谷川岳(トマノ耳)雪上登山A
第2部:天神尾根A〜谷川岳山頂〜穴熊沢ノ頭

登山年月日 平成16年3月14日 雪〜曇〜晴
メンバー 殿川 紘史・清野氏(リーダー)・平居秀子
主要ルート 【3/14】谷川岳ロープウエイ駅(6:40)ー>(7:00)天神平駅(7:30)−>(8:00)スキー場上ー>(9:00)天神尾根Aー>(9:50)熊穴沢ノ頭(10:05)ー>(11: 20)肩の小屋ー>(11: 30) トマノ耳山頂(11:35)−>(11:40)肩の小屋(11:45)−>(10:40)天神尾根Bー>(12:20)熊穴沢ノ頭ー>天神尾根C−>天神尾根D−>(13:30)天神平駅(13:45)ー>(14:00)谷川岳ロープウエイ駅(14:15)
撮影場所 第2部:天神尾根A〜谷川岳山頂〜穴熊沢ノ頭
所要時間 登山時間:7時間 総合時間(2日間):32時間

      谷川岳:高倉山・天神山方面望遠
        <天神尾根:熊穴沢ノ頭付近>

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谷川岳登山ルート図

【谷川岳情報】
JR上越線:土合駅から近く、直接歩いて登山口まで行ける至便の日本百名山である。 東京からも近く2000m近い高度がありしかも標高の割に岩根こごしい高山的風貌そなえているからであろうがやはり人気の大きな理由は「谷川岳」と言う評判に在るのだろう。 日本でも最も登山者の遭難死亡の多いことでも有名である。 谷川岳の東岸壁には「マチガ沢」「一ノ倉沢」の垂直に近い大岸壁があり、その岸壁を登る様を簡単に見学出来る。
登山コースは略東西南北からのルートが在るが、JR土合駅から便利な「3本のルート」が一般的である。
@ 土合口〜ロープウエイ天神平駅〜熊穴沢ノ頭〜肩の広場〜山頂(トマの耳):2時間35分
A 土合口〜<田尾尾根>〜天神平〜熊穴沢ノ頭〜肩の広場〜山頂(トマの耳):4時間29分
B 土合口〜<西黒尾根>〜ラクダのコル〜肩の広場〜山頂(トマの耳):4時間
C マチガ沢登山口〜<厳剛新道>〜ラクダのコル〜肩の広場〜山頂(トマの耳):3時間40分
前回は平成15年の秋:紅葉のシーズンに「Cの厳剛新道」から「トマの耳」ー>「オキノ耳」ー>「一ノ倉沢岳」まで登り帰路は「トメノ耳」ー>天神平ー>ロープウエイ駅」のルートで下山して元の「マチガ沢」の駐車場に戻って翌日の「巻機山」の登山口まで移動した。

15分休憩した午前10時過ぎに「熊穴沢ノ頭」と思われる岩陰から山頂を目指して歩行開始するも平居さんのピッチが上がらない。 ペースダウンするから先行して呉れと言う。 今回は2度目故に無理して山頂を目指すことは無いと言う。
先頭の清野さんに追いついて上記の伝言を託された。 好天だし帰路で再会出来ないとは考えられず、本人の意思に従う。相変わらず谷川岳山頂方向はガスが濃くて登山ルートも途中で大勢の登山者がガスに隠れる。 11時10分に清野氏と会う。 今谷川岳山頂から降りて来たと言う。 山頂はガスと風が強く非常に寒い・視界も10m程度で全く見えないらしい。 山頂に向かうべきか否か躊躇して居ると「二人で山頂まで行こう」との有難い提案に直ぐ同意。 強風とガスの中、11時20分に「肩の小屋」到着。 風下にザックを置いて山頂を目指す。 11時30分、全く視界の無い「山頂標識(トマノ耳)」に到着して相互に記念写真を撮って5分間天候の回復を待ったが変化なし。 山頂の標識文字も写真ヤット読める程度。 山頂の岩に寒風で出来る「エビの尻尾」が付着していた。 風の吹く方向に成長する証拠を撮影。 清野氏のデジカメは頂上部の寒気で作動不良だったが、「Canon D30」は防寒対策(撮影時のみ露出させ歩行時は手製防寒袋に収納)のお陰で問題なく作動。 山頂の気温は不明。 山頂の寒風に我慢出来ず11時35分に下山開始。肩の小屋には満員で入れない事を知りザックを回収して下山し平居さんと早く合流する事を提案。 

スライドショー: 『第1編』 『第2編』
10時15分頃に平居さんと別れて急坂を単独で登る。 雪は深いが寒さで硬く足を踏み抜くことは頻発しない。 一度踏み抜くと中々歩き出せず可なり疲れる。 こんな時期ではあるが驚くほどの登山者が次々に登り、中には下山する人とも交錯する。 スキー・スノーボードを抱えて登る若者も居る。 小生のような60歳代の登山者は先ず見かけない。
雲の間から日は射すと雪面を陰陽の境界線がハイスピードで走る。 行く手には大勢の登山者が点々と見えガスの中に消える。 まだ先が長いことを知ってガッカリ・・・ 周囲の景色の見事さが唯一キツイ登坂の励ましだった。
谷川岳から西に連なる稜線がくっきりと見える。 其処に「爼グラ山稜:幾つかの頂」と「オジカ沢の頭」か「万太郎山」が見事だ。 ガスの濃淡で一瞬で隠れたり、現れたりする。 手前の雪稜の角度は45度を超える急勾配でその先にナイフの様にシャープな稜線が青空に向いている。
オジカ沢ノ頭? 手前の雪稜は>45度・・・ 雪の急斜面を走る陰陽の境界線
急斜面から勾配の緩い平坦地に到着して小休止。 周囲の景色の見事さを味わえるのはこの季節に登山する者にのみ許される特権だろう。 歩行しない時は直ぐ防寒袋からカメラを出して際限なくシャッターを押す。 余りの見事さに幾度も同じシーンを撮影している。
相変わらず谷川岳山頂方向はガスが濃くて登山ルートも途中で大勢の登山者がガスに隠れる。 11時10分に清野氏と会う。 今谷川岳山頂から降りて来たと言う。 山頂はガスと風が強く非常に寒い・視界も10m程度で全く見えないらしい。 山頂に向かうべきか否か躊躇して居ると「二人で山頂まで行こう」との有難い提案に直ぐ同意。 強風とガスの中、11時20分に「肩の小屋」到着。 風下にザックを置いて山頂を目指す。 
肩の小屋下の天神尾根:頂上は見えない 山頂で記念写真:清野氏(左)と自分(右) 山頂岩のエビの尻尾

11時30分、全く視界の無い「山頂標識(トマノ耳)」に到着して相互に記念写真を撮って5分間天候の回復を待ったが変化なし。 山頂の標識文字も写真ヤット読める程度。 山頂の岩に寒風で出来る「エビの尻尾」が付着していた。 風の吹く方向に成長する証拠を撮影。

ザックを肩の小屋で回収。 体感気温はー15度以下に感じる。 小屋は小さく満員で入れず直ぐ下山を決める。 雪も硬く締まり、アイゼンとピッケルで歩行中のスリップの危険は感じず。 下山は歩幅も広く登坂の2倍以上のスピードが出る。気持よく天神尾根を下る。 一部雪の軟らかい地点を過ぎると快適な下山ルートだった。 「熊穴沢ノ頭」の上部で平居さんが我々を待っていた。 ザックを下ろして記念撮影。 
背景:万太郎山方面 背景:スキー場方向 高倉山(左)と天神山(中央)に続く天神尾根
下山者が殆どと成る。 時たま登山者と出会うが山頂まで登るのだろうか? 雲の動きが雪面の陰陽で直ぐわかる。 下り始めるとこんなに急勾配の場所を登ったのだろうか?と思うほど稜線は細く勾配はキツイ。 
この黒い岩が登りの休憩場所 山頂方面のガスは消えたり又出たりでルート全部が見通せ無い
そんな状況下を単独で重そうな荷物を担いで登る人と出会う。 ゆっくりと一定のペースで足を運ぶ
登りの途中で休憩した「熊穴沢ノ頭」:黒い岩で休憩する。 歩行速度が最も遅いには写真撮影頻度の高い小生だ。 
二度とチャンスは無いかも知れないと思うとまた立ち止まってシャッターを押してしまう。 
状況:好天・ルート明確・時間の余裕等から三人に先行して貰うようにお願いした。 少しはプレシャ−無く撮影したい。 アングルを変え、レンズを交換して数枚写すと先行する3人とは簡単に100m以上の差が出来る。 

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