礼文島散策(4/5編):第2日目
(2/2)
<西海岸8時間コース:後半編>


○ 年月日 平成13年7月10日(日)   曇
○ メンバー 殿川紘史  (単独行)
○ 主要コース 西海岸降下地点(12:00)−>(12:10)海岸線ー>(12:55)ウエンナイ食堂(13:45)−><香深井林道>−>(15:30)西海岸8時間コース終点ー>(15:50)礼文林道コース始発点(15:55)−<民宿の車>−>(16:15)民宿
○ 所要時間
8時間コース:後半  4時間15分          <12:00−PM4:15>

<西海岸北方向>

<西海岸南方向>
    散策ルート: 【西海岸8時間コース:後半】 <海岸への下降地点上部の展望>

礼文島・西海岸8時間コース:後半編(海岸降下地点直上部〜8時間コース終了地点)

12時に尾根すじから海岸線が初めて見える地点に到達。 今までの変化の少ない地形・風景とがらりと変った。 荒々しい海岸線が左(南)右(北)に一直線広がる。地図には「アマナ岩」のマークがあるが、眼下の奇妙な岩並が其れだろうか? 踏み跡を辿って急坂を下り始めると「派手なハマナスの株」と「胞子が赤くなったイワベンケイ」に目が移る。 九折に降りて海岸の磯に出た。  僅かの砂地に「ハマベケイソウ」と「ハマハコベ」が寄り添うように地面を這うように伸びている。  ハマベンケイソウの実の色が兎に角派手な色だ。 一つの株に「青・ピンク・赤」の実が沢山ついている。  こんな植物は初めて見たので「新種」を発見したような気分になった。  砂地に這い蹲り何枚も撮影。一方、側の「ハマハコベ」は正反対に「地味」で花も5mm位で、撮影に苦労した。  この花の撮影で10分以上を費やした。  


ハマナス アナマ岩を見下ろす
北方向を眺める   南方面を眺める イワベンケイ 磯に落ちる小滝

この花の撮影で10分以上を費やした。  もう一つの植物は巨大な「オオハナウド」の花と緑色の種が寄り添い「種の集合体」は直径が40-50cmもあり、「お盆」、いや「ヒマワリの種」のようだ。 <いずれも写真あり>  


不詳 オオハナウドと実 オオハナウドの実 エゾカワラナデシコ
シロヨモギ ハマベンケイソウ ハマベンケイソウ カンチコウゾルナ
ハマハコベ(前)・ハマベンケイソウ ハマハコベ 岩に咲くエゾカワラナデシコ

潮は干潮で、波は大きくないので磯の縁を歩行すれば恐怖感は全くない。 大きさの揃った石を踏みながら島の西海岸を真南に向かって進む。 進行方向はハッキリしているが目標は見えない。 真っ黒い磯の石に「茶色の短い海藻」が付き、海面に常に浸かる岩のレベルまでは「茶色の岩」2見える。  左手の山のV字型の岩に沿って小さい「滝」が海岸に直接落ちている。  磯がU字型に当たるところに行くと沢山の「ごみ」が浜一杯に散乱していた。 この光景は「どんな僻地の浜」でも見られるのは残念だ。 食品・工業用品・漁具等何でもあるが、日本語・韓国語・ロシア語が混じる。 之では世界中の海に廃棄物が漂流している事になる。  


ウエンナイ海岸の浜・磯
磯に流れ着いたごみの山:材木・海藻・プラ容器・網クズ・ロープ・発泡体・・・・・等々
二つ目の小滝 海藻:昆布とアオサ 不詳

ウエンナイの部落が見えてきた付近の浜には「エゾカワラナデシコ」と「ハマユウガオ」がポツポツと生えていた。 人影はないが建屋の中を覗くと中年のおばさんがいた。寒いので中に入れてもらい「民宿弁当」を食べる代わりに食堂自慢のスープを注文。  今日は始めての訪問者だと言われtから来客者は多くない様だ。夏の間だけ此処で漁をしながらすごすのだと言った。  食事中に「若い女性」の来客があり、彼女も食事したいらしく「同じスープ」を注文して早々に食べてまた往路の「宇遠内林道」経由で香深井〜香深に戻ると言って小生よりも早く退散した。  昔は無尽蔵に近かった「海産物」(あわび・うに等)は最近の乱獲がたたり礼文島の東海岸では不漁が続いているが、資源保護を考えて制限している西海岸、特にこの「ウエンナイ漁港」はそれ程の深刻さないとのこと。

浜の岩に中に別の石が・・・ エゾカワラナデシコ ハマユウガオ 民宿ウエンナイ荘

食堂の壁の素晴らしいレ「ブンウスユキソウの写真」に話が移ると、途中からご主人も「網の手入れの仕事」をやめて小生の側に来て、これらの写真は「何時・何処・どんな条件」で撮影したかを詳しく説明した後、写真マニアと判断して、見事な「高山植物」の場所がこの近くにあり、その「行き方」を丁寧に教えてくれた。  その話に感謝して直ぐ其処を目指した。
部落を離れ「ウエンナイ林道」方向から外れ、「部落の神社」横をぬけた「小高い丘」の斜面」にあった。  ご主人の話の如く「ウエンナイ地区」特有の「大型レブンユスユキソウ」が沢山在り、其の中の見事なものから撮影したのが「下の写真」で、「林道コース」や「8時間コース前半のレブンウスユキソウ」と少し違いがわかった。 「花序の幅」は細いのに対して丸みが強く、肉も厚い。  下の写真の左と右でも違うが、同じ所にあるウスユキソウでもこれだけの個体差があった。  礼文島の「レブンウスユキソウ」の写真を集めて比較してみたい。 

不詳 レブンシオガマ エゾカンゾウ ハマナス
ミヤマツメクサ 「宇遠内群生地」のレブンウスユキソウの個体差
不詳 エゾニュウの花と花芽 ツルアジサイ

セリ科植物の中で最大の種は上部写真の花「エゾリュウ」だ。  「八手」のお手玉の様な花の房の集合体で特殊があり区別しやすい。 
ウエンナイの「秘蔵のレブンウスユキソウの群生地」からウエンナイ林道に戻り、帰途を急いだ。  道の側の木の中で「オオタカネバラ」が一輪、一輪とひっそり咲き、散りかけて花弁を落としたものもある。  日当たりの殆どない茂みに「マイズルソウ」が一株だけ遅れて咲いているのがあった。  「オオシモツケ」

エゾカンゾウ オオタカネバラ   マイズルソウの花と葉
オニシモツケ 潅木の花:不詳

上の「オオシモツケ」の蕾と開花途中の被写体に恵まれた。 開花した花の繊細さに見蕩れてしまう。 綿毛よりも細いかも・・・。  名前は判らないが10mm位の小さい花が大きい葉の下に隠れる様に咲き、花弁を落としたものの上の小枝の形は「小鳥の頭」に見えるから
何だか不思議。  花ばかり追いかけた一日ノ閉めに、全く「花のない葉」の写真を撮影した。 全部真上からの撮影だが、葉の形も中々
面白い。  この中に「皮膚のかぶれ」を起こす植物が御分かりでしょうか?  

ミヤマセンキュウ ツルアジサイ 不詳 不詳
不詳 不詳 不詳 不詳

途中から合流した若い二人(早朝にスコトン岬を出発して8時間コースを走破)は、今から「礼文林道コース」を歩いて、香深市街に出て今日中に稚内に渡ると、15時30分に「8時間コース終点」を後に元気に出発した。  約20分後の15時50分に礼文林道始点到着。  ウエンナイの食堂で予約した民宿の車は、16時きっかりに到着した。 16時15分に民宿に無事到着した。  一日中一度も太陽は出なかったが、霧雨も午前中の一時期だけで、雨にあわなかったのを善しとした。  ゆっくりと内風呂に入り、 美味しい夕食を腹一杯に頂いた。 明日は午前中に「ソコトン岬」からスタートし「西上泊」までの「4時間コース」を散策して、夕方のフェリーで稚内に戻る。  予定していた「利尻岳登山」は、旅館・民宿全部が満員で宿泊できない事が判り、大学時代以来の「二回目の登山」は別の機会に延期する。  礼文島にくる前に予約していれば「テント持参」での登山は可能だったのに・・・・。  やはり「トップシーズン」は天候に関係なく、観光客・登山客で一杯なのだそうだ。