北アルプス縦走:第2日

『笠ヶ岳』・第3編
大ノマ岳〜笠新道分岐

登山年月日 平成18年8月01日 曇〜晴〜曇
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要ルート 鏡平小屋(8:35)−>(9:15)双六分岐(9:30)ー>(9:50)弓折岳ー>(10:20)大ノマ乗越(10:30)ー>(11:30)大ノマ岳ー>(12:10)秩父平(12:40)−>(13:10)秩父岩ー>(13:55)笠新道分岐(14:05)−>(14:10)抜戸岳−>(15:15)笠ヶ岳山荘(泊)
所要時間 総合:6時間40分<AM8:35-PM3:15>

               ガス渦巻く秩父岩
            <撮影場所:大ノマ岳付近>

写真をクリックすれば拡大出来ます

【笠ヶ岳方面概念図】 【笠ヶ岳登山ルート図】 スライドショー:【第1部】 【第2部】 【第3部】

 【笠ヶ岳山荘情報】 


スライドショー:【第1部】
午前11時30分に「大ノマ岳」を通過して、秩父平への稜線を下り始めた。 正面に黒色の尖塔・奇岩群が目に入り、その周囲を谷間から吹き上げるガスが覆ったり、現れたりの躍動する素晴らしい光景を見つけた。 稜線の高山植物から視線を移して、その躍動にカメラを向けた。 

上空の青空と雲、黒い岸壁と奇岩・尖塔群、周囲のガスの濃淡・・・・言葉には表現出来ない感動を得た。 それらの岸壁は秩父平左上に在り、地図には『秩父岩』と記載されている。 登山ルートはその奇岩群の右手を通過する様だ。 
十数枚撮影して秩父平へのルートを歩き始めた。 「ミヤマリンドウ」「ミヤマダイコンソウ」「ヤマブキショウマ」が固まって突き出た岩に咲いて盆栽のようだ。 「タカネヤハズハハコ」は薄いピンク色で固まって咲いて見事だ。 その先の岩陰には「ミヤマダイモンジソウ」「イワハゼ」の可憐は花もあった。 「ミヤマアキノキリンソウ」も黄色い花はこの周辺では目立つ存在だ。 
岩間の盆栽的花 「タカネヤハズハハコ」も固まると綺麗だ 大ノマ岳稜線から秩父岩・抜戸岳山頂の展望
「抜戸岳稜線・秩父岩」:躍動的なガスの動き 上空は青空・岸壁はガス
幻想的なガスの動き 大ノマ岳稜線から見る「秩父岩」「鞍部付近」 ミヤマダイモンジソウ イワハゼ
ミヤマアキノキリンソウ ミヤマリンドウ 秩父岩周辺の躍動的なガスの動き

スライドショー:【第2部】
十数枚撮影しても未練が残る幻想的なガスの乱舞に気を奪われ暫く立ち止まって見つめる。 次第にガス濃度と動きが現象開始。 登山路に目を移すと沢山の花が目に入る。 「ゴゼンタチバナ」「ヨツバシオガマ」「イワギキョウ」「ミヤマダイコンソウ」「イワギキョウ」。 季節外れかと錯覚する「ハクサンシャクナゲ」。 不思議な形の実を持つ「テツカエデ」。

秩父岩方向の谷間斜面にしがみ付く様に咲く「イワギキョウ・ミヤマダイコンソウ等の塊」は盆栽同然・・・・周囲は「ハイマツ帯」が続く。

「大ノマ乗越ー>秩父平」まで1時間40分も掛かってしまった。 周囲に気を採られて写真撮影し過ぎた結果だ。 12時10分秩父平到着。  「2667mピーク」下部雪渓下の広い石に腰を下ろし、休憩・昼食時間とする。 30分間を過ごし、笠ヶ岳から双六小屋へ向かう若い登山者と行きかい、相互に記念写真を「秩父岩」を背景に雪渓上で撮り合う。 
ガスの乱舞 秩父岩尖塔部の拡大 秩父岩・秩父平・鞍部 ゴゼンタチバナ ヨツバシオガマ
イワギキョウ・ミヤマダイコンソウ等の塊 イワキキョウ ハクサンシャクナゲ テツカエデ
上部の鞍部へ上がる 秩父平:眼前に「秩父岩」と「大雪渓」が見える ローソク状の尖塔 急斜面の雪渓の登坂
秩父平から「秩父岩と大雪渓」を正面から写す 雪渓上で記念写真 鞍部から秩父岩上部 ローソク状の尖塔

スライドショー:【第3部】
「秩父平」から上部は雪渓の右縁を歩き、鞍部直下部の急斜面の雪渓を約50−60m登坂して、息も挙がる13時10分に鞍部に到達。 「秩父平ー>鞍部」の距離僅かで、40分掛った勘定だ。 急斜面の雪渓にはステップ跡はあるが、角度が40度近く、緊張した時間だった。 この地点から北アルプス方面の視界は優れないが、撮影して、「抜戸岳」を目指す。
登っても進んでも、ドンドン予想よりも長いルートが続く。 此処からは目指す笠ヶ岳も小屋も見えない。 
午前中の晴れ間はいつの間にか消えて、鞍部以降は薄暗い曇と遠方はガスで天候が心配になる。

秩父岩の上部まで移動して、谷間方向を俯瞰しながら、「秩父岩の奇岩」を見た。 
気を入れ直して、「抜戸岳」に通じる稜線の坂道をあえぎながら登る。 本当の抜戸岳山頂は笠ヶ岳小屋方面ルートの上部にあり、約30−40mの高度差があった。 其処まで、空身で山頂へ行く選択肢を捨て、緩い登りのルートの「笠新道分岐」への進行を優先した頂上には登らず・・・・・本音は「結構、疲労感」があったから・・・・

鞍部から45分間で「笠新道分岐」に到着。 其処には5-6名の登山者<笠新道経由?>が休憩していた。 又中高年の一人が分岐点上から降りて来た。 相当に疲労している様子が姿勢から推定できる。 笠新道分岐到着時間は13時55分。 笠新道登山者へルートの感想を聞くと全員が予想外の苦しい・長い登坂の連続を話す。 優に登山口から「此処」まで7時間は掛かる様だ。 勿論、ザックの重量にもよるが・・・。 

分岐点から笠ヶ岳小屋も山頂のガスで見えない。 全く距離感がつかめず、時間と疲労から多少の不安を感じる。 5-6名の登山者は先行・出発。  14時05分、先ず「抜戸岩」を目標に歩き始める。 
鞍部からの展望:双六小屋方面・樅沢岳(右) この鞍部で90度方向転換ー>笠ヶ岳へ
秩父岩上部を鞍部から俯瞰:谷間から沸くガスの流れが明瞭に見える 大マノ岳方面
抜戸岳・笠ヶ岳方面 秩父岩上部を鞍部から俯瞰 笠新新道分岐標識
笠新道から来る登山者 笠新道分岐:高度<2750m>笠ヶ岳<70分> 笠新道分岐からの望遠:「2737mピーク」「抜戸岩」・「笠ヶ岳」<ガスの彼方>

『北アルプス縦走・第2日:第4編<笠新道分岐〜笠ヶ岳山荘>』へリンク