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行者環岳登山マップ |
スライドショー【第1/2編(往路):登山口〜山頂】 【第2/2編(復路):山頂〜登山口】 |
【行者環岳(1546m)概要】 この山は修行で名高い「大峰山系」に在って、北の「山上ヶ岳」<ー>「大普賢岳」<ー>「弥山・八経ヶ岳」の奥駈修行ルートの中間に在る。 大普賢岳縦走路の「七曜岳」から往復3時間、八経ヶ岳の下山路の「奥駆出会」から2時間50分の中間に位置する。 何れの登山路の延長では、一日コースとしては長すぎ為に、別途、行者環岳単独の登山になる。 メインルートから往復で約15〜20分必要であり、また山頂の高度が1546mと特に高くない為に、訪れる人は多くないようだ。 |
今回近畿の山々を登山してその序の5月2日に単独登山した。 前日までの晴天からどんよりと曇った朝5時20分に出発。 八経ヶ岳登山と同じく「奥駆出会」から稜線を東に向かうルートを登山する予定だったが、登山口の直ぐ上に、急斜面ではあるが、直登ルートの道がはっきりしていたので、「直登ルート」変更した。 急坂の途中で一度休憩して、1時間後に「奥駆出会」から続く稜線上に出た。 水・軽食を補給して10分休憩。 ガスが立ち込め視界は50m程度だった。 当初は写真撮影を躊躇ったが、霧に煙る風景として、ルート上から見える光景を撮影しながら前進した。 |
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視界50m程度の霧のブナ・ミズナラ・松・シャラが混生する樹林帯を前進する |
稜線の勾配は殆ど無く、歩き易いルートが続いた。 ガスは徐々に濃くなり、霧によるカメラの故障防止の為に、レンズ・ボディをPE袋で包んで、撮影時のみ其れを剥がす繰り返しだった。 2年前の「高千穂峰登山」の霧と強風でカメラが霧で濡れて「作動不良」となった経験からの対策である。 尾根ルート上で見た緑色は「コバイケイソウ」「」等の3種類。 |
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朽ちた切株 | コバイケイソウとこの植物?が最初の緑色 追い越した登山者は霧に消えた |
追い付いてきた登山者が早足で霧の中に消えていった。 ブナを主体とする樹林帯は薄暗く、新芽は全く出ていない。霧の中に見事な「幹と枝」が溶け込むように見え、晴天時とは異なり、幽玄の世界に入ったようだった。 倒木、切り株等がアクセントになる。 |
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瞬く間に登山者の影は見え無くなる | 静寂と幻想的な世界が広がる樹林帯の登山ルート |
樹林帯の中で新芽を出して花を咲かせた「ムシカリ」が、唯一、「緑と純白」の色だった。 霧があたりを暗くし、視界を遮る為に、ルートの位置関係が不明瞭になる。 関西電力の送電線用鉄塔と廃墟となった建物の基礎がある地点を過ぎた。 間もなく「行者環小屋」が近いはずだ。 |
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ムシカリの新緑 | 霧のトンネルが樹林帯を貫く |
午前8時丁度に、薄暗い霧の中に建物らしきものがぼんやりと見えてきた。 立派な「行者環小屋」だったが、人陰は無かった。 霧の中に幹の茶色の見せた「トウヒ」らしいきが見える。 鹿の食害にあった木だ。 その際に「苔生した倒木と岩」が折り重なる地点を通過。 急勾配の階段が2−3個続いて、やや開けた樹林帯に入った。 避難小屋から20分も前進しても、「行者環岳」への分岐点が現れない。 |
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行者環小屋と標識 | ムシカリは唯一の花と緑 | 鹿に食われた樹皮 | 苔生した倒木群 |
霧で分岐点を見失ったらしい。 途中で遭った「大普賢岳」方面から来た登山者も其れらしきものは見なかったという。 この地点で「引き返す」ことを決断。 戻ること約10分間で、ルート右側の小さい幹に「行者環岳」と書いた小さい板が結んであった。 霧と表示位置、文字の大きさから、見えなかった。 ヤット「行者環岳」への分岐を見つけて安心し、小休止した。 |
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霧で苔の色は黄色 | 新緑や茶色のシャラの幹 朽ち始めた切株と苔 |
緩い勾配の尾根を歩くこと10分でなだらかな地点に到着。 「行者環岳」と書いた標識、鋳物の鈴賭けが「頂上」である確信を与得てくれた。 勿論登山者はゼロ。 霧で周囲は見えないし、殆どが10m程度のブナ林で囲まれて、視界は良くなさそうだ。 軽食・水の補給・周囲の撮影で約20分程度、山頂に滞在して、9時50分に下山開始。 分岐を過ぎて小屋に近くの地点の岩の陰に「水場」があった。 一人の登山者が岩陰に出入りする姿から「水場」が判ったが、もし彼が居なければ、水場は見えない所だった。 3人の登山者と行き会い「行者環岳」の道を尋ねられた。 |
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行者環岳山頂の標識・苔生した倒木・ムシカリの新緑 | 朽ち始めた切株と苔 |
「行者環小屋」に着いた。 外は霧雨に近い天気の為に、建物入口を覗くと、2人の登山者が休憩・食事中だった。 非常に大きく立派な小屋だが、此処の位置関係からして、宿泊者は色のだろうか? 休日・トップシーズンには管理人は常駐だそうだ。 |
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小屋近くの祠 | 露を付けた小枝 |
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ブナの幹の苔・倒木・朽ちた切株等々で面白いモンスターにも見える 幹の先はグレーの空間 |
行者環岳〜小屋周辺が最もガスが濃いようだ。 15分間休憩・会話して小屋を後にした。 往路では見えなかった「ピンク色のツツジ」が1本あった。 丁度地元だという登山者が通りかかり、「紫ツツジ」だと教えてくれた。 白黒の世界に唯一存在した「暖色系の花」だった。 |
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シャラの茶色の幹はグレーの世界では絶好のアクセント | ムラサキツツジが唯一の暖色の花 |
小屋から離れるに従い「ガス」は薄くなった。 霧は立ち込める樹林帯は黒い幹だけが目立ち、他はグレーの世界。 霧が飽和点に達して小枝に「露」となって付着していた。 11時15分に登山口への「急降下地点」に到達・休憩。 霧雨に濡れて滑りやすい急坂を小枝とストックに頼りながらグングン下る。 途中で5−6人の中年登山者と遭い、稜線の天気を尋ねられた。 今日は大普賢岳まで縦走するらしい。 11時40分に駐車場到着と同時に「霧雨ー>小雨」に変わった。 トンネル西口駐車場は30−40台の車で溢れていた。 新潟から来た中年夫婦は今から「弥山・八経ヶ岳」を目指して雨の中を登山すると言って出発した。 装備を解いて車内で「ラーメン+コーヒー」で休憩。 |
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生憎天候は悪く、登山口にした「行者環トンネル西口駐車場」ー>稜線ー>行者環避難小屋ー>山頂の往復すべてでガスに囲まれた山行だったが、晴天登山と違った「ガスに煙る稜線」の写真が撮影出来た。 12時50分、駐車場を出発。 明日予定した「釈迦ヶ岳」は天気予報と現状をみて中止して、東広島市を目指して、大阪方面の国道を走り始めた。 途中、給油休憩だけで、24時半ごろ、雨が降る広島大学キャンパス横の「東広島厚生年金センター」駐車場に到着・夜食後、就寝。 明日クラスメートを「5月22−23日のクラス会」の情報入手で訪問予定。 |