武尊山(2158m)

登山年月日 平成15年9月16日 晴〜薄曇
登山メンバー 殿川紘史・長沢 攻・福川正勝
主要ルート 【9/15】宇都宮(13:45)−>(17:15)道の駅「月夜野矢瀬親水公園」車中泊)
【9/16】道の駅(5:45)−>(6:45)武尊神社(7:00)ー>(7:10)ゲート(7:25)ー>(8:00)剣が峰分岐ー>(9:00)手小屋沢小屋ー>(10:20)藤原武尊峰(10:25)ー>(10:40)武尊山山頂(12:25)−>(13:35)剣ヶ峰分岐ー>(13:45)剣が峰頂上(13:55)−>(15:10)水場(15:20)−>(15:50)手小屋沢避難小屋分岐ー>(16:10)ゲート(16:20)−>(16:30)武尊神社駐車場(16:40)−>(16:10)裏見ノ滝(16:20)−>(17:00)温泉(18:00)−>(19:30)道の駅「月夜野矢瀬親水公園」(車中泊)
所要時間 登山時間=8時間45分 <AM7:25−PM4:10> 総時間=12時間45分 <AM5:45−PM7:30>


   武尊山頂上(2158m)


 
武尊山登山ルートマップ

【武尊山登山写真スライドショー(55枚)】  
 クリック後別のページに現れた写真の下のスイッチを押すとスライドショーが見れます

各写真の上でクリックするとその写真を拡大出来ます

武尊山登山とルート
大学時代の大阪在住の学友がやって来て先ず「武尊山」からスタートしようとの計画を知り、宇都宮在住の高校時代の友人と合流することになり、待ち合わせ地点は「武尊山」登山口に最も便利な道の駅「月夜野矢瀬親水公園」になった。 我々は15日の午後宇都宮から沼田経由で、大阪の彼日直前に合流。 武尊山は平成14年6月の「武尊牧場ルート」以来、2回目の登山となるが、今回は「武尊神社」側からの登山となる。 武尊山への登山ルートは大きく分けて南側の「川湯温泉」・東側の「武尊牧場」・西側の「武尊神社」の3箇所だが、夫々のルートも1−2の分岐ルートがある。 前泊地点の道の駅「月夜野矢瀬親水公園」は沼田ICからも近く、最も印象に残ったのは、夜中までエンジン音で騒々しい「トラック駐車場」と「乗用車駐車場」が区分されて、「近くの川の水音」が気になるくらいの静かな夜を過ごせた事だ。3人が駐車場の照明燈の下に設置された「テーブル・ベンチ」で宇都宮から準備してきた「サラダ・焼きソバ」の夕食後、道中で購入した  「完熟トマト」のデザート・コーヒーと普段の登山前夜食に比べると「贅沢」な内容だった。 夜8時を廻ると照明燈が消された。 時間を忘れた会話も寒さのために中断して、10時前には夫々の車で就寝。 

武尊山登山ルート:武尊神社〜手小屋沢避難小屋経由〜武尊山山頂
5時10分起床。 天気は曇模様の中、急いで朝食のパンをカジって5時45分に登山口の「武尊神社駐車場」に向かう。 途中のコンビニで昼食を3人3様の好みに合わせて購入。 意外に登山口までのアプローチは長く、6時45分頃、武尊神社手前の立派な駐車場到着。 ガイドブックでは更に先の「ゲイト」にも狭い駐車場があることが記されていたので、そこまで入れるか否かの判断に迷っていたら、親切なご夫婦がゲイトの駐車場があると知らせくれ、再度エンジンをかけて、狭い交差困難な道を辿った。 幸運にも我々の2台のスペースをどうにか見つける事ができた。 7時25分、3人揃ってのスタート。 単独行の多い小生のケースでは例外中の例外の恵まれた登山だ。 今年はHPの立ち上げと天候不順のために、今回の登山は6月初旬の「金峰山」「国師岳」「北奥千丈岳」以来3ヶ月余のブランクで登山への不安を抱えてのスタートだった。 ゲイトから「剣ヶ峰山・手小屋沢避難小屋分岐点」までは未舗装の車道歩きでなだらかな勾配で助かった。

ゲイト側から出発 剣ヶ峰山との分岐点 第1休憩ポイント  ロープ伝いに難所越えの地点 前方に武尊山頂上

分岐点を過ぎると急坂が始まり、呼吸が乱れるのが速い。 先頭を歩く長沢さんのペースが速いことと3ヶ月間の脚力の低下を感じた。 「上の原山の家」方面からの登山ルートとの合流点にたどり着く前に「第1回目」の休憩を要求。 樹林帯のジグザグの登りがキツイ。 「手小屋沢避難小屋」の近くを通過したが、小屋はルートの下で見えなかった。 天候はガスが上空を流れ近くの峰も雲の中に見え隠れしたハッキリしない天気だ。 数回の休憩要求でヤット難所のロープ場を過ぎて尾根筋に出た。 2年前に登山した「武尊牧場ルート」に比べると、同じ山かと思うくらい厳しさの違いを感じた。 小生のペースに合わせて3人で休憩。 「藤原武尊峰」を越えた地点らしい。 ここからはガスに山頂を隠した「武尊山」の三角形の形状が見えた。 辺りはハイマツ帯になって高度が上がり植層が変化している。 長沢さんは痺れを切らして、先行して山頂を目指して先に出発。 10時30分頃、5分程度送れて最後の急坂を上り始めた。 少しずつ体調も回復して最後の200mの急坂は順調に歩き、10:40分に山頂到着。 ガスが立ち込めたり薄くなったりで視界があるのは「武尊牧場ルート」から来る南方の「中ノ岳」と「家ノ串山」が時々現れ、「前武尊」はが過ごしに輪郭がわかる程度。上空は青空が少し見えるが、東方の「日光白根山」「皇海山」「燧ヶ岳」、北方の「至仏山」「平ヶ岳」「越後三山」「巻機山」や今登ってきた北西の「谷川岳」等々の視界がなく、直近の「剣ヶ峰山」でさえ良く見えない。 晴天ならば「浅間山」「赤城山」榛名山」それに「白根山」も含めて360度の大展望が開けているのに・・・。 初めて登山した、長沢・福川両氏は今日は晴天を期待していたのにと残念無念の心境を隠さなかった。

山頂直下:ヤマハハコ 武尊山頂上:2158m 中ノ岳・家ノ串山 山頂直下の日本武尊像 剣ヶ峰山(2020m)方面

上空は晴れており、風も弱く、山頂部は陽光で暖かい。 少しずつではあるが天候の回復の兆しが見られ、昼食しながら回復を待つことにした。 頂上直下部の「日本武尊銅像」は「川場尾根コースを開いた深沢心明師」が明治時代に建立したらしい。 頂上部には「方位盤」「一等三角点」それにこの山が昔から信仰の山であったことを示す「御岳山大神」と刻んだ石塔がある。 その方位盤に立つと東の「日光方面」「尾瀬ヶ原方面」が一層良く見える。 前回の登山(6月初旬)では東北方向に沢山雪を頂いた「平ヶ岳」「越後三山」がくっきりと見えたし、西方の一番近い「剣ヶ峰山」等の「武尊山群」越しに谷川岳も展望出来た。 

南方面:中ノ岳(2144m)・家ノ串山(2040m)が良く見えた瞬間 山頂の登山客10数名程度 東方を背にして記念写真

頂上に粘る事、1時間45分。 明らかに午前中の頂上到着時よりも上空・南方・西方の視界は改善したが、数キロ先までが精々でこれ以上
の改善は見込めず、下山する事になった。 下山ルートは西方の「剣ヶ峰山(2020m)」・「獅子ヶ鼻山(1875m)」を巻いて武尊神社に下る
コースになる。 5−6人の登山者を残して、山頂を南に少し下ると「武尊牧場ルート分岐」の標識を右に取り、扁平な滑りやすい石の急坂を
下った。 

下山ルート:剣ヶ峰山方面   武尊牧場・川場尾根コース方面:中ノ岳・家ノ串山の展望 山頂直下:分岐点の標識

下山ルート:武尊山頂上〜剣ヶ峰山〜武尊神社
山頂直下の西斜面のガレバに盛りを過ぎた沢山の高山植物が見られた。 ガスで見られなかった360度の展望に代わって「高山植物」を撮影しようと滑りやすい斜面に3人3様のスタイルで這い蹲った。 辺りを見ただけで8種類を数える事が出来た。 花が咲き残っていたのは「ホソバトリカブト」「オヤマリンドウ」「オタカラコウ」「タカネニガナ」「イワインチン」、既に枯れたのは「ミヤマアキノキリンソウ」「ウスユキソウ」・実をつけた「ハリブキ」らだった。 午後には長い日射がある斜面だから高山植物の生育条件がそろい、狭い範囲でも沢山あるのだろう。

      イワインチン(別名:イワヨモギ)        這い蹲った撮影??  タカネニガナ 枯れそうなウスユキソウ
ミヤマアキノキリンソウ ホソバトリカブト エゾリンドウ ハリブキ オタカラコウ

約100m急坂を下り鞍部を過ぎると「1975mピーク」への急な登りとなる。 辺りはハイマツ帯になった。 後を振り返ると「武尊山山頂」はガスに隠れて見えなかった。 2−3回のアップダウンを繰り返して山頂から1時間10分で「剣ヶ峰山」への分岐点到着。 前回の登山で武尊山西方に聳える「三角形の急峻な山」に何時は登って見たいとの願望を思い出し、その「剣ヶ峰山」に登る事に合意成立。 福川氏と小生は「荷物をデポして山頂への急坂に挑んだ。 

下山ルート方向の展望  武尊山山頂はガスの中 ガスで見えない剣ヶ峰山 紅葉始めた広葉樹 剣ヶ峰山分岐標識

分岐標識から10分で狭い「剣ヶ峰山山頂」に着くが予想通りガスで「四面視界不良」だった。 そのまま山頂を通過して南のルートを取ると
「西峰(1871m)」・「高手山(1374m)」を経て「川場温泉」に下るコースになる。 一人がヤット通過出来る様な狭い「山頂部」で記念写真撮
影して、5分程度で同じルートを下り、デポ地点に戻った。 晴天の展望の素晴らしさは十分想像できた。 
此処から「タカオドシ沢」と「アルキガクボ」で挟まれた狭い稜線下りの厳しい下り坂は想像を超えた。 樹林帯を縫う様にジグザグのルート
だが、巨大な樹木の根を乗り越え、ぬかるんだ所も多く、大変な1時間だった。 もしこのルートを登りに使っていたら多分相当の時間がかか
ったことだろう。 十分検討して「登りルート」を選んだのでないが、結果は「幸運な選択」だった。 ストックなしでは、本当に困難な下りだ。
長沢さんはスリップしてルートから外れ危うく「崖にあった樹木」に乗って落下を免れる一幕もあった。

剣ヶ峰山山頂標識 エゾリンドウ 赤く色づいたムシカリの実 滑りやすい樹林帯の下り    メヤブマオ

下山ルート唯一の水場まで「剣ヶ峰山」から、1時間15分。 厳しい下りも一段落して10分間の休憩。 美味しい水を飲んで体力回復。
15時20分にスタート。 緩くなった勾配の樹林帯はそれでもすべり易かったが、長時間の急坂で足が疲労した証拠かもしれない。
15時50分に今朝通過した「手小屋沢避難小屋分岐」通過。 此処まで下ると這えぎられていた陽光が射してきた。 余裕が出来てきたせいか登山ルートの側の植物が目立ち始めた。 日陰で撮影条件は悪いが、感度を上げて(ISO:400−>800〜1600)手持ち撮影でのカメラブレを気にしながら撮影したのが下記の植物だ。 「ヒメアザミ」(正確な名前同定できず)「ノコンギク」「アキノキリンソウ」「ミヤマトウキ」と「樹木の花?」。

ヒメアザミ?(タカネヒゴタイ?)  ノコンギク アキノキリンソウ             ミヤマトウキ(?)

ゲイト駐車場で車を回収して一先ず、「武尊神社」駐車場へ。 駐車場近くに「裏見の滝」の看板をみて、徒歩で見物に出た。 疲れた足のストレッチに最適の散歩コース。 5分位の距離に「武尊川」にかかる20M程度の見事な滝だったが、以前は「滝の裏」側からの見物が出来たが現在は道が崩壊?してか、「観爆台」からに限定されていた。 手摺にカメラを固定して「水の落下」を強調の為スローで撮影したが
1/25秒ではまだ早すぎたようだ。 10分程度見物して駐車上へ。 

此処でも記念写真 裏見の滝: 3景 (以前は滝の裏から水流を見れたらしい) 滝だけの観光客

長沢さんが一度訪れたことがある「水上町の温泉」を目指した。 登山の汗を流し疲労回復するのは温泉が最高で、湯船に浸かり其の後は屋外の「露天風呂」へ。 途中のコンクリート製通路に丸い浜石が埋めこめれ、此れが足の裏のマッサージ効果となり、素晴らしいアイディアだと思った。 休憩室まで完備されて「¥300」は大変安い温泉だった。 途中で閉店直前のスーパーマーケツトに立ち寄り、食料品を買い込んだ。 50%以上の割引商品を見て、余分の買い物を3人共してしまった。 昨夜と同じ道の駅の「車」の側の街燈の灯りで、夕食を作り、3人今日の武尊山登山の反省のおしゃべりをしながら、十分時間を架けて夕食をした。
明日の登山は「日光白根山」だったが、今からの移動は遅すぎること、今日の登山の疲労回復が必要な事から予定を変更して、明日一日架けて「鳥海山」の鉾立登山口までの移動日に当てる事にした。