金峰山(2,595m)
<往復:大弛峠〜朝日岳〜山頂>


登山年月日 平成15年6月5日(木) 曇・晴
メンバー 殿川紘史  福川正勝
主要ルート 【6・4】毛木平駐車場(16:30)−><川上牧丘林道>−>(18:00)大弛峠<車中泊>
【6・5】 
大弛峠駐車場(7:50)ー>(8:25)朝日峠ー>(9:15)朝日岳<1569m>(9:40)ー>(10:25)鉄山分岐(10:40)−>(11:00)金峰山山頂<1595m><昼食>(12:00)ー>(13:05)朝日岳(13:15)ー>(14:05)大弛峠駐車場
<国師岳・北奥千丈岳登山>
大弛峠小屋(14:20)−>(14:30)夢庭園(14:35)ー>(15:05)前国師岳ー>(15:15)北奥千丈岳分岐ー>(15:25)国師岳(15:35)ー>(15:40)北奥千丈岳分岐ー>(15:50)北奥千丈岳<2601m>(16:00)−>(16:05)北奥千丈岳ー>(16:35)大弛峠 <交通規制の為待機:17:30以降OK>(17:15)−>(19時)河口湖畔レストラン(19:45)ー><御殿場市・三島市>ー>(21:50)伊豆:函南マンション<宿泊>
所要時間 登山時間=6時間15分  <AM7:50ーPM1:05>
総歩行数=19,500歩

 金峰山山頂<背後:富士山>
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金峰山登山ルートマップ
スライドショー@:金峰山登山<大弛峠〜朝日岳〜金峰山山頂>
スライドショーA:金峰山下山<金峰山山頂〜朝日岳〜大弛峠>

【金峰山の概要】
日本百名山のこの山読みは甲州では「キンプサン」と呼び、信州では「キンポウサン」と呼ぶ。 奥秩父の山の中で「北奥千丈岳(2601m)に次ぐ第二番目に高い山だが、奥秩父で最も展望の優れた山で、同じ日本百名山:甲武信岳の南西、異様な岩山の「瑞牆山(ミズガキヤマ)」の南東に位置する。 山梨県と長野県を結ぶ「川上牧丘枝林道」を挟んで「国師岳」と相対する。
【金峰山の登山ルート】

東西南北の夫々から登山口があり全部で4本ある。
@<北>:「川上牧丘林道」:金峰山荘〜<尾根コース>〜金峰山小屋〜山頂<登山時間:約3時間30分>
A<西>:瑞牆山荘〜富士見平小屋〜大日小屋〜大日岩〜山頂<約3時間40分>
B<南>:奥御岳林道:甲府市森林浴広場〜造林記念碑〜御室小屋〜山頂<約6時間30分>
C<東>:大弛峠〜朝日峠〜朝日岳〜鉄山〜山頂<約2時間30分>=>最短距離・易しいルート

昨夜の強風で安眠出来ずに6時頃目覚め。 車高が高いワゴン型の上に「アッパーベット」が付いており、天井を上げると更に高くなり、風の影響が大きくなった。 朝はその強風も納まり、峠は霧・ガスが漂う程度で今日の天気は晴天となる気配だった。 6時30分〜7時30分で朝食・今日の計画確認(金峰山下山後、国師岳に登る)をして出発準備に掛かる。 天気は急速に好転して陽光も出てきた。 西方の「南アルプス」方面は特に視界が良い。 7時50分出発。 峠の駐車場の側から直ぐ西方に進み樹林帯の登りに入る。 直ぐに残雪が多くなり、「アイゼン」を着けようとして、忘れたことが判明して、車に戻り持参し、そのアイゼンを装着。 福川氏は、アイゼン無しで前進。 8時25分、晴天・微風の「朝日峠」に到着・小休止。 樹林帯を抜けると残雪は忽然と消えた。 アイゼン使用は500mにも満たない距離だった。

ベットを上げた状態 雲間の富士山 国師岳を望む 枯木の多い樹林帯 南アルプス望遠

樹林帯を抜けると「大きい折り重なった石場」に出た。 此処からは出発した東方の「国師岳」、奥秩父最高峰の「北奥千丈岳」、「川上牧丘林道」が峠から曲がりくねって南に下る様子がよく見えた。 9時15分、朝日岳(2569m)の頂上標識着。 標識から少し西に出っ張った露岩からの展望は最高だ。 前方=西方に「南アルプス山群」がはっきりと見え、その右手には今日目指している「金峰山」の特徴ある頂上の岩が見える。 南には、やや霞んではいるが、雲間から頂上が抜きん出た「富士山」が見える。

ダケカンバ 南アルプス連山 富士山 朝日岳頂上(2579m)   鉄山・金峰山望遠

あまりの展望の素晴らしさにジュックリ時間を掛けて「富士山」と「南アルプス山群」を300mmの望遠レンズに交換して撮影した。 下の映像は35mm換算で「300mm−480mm」を使用した。 「甲斐駒ヶ岳」「千丈岳」「北岳」「間ノ岳」ははっきりと確認出来る。 昨夜の荒天からはこの静かな天気が想像しがたい。 この時期では珍しく視界が効いた。

朝日岳山頂付近<左から>:富士山・南アルプス(間ノ岳・北岳・千丈岳・甲斐駒ケ岳)・金峰山頂上岩隗

金峰山の尖った岩からは西方に綺麗な稜線が黒く延びている。 今回で2回目の登山だが、頂上付近の荒々しい岩の重なりが、望遠レンズで捕らえることが出来た。 25分間、休憩と写真撮影で時間を使い、再出発。 急なガレ場下り再度樹林帯に入り直進して「鉄山」を目指す。 2351mの頂上を北に巻いて右方向に向く。 辺り一面の木々が枯れて異様な雰囲気だ。 「酸性雨」の影響だろうか?? 樹林帯には再度「残雪」が現れて、登山ルートが見出し難い。 また突如としてブリッジを形成した雪を踏み抜くこともあった。 其処を抜けると「ハイマツ帯」となり、前方の展望が開けた。

金峰山頂上岩隗 ダケカンバの大木 立ち枯れした樹林帯 瑞牆山・八ヶ岳 弘法岩・梓山方面

10時40分に略平坦な地点<大きいケルン>に到着。 此処からの展望はまた朝日岳の展望とは全く違う山々を見ることが出来る。 日本百名山で最も近くにある「瑞牆山」のユニークな岩峰が見える。 その背後は頂上が雲で隠れた「八ヶ岳連邦」、右手=北方向には丸い形の「小川山」その右が幾つもの複雑な先端を有する「弘法岩」や「屋根岩」それに続いて「梓山部落」の農園(昨日甲武信岳ー>大弛峠の途中で通過)も白く光るフイルムで目立つ。
前年の10月下旬に訪れた時は全面霜と霧氷に覆われ、現在の景色と全く違って見えた。 

小川山・梓山方面 尾根コースと瑞牆山  甲武信ヶ岳方面 梓山方面の岩山と両神山方面望遠

此処で90度曲がって山頂に向かう。 金峰山北斜面には「ハイマツ」が一面に生えて「緑の絨毯」の様に見える中に頂上から約15分の位置にある「金峰山小屋」の灰色の屋根が見えた。 ルートを左手に寄ると「山頂部の岩山」の南側の美しい岩の傾斜の彼方に「南アルプス」が望めた。

ハイマツ帯と金峰山山頂          折り重なった巨岩             山頂を望むケルン地帯

歩きやすい広い平坦地を過ぎると大きな岩が折重なったとても歩き難いルートに急変した。 大きい石の間や頂上部を交互に渡り、岩のトンネルを過ぎたら、「金峰山頂上標識()」に達した。 11時丁度だった。 3時間10分経過。 写真撮影に夢中になると標準時間の2時間30分を大幅に超えたが、十分に堪能できた往路だった。 黒い木製の標識には
「2599m:金峰山」と記され、その背後には「八ヶ岳連峰」が見えた。

ケルンと巨岩地域 金峰山頂付近の南斜面の巨岩の列 岩のトンネルの先は頂上標識

縦の山頂標識の側で記念撮影してユニークな岩山方向に石を飛び越えながら移動。 標識と岩山の中間地点に「方位盤」と「一等三角点」がある。 側に若い二人が先客だった。 昨日「甲武信ヶ岳」登山ルートで遭遇した二人だった。 我々と同じ「川上牧丘林道」を辿り、それを右にとって「金峰山荘」に宿泊したと言った。 北側登山ルート@から登山したようだ。 途中で我々を追い越した男性は「岩山の頂上」にいとも簡単に登って行った。

金峰山頂    山頂奥の「五条石」     甲武信ヶ岳で遭遇した若夫婦 五条石上の登山者

その若いカップルに、富士山背景・黒御影石製の方向盤を前に入れた「記念写真」をお願いした。 そのユニークな構図に、「同じ構図の二人の記念写真」を頼まれた。 360度の展望は凄い!! 奥秩父最高の展望の山は偽りが無い。
多少の風を避けるために「ユニークな岩山の南側直下部の祠の側に移動して「昼食」を摂った。
12時頃下山開始前に「岩山のピーク」の下に攀じ登り夫々記念写真。 金峰山から西登山ルートAに沿って「瑞牆山」方面に稜線が延び途中に幾つもの小さいピークがあって面白い風景になっている。

五条石 方向盤 五条石の南面 金峰山尾根コースの稜線

中央の標識・方向盤を通過して再度「飛び石」ルートに入る。 其処を過ぎた地点の岩の間に3種類の高山植物を撮影。 「キバナシャクナゲ」と数ミリの可憐な「ミネズオウ」と「コメバツガザクラ」だった。 今回の登山で見かけた高山植物は此れだけだった。

朝日岳・国師岳方面 ミネズオウ   キバナシャクナゲ   コメバツガザクラ  尾根コース・瑞牆山八ヶ岳 

平坦地に来ると「大小のケルン」が点在して、撮影のアクセントの好都合。 前方=北東方向には殆ど雲も消えて「両神山」「雲取山」方面も視界が回復した。 90度右に折れて斜面を下り、ハイマツ帯ー>樹林帯の境界で残雪の凸凹ルートになった。 朝よりも残雪が緩み踏み抜くチャンスが増えた。 1時10分に朝日岳着・小休止して駐車場を目指した。

ケルン地帯と甲武信ヶ岳・両神山方面        朝日岳周辺の立ち枯れした樹林帯

14時05分、朝日岳から50分で駐車場到着。 トイレ休憩だけで、峠を挟んで正反対側の「国師岳(2392m)」に登山する準備をした。 水・軽食・雨具等でよいが、金峰山登山の荷物のままで出かけることにした。 余裕があれば、奥秩父山地で最も高い「北奥千丈岳(2601m)」にも登山したい。

【国師岳ー>奥北千丈岳】登山記録に続く