礼文島散策(1/5編):第1日
   <林間コース編>
○ 年月日 平成13年7月9日  曇〜時々晴
○ メンバー 殿川紘史  (単独行)
○ 主要ルート 稚内港(6:20)ー<礼文島行:フェリー>−>(8:15)礼文島:香深港(8:30)ー<バス>−>(9:00)船泊(民宿:ゆうなぎ)(9:30)−<車>−>(9:55)8時間コース終点(10:00)ー><レブン林間コース>−>(10:50)礼文滝分岐点ー>(11:10)レブンウスユキソウ群生地(11:30)ー>(11:40)案内板ー>(12:30)林道コース終点(12:35)ー>『第一日:桃岩歩道コース編』
○ 所要時間 3j時間5分 <6:00AM−PM:0:35>  (実際コース散策:2時間40分)

<レブンウスユキソウ>
散策地図: 【林間コース】

千歳〜稚内ドライブ:7月8日(車中泊)
6月27日宇都宮ー>新潟港ー<フェリー>−>小樽港ー>千歳空港のルートで大村市在住の長姉(写真狂?)を出迎えて、9日間、北海道内(層雲峡・原生花園・知床五湖・野付半島・びわ瀬・摩周湖・南富良野・上富良野・十勝岳温泉・天人峡・支笏湖・札幌市内)をフォードグランドタイガーで写真撮影で駆け巡り、7月7日に千歳空港で見送った。 大型キャンピングカーは約30年前に工場建設で6ヶ月間勤務した会社の駐車場に、一昼夜駐車させて貰った。 小生も東京に飛び「高校東京同窓会」に出席して日帰りで千歳空港に戻り8日から一人での『気まぐれな写真撮影旅行』をスタートした。 稚内に向かうのに旭川経由では面白くないので、留萌市から海岸線の国道#232を北上し、ハマナスとニッコウキスゲが満開のサロベツ原野・抜海原生花園で撮影しながら、稚内市内に入り、陽の長い夕方は、稚内公園を、夕方は野寒布岬で夕日を眺め、日没後「稚内港:礼文島・利尻島行フェリー」の駐車場に車中泊した。 この7月8日のドライブ記録(千歳ー>留萌ー>サロベツー>稚内ー>野寒布岬)は別の紀行文として纏めたい。  2泊3日の礼文島・1泊2日の利尻島の必要品を大型ザック一杯にするも収納できず、更に「パソコン」と「デイバック」(写真機材)の3個の荷物を持参する必要に迫られた。 どうも安全を考えすぎるために常に荷物が膨らむ。 

稚内港〜礼文島:香深・船泊(民宿)
 9日早朝、5時起床・朝食も食欲は十分で礼文島トレッキングと利尻岳登山の期待で一杯。 6時フェリー乗り場に移動。 6時20分礼文島行フェリーに乗船。 トップシーズンだが、早朝便のために船内は幾らかのスペースの余地が見られる。 オホーツク海に面する稚内の朝は、期待した快晴でなくどんよりとした曇り・風はない。 穏やかな2時間の航海で8時15分「香深港」入港。 8:30分発バスに乗車っして、島最北東部の船泊の民宿「ゆうなぎ」を目指す。 約4週間前に電話予約で幸運にも2日間の予約をした(2回目の利用)。  このシーズンは「礼文島の花の旅」が有名で、条件の良い民宿の予約は容易でないそうだ。 9時に民宿到着。 主人も記憶していたようで大歓迎され気分良く2日間の部屋に通される。 

礼文島散策:第一日目(林間コース編)
    
デイバックに雨具・写真機材・食料等をパックして、9時30分に本日の散策コース「林間コース」・「桃岩歩道コース」に向かう。 この民宿の良さは「美味い食事」だけでなく「自家用車での送迎」である。 年配の運転手(前回と同じ人)に「礼文島林道コース起点」まで礼文島の東岸を南下して、9時55分に起点まで乗車。 10時きっかりに「林間コース」の散策を開始した。香深川に沿っての20分の歩行は広くなだらかな車道歩きで特筆すべきことはなかった。 右からの合流した「8時間コース」を右に分けて暫く進むと道路端に「レブンシオガマ」、よく似ていて区別しにくい「オオハナウド」・「エゾノヨロイグサ」などがあちこちに見え始めた。 
オニシモツケの蕾と花(非常に繊細な構造) オオハナウド?エゾノヨロイグサ?  名前不詳
オニシモツケ(上)が開花した花の一つ一つは驚く程繊細で綿毛の様に見える。  初夏から秋にかけて咲く「セリ科」の花は、皆同じ様に見えて、区別は難しいが「花の咲く時期」・「背の高さ」・「花のつき方」・「葉の形」等で見分けられるそうだが、小生には依然明確でない。礼文島のものは他の地域に比べてかなり小振りだそうだ。 図鑑の「礼文:花の島・花の道」によれば次の様な種類が存在する。  
@「エゾニュウ」:セリ科で最大で高さ:1〜2m、球形の花序が無数に付いて花火のように見える。 A「エゾノヨロイグサ」:エゾカンゾウが終わった頃姿を現す。 茎が紫色を帯びる。 高さ:1〜1.5m  Bエゾノシシウド:厚みと光沢がある葉、海に近い所に多い。 高さ:0.6〜1m。 Cオオカサモチ:細かく切れ込む柔らかい葉。 高さ:0.5〜0.8m。  Dオオハナウド:葉にもみじの様な切れ込みがある。高さ:0・5〜1m。花序の一番外側の花弁が大きい。 Eシラネニンジン:10〜30cmと小さいが高山帯でよく目立つ。 葉に光沢がある。  日当たりの良い道端や原野には濃い意ピンク色の「ヨツバシイオガマ」が目立ち始めた。 礼文島では「レブンシオガマ」と呼ぶそうで
礼文島のものは「レブンシオガマ」の名前で記載する。 岩場にもちゃんと咲いていた。
林道コースには最も多い花:レブンシオガマ(ヨツバシオガマが正しい名前だが礼文島では違った)
視界が開けた眼前の丘越しに「利尻富士」が見事に見えた。 利尻島がこんなに近くに見える!!  西側(海岸の方角)からはガスが時折風に乗って押し寄せ辺りの視界が遮られた。 
利尻島望遠:林道コース 西海岸からのガス オオダイコンソウ チシマフウロ
間もなく「レブンウスユキソウ群生地」の標識に従い、左の小高い丘に登り足元を見るとちらほら散見されたが、一面に咲くウスユキソウにめぐり合えた。 思いの外、花丈は低く、10〜15cm程度だ。 同じ様に見えるが、少しづつ個体間の違いが判る。 此処から「月ヶ丘」までのウスユキソウを纏めて下に集めるとその違いがよく判る。  図鑑の写真と比べながら上部の花の形状(実は白い部分の全部が花ではないらしい)で判断して名前を記載したが、確信はないので悪しからず。 兎に角、細かい産毛に覆われた可憐な花である。
「レブンウスユキソウ」でも地区によって少しずつ違いが認められる
エゾウスユキソウ ホソバヒナウスユキソウ ミネウスユキソウ ミヤマウスユキソウ
レブンウスユキソウ群生地に20分以上粘り(時々ガス・雲が切れて陽光が差し、写真撮影のチャンスを呉れるが、辛抱が必要だった。 小高い丘を降りて林道=車道を歩き始めた。 道端にも細かい花があった。 その典型は「オオミミナグサ」で花の直径は5mm位か?。 480mmでマクロ撮影し、PCで最大に拡大したのが下の写真。  「レブンウスユキソウとハマナスの白と赤のコントラスト」と「2本のレブンシオガンマの花の間から見えるレブンウスユキソウ」のショットも。
「ハマナス」と「レブヌスユキソウ」 オオミミナグサ レブンウスユキソウ」と「レブンシオガマ」
オオダイコンソウ ミヤマオダマキ エゾカワラナデシコ ヤマブキショウマ
「レブンウスユキソウ」の大きい看板を過ぎ、また車道を離れて左手の丘「月の丘」のルートを辿るが、霧が濃くなり、視界も20m以内。  撮影条件がどんどん悪化し、歩行ルートも見えにくいが幸いにもルートにそって「杭とロープ」が張られ道を外す心配はないが折角のお花畑が見えにくい。 右手の急勾配の斜面には濃い霧越しに無数の花が見える。 足元には「レブンウスユキソウの群落」もあるが、ここのウスユキソウは先程の「群生地のウスユキソウ」より白い花弁が細く、花丈は高いのは、外の植物の間に生育するために日照量が少ない為だろうか?、其れとも別の理由があるのだろうか? 今までに見なかった「エゾカンゾウ」の群落が斜面に無数あり霧の中に霞む。

<月の丘周辺の植物群>
黄色カタバミ レブンシオガマ・エゾノヨロイグサ・他多数 レブンウスユキソウ 「カンゾウ」がいっぱい
九州の「グミの花」極似 レブンシオガマ・ヤマブキショウマ・他 チシマフウロ はまなす
「月の丘」は周辺よりも数十メートル高い小山だが、ここではガスが掛り、100m程度の視界だったが、花の数には驚いてしまった。  7月中旬で遅すぎる為か「エゾスカシユリ」が一株だけ見にとまった。  「イビキトラノオ」の群落が斜面に続く所もあった。  斜面で最大の「セリ科」の「エゾノヨロイグサ」の白い花の大群落のあったが、赤いレブンシオガマ、薄紫のチシマフウロ、 イブキトラノオ、柿色のエゾカンゾウの中では、「無色=白い花」が却って引き立って見えるのは不思議だ。  
エゾスカシユリ 「月の丘」の鑑賞路 イブキトラノオ
イブキトラノオ センダイハギ エゾノヨロイグサの蕾 名前不詳:車道の縁で見た
月の丘の傾斜地には数え切れない花が咲き乱れる。 花の名前を挙げてみれば、「レブンシオガマ」・「エゾノヨロイグサ」・「レブッブスユキソウ」・「エゾカンゾウ」・「チシマフウロ」・「ミヤマオダマキ」・「ヤマブキショウマ」・「イブキトラノオ」・「エゾスカシユリ」・「エゾカワラナデシコ」・「センダイハギ」・・・と凄い数に驚いた。 「林道コース終点」から元地海岸に通じる車道の傍に見た「濃柿色の花」の名前は不詳だが礼文島の花とはかなり違う・・・・・「外来種」かな??
10種類以上の花が咲き乱れる 「月の丘」の斜面の風景

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