大雪山縦走(第5/9編):第3日目
<第3部:
桂月岳・北海岳・白雲岳・緑岳・小泉岳>
   (1,938M) (2,149M) (2,230M) (2,020M) (2,158M

登山年月日 平成13年7月17日(火) 曇(午前)〜時々晴(午後)
メンバー 殿川紘史 (単独行)
主要コース 黒岳石室(4:40)ー>(4:50)桂月岳(5:00)ー>(5:10)黒岳石室(6:20)ー>(8:05)北海岳(8:20)ーー>(9:45)白雲分岐(9:50)ー>(10:10)白雲岳(10:30)ーー>(11:05)白雲分岐ー>(11:50)白雲岳避難小屋(13:00)ー>[ 板垣新道】−>(14:10)緑岳(14:15)ー>(14:40)石室分岐ー>(14:55)小泉岳ー>(15:30)赤岳分岐ー>(15:45)白雲分岐ー>(16:10)白雲避難小屋(泊)
所要時間 5時間30分(黒岳石室〜白雲避難小屋)            
全体行動時間:11時間30分(桂月岳撮影・緑岳・小泉岳周辺撮影時間含むj)

   縦走ルート地図: 【黒岳石室〜北海岳〜白雲岳避難小屋】

ヨツバシオガマ:緑岳周辺

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大雪山縦走:第1日目 第2日目 第3日目 第4日目 第5日目

大雪山縦走:第3日目<三分割>
第1部:桂月岳・黒岳石室】  【第2部:北海岳・白雲岳】  【第3部:緑岳・小泉岳・白雲岳避難小屋】

<大雪山縦走(第3日目):スライドショー>
【第1部:桂月岳・黒岳石室】  【第2部:北海岳・白雲岳】  【第3部:緑岳・小泉岳・白雲岳避難小屋】


大雪山縦走:第3日目<第3部>

12時直前に白雲岳避難小屋に到着し昼食・休憩後、最小の物をサブザックに詰めて緑岳〜小泉岳〜白雲岳分岐〜白雲岳小屋のルートで高山植物の観察・撮影に出かけた。 避難小屋の東側の【板垣新道】は小屋と緑岳稜線の間の谷の雪渓の踏み後を辿り横断。 この頃には稜線上には陽光が時々射す程に回復してきた。 雪渓が消えるとすぐに稜線への坂道となる。 其の辺りから湿原性高山植物でない、多分乾燥性高山植物がちらほら目立ち始めた。 最初の植物は「チシマキンレイカ」・「チシマギキョウ」だ。 前者は大雪山中では初めての花だった。 「エゾタカネスミレ」「ホソバウルップソウ」「エゾハハコヨモギ」「エゾイワツメクサ」「名前不詳」「エゾオヤマエンドウ」「エゾミヤマツメクサ」「エゾミヤマキンバイ」「コマクサ」「エゾツツジ」とあたり一面に沢山の高山植物が現れて、地面に這い蹲いになりながらの鑑賞・撮影を繰り返した。 時に「エゾタカネスミレ」の群落が石ころだらけの斜面に広がる様は誠に見事だった。
チシマキンレイカ チシマギキョウ ミヤマリンドウ ハクサンイチゲ
エゾタカネスミレ ホソバウルップソウ エゾタカネスミレ エゾハハコヨモギ
ホソバウルップソウ 名前不詳 エゾイワツメクサ エゾオヤマノエンドウ エゾミヤマツメクサ
エゾツツジ ミヤマキンバイ コマクサ
約1時間で「緑岳〜小泉岳」のルートの分岐に到着。 其処を右折=南方面に折れて、一旦「緑岳頂(2020m)」(別名=松浦岳)に向かった。 小石の多い平坦な所を歩き「緑岳に到着。 「標識」がなければ頂上であるとの認識が出ないようなところだったが、其処から見下ろすと右手の「高根が原」からの急峻な崖の下には高密度な樹林帯があり、数多くの「沼」が見える。 地図によると「ナキウサギ生息地」の岩場を経由して「第二花畑」「第一花畑」と数多くの高山植物の豊富な地帯を経て「大雪高原温泉」がある。 此処は「銀泉台」と並んで大雪山:白雲岳への最短登山コースのようだ。  沼の多い地域は同時に「ヒグマ」の生息地として知られ、「高根が原分岐」への登山ルートは危険防止の為に現在は閉鎖されているとの記載がある。 何時かは数が10にも及ぶ沼を巡る「沼廻り散策コース」を歩いて見たい。
エゾツツジ ヨツバシオガマ 緑岳から白雲岳避難小屋を望む
小白雲岳                     白雲岳直下部の避難小屋
緑岳方面から見上げる白雲岳はガスで頂上は見えなかったが、その急峻な南斜面の雪渓の大きさ・形は面白い。 刻々とは変化する雲の移動で処々に劇場部台のようにスポットライトが当たり写真機を向けたくなる。 小屋が有るがゆえに、スケールの大きさが描かれる。
ハクサンイチゲと雪渓 チングルマと雪渓 白雲岳避難小屋付近の雪渓
緑岳から白雲岳避難小屋を望む チョウノスケソウ チシマキンレイカ群落
緑岳〜小泉岳のルート上で「白雲岳避難小屋分岐」を過ぎて、小泉岳に地がづく連れて、高山植物の種類・量ともに増加してきた。 「チシマキンレイカ」の群落に混じり「ホソバウルップソウ」「ヨツバシオガマ」等が多かった。  「ホソバイワベンケイ」「ミヤマアズマギク」「チョウノスケソウ」も今日初めての高山植物だった。 「小泉岳(2158m)」も其の標識がなければ、山頂であるとの認識が難しい。  標識を左に折れると先端が黒くとがって異様に見える「赤岳()」を経由して「銀泉台」へ続くが、此処では左にルートを取り、「白雲岳分岐」向かう。
ホソバノイワベンケイ 小泉岳から御鉢方面を望む
ミヤマカタネスミレ群落 ミヤマアズマギク コマクサ・ミヤマカタネスミレ チョウノスケソウ
「白雲岳分岐」に15時45分到着。 旭岳方面の上空に澄んだ青空が見え始め、雲の移動で生ずるスポットライトが斜面。山頂に変化をあたえてくれる。  積乱雲も発達し、かなりの上空まで到達して曇空にも変化が出てきた。  間違いなく明日の天気は快晴だろう。
旭岳・後旭岳方面の積乱雲 旭岳望遠
旭岳 見事な積乱雲 キバナシャクナゲ
「白雲岳分岐」を左に折れて「白雲岳避難小屋」に向かうルートに入った。 今朝11時ごろ通過した時同様、急坂を下る。 避難小屋が小高い丘に見え始めた。 軽い荷物で一気に下り、小屋直下部の水場には「チシマキンバイ」「エゾノリュキンカ」「ハクサンイチゲ」等が群落をなして咲きそろう。  其処を迂回して「キャンプサイト」に出た。 既に「10張」以上の色とりどりのテントが張ってあり、まだ増えそうだ。
白雲岳避難小屋周辺の雪渓 白雲岳直下部 チシマキンバイ
チシマキンバイ エゾノリュウキンカ ハクサンイチゲ 白雲岳避難小屋テントサイト
16時10分、3時間をかけた「緑岳〜小泉岳」の散策から避難小屋に帰着。 12時ごろと違い、沢山のハイカーで小屋の就寝スペースは略一杯の盛況で、夕食の準備のスペースを作り出すにも工夫がいるくらいだった。  数日間連続して宿泊中の画家に出会って会話がはずんだ。 東京だが、大雪山の自然に魅せられて「家族」を東京に残して北海道・上川町に移り住んで作画活動に励んでいるとの話だ。
明日からは「ヒサゴ沼避難小屋」に移動して、其の周辺を散策して題材を探すので、「ヒサゴ沼」での再会に話題が変った。 画材一式と長期間無人小屋宿泊の装備・食料を入れると相当の重量だろうと彼の年齢を推定しながら心配した。 70歳に近いらしい。 
定番の夕食:メニュー+コーヒー+果物(ミカン)。  18時ごろよりシュラフに入り休息しながら、8時頃には熟睡に入ったようだ。 明日は「高根が原」の高山植物の宝庫を通過して、明後日の「トムラウシ山」の登山に備える期待の一日だ。

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大雪山縦走:第3日目<スライドショー>

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