駒止湿原散策
<荒海山登山ー>駒止湿原散策>

年月日 平成15年5月24日(土) 晴
メンバー 殿川紘史  (単独行)
主要ルート 【午前中】荒海山登山<八総鉱山跡〜山頂往復>
荒海山駐車スポット(13:40)−>(14:20)駒止湿原入口ー>(14:45)駐車場−>(14:50)巡回ルート<左周り>ー>(14:55)「大谷地」−>(15:30)「白樺谷地」−>(16:00)「水無谷地」−>(17:00)入口ー>(17:05)「駐車場(17:25)ー>会津街道ー>(19時)今市市(19:30)ー>(20:15)宇都宮・自宅
所要時間

7時間35分 <PM1:40−PM8:15>


        駒止湿原入口の石碑
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駒止湿原内散策マップ
スライドショー:駒止湿原散策<周回コース:大谷地〜白樺谷地〜水無谷地〜湿原入口>

【駒止湿原概要】
駒止湿原は、国道289号の旧道、駒止峠の山頂に開け、標高1100mのブナの原生林に囲まれた約27haの湿原で、渓流付近十数個の湿原が見られ国の天然記念物に指定されている。 その代表的な湿原は、【大谷地】、【白樺谷地】、【水無谷地】の3つの湿原からなり、保護地域に指定され、木道が敷かれています。 これ等の中で「低層湿原」、「中層湿原」、「高層湿原」への群落発達段階を見ることが出来る。 従って格段階に現れる湿原植物画多く、その中には尾瀬と共通する種類も多く周囲の「」ブナ」の価値は極めて高い。 泥炭層の深さは150cmに達する所もある。 約2時間で1周できる。 春の訪れを知らせるミズバショウに始まり、夏にはニッコウキスゲ・ワタスゲなどの高山植物が咲き乱れます。 ミニ尾瀬というだけあって小規模ながらも尾瀬なみの花を楽しむことが出来る。
【駒止湿原へのルート】
会津街道#121−>道の駅「田島」−>桧枝岐方面:#352−>針生で右折(赤穂原川沿い)ー駒止湿原入口ー>湿原内巡回木道:大谷地〜白樺谷地〜水無谷地 【約2時間コース】

【5月24日】早朝に道の駅「田島」の車中泊地から「日本300名山:荒海山(1,580m)」を登山して、その下山口の荒海山駐車スポットを13時40分に出て国道#352ー>国道#289に入り、14時20分に駒止湿原入口に到着。 軽食を口に入れ、湿原入口の看板で全体ルート・周回コ-スを確認して、14時50分から、<指定された:左周りで【大谷地】ー>【白樺谷地】ー>【水無谷地】を周回することにした。

「大谷地」の入口でその概要が看板に要領よくまとめられていた。 訪問した時は春の花である「ミズバショウ」「リュウキンカ」「ショウジョウバカマ」「タテヤマリンドウ」が低層湿原内に咲き、その周縁の林内には「タムシバ」「ムシカリ」「ムラサキヤシオツツジ」が咲き、「コバイケイソウ」は若い芽が生育中で開花していなかった。 湿原内よりもその周縁部の木々に変化が多かった。 【大谷地】:14時55分〜15時30分。 【白樺谷地】:15時30分〜16時。 【水無谷地】:16時30分〜17時。 合計=2時間05分<休憩を含む>で三大湿原を1周出来た。 


【大谷地の概要】
「大谷地」は三湿原の中で面積が最も広く、植物の種類も最も多い。 入口付近は「ヨシ」等の丈の高い植物が生育する低層湿原で、先に進む煮したがって、「ニッコウキスゲ」「ワタスゲ」「ヤマドリゼンマイ」等の多い中間湿原、各種の「ミズゴケ」が多い高層湿原となる。 周縁の林内にも湿原を彩る植物が季節に応じた変化に富み、湿原を引き立ててくれる。 季節の主な植物は次のものがある(花をちゅうしんとして)
【春】 【夏】 【秋】
湿原内 ミズバショウ
リュウキンカ
コバイケイソウ
ショウジョウバカマ
ヒメオウギアヤメ
ワタスゲ
ニッコウキスゲ
ツルコケモモ
エゾリンドウ
キンコウカ
ミズギク
アキノキリンソウ
ウメバチソウ

周縁の林内 タムシバ
ムシカリ
ムラサキヤシオ
ツツジ
ウラジロヨウラク
ノリウツギ
ズミ
レンゲツツジ
ナナカマド(実)
紅葉

駒止湿原概要 と 3大湿原の位置・ルート図 大谷地の概要 ミズバショウ その群落

ムシカリ・ムラサキヤシオ・ミズバショウ ショウジョウバカマ タテヤマリンドウ 水流に沿って咲くミズバショウ

周遊用の木道 ミズバショウ ショウジョウバカマ 若いブナと大谷地と白樺谷地の境界部分



【白樺谷地の概要】
「白樺谷地」は「ミズゴケ」が素晴らしく、高層湿原の形態をよくあらわしている典型的な湿原である。 ミズゴケ植生の発達が進み極に達すると、凸レンズ状の丘となり、「チャミズゴケ」「アカミズゴケ」などの赤色系の種類が多くなり、その上に「ツルコケモモ」(小型のつる性)の生育が多くなる特性が見られる。
「ニッコウキスゲ」「ミズバショウ」「リュウキンカ」などは「大谷地」より少ないが、「ワタスゲ」がおおく周縁には「ハクサンシャクナゲ」が特に多く「ツルコケモモ」の実の形が違う(細長い実と丸い実)種類が生育しているのが特質である。 「イワナシ」「アカモノ」もみられ、周縁はブナ林伐採後の二次植生で当時の残存木が特異な風情を示している。 左側台地周辺には「ヤマギラン」(花期7月)が見事に咲く。

白樺谷地概要 タムシバの白い花 ジャヤナギ   白樺   コバイケイソウの群落

ワタスゲの蕾 白骨化したブナの残木 ミヤマハンオキ  水無谷地との境界 林内のタムシバの花



【水無谷地の概要】
「水無谷地」はブナ林〜針葉樹林〜闘争湿原の原始生態系が維持されている学術的に価値の高い湿原で、林床には、「ハクサンシャクナゲ」「アカミノイヌツゲ」「ウラジロヨウラク」「アカモノ」などの亜高山から高山性の低木が繁茂し興味深いものがある。 湿原の中には水流中で生育する「ハリミズゴケ」から高層湿原の特性を現す「チャミズゴケ」までの生育があり、「ミズバショウ」の美観は特に優れており、「サワラン」「ミズギク」のどの小型植物が咲き競う。 これに水流近辺の低層性(緑色系)の「ミズゴケ」と高層性(赤・茶色系)の「ミズゴケ」の住み分け生態。 「ニッコウキスゲ」は少ないが「ワタスゲ」が多く、一部「サギスゲ」の植生を見ることはこの湿原の大きな特徴である。

水無谷地の概要 水無谷地看板 ミズゴケ ミズバショウとコバイケイソウ(開花前)

コバイケイソウとミズバショウ 水流にはミズバショウが満開

 湿原周縁部にタムシバの花が満開 ヒメイチゲ ムシカリ

午後の暑い時間帯でも大勢の観光客が訪れていた。 尾瀬と異なり駐車場から運動靴で其のまま歩いて2時間で全体を周遊できることが一つの理由だろう。 「ミニ尾瀬」と呼ばれる所以だろう。 入口の売店も5時には店を閉めた。 側のふんだんに流れる水を上半身に浴びせて汗を流し冷気をとった。 余りにも美味しい水に驚いて、「4Lペットボトル」数本にその水を汲んで帰ることにした。 駐車場でコーヒーを飲み、小休止して、17時半ごろ宇都宮の自宅に向かう。 何時ものように道中の今市市内で「ラーメン定食」を食べ、休憩後、再出発。 8時15分自宅着。 
【駒止湿原散策:総歩数=9,500歩】