝食。 6時から出発出来るのか、此処へ滞留すべきか思案は続く。 午前7時過ぎた頃から雨は小降りとなるも笠ヶ岳山荘までの6時間の稜線歩きを考えると、雨の中の歩行は控えたい。 

8時過ぎると急速に雨は止み、周囲のガスも上空から晴れ始めたが、槍ヶ岳方面の視界は悪い。 80%の登山者は予定のルートへ出発してゆく。 8時10分頃から陽光が漏れ出した。 よし!出発しよう!! 上半身の雨具はザック上部に取り付け、ザックカバーは着けて、カメラは防水袋の準備をして、普段どおり首から前にぶら下げて、鏡平小屋を出て、弓折岳分岐ー>笠ヶ岳小屋を目指した。 


スライドショー:【第1部】
早朝は何と天気は見方して呉れないか・・・と念じたが、今日も又も幸運が巡って来る様だ。 8時過ぎには小雨も止み、急速に上空から薄日が漏れて来た。 出発を決意して8時30分に鏡平小屋ー>弓折岳分岐を目指した。 10分程度登った地点から「槍ヶ岳〜穂岳連峰」方面に目を向けると、濃かったガスも大きく動き、見る間に「槍の穂先」や穂高連峰の稜線もドンドン視界に入り出した。 穂高連峰稜線を背景にガスのダイナミックな動きを撮影した。 

更に樹林帯を登ると、隙間から「鏡平小屋前のひょうたん池」、「鏡池」「小屋の屋根」も明瞭に視界に入る。 弓折岳分岐点下部を右に廻る地点の右手に大きい雪渓が薄いガスを透して見え出した。 その登山道の両側には「ミヤマアキノキリンソウ」「ミヤマオトギリ」「オタカラコウ」「ミヤマカラマツ」「ミヤマキンポウゲ」「ヨツバシオガマ」「ハクサンフウロ」「チシマフウロ」等の高山植物の花が雨露を着けて薄日に輝く。
南岳〜奥穂高岳方面 槍ヶ岳・中岳方面 中岳〜南岳〜北穂高岳 南岳〜奥穂高岳方面 中岳〜南岳〜北穂方面
ミヤマアキノキリンソウ ミヤアマオトギリ 西鎌尾根〜槍ヶ岳 槍ヶ岳と谷間のガス ひょうたん池と鏡池(右)
ひょうたん池 鏡池 山荘屋根・鏡池 鏡池(手前)と背後の穂高連峰稜線
弓折岳分岐付近の雪渓 オタカラコウ ミヤマカラマツ ミヤマキンポウゲ ヨツバシオガマ


スライドショー:【第2部】
ミヤマキンポウゲ群落 ヤマブキショウマ チシマヅウロ オタカラコウ群生 ハクサンイチゲ 弓折岳分岐
ハクサンイチゲ クルマユリ ミヤマキンポウゲ ハクサンイチゲ 分岐点休憩デッキ
『笠ヶ岳・鏡平小屋・双六小屋』分岐標識 「分岐点の稜線」周辺はお花畑      ハクサンイチゲとミヤマキンバイ
花咲く分岐点 ミヤマダイモンジソウ ハクサンフウロ ハクサンイチゲ


スライドショー:【第3部】
弓折岳分岐点を左折して緩い勾配の稜線を「笠ヶ岳」方面に上ると間も無く、平坦な『弓折岳』山頂に着く。 その稜線には沢山の高山植物が咲いていた。 「イワカガミ」「エゾシオガマ」「ミヤマリンドウ」「チングルマ」「ミヤマクロユリ」「ハクサンイチゲ」群落、「ミヤマキンポゲ」、可憐な「アオノツガザクラ」等・・・・。

此処からの展望は「360度」だろう・・・・・依然、ガスが動き、「双六小屋」方面の視界は不十分だが、幸いにも雪渓を隔てて、遠くに、「鷲羽岳」その左奥には黒色の「水晶岳」が見える。 左稜線は頂きは見えないが「双六岳」だろうか??
エゾシオガマ
オオイタドリ ハクサンイチゲ等の花群 笠ヶ岳(手前)・双六小屋(奥) イワカガミ
ミヤマリンドウ ハクサンイチゲ チングルマ ミヤマクロユリ(弓折岳分岐稜線上)
ミヤマクロユリ ハクサンイチゲ群生 ミヤマキンポウゲ アオノツガザクラ
弓折岳付近(笠ヶ岳方面)        弓折岳からの展望:双六岳・鷲羽岳・水晶岳方面 双六小屋方面稜線

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