大雪山縦走(第4/9編):第3日目
<第2部桂月岳・北海岳・白雲岳・緑岳・小泉岳>
     (1,938M) (2,149M) (2,230M) (2,020M) 2,158M)

登山年月日 平成13年7月17日(火) 曇〜晴
メンバー  殿川紘史 (単独行)
主要コース 黒岳石室(4:40)ー>(4:50)桂月岳(5:00)ー>(5:10)黒岳石室(6:20)ー>(8:05)北海岳(8:20)ーー>(9:45)白雲分岐(9:50)ー>(10:10)白雲岳(10:30)ーー>(11:05)白雲分岐ー>(11:50)白雲岳避難小屋(13:00)ー>(14:10)緑岳(14:15)ー>(14:40)石室分岐ー>(14:55)小泉岳ー>(15:30)赤岳分岐ー>(15:45)白雲分岐ー>(16:10)白雲避難小屋(泊)
所要時間 5時間30分(黒岳石室〜白雲避難小屋)        
全体行動時間:11時間30分(桂月岳撮影・白雲岳周辺撮影時間含むj)

      縦走ルート: 【黒岳石室〜北海岳〜白雲岳】


白雲岳山頂:旭岳方面の展望

大雪山縦走:【第1日目】 【第2日目】 【第4日目】 【第5日目】


<大雪山縦走:第3日目を3分割>
【第1部:桂月岳・黒岳石室】
 【第2部:北海岳・白雲岳】 【第3部:緑岳・小泉岳・白雲岳避難小屋】


<大雪山縦走:第3日目のスライドショー>

【第1部:桂月岳・黒岳石室】 【第2部:北海岳・白雲岳】 【第3部:緑岳・小泉岳・白雲岳避難小屋】


大雪山縦走:第3日目<第2/3部>

9時5分に北海岳(2149m)の頂上着。 頂上と言っても目立つピークはなく標識で確認出来る。 荷物を下ろし360度の展望を満喫しよう。 お鉢を見下ろす正面に見る所に立つと、右手に今朝出発した方向に、「黒岳(1984m)」「桂月岳(1938m)」「凌雲岳(2125m)」、正面に「北鎮岳(2244m)」「中岳(2113m)」、左手に「間宮岳(2185m)」「松田岳(2136m)」等がお鉢を囲む様に並び、真後に「白雲岳(2230m)」「五色岳(2038m)」「小泉岳(2158m)」「赤岳(2078m)」が見える。 快晴ならば、「間宮岳」の左手には大雪山連峰の主峰「旭岳(2290m)」も見えるはずだが、山頂部は雲に隠れている。 しかし雲の間からではあるが、はるか彼方の特徴ある山頂を持つ「トムラウシ山(2141m)」、更に遠い「オプタテシケ山(2013m)」「十勝岳(2077m)」までも視界に入る。 一昨日までの強風雨で空気中のゴミが除去されたのだろうか・・・・。 素晴らしい眺めだ。 お鉢の中(お鉢平)は平坦で上から見ると中央には流れ込んだ水を集めて「赤石川」となって石狩川の支流の一つを形成し層雲峡に流れ込んでいる。  お鉢平の高度は約1900mだから、周囲の山々との高度さは約200−300mで其の斜面には残雪が白いパターンを作り全部お鉢に向かっている。 

桂月・凌雲岳方面 北鎮岳 北鎮岳の雪渓 キバナシャクナゲ 黒岳
北鎮岳全貌 北海岳頂上標識 トムラウシ山〜十勝岳方面 トムラウシ山・化雲岳
化雲岳(左)・トムラウシ山(右)      赤岳 桂月岳(左)・黒岳(右) 中岳(左)・北鎮岳(右)

 お鉢平の高度は約1900mだから、周囲の山々との高度さは約200−300mで其の斜面には残雪が白いパターンを作り全部お鉢に向かっている。 このお鉢の稜線に立つのはこれで3回目。 39年前の学生時代(旭岳〜白雲岳〜化雲岳〜天人峡縦走)、2年前(黒岳〜お鉢平展望台)に次ぐが、学生時代にもまして感激の眺めだ。 特に2日後の登る予定の「トムラウシ山」、4-5日前に登山した「十勝岳」まで展望できるとは・・・。  正反対方向から展望していることになる。

         間宮岳方面のお鉢への斜面の雪渓                     御鉢平
黒岳 キバナシオガマ 赤岳 斜面のチングルマ
雲に隠れたトムラウシ山頂部 ハクサンイチゲ エゾオヤマエンドウ 後旭岳(左)・旭岳(右)
五色岳方面:キバナシャクナゲ エゾオヤマリンドウ ヨツバシオガマ エゾオヤマリンドウ

標準時間、1時間20分を1時間40分をかけて、両側のお花を眺めながら略平坦な道を歩き、「白雲岳分岐」に到着。  標識の周囲には5−6個のザックが整然と置かれているのは、少なくとも5-6人以上が「白雲岳」に登山していることが推測できる。 25キロのザックを運ぶ必要もないし、紛失の心配も無いのでザックを同様に残して山頂をピストンする事にした。 水・カメラ・交換レンズ・スナックをサブザックに詰て、三脚兼用ストック持参の軽装だ。 
  
白雲岳登山ルートのチングルマ 五色岳方面の雪渓
ミヤマキンバイ チングルマ チシマセンブリ エゾコザクラ


比較にならぬ軽快な歩行を楽しみながら、「白雲平」の緩い勾配を辿り急坂のかかる。  大きい岩が折り重なるような登山路で、其の岩
の間には「チングルマ」を代表とする高山植物に混じり「エゾコザクラ」も有った。 この一帯の岩場には「ナキウサギ」生息するとあるが、前
回同様にお目にかかれなかった。 


ミヤマクロスゲ エゾコザクラ 白雲岳登山ルートのチングルマ 赤岳

険しい急勾配の岩場を過ぎて、約30分で「白雲岳山頂」に到着。 7−8人の中高年夫婦が食事をしながら、正面の旭岳方面を眺めている。 40年前にも、「残雪のパターン」見事さに感激し、当時の学生時代としては「高価なフイルム:モノクロ」を一本分以上撮影して、その後、慌てて次の日に「再度装填・使用」して全部駄目にしたことが思い出された。 旭岳から南に向かって流れるような線状の残雪は「ハイマツ」の緑とのコントラストで例えようのない自然が作り出す美しさだ。 あいにく旭岳は雲に隠れて見えないがゆえに北海道最高峰である事を誇るようだ。 時々白雲岳西北部から湧き上がる「ガス」が線状の残雪のパターンを隠す。 其のガスで南面にある今夜の宿舎となる「白雲岳避難小屋」は見えない。  感激的な景色に見とれて山頂滞在は20分間。 その間、右往左往しながら、撮影ポイントをさがしてはファインダーを眺めていたようだ。 50枚は下らぬ枚数を稼いだようだ。 

旭岳方面の残雪:白雲岳山頂からの展望
旭岳方面の残雪:白雲岳山頂からの展望
旭岳方面の残雪:白雲岳山頂からの展望
エゾオヤマエンドウ 化雲岳方面 白雲岳山頂標識:旭岳方面

下山途中の崖を覆うように張り付いた雪渓上の「パターン=波型」が面白い。 その雪渓の側には「チングルマ」と「ハクサンイチゲ」が咲いていた。 はるか彼方の「トムラウシ山」の山頂部が雲に見え隠れする様子が眺められた。

チングルマ 雪渓表面のパターン ハクサンイチゲ   トムラウシ山頂上部

白雲岳分岐に戻り、重いザックを担ぎ、白雲岳避難小屋に向かう。 小屋までは約20分の道で全部急坂である。 急峻な白雲岳南東斜面に残る雪渓の形が面白い。 間もなく高根ヶ原を背にした「白雲岳避難小屋」が小高い丘の上に雲の間から現れた。 左手の小さい小屋はトイレだろう。  小屋の周囲に見える雪渓の形からその急峻な地形が良く見える。

  小白雲岳方面のガス     白雲岳避難小屋(右の丘)           白雲岳避難小屋背後の雪渓
小白雲岳・化雲岳方面 避難小屋背後の大雪渓 トムラウシ山
化雲岳・トムラウシ山方面 避難小屋水場のエゾノリュウキンカ群落

避難小屋の高台前の水場には「ハクサンイチゲ」「エゾノリュウキンカ」「チュシマキンバイ」「ミドリハクサンイチゲ」「エゾコザクラ」の群生が見られ、丘にかかると「キバナシオガマ」「キジムシロ」等の高山植物が目についた。  

エゾコザクラ・ハクサンイチゲ      エゾノリュウキンカ ムカゴトラノオ キバナシオガマ
エゾノリュウキンカ チシマキンバイ ミドリハクサニチゲ ミヤマキンバイ

11時50分、避難小屋到着。 2階にスペースを確保して昼食準備。 宿泊費を払い登録。 水場に2.5Lの容器を持参して明朝分までの水を汲んだ。  若い管理人とおしゃべりしながら 休憩していたら「緑岳」「小泉岳」方面の散策する事を勧められた。 沢山の高山植物の撮影が可能だと彼は言う。 サブザックに最小限のものを詰めて、出掛ける準備をした。


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<第3日目:スライドショー>
【第1部:桂月岳・黒岳石室】 【第2部:北海岳・白雲岳】 
【第3部:緑岳・小泉岳・白雲岳避難小屋】