【光岳登山】
<沢渡登山口〜易老岳〜光岳〜易老岳〜登山口>
第2編:静高平〜光岳小屋〜光岳山頂〜光岳小屋
登山年月日 平成19年8月28日 曇天〜小雨〜曇天
登山者 殿川紘史単独行
登山ルート 【8/27】塩見岳小屋〜三伏峠〜鳥倉林道ゲイト〜光岳登山口(易老渡登山口)
【8/28】易老渡登山口(5:05)〜面平(7:40)〜(9:30)易老岳〜静高平(11:00)〜(11:20)光岳山荘(11:25)〜(11:35)光岳(11:40)〜(11:50)光岳山荘(12:25)〜(12:40)静高平〜(14:05)易老岳〜(15:35)面平〜(16:15)易老渡登山口(16:55)〜(17:45)道の駅温泉(21:30)〜【8/28】〜(4:30AM)函南(宿泊)
所要時間 【登山時間】11時間10分<5:05AM〜4:15PM>
【総合時間】23時間25分<5:05AM〜8/28.4:30AM>

       光岳山頂標識

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【光岳登山全体図】 【詳細地図(登山口〜易老岳)-@】 【詳細地図(易老岳〜光岳岳)-A】


【静高平・水場〜光小屋〜光岳山頂】 【スライドショー】

10時55分に「静高平」と「水場」の標識の場所に着き、ザックを下して周囲を観察・・・立派な水場の仕掛けはあるが、水は全く流れて居らず、ポリバケツの中には汚れた水の痕跡だけが見られた。 数分程度立ち止り、11時5分頃、光小屋へ急ぐ為にスタート。 ここからは殆ど平坦な平原:センジヶ原への入口。 左手方向を示す「イザルヶ岳」への標識を見たが、晴天なら展望が良い…とされる「イザルヶ岳」への寄り道をするが、このガスでは景色の展望は望めないと判断して光小屋への直進する道を取る。  イザルヶ岳への道を示す標識の先から「木道」が敷かれ草原の保護対策を感じる。 緑の草原に点々を白色の模様が見える。
11時:静高平・水場通過 イザルヶ岳分岐標識 センジヶ原入口・イザルヶ岳分岐 ガスに霞むセンジヶ原

右手奥方向には「ハイマツ」が茂る。 この光岳周辺は「ハイマツの南限」地域らしい。 白化したハイマツの幹や根が露出したのが遠方からも観察出来る。 約200−300m続く「センジヶ原」を通過すると右手に細い道が見え、これは小屋下にあるキャンプ場に続く。 11時15分頃、上部を良く見るとガスの間からぼんやりと小屋が見え始めた。 「光小屋」に違いない。 小屋を右手に見て回り込むと小さい「標識」があり、小屋の方向を示す。
枯れたハイマツの幹・根 山小屋直下のキャンプ場 キャンプ場からガスに霞む光小屋を見上げる 光岳山頂へ小屋から15分

11時20分に「光小屋」へ裏にある玄関入口を開けて内部に入り、安堵感がこみ上げる。 予定時間よりも約1時間半程度早く到着した。ザックを下し、管理人へ挨拶とザック一時置きの許可を得た。 東北から来た5−6人のグループからの伝言:「1名減少」を伝える。 11時25分に小屋を出て、空身で「光岳山頂」へ向かう。 小屋を出た直後に「寸又峡温泉」と「光岳」方向を示す標識があり、直進した。 寸又峡温泉までは13時間30分の距離らしい・・・。
光小屋・裏側にある入口:登山者は見当たらない   直進:光岳山頂へ      左折:寸又峡温泉   大井川源流部の解説看板

ゆるい勾配の道は。百名山頂へ向かう登山路とは思えない・・・。 両側共に木々に囲まれ、視界は無い・・・。 約10分経過後の11時35分に南アルプス最南端の「光岳山頂(2591m)」の標識を見て、ここが山頂か???と思う位頂上的な気配はない。 展望台との標識に従うも樹林帯を少し切り開いた場所(岩塊)に立つもガスで視界はゼロ・・・。 ガイドブックでも視界の無さ了解済み。 多少は展望が利くという「光石」まで7分との標識を見たが、意欲が湧かず・・・・。 
柴沢吊橋分岐 南アルプス最南端:2591mの光岳 光岳山頂ー>光石 ガスで殆ど展望は無い「光岳山頂」周辺:シラビソ林


【光岳山頂〜光小屋】 【スライドショー】

山頂周辺には「ハイマツの古根」が白化して露出。 山頂を示す「標識」を撮影し「大井川源流部原生自然環境保全地域」と書かれた看板の地図と解説内容をゆっくり読み、念の為に撮影。 この「光岳」は東側の畑薙湖からのルートも意外にアクセスは良さそうだ。 
約10分程度居ただけで、山頂を離れて、「光小屋」へ引き返す・・・。  百名山山頂での滞在時間が「10分」と極端に短いのは間違いなく最短記録であろう。 好天で景色が良ければ、殆ど1時間程度は何時もは山頂に居て、景観を満喫するものだが・・・。
約10分の道を又小屋へ向かって引き返した。 
ハイマツの根 大井川源流部詳細:畑薙湖〜聖岳方面 ハイマツの南限地 光岳山頂〜光小屋のルート 綺麗な光小屋内部

11時50分、再び登山客の殆ど気配のない「光小屋」に入り、休憩スペースで昼食をさせてもらう。 「コーヒー:¥400」を注文して、「どら焼き・リンゴパイ・キーウィー・トマト」等を食べながら、肌寒い室内で寛ぐ。 食事しながら、既に「宿泊予約済」であるが、12時半頃出発すれば、登山口まで下れると判断した。 云い辛い予約キャンセルする理由を考えて、恐る恐る管理人へ「宿泊のキャンセル」を申し出た。 時間的に夕食準備には取りかかっていないから・・・だろうか、快くキャンセルを認めて呉れた。 「弐杯目のコーヒー」を注文して食事を続けた。
光小屋周辺の草原で見掛けた「苔:ミヤマハナゴケ」 木目が美しい小屋内部:2段フロアー 光岳小屋の規則集 飲食料金表

小屋の内部は写真の如く、無垢の年輪が見える丸太材を多用した綺麗な内装である。 公営山小屋らしく、登山者よりも管理人が運営し易い様な事が多く書き込んである。 それらの記載は掲示板で、特に「光小屋規則集?」には、「50歳以上で3人以内のグループ」のみに食事を提供し、それも3時以前に申し込む必要がある。 50歳以下の登山者は全員、自分で食事を作る必要がある・・・。 このルールを知らずに登山する者はいるだろう・・・と思った。 この山小屋の管理人夫妻はれっきとした「公務員」だから・・・・。
下山したら、道の駅「遠山郷」の温泉「たぐら湯」に是非試して・・・と云われた。 掲示板に詳しい情報が有った。 
バイオトイレ使用法 南信濃遠山郷の観光案内図:「かぐらの湯」を勧められる 光岳小屋周辺の展望:ガスが急に晴れて見えた景色

12時25分、山小屋の管理人へお礼を述べて、帰途に就く・・・。 小屋から下る地点でガスがスーッと引いて周囲の景色が見え始めた・・。
日没まで約5時間あるので慌てる必要はないが、周囲の景色や山小屋の外観を撮影して「センジヶ原」へ下る。 
ガスに霞む北東部方面? バイオトイレ棟 センジヶ原上部の丘に建つ綺麗な「光岳小屋」:3棟からなる


【光小屋付近〜静高平】 【スライドショー】

キャンプ場には2張のテントが見えた。 100m程度も離れると小屋の建物はガスで霞んで見える。 この「センジヶ原」には「亀甲状土」が見られる・・・と登山地図にも記載されている。 草原には約1−1.5m程度凸部が無数に見える。 其々の凸面にはコケ類が茂り、それが周囲よりも凸面が形成される様だ。 右下2枚の写真がその「凹凸部全体」と「苔の状況」を示す。  
キャンプ場入口と其処から見上げる光岳小屋 珍しい「亀甲状土」 同拡大写真 同亀甲土に生える苔

凹凸の集合帯は丁度、亀の甲羅に似ているからその名がついた。 一つの凸部を撮影して観察したら、「白い苔:ミヤマハナゴケ」と「ガンコウラン」が入り混じり、密に生えている。 草原には若いハイマツが周辺部から内部へ新入する様子が見られる。 
センジヶ原の展望と木道 センジヶ原の苔等の植物 「ガンコウラン」 「ハクサンボウフウ」 センジヶ原の亀甲状土

草原に点々と白い模様に見えるのが、上記の映像の「白い苔:ミヤアマハナゴケ」である。 この苔は ハナゴケ科。 このハナゴケの仲間は極地で多く見られ、北極圏やアラスカではトナカイの餌としてよく知られる。 こんもりとした海綿状で、触れるとカサカサしている。
12時35分頃、「草原:センジヶ原」に出口にある「イザルヶ岳」分岐標識の傍を通過・・・。 ハイマツの木陰と草原の境界に「ハクサンフウロ」のピンク色が目立った。 
盛り上がる「亀甲状土」 イザルヶ岳入口標識 ハイマツ中の「ハクサンフウロ」 ガスに霞む静高平周辺の「トリカブト」群生地

12時40分過ぎに、「静高平」標識傍に届く。 辺り一面には沢山の「トリカブト」の花が原生し、紫色とその中に点在する黄色の花「マルバッタケブキ」がコントラストをなす。 日没前に「易老渡登山口」へ下山する必要から、其のまま通過。 
「トリカブト」の花 石が露出する「静高平」 一面に生える「トリカブト」 「マルバタケブキ」 枝をくねらせて「ダケカンバ」

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