礼文島散策(3/5編):第2日目(1/2)
  <西海岸8時間コース:前半編>

○ 年月日  平成13年7月10日   霧雨〜曇
○ メンバー  殿川紘史  (単独行)
○ 主要ルート  民宿(7:30)−<民宿の車>−>(7:50)コース入り口(7:55)−>(10:00)コース中間点ー>(12:00)海岸下降地点ー>(12:55)ウエンナイ食堂(13:45)ー<香深井林道>−>(15:30)8時間コース終点ー>(15:50)香深内礼文林道コース始点(15:55)−<民宿の車>ー>(16:15)民宿
○ 所要時間 8時間コース前半: 8時間45分           
<AM7:30−PM4:15>

<礼文島西海岸:アナマ岩付近>

散策ルート: 【西海岸8時間コース】

西海岸8時間コース:前半編(西上泊分岐点〜ウエンナイ海岸降下地点


昨日の夕日での予想通り、今朝の天気は思わしくない。 良くて曇天・・・。 西海岸と尾根支すじは更に悪いかもしれない。 民宿の運転手さんに昨日予約していた7時30分に民宿出発。  8時間コースの起点よりもやや近い「西上泊分岐」で下車。 既に霧〜霧雨の天気模様で「スパッツ」と「雨具」を上部だけ着用して出発。 こんな天気の中のトレッキングは展望がなく楽しさは半減だが仕方ない。 草原のような平坦な小道の草を歩き始めた。 視界がないから下向きの視線。 カメラにPE袋を被せて雨滴がつくのを防止。  道端の植物の花中心の写真撮影に専念することにした。  「センダイハギ」「エゾフウロ」または「チシマフウロ」に次ぎ「大型セリ科植物」の「エゾシシウド」「タカネイブキボウウフウ」「エゾノヨロイグサ」「オオハナウド」が目立ち始めた。 大型の「セリ科植物」は図鑑を見ても名前を判別が困難であるため、下記の如く名前を記入したが、確信の程度は低い。

センダイハギ エゾフウロ
エゾノシシウド タカネイブキボウフウ エゾノヨロイグサ オオハナウド

「オオカサモチ」と「レブンシオガマ」の群生地をすぎ、「トリアショウマ」の薄黄色の穂先が霧の水分を集めて水玉となり綺麗だ。風に靡く穂先が面白く「名前不詳」の植物を撮影。  本州の「蓬(ヨモギ)」より葉が薄く大きい「数枚の芽先の葉が白いヨモギは遠目には不思議な花に見える。 「コケモモ」の次に見つけた花は「利尻オウギ」「と「エゾチドリ」で、殆ど同じ地域に点在していた。図鑑でも「エゾチドリ」か「アオチドリ」かの区別が付かなかった。最初の一本を見つけたあとは不思議と辺りに幾つかを観る事が出来た。 「リシリオウギ」と「エゾチドリ」共には草むらの影に在り、天候と影で考量が少なく撮影に苦労し、霧にぬれた草むらに這い蹲って何枚も撮影した結果で「ISO800〜1600」且つ低速シャッターに限定された。

  オオサカモチ レブンシオガマ トリアショウマ ミヤマアシボソスゲ
キジムシロに近い? シロヨモギ コケモモ リシリオウギ エゾチドリ?アオチドリ

地面を這うように延びた「タカネナナカマドの実」を記録。 ナナカマドよりも葉に光沢があり大きい。  草むらに「マメ科植物」と思って撮影した紫色の花は「カラフトゲンゲ」と判った。 全国の其処にでもある「アザミ」よりもすこしトゲが柔らかく「チシマアザミ」。  九州の屋久島の山中で見つけた蔓を伸ばしながら成長している植物(観葉植物になりそう)は「エゾヒゲノカズラ」で成長すると先端には「胞子のう」がつく。 羊歯植物の分類だ。がこの礼文島の草むらにあったので撮影した。  草の下で可憐な白い一輪草は図鑑で調べたら「エゾイチゲ」とあった。  辺りを注意深く探したがこの一輪のみだった。 之も小さいこと、草の中の為に撮影に苦労し、「専用100mmマクロレンズ」を持参しなったので、ズームで480mmにして最短距離近づき撮影して「PCでんもレタッチ・トリミング」で如何にか鑑賞可能になった。 

タカネナナカマドの実 カラフトゲンゲ チシマアザミ
<エゾヒカゲノカズラ>と<其の胞子のう> ヒメシラネニンジン エゾイチゲ

礼文島8時間コースで見つけた唯一の昆虫。 長さ3cm程度で光沢ある濃紺の甲虫で色から何だか「高貴な昆虫」に見えた。 ミタマオダマキはいたるところに在るが気のせいか少しずつ違っている。 エゾカンゾウはこの時期にはよく観られる目立つ花で之は「7つの蕾」が付き未開花だ。 ハマナスかと思ったら「オオタカネバラ」らしい。 蔓に近い木で、疎らに1−2輪がひっそりと咲いていて、まとまって咲き誇る「ハマナス」との違いは大きい。 オオダイコンソウもあった。 本州の高山に多い「ゴゼンタチバナ」が一面に咲いた地域に出た。 

昆虫:名前不詳 ミヤマオダマキ エゾカンゾウ
ハイオトギリ オオタカネバラ オオダイコンソウ ゴゼンタチバナ

前半のルート中で撮影した「レブンウスユキソウ」を6枚も掲載するがどれも周囲の「花序の形」が微妙に違い、中心部の花も大きさが違う。 霧の条件に恵まれ「産毛に覆われた「花序」には丸く露が付きそれが光っていてカメラのファインダーを覗いていて兎に角面白い被写体だ。 ヨーロッパの「エーデルワイス」に最も似ている高山植物からか女性ハイカーの人気だ高いが、「目立つ色」でない地味な花だが、よく観察すると「貴婦人」にも見えてきた。 


レブンウスユキソウ
レブンウユユキソウ

西海岸コースが「ウエンナイ(宇遠内)港に近づくと稜線つたいのルートは急激に下って海岸の磯に通じる。 海岸線は山から直接海に続き険しい岩に繋がっている。 地図では「アナマ岩」とあり、「奇岩」はこの岩であろう。 崖の岩の隙間に「イワベンケイ」の株の子房は全部赤くなっており、図鑑によると「受精」すると赤く目立つ色に変るとある。 今までの変化のないルートと全く異なる海岸からコース終点までは「後半編:西海岸8時間コース」として纏める。

ハンの木の実 セリ科植物の蕾

マタタビ カラフトゲンゲ イワベンケイ ヤマブキショウマ(手前)

今までの変化のないルートと全く異なる海岸からコース終点までは後半編:西海岸8時間コース」として纏める。
 
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