荒海山(1,581m)
<日本300名山>

登山年月日 平成15年5月24日(土) 曇・晴
メンバー 殿川紘史  (単独行)
主要ルート 【5/23】宇都宮・自宅(20:30)−>会津街道#121ー>(23:00)道の駅「田島」<車中泊>
【5/24】道の駅「田島」(5:40)−><田島から#352>−>(5:50)清原・袋口−>(6:10)八総鉱山跡先の道路淵(6:50)ー>(7:00)登山口ー>(7:50)尾根・休憩@(7:55)ー>(9:05)休憩A(9:10)ー>(10:00)山頂(双耳峰)(11:05)ー>(12:30)尾根分岐(12:40)ー>(13:10)登山口ー>(13:25)駐車ポイント(13:40)−>駒止湿原
所要時間 7時間45分 <AM5:40−PM1:25>   総歩行数=19.300歩



  荒海山登山ルート概念図
写真の上でクリックすれば拡大写真が見れます
荒海山登山マップ
スライドショー:荒海山登山<八総鉱山跡〜山頂往復>

【荒海山の概要】
「日本300名山」にリストアップされている山で、「栃木県ー福島県境」に位置しており、山頂(1,581m)には2等三角点があり、その山頂からの「日光連山」「高原山」「尾瀬」「会津」の展望が素晴らしい。 別名「太郎山」とも呼ばれる。 霧が発生しやすくコケの多い幻想的な山である。 紅葉の時期は、特に素晴らしい景観が楽しめる。
【登山ルート】
登山ルートは福島県側から唯一ルートしかなく、国道#352の清原から旧八総鉱山跡まで行き、そこで駐車して、荒れた林道を行く。
八総鉱山跡ー>尾根取付ー>町村界尾根鞍部ー>荒海山山頂(1,58m)往復 (登山時間:約3時間40分)

5月23日、宇都宮の自宅を午後8時30分に出て「今市市」経由で会津西街道#121で道の駅「田島」に午後11時に到着。 駐車場で車中泊。 トラック・乗用車の出入りが多く騒音で安眠し難かった。 翌24日、5時20分起床・5時40分朝食せずに出発して、国道#352に入り、「会津高原駅」に近い「清原」で左折して「荒海川」に沿って「八総鉱山跡」に通じる林道(途中からダートに変わる)を進み、鉱山跡よりも少し前進した道幅の広い場所に駐車。6時10分到着。 更に前進出来そうなダートの林道が続くが先の道路状況不明の為にストップして朝食、6時50分に出発。 その時に「一眼レフ:デジカメ」を自宅に忘れたことが判明。 幸いにも「コンパクト:デジカメ」が車内にあることを思い出して、仕方なく3−4年前のカメラを持参した。 天気ははっきりせず、「春霞」のようにも見えるし、雨が降るかも知れない可能性もある天気。 悪路の林道を約10分進むと真新しい「登山カードボックス」が在ったが、提出するカードの在庫=ゼロで、且、随分前の「登山者カード」が其のままで放置されていた。 此れでは「登山者数計算データ」位の意味しかないだろう。 登山ノートから紙を破き「要点のみ記入」して投函。 7時15分、堰堤で登山道路らしい道に変わる。 その一帯は河原のようで、幾種類もの植物が見られた。 撮影したが、このカメラでのマクロ撮影は信頼性が低かった。 「」「」「」其処から急激な坂道が始まり、登山シーズン最初の山故に、呼吸が直ぐに乱れ、「町村界尾根鞍部」に到達した7時50分にはかなり足に疲労を感じた。

登山ルート概念図 登山カードポスト アキタブキ トウゴクシソバタツナミ  オオバショリマ   タムシバ

この鞍部は沢筋から吹き上げる風が通り、休憩で気分爽快になった。 見晴らしは殆ど無い所。 鞍部からは稜線に沿って進む。 ブナ林が茂り、樹林帯が左右に切れ目無く続くが、1時間以上も稜線を歩い田時に、大木の間から、目指す「荒海山山頂」が左手に高く見え、相当の急坂を想像させた。 「ムシカリ」「ムラサキヤシオ」「タムシバ」「」(赤い実)等、春の雰囲気一杯のルートで楽しい。

ムシカリ ムラサキヤシオツツジ 荒海山頂上望遠 ムラサキヤシオツツジ  「???」

更に「石楠花」が幾株も左右に見られ花も大きく見事だった。 緩い稜線が終わり、樹林帯の登り勾配が急になった岩陰に「いわ
なし??」の群落やピンク色の「ショウジョウバカマ」もある。 コンパクトデジカメでの「可憐な花」のクローズアップで苦労した。
足場が悪く近づけない場合もあった。 

    アズマシャクナゲ イワウチワ  アズマシャクナゲ ショウジョウバカマ

両側は樹林帯だが、その高さは徐々に高度と共に低くなる。 滑りやすい急坂にはロープがつけられていたが、このロープが無ければ、登版が困難な所さえあり、此れほどにキツイ勾配の山とは予想しなかった。 勾配が緩い所で後を振り返ると「七ヶ岳」をはじめ沢山の北部の山々が見えるが春霞だろうか明瞭ではなかった。 視界のない樹林帯の稜線
歩きが続いた後だけに晴れ晴れした気分になる。

荒海山北稜線急坂からの展望: 北部方面

低くなった樹林帯に混じっている純白の「タムシバ」の花が満開で、その花越しに見る遠景は素晴らしいかった。 朝心配した天候は文句なしの快晴だ。 頂上から下りて来た「中年夫婦」と出会う。 山頂にもっと留まりたかったが、山頂には「虫」が多く、とても長居できなかったそうで、昼飯も省いて「退散」の途中だと・・・。 下山後は「北部の名山:七ヶ岳」を登山すると言って急いで下っていった。

北稜線上の満開の「ムシカリ」と「タムシバ」

勾配は緩くなり、左手の笹の中に古い小さい「避難小屋」が有った。 間もなく「荒海山頂上」に到着した。 10時ジャスト。 中年夫婦が逃げ出した「虫の大群」を心したが、確かに多い(ブヨ・カ・ハエ等)が、我慢出来る程度で助かったが、腰を下ろすと顔の周りを煩く飛び回る。 暑いほどの陽気で日陰を欲しいくらいだった。 頂上は「双耳峰」だからと藪の多いもう一つピークを目指して奥に進んだら「大量の残雪」が在った。 ピークは大分先で、しかも「藪こぎ」の距離も長いと判断して戻った。周辺の展望楽しんでいたら、【3人のぐループ】が登ってきた。 頂上避難小屋:南稜小屋<正式名>の修理を請け負っていると言った。 道具は小屋に置き、持ち物は食品が主。 「ビール」を持参して今から「残雪」で冷却するから「呑まないか?」の誘いを丁寧に断る。<全くアルコールは飲めない体質だと説明>。 一人は「ラーメン」を作り始めたが、「肉・卵・野菜」の3点共にちゃんと準備してあった。 登山の知恵だと感じた。 「おにぎり」を食べながら、「荒海山」や「七ヶ岳」「駒止湿原」「周辺の山々」について詳しい情報を入手出来た。 下山後時間が在るので「駒止湿原」に行く決断が出来た。

七ヶ岳方面 南稜小屋 荒海山山頂   植林記念碑 東部ピーク展望と残雪

「荒海山頂上標識」の前で「記念写真」を撮ってもらう。 3人のリーダー曰く「大理石製の頂上記念碑」<上の中央>や「木製の書き物」<頂上標識に下の横長の板>共に不要物=>どうしてこんな物を高いコストを掛けて設置するのか?と・・・」。 確かに「あんな急坂」では人力では無理で、多分「ヘリコプター」で運搬したんだろう・・・と。 「成る程」と思いたくなった。 この頂上からは「残雪の多い:平ヶ岳・燧ヶ岳」も霞んだ彼方に見えた。 「南方向」には「日光連山」も見えた。 頂上にも石楠花が咲いていた。

西部望遠 山頂標識 タムシバ 山頂直下部のミヤマシャクナゲ

陽が高くなるに従い「虫の大群」は退散したようで気にならなかった。 11時05分に3人にお礼を述べて下山開始。
リーダー氏の話で「数年前に下山途中の死亡事故」の話を思い出して「細心の注意」で岩場を通過した。 その岩場の直下を覗くと「危険な理由」がわかった。 「イワウメ」の写真を撮りながら下山したが、「下り」は早い。 「町村界尾根鞍部」に12時30分到着。 12時40分、10分間の小休止後、急な沢筋を下る。 

タムシバ イワウチワ チゴユリ ミヤマエンレイソウ オオバショリマ

13時10分、沢の終点の低地で「チゴユリ」「エンレイソウ」「シダ」類の写真を撮影した。 川筋に出た地点で「トウゴクシソバタツナミ」「オオバタチツボスミレ」を写す。

ミヤマエンレイソウ ワラビ トウゴクシソバタツナミ        オオバタチツボスミレ

13時25分、道路端の駐車ポイントに帰着。 装備を解いて直ぐ「駒止湿原」へ向かうためルートの検討後、 13時40分
ダートの林道を出発。 国道#352に出て、駒止湿原(コマド)に向かった。  

【駒止湿原】に続く