『仙丈岳登山』

第5編:仙丈小屋〜ヒュッテ馬の背〜樹林帯・沢筋
登山年月日 平成19年08月06日(月)  快晴
登山メンバー 殿川紘史・上野雅夫氏
主要ルート 長衛荘(5:15)〜(6:55)大滝頭五合目〜(8:00)小仙丈岳(8:30)〜(9:30)仙丈岳(10:10)〜(10:25)仙丈小屋(10:50)〜(11:25)ヒュッテ馬の背(11:35)〜(13:05)大平山荘〜(13:30)長衛荘(14:10)〜(15:10)仙流荘バス停(16:20)〜(18:10)駒ヶ根バスセンター駐車場(車中泊)
所要時間 【登山】8時間15分 <AM5:15-PM1:30>
【総合】12時間55分<AM5:15-PM6:10>

      仙丈小屋から仙丈岳(左奥)の展望
       

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【仙丈岳登山ルート図】  【甲斐駒ヶ岳・仙丈岳周辺概念図】 【南アルプスパノラマ】


【仙丈小屋周辺〜丹渓新道分岐】 【スライドショー】

仙丈小屋から15分程度下った斜面には数多くの高山植物が砂礫と土が混じる地域に開花していた。 「ヨツバシオガマ」「バイケイソウ」「コバイケイソウ」「ナナカマド」「チングルマ」等が混じり、特に花期は終わりつつあるが、「チングルマ」の群生が最も大きかった。 
山頂と小屋にサヨナラ 「ヨツバシオガマ」 「バイケイソウ」 「ナナカマド」 「チングルマ」

20分程度まで下り、山頂を見上げると、前景に仙丈小屋、背後に山頂とそれに続く稜線がくっきりと見え、深青色の空には雲が浮かび、右から左方向に流れていた。 下山方向の山並に近い空には一面に雲が立ち込めていた。
「バイケイソウ」の拡大 仙丈小屋への最後の登坂 真青な空を背景に展望出来る仙丈岳山頂と仙丈小屋

もうここを外れると「仙丈岳」と「仙丈小屋」が視界から外れる地点で、別れを告げ、樹林帯に入った。 その周辺の日当たりの良い場所には「タカネスミレ」や「アオノツガザクラ」が咲き、日陰のある付近の草むらの中には可憐な「ツマトリソウ」が目についた。 
最後の一瞥:「仙丈岳山頂」と直下の「仙丈小屋」 「タカネスミレ」 「ツマトリソウ」 「アオノツガザクラ」

更に樹林帯を進むと幹は太いが曲がりくねった「ダケカンバ」が数メートルの丈と低い位置に這う様に茂った地域があった。 11時20分、「丹渓新道分岐」標識側を通過。 我々は「北沢峠」を目指すので直進。 「丹渓新道」は約3時間で南アルプス林道に直接出るルートである。 斜面左手の木漏れの多い「ダカカンバ」の下には「マルバタケブキ」が群生し、殆どは蕾の状態だった。 後1−2週間すれば、一面に咲く黄色い花が見られるだろう。 
雪に耐える「ダケカンバ」 丹渓新道分岐 薄陽が射す斜面に群生する「マルバタケブキ」の蕾


【馬の背ヒュッテ〜藪沢小屋分岐】 【スライドショー】

ダケカンバ林の下に群生する「マルバタケブキ」に囲まれる様に、新しい「馬の背ヒュッテ」の建物が見えた。 11時25分山荘到着。 ザックを下ろし、このヒュッテ周辺で約10分間「マルバタケブキ」や庭先まで進むと見える「仙丈岳」を見上げた。 一組の男性登山者3人が休憩するだけで、ここも静かな佇まいだった。 
馬の背ヒュッテ周辺のダケカンバ林の下に群生する「マルバタケブキ」 馬の背ヒュッテ

11時35分、この馬の背ヒュッテを離れ、沢筋方向へ進む。 小屋周辺には圧倒的に「マルバタケブキ」が多かった。  5分程度で「薮沢小屋」・「大滝頭:五合目」との分岐点で沢に出た。 
「馬の背ヒュッテ」側から見える「仙丈岳」望遠 「ナナカマド」の実 登山路脇に生えるマルバタケブキ

この周辺には「ミヤマコゴメグサ」・「イワギキョウ」・「ハクサンフウロ」・「タカネグンナイフウロ」・「ハクサンオミナエシ」・「モミジカラマツ」等がかなり密度高く開花していて綺麗なお花畑となっていた。 「薮沢小屋」は登山地図では、この地点と大滝頭(五合目)との中間地域にあるらしい。
「ミヤマコゴメグサ」・「イワギキョウ」 「ハクサンフウロ」 「モミジカラマツ」 五合目分岐点 「タカネグンナイフウロ」 「ハクサンオミナエシ」

源流が仙丈岳付近であるこの沢は下流では「戸台川」に連なり、仙流荘付近では「黒川」となる。 沢の両側、特に登山路がある左岸はお花畑が連続し、「タカネグンナイフウロ」「ウサギギク」「ハクサンオミナエシ」等が多く、特に「タカネグンナイフウロ」の青紫色の花が最も多かった。 11時50分頃、通過した沢には雪渓の断片が散らばる個所もあった。
「ウサギギク」 「タカネヨモギ」 「ハクサンオミナエシ」 登山路右岸に残る「雪渓」の残骸


【藪沢小屋分岐周辺〜沢筋・樹林帯入口】 【スライドショー】

12時頃通過した沢筋と斜面には相変わらず「タカネグンナイフウロ」が花の中心だった。 一面が薄紫色で覆われる場所もあった。 
「タカネスミレ」 薮沢沢筋斜面に群生する「タカネグンナイフウロ」

12時過ぎに、薮沢右岸から流れ落ちる結構大きい滝に出くわした。 しばし美しい滝の流れの落下地点野沢まで下りて見上げながら色んな角度から撮影した。 左岸を下る登山路には「マルバタケブキ」が多くなった。
登山路右岸から流れ落ちる「薮沢大滝」上部の無名の小滝 「マルバタケブキ」

「トリアシショウマ」 沢筋に咲く「ミヤマトウキ」の花 僅か残る雪渓断片

12時15分、沢の左岸から右岸へ渡る丸木橋があり、3本の丸太を組んだ安定性の良い物だった。 水量も結構増えて、清流が下流の「薮沢大滝」に流れる。  この地点から徐々に沢から離れて、樹林帯の中に入って行った。 谷を形成するV字形の樹林帯の隙間から雲に覆われる「鋸岳」が見えた。 
上流方向 「薮沢」左岸から右岸への木製橋 「薮沢大滝」に流れる沢水 雲に覆われる「鋸岳」


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