水晶岳(黒岳):第1編

雲ノ平山荘〜スイス庭園〜祖父岳>
登山年月日 平成17年10月11日 晴
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要ルート 雲ノ平山荘(6:10)ー>(6:35)スイス庭園(6:45)−>(8:00)祖父岳(8:20)−>(9:00)岩苔乗越−>(9:40)フリモ乗越ー>(10:00)水晶小屋(10:15)−>(10:50)水晶岳(11:10)ー>(11:40)フリモ乗越(12:15)ー>(12:50)ワリモ岳ー>(13:20)鷲羽岳(13:30)ー>(14:15)三俣小屋(泊)
所要時間 総合:8時間05分 <AM6:10-PM2:15>

              早朝の水晶岳
          スイス庭園からの展望>

写真をクリックすれば拡大出来ます  【北アルプス縦走路地図】 【縦走全体概念図】

【水晶岳(2978m)情報】

黒岳(水晶岳)は南北二つの岸峰から出来ていて、その北峰にある三角点の2978mが、この山の高度と見なされている。しかいその三角点から眺めると南峰の方が優に20mは高い。 すると黒岳の最高点は3000mを越えていることになる。 3000m峰の少ない北アルプスで、この高さはもっと尊重されていい。 
高さだけではない、また一番奥深い山でもある。 たいていの山はその頂上から俯瞰すると、平野か、耕地か、煙の立つ谷か、何か人気の臭いものも見出すが、黒岳からの眺めは全くそれを絶っている。 四周全て山である。 文字通り北アルプスのど真ん中であって、俗塵を払った仙境に住む高士の面影をこの山は持っている。
<深田久弥:日本百名山より転載>

【水晶岳への登山ルート】
北アルプスの中でも最も奥深い山であり、幾つかの山を通過して登山する必要がある。 大まかにルートを数えると以下の様な「5ルート」であろう。 今回は薬師岳登山後、薬師沢経由となる『ルート@』で登山し、その後「ワレモ岳」「鷲羽岳」<三俣小屋>「黒部五郎岳」「北ノ俣岳」<太郎平小屋>ー>折立峠のルートであった。

@ 折立峠経由ー>太郎平ー>薬師沢ー>雲ノ平ー>水晶小屋ー>水晶岳(黒岳)
A 飛越トンネルー>神岡新道ー>北ノ俣岳ー>黒部五郎岳ー>三俣蓮華岳ー>鷲羽岳ー>ワリモ岳ー>水晶岳
B 鏡平ー>双六小屋ー>三俣小屋ー>鷲羽岳ー>ワリモ岳ー>水晶岳
C 黒部湖ー>平ノ渡場ー><読売新道>−>赤牛岳ー>水晶岳
D 高瀬ダムー>烏帽子小屋ー><裏銀座縦走コース>−>野口五郎岳ー>真砂岳ー>赤石岳ー>水晶小屋ー>水晶岳

前日2日間、「薬師岳登山」と「雲ノ平山荘」への移動をしてたった3人の宿泊だった。 10月11日、朝食中に全面の山並みが朝日に焼け始めたので急遽カメラを構えて撮影。 5時50分に朝食終了・テルモスへ熱湯を詰めて6時10分水晶岳へ向けて雲ノ平山荘を出発。 今日も天気は上々だ。 今日の工程は「雲ノ平山荘」ー>「祖父岳」ー>「水晶小屋」ー>「水晶岳」ー>「水晶小屋」ー>「ワレモ岳」ー>「鷲羽岳」ー>「三俣小屋(泊)」。

 スライドショー   【第1部】 【第2部】 【第3部】



スライドショー【第1部】
【日の出前の景色:5時55分】 笠ヶ岳望遠(左)   黒部五郎岳(右) 水晶岳の後ろの朝日の出
午前5時起床。 2階窓と1階窓から外を眺め、5時30分〜6時の朝食へ2階から、カメラ片手に1階の食堂へ下りる。 小さいランプの灯で薄暗い中での食事もまた思い出となろう。 日の出前の5時55分に上記左3枚撮影し、6時5−10分に水晶岳方面が明るくなったので最高感度のまま、上記右の2枚を撮影。 「太郎平方面」の朝焼を6時13分に撮影。
太郎平方面の朝焼 山荘を出ると木道に沿ってギリシャ庭園を進む ギリシャ庭園内の水溜まりとチングルマ
急いで熱湯をテルモスに詰めて、6時10分に周辺には陽光が届かない時に「写真撮影時間のゆとり」が欲しく出発。 台地にある水溜りには青空が写りこむ。 チングルマの胞子は日陰ながら輝いて見える。 小屋直下から「スイス庭園」方面へズット木道が連なり歩きやすいと思いきや、正反対で、木道に下りた霜で非常に滑りやすく細心の注意で一歩一歩を進める。 
山荘の喫茶コーナー紹介看板  石ころと草原の平担地にチングルマ 東に向かって進み祖父岳(上右)を通過する
背丈の低い草・丸い小石の間にチングルマの株が多い。 石表面は青く見える。 南の「黒部五郎岳」にはまだ陽光が当らないが先程よりも全体に明るく、振り返る「山荘」は空を背景に見える。 
紅葉ー>茶色に変わる葉と胞子が風に靡く 高台に建つ山荘望遠 庭園の南側には「野口五郎岳」の稜線
序々に木道周辺の草丈が高くなり、「コバイケイソウ」と思われる1m程度の花柄が沢山現れ初めた。 逆光線で見ると草よりも色の濃い茶褐色で結構目立つ存在だった。
草原の草丈が高くなり「コバイケイソウ?」の濃褐色の花柄が林立する



スライドショー【第2部】
緩い勾配ながら滑りやすい木道の歩行は予想外に時間が掛かる。 山荘を出てや約20分の付近には林立する「コバイケイソウ」の群生する姿は壮観だった。 トップシーズンなら「純白の花」で周辺の見事だろう。
薄茶色の草原に林立する「コバイケイソウ?」の濃褐色の花柄を朝日の逆光線越しに眺めながら木道を水晶岳へ進む。 山荘方向を振り返ると山荘同宿の男性(岩国在住)が追いついてきた。 
山荘がより瀟洒に見える 草原の草丈が又低くなり石ころと草原の間に「水溜まり」が散在する 水晶岳・三俣への道
登山ルート図によると「キャンプ場」付近に水場標識が在るが、一向にそんな所は無かった。 男性に尋ねると200m位後の水溜りで汲んで来たと言うが、あの水を飲む気には成れない。 1Lのペットボトルと500mlのお湯で行けそうで、山荘まで水汲みに戻らなかった。 所々にある浅い水溜りは「池塘」かも知れない。 
ギリシャ庭園:庭石を配した様な台地を水晶岳へ進む くねる木道の遊歩道 ギリシャ庭園から山荘方面を望む(遠景:太郎平)
直進する「キャンプ場」方向と左折する分岐点:この付近が『スイス庭園』らしい。 地図にはこの分岐点の表示が無い。 一瞬困った!! 例の男性は左折して進んでいるが、「分岐点標識」にも「祖父岳・三俣」方向と記入されていて大いに迷った。 意を決して「左方向」へ進んだ。 
正面は目指す水晶岳 木道の両側には池塘?水溜まりがあちこちに散在し庭園の池に見える 北ノ俣岳望遠
この付近は『スイス庭園』の名前が通用する景観が左右に展開した。 低い草丈の草原の処々に直径1−3m程度の池塘が散在し、大小の庭石が無造作に配置されている。 正面は「水晶岳」、左方向には「薬師岳〜立山連峰」が望遠出来る。  後ろには「黒部五郎岳」・・・



スライドショー【第3部】
ギリシャ庭園には無数の小さい池塘が散在し周囲の山並みや空を写し込む。 高山植物のシーズンの美しさが想像出来る。 木道が又分岐している地点に来た。 この分岐も地図には無い!! 磁石では左方向は「高天原」方面だ。 思案の挙句、「この先は崩壊の為通行不能」との書き込みとテープで閉鎖のマークがある。 「高天原」方向と思われる木道は序々に下り勾配になる。 これは単なる「スイス庭園」の遊歩道だろうと判断して引き返す決断をする。 
池塘と立山連峰 池塘と薬師岳望遠 山頂が赤土の赤牛岳 遠景:天狗岳・国見岳? 黒部五郎岳望遠
次の重要な決断は「崩壊地」へ向かうか? キャンプ場方向への木道分岐点まで戻り、その方向に進むか?だった。 かなり悩んだ挙句、閉鎖マークの「崩壊地方向」へ前進する決断をした。 『通過不能なら引き返せばよい』が理由だッタ。
スイス庭園全景と薬師岳(遠景) 赤牛岳と水晶岳稜線 スイス庭園の遊歩木道と遠景の薬師岳
直ぐハイ松林帯の中にそのルートは伸び、問題無さそうだったが、追い付き追い越した男性の姿は見えない不安は常に付き纏う。 約10分間、コンナ心理状態のまま、ハイ松の中を前進・又前進。 
遠景:天狗岳・国見岳 水晶岳に続く赤牛岳 スイス庭園キャンプ場 スイス庭園全景と薬師岳 黒部五郎岳カール(中央)
ハイ松帯中の高台から眺める台地は「スイス庭園」全体がやや俯瞰できる位置である。 水晶岳・赤牛岳〜遠景の立山連峰〜薬師岳〜黒部五郎岳まで略360度の展望が出来た。

『北アルプス縦走:第4日<水晶岳ーA>』へリンク