【塩見岳登山】
第1日目<登山口ゲイト〜塩見岳〜塩見小屋>
第1編:登山口ゲイト〜豊口山分岐
登山年月日 平成19年8月26−27日 快晴 
登山者 殿川紘史単独行
登山ルート 【8/26:第1日目】登山口〜三伏峠〜塩見小屋(泊)
登山口ゲイト(5:00)〜(5:40)鳥倉登山口(5:45)〜(6:45)豊口山間コル〜(8:05)豊口山分岐〜(8:20)三伏峠小屋(8:40)〜(8:55)三伏山〜(9:45)本谷山(10:00)〜(11:30)塩見小屋(12:10)〜(13:40)塩見岳西峰/(13:45)東峰(14:00)/西峰(14:10)〜(15:05)塩見小屋(宿泊)
所要時間 【登山時間】10時間05分<AM5:00-PM3:05>
【総合時間】10時間05分<AM5:00-PM3:05>

       塩見岳の望遠
     <三伏山山頂より望む>

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【,塩見岳登山全体図】 【詳細地図(登山口〜本谷山)-@】 【詳細地図(三伏峠〜塩見岳)-A】

【塩見岳概要】

塩見岳(しおみだけ)は長野県伊那市静岡県静岡市葵区の境界に位置する赤石山脈(南アルプス)の山である。

山頂は100m足らずの距離を隔てて西峰と東峰に分かれ、標高は西峰が3,047m、東峰が3,052mである。しかし三角点は西峰に設置されているため、低い方の西峰の標高が塩見岳の標高とされている。仙丈ヶ岳から続く長大な仙塩尾根の南端に位置し、ドーム形の山容に特徴がある。山頂南側の三伏峠と本谷山南斜面、北側の北荒川岳周辺と熊の平周辺は高山植物の「お花畑」となっており、特に北荒川岳の「お花畑」はかなり広大である。山頂直下北面の塩見岳バットレスは冬季に雪稜登攀の対象となる。

登山道は三伏峠から山頂を経由して、北荒川岳・熊の平・三峰岳(みぶだけ)に至る縦走路がある他、西斜面(長野県側)の三峰川林道と結ぶ塩見新道と東斜面(静岡県側)の蝙蝠岳を経て二軒小屋に至る登山道があるが、後二者は、ルートが明瞭でないところもあり、一般向きではない。北岳方面または仙丈岳方面から熊の平を経由し、山頂を越えて三伏峠から塩川土場または鳥倉林道に下山する(またはその逆コース)登山者がもっとも多いと思われるが、日本百名山ブーム(塩見岳は日本百名山の一つとされている)のため、塩川土場または鳥倉林道から三伏峠を経て塩見岳までを単純に往復する登山者も増えているようである。

山小屋は三伏峠(2580m 峠の日本最高所)に三伏峠小屋、山頂の三伏峠側直下に塩見小屋がある。その北側には、徒歩で5時間以上かかる熊の平小屋まで山小屋はない。塩見小屋はかなり小さな山小屋なので、シーズン中は非常に混雑するようである。
                    <Wikipediaから抜粋を掲載>


【塩見岳登山】
平成19年8月24ー25日の1泊2日で、鳳凰三山を縦走登山して午後1時半頃に車を駐車した「青木鉱泉」に下山して小休止後、直接目指す「塩見岳」登山口に選んだ「鳥倉林道」登山口に向かい、国道#から地元の人に登山口へのルートを確認して、ひたすら長い舗装された林道を上り日没直前の午後6時半頃、鳥倉登山口駐車場に到着。 駐車場は50台+の車で溢れ、ヤット駐車可能なスペースを見つけることが出来た。 休日でない時にこれ程の登山者がこの登山ルートを選択するのは、やはり日本百名山「塩見岳」への一番短い登山ルートだからだろう。 
定番の「夕食+果物+コーヒー」をのんびりと摂り、明日早朝からの「山小屋1泊2日の塩見岳登山」の準備を完了。 唯一の心配は、収容力が小さい「塩見小屋」の予約が取れなかった事である。 早く到着すれば大丈夫だろう??
その為には、早起き・早発ち・早着きが必要!!。 苦手の早起きの為に、二つの目覚ましをセットした。

【登山口駐車場ゲイト〜豊口山間のコル】 【スライドショー@】

昨夜、鳳凰三山登山後、青木鉱泉駐車場から直接、この塩見岳登山口へ日没直後の18時半頃、鳥倉林道ゲイト駐車場に到着。 午後9時前に就寝・熟睡し、午前4時30分に携帯電話にセットした音で目覚めた。 トイレを済ませ、5時ジャストに、朝飯抜きで早々に駐車場を出発した。 非常に収納能力の少ない「塩見小屋」の予約が出来ず、出来るだけ早く小屋に到着するしか方法がない・・・とのプレシャーで、駐車場ー>豊口山登山口までの車道歩きの30分の距離も速足?で進んだ。 東の空が白み、ピンク色に染まる。 水無橋を過ぎると結構車道の登り勾配を感じた。 天窓橋と進み正面を見ると、駐車場の数十台の車が見える。 道端には夜明け前の暗い光の中で、「クサボタン」「ヒヨドリソウ」「キツリフネ」等が咲く姿が目に入るがそれらを無造作にスナップ撮影・・・前進・前進と気持ちが焦る。 5時35分、「豊口山登山口」に到着。 其処には先行した登山者2名が登山届や身支度で小休止中の姿があった。 昨夜書き込んだ「1泊2日の登山計画者」を提出し、登山標識の注意書を読み、直ぐ車道から始まる樹林帯へ入る急坂に取り付いた。 
ピンク色に輝き始めた東側 数十台がビッシリ並ぶ駐車場 「クサボタン」 「キツリフネ」 「豊口山登山口」&バス停

5時40分・・・に登山口を出発・・・唐松樹林帯の日当たりの良い場所に、数多くの「ヒキオコシ」が可憐な花を咲かせ、それより上部の樹林帯ルート傍には「ヒヨドリソウ」「センジュガンピ」等が見られた。 極力早朝の急坂ではペースダウンを意識した。 給水の為小休止@。
登山口にはシーズン中のみ「臨時バス停留所」 「ヒキオコシ」 「ヒヨドリソウ」 「センジュガンピ」

更に高度を上げると、疎らな唐松樹林帯には下草が一面に覆い、黄色い「マルバタケブキ」が結構一面に生え、その上部には同じ黄色の「キオン」が群生していた。 6時20分頃、勾配が緩くなる地点で、「登山口〜三伏峠」間の位置関係がプラスチックフイルムに納められた白い紙に「2/10」と記されている。 まだまだ先は長い!!
急坂の唐松樹林の中には「マルバタキブキ」の花が多い 上部の唐松林に多かった大きい株の「キオン」の花 三伏峠まで「2/10」地点

6時30分頃、唐松の古株の傍を通過。 樹間から「前小河内岳」「小河内岳」「大日影岳」方面が望遠出来た。 今日も天気は上々らしい・・・が、長い登山路で蒸し暑さは大敵だ。 これからダケカンバ林間に「マルバタケブキ」の群生が見られた。 ルート傍で「ヤマホタルブクロ」や「ホソバユスユキソウ」と極似した蕾を着けた植物があった。   
唐松の古株 「前小河内岳」方面らしい 「マルバタケブキ」が多い 「ヤマホタルブクロ」 「ホソバウスユキソウ」?


【豊口山間のコル〜三伏峠】 スライドショーA

6時40分、三伏峠まで「1/3」地点の「豊口山間のコル」付近で、小休止Aを取る。 高度計(登山用腕時計)は約2200mを示す。 約10分後にスタート。 勾配は緩くなり、密度の高い細い「唐松樹林帯」を縫って登る。 倒木には濃く緑鮮やかなコケが着き、水分の多い地域らしい。 「カニコオモリ」「サラシナショウマ」等が生えていた。
三伏峠までの「1/3」地点 カラマツ樹林帯 倒木のコケ類 「カニコオモリ」    「カニコモリ」 「サラシナショウマ」 「サラシナショウマ」

登山路最初の崩壊地点に差し掛かるが、細い丸太3本を縦に並べ横に50cm程度の間隔で並べた横ハシゴ的な橋がかかり、容易に通過。
右手の斜面に複雑に組んだ丸太で覆われた部分から、極僅かの水が・・・ポトポト・・・と滴り落ちる場所に「水場」の表示があったが、一人分の水量を貯めるにも数分以上はかかりそうな・・・枯れる寸前の状態だった。  登山地図にも<水場>の表示があるが、これを信じて登ってきたら大変な事になる・・・と驚く。  登山口〜山伏峠までの「7/10」の地点を示す粗末なプラフイルムに書き込まれた標識があった。 
7時30分過ぎに休憩B・・・15分休息の間に、朝食<パン+キーウィー+水>を摂取。 腕時計の高度は「2,615mを示す。 其処には、直径:30cm以上の大きい葉の表面に鋭い多数の針を持つ「ハリブキ」の中央軸に付く「数十粒の実」が赤色に色着き始めている。 7時45分鋭気を取り戻しスタート・・・・・ 8時直前に樹林帯が切れた地点で、右手方向に「山並」の視界が開けた・・・・「小河内岳」「大日蔭山」方面らしい。 
崩壊場所には丸太で補強 貴重な水場 三伏峠まで7/10 色着き始めた「ハリブキ」の実 「小河内岳」「大日蔭山」方面 豊口山分岐点

8時直前に、「8/10」距離表示のある「豊口山分岐点」に到達した。 標識には「鳥倉林道終点=登山口まで約4km」・「塩川小屋まで約5km」の表示があるが、「目指す山伏峠」までの時間・距離部分は何故か・・・塗りつぶされていたが、僅かに「400m・・」が薄く見える。 何れにしても峠は近い・・・・。 峠に近ずくにつれて前方の木々の隙間から朝の澄み切った空に「甲斐駒ヶ岳」・「荒川岳」の姿が見え、やがて目指すどっしりとした山塊の「塩見岳」が姿を現した。 
三伏峠まで「8/10」地点 豊口山分岐点 「甲斐駒ヶ岳」望遠 「荒川岳」望遠 ヤット見えた「塩見岳」

確かな道程は出来なかったが、「安部荒倉岳」〜「千丈ヶ岳」〜「甲斐駒ヶ岳」方面だろう・・・・眼前に南アルプスの山並が重なる様に見え始め、いよいよ塩見岳向かっていると確信する光景だ。 塩見岳の大きい山塊に隠れて、日本第二位の高峰:北岳、その隣の「間ノ岳」等が視界に入らない。 8時22分、登山者で賑あう「三伏峠」の到着。 勿論休憩C・・・・込み合う「三伏峠小屋」の受付で、目指す「塩見小屋」への連絡手段を訪ねるも・・・・連絡不可能・・・との返事で、今夜の宿泊の予約が此処でも出来ない事を悟り、唯一の手段は、出来るだけ早く「塩見小屋」へ早く着いて、チェックインする意外にない・・・・。  小屋の周囲には高山植物があり、鮮やかな紫色の「トリカブト」が目に付いた。 『三伏峠』の標識と更に大きい『南アルプス国立公園』の標識が樹林帯を背景に達つ。  
「安部荒倉岳」〜「千丈ヶ岳」方面? 「千丈ヶ岳」と「甲斐駒ヶ岳」 「甲斐駒ヶ岳」 三伏小屋傍の「トリカブト」 最高度の「三伏峠」標識


【三伏峠小屋〜三伏山山頂】 スライドショーB

二つの登山道が合流する付近に位置する「三伏峠小屋」は予想以上の登山者で賑わい、小屋から少し離れて場所に、広いキャンプサイトがあり、幾張りものカラフルなテントが在った。 登山者が多く、小屋の周りには、ゆっくり座する場所も無かった。 小屋の周辺を少し歩き回り巨大な「ミヤマシシウド」の花を発見・・・・この小屋は「小河内岳・荒川岳方面」への分岐点でもある。 
大勢の登山者で賑わう「三伏峠小屋」と周辺 最高高度にある「三伏峠」 子河内岳・荒川岳方面分岐 三伏峠の「ミヤマシシウド」

空は飽くまでも青く絶好の快晴・・・・だがこれからの稜線歩きでは相当に暑かろうと思う。 ここにも色付き始めた実をつけた「ハリブキ」が在った。  8時40分、塩見小屋へ早く着く為に20分弱の休憩で、三伏小屋ー>三伏山へ向かった。 三伏山(2,615m)手前で振り返ると先程通過した『三伏小屋』と「キャンプ場横の宿泊棟」が見えた。 右手には山頂までj木々に覆われた「烏帽子岳(2,726m)」も・・・・山頂には標識らしき丸太が立つ。
三伏峠小屋キャンプサイト 色着き始めた「ハリブキ」の実 荒川岳方面分岐 「烏帽子岳」山頂望遠 三伏山から見える「三伏峠小屋」

8時55分頃、「三伏山」通過。 ここからは視界が急に開け、「千丈岳」「北岳」「間ノ岳」「農取岳」「塩見岳」「烏帽子岳」「甲斐駒ヶ岳」等が見渡せる。 これらの山並の同定にはすこぶる自信がない・・・・方向が変わると山容は随分変わるから・・・。
「荒川岳」「中岳」「赤石岳」方面 三伏山の展望:「塩見岳」 左から「千丈岳・北岳・間ノ岳農取岳方面と「塩見岳」稜線 「塩見岳」

「三伏山」〜「本谷山(2,658m)」方面に前進すると「塩見岳」が右に移動して、「千丈ヶ岳」「北岳」「間ノ岳」「農取岳」等が見えた。 なだらかな稜線には「マツムシソウ」や「シオガマ類」の高山植物が咲いているが、既にこれらは「晩夏〜初秋の花」である。
「北岳」「間ノ岳」「農鳥岳」  「千丈ヶ岳」? 「烏帽子岳」山頂部 「マツムシソウ」 「シオガマ」

【第2編:<塩見岳登山:第1日目・第2編>】へリンク