尾瀬沼関連地図
【トレッキング①第1日目】【トレッキング第2日目<②#1 ③#2 ④#3>】【トレッキング⑤第3日目】
朝方から室外のガラス窓が「ガタガタ」する音で目が醒めた。 5時15分でまだ外は暗いが雨は降っていない模様だ。 5時45分、部屋の中で最も遅く起床。 何処に行っても朝起きは何時も遅い。 6時15分からの「第2班の朝食」に間に合わせる為に洗面等を急ぐ。 空は雲がところどころで切れて一部朝焼けした空さえも見える。 布団も片方に引き上げて朝食に食堂へ。 今朝も起きたばかりだが、朝食は美味い。 15分で済まして、荷物のパッキング開始。 昨夜相談した計画通り7時前に全員、外に出て平野長蔵・他家族の眠る墓方面を目指して散歩を始めたら、「尾瀬沼ビジターセンター」前に大勢集合していた。 早朝の「自然探究ツアー」と判り、3人を促す様に、このツアーグループに参加した。 小生のガイドでの大江湿原散策よりも有益な事は疑う余地もない。 運良く「大江湿原」方面のツアーグループに参加できた。 |
約10名がベテラン女性ガイドに従って、7時10分にビジターセンター前を出発し、大江湿原を散策して又ビジターセンターに戻るコースらしい。 青空が沼の上空には見え、燧ヶ岳方面に陽光さえ当たっていたが、沼の東側(ビジターセンター・他の宿柏施設のあるサイド)はまだ日影のために少しの風でも寒く感じた。 早速道端の植物を片っ端から説明を始めた。 オオカメノキ(=ムシカリ)・ズダヤクシュ(喘息の薬草)。 ゴゼンタチバナが木の陰にあった。 説明によると「葉の数」が4枚~6枚あるが、6枚でないと白い花=赤い実は付かない。 良く見ると其のとおりだった。 高山植物としてポピュラーだが、その事実は初めて知った。 彼女が説明してくれた植物名を列挙すると以下のとおり:オオバスノキ(青黒い実)・チシマザサ(俗称:クマザサ)・マイズルソウ・オオシラビソ(青森トドマツ:青い松ボックリ)・ナナカマド(赤い実)・・・と周囲一面の植物の種類の多いこと。 湿原入口の山側だけでも、フトイ(イグサの仲間)・ヤマトリカブト(今時珍しく緑の葉がある植物)・ゴマナ、オタカラコウとミヤマアキノキリンソウは黄色の花、 エゾリンドウ・葦(アシ)・ワレモコウ・サワギキョウ・ミヤマカラマツ・ユバギボウシ(紫の花)・油ガヤ (アイバソウ)・タムラソウ(アザミの一種)・アオミズゴケ・ヤナギラン・ミンメツゲ・ヤマドリゼンマイ・ノリウツギ・白樺・ダケカンバ・ニッコウキスゲ・ワタスゲ・オオマルバノホロシ・ヒロハツリバナ・シラタマノキ(真っ白い実)・ハンゴンソウ・・・・等々。 |
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早朝の燧ヶ岳 | 尾瀬沼上空は快晴模様??? | 大江湿原小川に青空が映る ヤマメ発見 |
湿原に入ると風が通り抜けてやや寒い。 燧ヶ岳には此処から三つのピークが見える。 左から柴安嵓(シバヤスグラ:2356m)・ミノブチ岳・俎嵓(マナイタグラ:2346m)で最も高く見える俎嵓(右)は左の柴安嵓よりも10m低いそうだ。 反対側の尾瀬沼の奥に平たく見える山は「皿山(1917m)」。 大江湿原の中央を流れる小川の橋からヤマメらしき魚群が尾瀬沼方面に泳ぎ去った。 湿原を吹き抜ける風で出来たサザナミも美しく見える。 アシに代表される湿原の中の背の高い植物も種類・光線・風向き・陽光の有無で様々に見え一様ではない。 |
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沼尻へ橋 | 水面には風の跡 | 大江湿原・沼ノ平方面 | アシ中心の湿原植物 |
大江湿原の奥には小高い丘が見え、そこには「ヤナギラン」の群生あり、其の丘に、電源開発から尾瀬ヶ原を救った「平野長蔵」・尾瀬林道計画を中止させた「平野長征」等の墓がある。 ツアーの帰途に「ミヤコザサ」の間から「ホロハツリバナの実」(写真下)を見つけた。 一面が植物の枯れた茶色に混じり、唯一の鮮やかな色だった。 7月下旬の大江湿原は「ニッコウキスゲ」が一面に咲き誇り、全体が橙色と緑の絨毯の様に見える。 現在は茶褐色の絨毯だった。 比較のために略々場所から撮影した「大江湿原越しの燧ヶ岳」の写真を掲げた。 8時10分に「1時間の自然観察会」終了した。 大変貴重な学習の機会だった。 何度も尾瀬ヶ原・尾瀬沼を訪れても、時間の制約から「この種のツアー」には中々参加しなかった。 |
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光線と風向でこんなに色が変わって見える | ヒロハツリバナの実 | 晩秋と初夏(ニッコウキスゲ)のコントラスト |
尾瀬ヶ原トレッキングの当初の計画は、早朝に起きて約1時間40分で「尾瀬沼の東部山間部」のトレッキング<長蔵小屋ー>平野家の墓ー>沼ノ平ー>小淵沢田代ー>長蔵小屋>だったが、天候・3人の疲労の程度等で中止して「朝の自然観察会」への参加となったが、結果論として良い選択だった。 当初予定よりも30分早く、出発の準備に係った。 全員のザックを代表して、2階から下ろした。この時に「給水ペットボトル用ベルト」を室内に置き忘れたことは、三平峠で給水するまで暫く気付かなかった。 8時35分に大清水目指しての下山路に向かった。 |
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燧ヶ岳中腹に陽光が・・ | 出発直前の記念写真 | 三平峠方面へ 尾瀬沼越のビューポイント | 三平峠の休憩ポイント |
「燧ヶ岳中腹」に射した太陽光線の力強さから推して、今日は快晴にはならぬとも雨にはならないとの確信をした。 尾瀬沼を時計回りに辿り「三平下」方面に向かう。 約10分ほど進んだ地点から尾瀬沼越しに「燧ヶ岳」の兆望の良い所で、5-6名が写真撮影中だったが良く見ると昨晩、7時半から寝る直前まで「写真」について語り合った例の3組のご夫婦だった。 丁度其の時には「燧ヶ岳」に陽が当たり、面白い光景だった。 お互いに晴天を願って別れる。 「尾瀬沼山荘・東電山の家」の地点で左折して「三平峠」までの坂道に入った。 その「三平峠」も思ったよりも早い9時10分に到着。 大きい木に覆われた峠の為か、天気が変り始めたのか、辺りが薄暗く感じた。 給水と飴玉を補給して10分間休憩。 早くも早朝に大清水を出発したハイカー3-4人とすれ違う。 此れからは、坂道は無く、大清水までの下り道だ。 却って足を傷めている五百枝さんには「下り道」が難しいようで気の毒な約2時間が続く。 |
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三平峠越え直後の紅葉展望 |
間もなく樹林帯を過ぎて前方の視界が開けて正面・左右の山々の紅葉が素晴らしい。 思わず4人共に立ち止まり、周囲の展望を楽しむ。 展望の開けた南西方面の空はどんよりと曇って来たようだ。 もし晴天だったら此処から見える山々の紅葉はもっと鮮やかだろう。 前方の紅葉に気を取れれていたら、道端の「ミズナラ」の幼木の紅葉は「真赤」だった。 |
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「三平峠~岩清水」間の紅葉街道???? |
三平峠から岩清水の間の紅葉の見事さは、三平峠ですれ違ったハイカーの言葉以上に我々を驚かせた。 この見事さを表現出来る言葉がない。 紅葉のベストシーズンにこのルートを通過したのは何時頃だろうか?? 3人に引き離されながら、引っ切り無しにカメラを構えて紅葉に向けた。 「赤い色中心」の所から、林全体が「黄色」の中に入った。 黄色の中に真赤な色も混じる下の写真は実物の美しさ・見事さを写真で殆ど実現出来なかった。 レタッチでその時の現実を再現しようと「Photoshop」をイジリ廻したが、再現には程遠い。 |
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「三平峠~岩清水」間の連続する紅葉林 |
「岩清水」に近づいた頃からとうとう小雨になった。 4人共に急いでザックから雨具を取り出した。 小生もカメラの防水対策を先行後、ゴアーの雨具の上着のみを着用した。 パンツを着るまでもないだろうし、余程でないとズボン用は着用したくない。 歩く度にバサバサ音を立てるし、歩き難いからだ。 3人の女性は兎に角手際よく上下を着用して歩き出した。 雨に濡れた紅葉もまた違った美しさだ。 却って葉の表面の水分が光り紅葉が輝く様にさえ見えるから不思議だ。 この雨は止みそうにない雨だった。 先行する中年の男性が、道端の植物を指差していたのは「ツルリンドウの赤い実」だった。 小生も赤い実を見るのは初めてだった。 雨も構わず「カメラ」を構え、注意深く数枚を撮影したのが下の写真だ。 実も周囲のミヤコザサの葉も雨に濡れて輝くようだ。 ハイカーを飽きさせない登山道の紅葉に気をとられていたが、下り道は、自然石の所や木道などが交互に現れ、更にこれらが雨にぬれ、紅葉した落ち葉に隠れ、とてもすべり易い状況に変ってきた。 足を傷めた五百枝さんは相当に難儀しただろうが一言も口に出さなかった。 |
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「三平峠~岩清水」間の紅葉街道 | 秋のツルリンドウ:緑の葉と赤い実 |
三平峠を出発後、30分で「岩清水」に下りてきた。 此れらは味気ない「車道」歩きが続く。 降り続く小雨の中、約20名位がベンチに座り休憩していたが、大多数はこれから「尾瀬沼」に向かう登山者だった。 この雨の中、滑りやすい坂道が続くが気の毒に思えた。 清水の沸く所だが、喉は全く渇いていない。 5分間、ザックを下ろしての休憩で再出発。 五百枝さんはニコニコして歩き出した。 殆ど勾配を感じない車道で歩く速度も速くなって、3人の後を追うのが精一杯になった。 屋根つきの「一之瀬休憩所」を目指して自然に早足になった。 車道の右手に「柳沢」が流れ、時々急流を成して変化に富み紅葉との組み合わせで目を引いた。 30分後の10時25分に、雨降りしきる休憩所に到着。 雨足が強くなり始めた。 空腹を満たす為に手持ちの食糧を出し合った。 30分間の休憩中に雨足は更に強くなってきた。 丁度直前に休憩所の屋根の下に入っていた。 こんな雨の中に「雨具無」の老年夫婦が下りてきた。 履物・持ち物まで全部が尾瀬ヶ原トレッキングに不適当な装備に驚いた。 雨具も持参しないのもうなづけた。 非常識も甚だしい。 10時55分に大清水バス停留所へ出発した。 やや雨も小降りになってきてラッキーだ。 左手の「片品川渓谷」の紅葉も雨に煙り独特の美しさだった。 記念写真1枚撮影。 巾の広い砂利道が延々と続く。 これほどの立派な道があるが、尾瀬ヶ原の入山する人の数は「鳩待峠ルート」が圧倒的に多く、環境の負荷の平均化のために「大清水ルート」への振替対策が検討されてきた。 戸倉からのバスを「大清水」で下りると、そこから延々と続く面白みのない車道を約1時間「岩清水」まで歩かねばならず、更に「尾瀬沼」までは、1時間30分の坂道を歩かなければならない。 訪問者の中で多い中高年は、「鳩待峠ー>山の鼻」の1時間の下り道が魅力的だ。 このギャップ解消の手段として、「環境負荷」を最小限に出来る「無公害タクシー」を3日間<大清水~岩清水間>にテスト運行したとのTVニュースを見た。 正式の結果は公表されていない。11時35分にヤットの思いで「大清水バス停留所」の到着。 幸運にも到着していたバスに間に合い、待ち時間=ゼロでキャンピングカーを駐車している「戸倉」に向かう。 雨具の下も雨に濡れたのか湿っぽく感じて気持ち悪い。 雨は殆ど降り止んだようだ。 15分の乗車で11時55分戸倉バス停留所下車。 |
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「金山沢」の渓流と紅葉 | 片品川渓谷の紅葉 | 雨中の行進:大清水へ |
屋根のあるバス停留所に3人とザックを残して、鳩待峠方面の駐車場のキャンピングカーまで歩き、手早く雨具・登山靴を脱ぎ、湿っている下着を替えて戸倉バス停留所に車を廻した。 4人分のザック・ストック等を積み込んで、12時20分に戸倉バス停を出発して、沼田市内の道の駅「白沢」に向かった。 そこで、3人の帰りの列車の時間を見ながら、昼食・休憩をすることを合意していた。 途中で「尾瀬ヶ原土産」の話になり、「新鮮なリンゴ」を道の出店で購入。 1時間弱の13時15分に道の駅「白沢」到着。 驚いたことに、広い駐車場には車があふれ、3人がトイレの間に、ヤット空いたスペースに駐車できた。 沼田駅:15時発の列車時間まで約1時間はゆっくり出来るため、車内スペースをやり繰りして、2泊3日のトレッキングの経過を話しながら昼食(カップラーメン)・果物(リンゴ・梨)・コーヒーを摂った。 又小雨が時々パラついた。 足を負傷しながら皆と同じペースで歩き通した五百枝さんの頑張りに皆感謝したが、帰宅しての精密検査治療で早く治って欲しいと念じた。 200台以上の駐車場が殆ど満車状態で入れ替わる人気の道の駅の理由は、「併設された温泉場」の存在だろう。 今日のような雨模様には「温泉」は最適の休憩方法だ。 |
余裕を見て、14時10分に、JR沼田駅向かった。 列車到着までの間の35分間で、切符購入トイレ・列車内軽食等の準備には十分だった。 結局15時の列車発車時に見送りして、宇都宮への帰途に着いた。 予想通り、午後5時から約1時間、渋滞時間をやり過ごす為に「戦場ヶ原」で夕食後に休憩した。 今シーズン最高の紅葉見物客だったようだ。 既に真っ暗のなった午後6時少し前に車の流れがスムースになったことを確認して、宇都宮への帰途に着いた。 宇都宮の自宅到着は20時丁度だった。 その間に、大阪方面・福岡方面の飛行機に乗る3人から、東京到着・羽田出発・・・・等を刻々と連絡が入り、順調に予定の飛行機に間に合った事を確認出来ていた。 |
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