『奥秩父・福寿草群生地探訪』

第1編:浦山ダム〜福寿草群生地への沢筋@

登山年月日 平成19年3月18日 (日) 快晴
メンバー 殿川紘史・川村氏・塩入氏・平居氏
主要ルート 【3/17】<秩父御岳山・猪狩山縦走>〜(17:45)大浦ダム(車中泊)
【3/18】大浦ダム(7:20)〜(7:30)川俣駐車場(7:40)〜(8:10)細久保〜(9:10)沢筋(10:35)〜(10:40)福寿草群生地(11:05)〜(11:10)沢筋(11:40)〜(13:50)川俣駐車場(14:00)〜(17:40)宇都宮自宅
所要時間 【登山】6時間10分 <AM7:40-PM1:50>
【総合】10時間20分 <AM7:20-PM7:40>

奥秩父山域:昔のワサビ沢を遡上
<福寿草大群生地を探して>

写真をクリックすれば拡大出来ます

【浦山ダム(秩父さくら湖)〜細久保周辺地図】

【福寿草群生地情報】

奥秩父の奥に「福寿草」の大群落がある・・・・とこの周辺をくまなくトレッキングしているベテラン登山家に聞いた登山仲間から誘われて参加することにした。 兎に角、凄い群生地だという。 野生の「福寿草」はあまり観たことがなく、仲間に付いて行き、群生する福寿草に期待した。 

【群生地探訪の背景】


奥秩父山域には「福寿草」の群生地が多いとは山の情報で見ることがあるが、今回の群生地は何処の文献にも記載されていない「極秘の地域」であるそうで、HPで公開すれば、瞬く間に知れ渡り、心無い登山者に荒されてしまう・・・・から公開しないとの約束で、地図・ルート情報は最小限に止めなければならないのが残念。
前夜車中泊したのは秩父郡荒川村にある「浦山ダム:さくら湖」駐車場だった。 このダムは全国的に見ても大規模な多目的ダムらしい。 詳しくは下記の「浦山ダム」をクリックして下さい。


【浦山ダム(秩父さくら湖)〜奥秩父・山域沢筋@】  スライドショー

前夜浦山ダム駐車場に到着して車中泊。 朝6時起床・車中で朝食を済ませて、本日の参加者:平居氏・川村氏・塩入氏と揃った午前7時20分、各自の車で登山口まで移動。 手早く登山仕度して7時40分に細久保集落から「細久保渓谷」に入る。 今日の福寿草の群生地の発見者である「ミナマル氏」作成の手書き地図を頼りに行動する。
普段の登山とは異なり、地図上にルートの記載は全くない手探り登山・探訪となる不安があった。

先ず、最初の目印:大きい廃屋・・・を8時24分に見つけて、ルートをより山間部に修正・・・・この廃屋は結構大きい邸宅だが、現在では「オートバイ」以外の車が入る道路は見当たらない・・・・如何して此処へ建設出来たのだろう??
浦山ダムから見る夕日 秩父さくら湖:浦山ダム 細久保:この周辺から山へ入る 昔の豪邸:今は廃屋

今までの陽光が全く当たらない「杉林」を通過して、少し広い林道らしき場所に出る。 一帯には「人工林」が多く、既に第1世代の木々は伐採された場所を通過。 徐々に道幅が狭まり、崩れた場所が急斜面にあり、緊張したトラバースとなる。 
しっかりした林道を過ぎると、小さい沢の手前で岩場の急斜面の通過を強いられた。  無事通過して比較的大きい沢筋に出くわす・・・・これを沢に沿って未知なルートに入るらしい。
杉林伐採地林道 道のない斜面 踏み後程度の崖の縁から小沢を通過 旧「ワサビ田」の沢を遡上

登山路の如き道しるべはないが、以前は「ワサビ田」として使ったらしい「石組の段々畑?」が沢の上部に幾つも作られた跡が在った。 それらの石前面に結構濃い苔が着いている。 沢筋の左岸よりを歩いた形跡があった。 大きい石がごろごろしているが、沢は広い為に、木々の垂れ込みもなく、歩き易い沢登ルートである。
石を積んだ「ワサビ田」の跡が残る 「コケ」が一杯の沢を遡上 石にはコケが一杯

沢筋に入ってから約10分経過・・・・沢には僅かの水が中央の石の下を流れる程度・・・・時々に倒木が沢を渡る様に散乱した箇所もある。 早朝の冷気は結構冷たい・・・・。 沢の上流部を見上げても落葉した木々だけで、山らしき頂や稜線は見当たらない。
モクモクとワサビ田跡の左岸を登る 風倒木が沢に横たわり自然に戻る様子が分かる 時々沢を外れて山側に


【奥秩父・山域沢筋A】  スライドショー

「旧ワサビ田」の沢に入ってから、20分経過して、足場の良い場所で、「第1回目」の休憩・・・・。 丁度陽光が当たる場所で、冷たすぎる事はなかった。  「水」「スナック」それに平居さん持参の大きい「グレープフルーツ」は甘みと酸味が程よく混ざり、登山の果物としては最高の部類に入る。 有難く4名で均等に分けて頂く。
何処で休憩? 第1回目の休憩:水・スナック・大きなグレープフルーツ・・・・元気回復 サァー出発!!

10時少し前に出発・・・・周囲は大きい石に苔が一杯の水無沢となった。 石の隙間に白い物が見える・・・・雪だった。 沢の中心部から少し離れた石の中に、樹皮のツルツルした木々が何本も生えている・・・・常時水量の少ない地域だろうか・・・・倒木が流れに沿う様に横たわり、表面には苔の着いたものもある。 
限りなく涸沢登り 南東斜面には沢の湿気でコケが覆う 沢内にも樹木が生えて健全に成長

本当に「福寿草」群生地に辿り着けるのかしら・・・?と心配しながら・・・ 水が消えた沢:白色は薄い新雪

沢の上部に巨木が沢の左岸から右岸へ橋の如く横たわる景色が目に入る。 沢の石のサイズも小さくなり、歩き易くなった。  福寿草などが群生する場所へ辿りつけるルートだろうか?・・・と多少不安となる。 誰も来ないし・・・沢の様子は苔むした庭園の様な雰囲気で、登山と思えば、最高に綺麗な沢登である。
前方に巨木が沢を跨ぐ形で倒れていた 沢の水は涸れ、石のサイズも小さくなり、勾配は少し緩む気配・・・


【奥秩父・山域沢筋B】   スライドショー

頭上4m程度を右斜面から左斜面に横たわる風倒木は近づくと本当に巨木に類する。 特に右手斜面に天空向かい複雑な根を広げる様はその倒木の大きさと、風の強さを想像した。 こんな木でも倒される風が吹き抜けるのだろうか?
下ばかり向いて歩くと頭上を高く跨ぐ誇大な風倒木の存在を見逃す程・・・・・地中の根周りのサイズは「5m以上」だろう

巨木の根元まで近づいて写したい衝動に駆られるが、3人のペースを乱す訳には行かない・・・・。 広がる木の根は上空の青空が背景になる位、高くまである。 
「樹種」は不明だが、巨木の倒壊・・・・これこそ根こそぎ斜面から浮き上がり幅:30mの沢を跨ぐ

今日の天気も快晴で、朝の陽光に照らされる「福寿草」を想像しながら、一歩一歩足を進める。 この辺りには大きい倒木が沢の真ん中にも散乱し、既に沢山の苔が覆う位の時間が経過していた。 ふさふさした苔の上に「新雪」が乗っている。 
沢の上部から振り返ると青空を横切る 朽ちた倒木のコケ 沢が消え始め風倒木が散乱

沢筋に石が減り、殆ど落葉が覆う様に変わって来た。 左斜面には新雪が薄く表面を覆う場所が見えてきた。 眼前にやっと稜線が見え始めたが、相当に遠い距離がある。 ウあーあそこまで登らにゃ駄目か??・・・・
沢が消え、石が無くなり、落葉と倒木が覆い、勾配は緩くなる 北側山斜面には昨日降った新雪が・・・・

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