大杉谷下り:第1日目<下山口駐車>

道の駅「おおだい」〜宮川ダム〜第3発電所〜大台ケ原駐車場

登山年月日 平成16年4月24日(土) 快晴
メンバー 殿川紘史・ON氏
主要ルート 【4/24】(AM3:45)道の駅「おおだい」・仮眠(13:00)−>(14:20)宮川ダム(14:30)−>(15:00)第3発電所(15:15)−>(17:45)大台ケ原・ビジターセンター駐車場(車中泊)
所要時間 全体時間:4時間45分<PM1:00〜PM5:45>

 宮川第3発電所:駐車場
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【大台ケ原トレッキングマップ】 【大杉谷トレッキング概念図】  【大杉谷詳細マップ:@AB
スライドショー:【道の駅「おおだい」〜「宮川ダム貯水池」〜大台が原駐車場】

【大台ケ原概要】
三重県・奈良県境界部に位置する「大台ケ原」の生成過程は、海底が隆起し、その後日本一の降雨によって周辺を削り取られて出来たのが、大台ケ原である。 大台ケ原は亜高山性の針葉樹と、ブナ、ミズナラ、カエデ類からなる原生林があり、一方では立ち枯れとササ原の晴れやかな草原部分もある。 この準平原の大地部分まで車窓から植生の変化を楽しみつつ登るのも良し。 森、渓谷、そして素晴らしい展望が待っている。
【大杉谷概要】
大杉谷は日本一の多雨地帯の「大台ケ原」から流れる水が削った厳しい渓谷の一つである。日出ヶ岳から南東に下って宮川ダム貯水池、までの約10kmの渓谷で大杉谷登山道が整備されている。 大杉谷の原生林は海抜800mの七つ釜滝から下流域のシイ、カシ類を主とした温暖性常緑樹林帯、上流域のブナ、ミズナラを主とした冷温帯性落葉広葉樹林、日出ヶ岳(1695m)山頂部一帯のトウヒ、コメツガを主とした亜高山帯針葉樹林にくぶんされ、森林帯の垂直分布と、その変化を容易に観察することが出来る。 その豊富な森林帯には特有の動植物も繁茂しており、この「原生的な天然林及び動植物の保護」の為に『大杉谷森林生態系保護地域』が国有林に設定されている。 【添付マップ参照】その国有林では森林をその役割に応じて、「水土保全」「森林と人との共生」「資源の循環利用」の3つのタイプに区分している。 大杉谷国有林は、原生状態に近い森林がまとまりを持っていることから、『森林と人の共生林』に区分され、特に重要と考えられる森林については『大杉谷森林生態系保護地域』に平成3年3月に指定された。 この保護地域は「保存地区」と「保全利用地区」の2つから成る。 保存地域(コアエリア)は原則として手付かずの状態で維持し、自然の推移に任せることとしており、、509Haが指定されている。 保全利用地区(バッファーゾーン)は、保全地区を取り囲んで、周囲の環境の変化が保存地区に及ばないようにすると共に、自然観察場としても利用可能な場所で、882Haが指定されている。 <林道内の近畿中国森林管理局・三重県森林管理署の看板より抜粋して記載>

【大杉谷トレッキングの背景】
平成12年(‘00)の5月に大台ケ原山(日出ヶ岳等)周辺をトレッキングした時に、大杉谷と呼ばれる厳しい渓谷が存在することを実感して以来、ズットこの計画を検討してきた。 関西に住む大学のクラスメートで過去に2回この「大杉谷」を経験したON氏が同行しても良いとの言葉で、5月下旬から2泊3日の行程で実行することになり、関西と宇都宮から直接、大台ケ原への玄関口に好都合の道の駅「おおだい」で待ち合わせた。 友人の提案『2台の車利用』で大杉谷下りの玄関口「大台ケ原」と下山口の「宮川ダム貯水池奥部:宮川第3発電所近辺」に駐車してアクセスと車の回収をし、容易にして利便性を考えた。 

【宇都宮ー>函南ー>三重県:道の駅「おおだい」】
【4/22】友人とのゴルフ終了後、午後8時、宇都宮自宅をキャンピングカーで出発。 翌【4/23】午前1時半頃、伊豆・函南町のリゾートマンション到着。 一日休養して、午後9時前に、目的地の三重県・道の駅「おおだい」に向かった。 国道#1号のバイパス『静岡ー>豊橋』間は午後10時〜午前6時の間は無料区間となることを利用して、高速道路を走らずにこのバイパス経由で豊橋ー>#23号ー>四日市ー>津ー>松坂ー>道の駅「おおだい」に到着したのは【4/24】のAM3:45だった。 静かな一角を探して駐車。 AM4時〜AM8時過ぎまで仮眠。 

【道の駅:「おおだい」】
目覚めた午前8時30分には、道の駅全体は快晴の天気と『土曜日の市』の準備で忙しかった。 朝食前の8時30分頃、大阪に住む友人:ON氏自宅に電話。 既にこの道の駅に車で向かったと言う。 天気予報ではこの24日〜26日までは晴天だが、それ以降は崩れるとの条件を加味して、日程変更を告げる予定だったが、既に自宅を出た事は正午頃には此処に到着可能を意味していた。 約1時間かけて「1泊2日の大杉谷トレッキング」用の荷物を確認しながら、パッキングした。 大台が原一帯は「全面カャンプ禁止」の為に、「桃の木小屋」宿泊は素泊まりにしても荷物は大幅に軽減可能で「中型ザック」で十分だった。 午前11時30分、ON氏が元気な顔を現した。 予定の変更を打ち合わせして以下の快諾して貰った。 @ 今日【4/24】PM4時までに「ON氏の車を下山場所に移動」 A 今日中に「大台ケ原駐車場へ移動・宿泊」 B 【4/25〜4/26】に「大杉谷下りを完了・ON氏の車で大台ケ原へ再度移動して、小生の車を回収」

昼食後の午後1時道の駅「おおだい」を2台の車で出発して、宮川ダム貯水池奥部:宮川第3発電所近辺に向かった。国道#166号ー>国道#422−>宮川ダム湖に近づき「堰堤前」ですぐ「宮川ダム湖堰堤」を渡り、「宮川ダム管理事務所」横を左折して、荒れた幅の狭いダートを辿った。 石ころが散乱し、車体のクリアランスと道の凹凸に最深の注意を払い約10分運転して「吊橋」手前の車止めで停車。 どうも地図とガイドブックの「駐車場情報」との一致点が少ない。地図とガイドブックでは、30分以上のアクセスが必要??? 思案中に若者運転のランドクルーザーが到着。 すかさず地図と目的地の疑問を尋ねてビックリ!! 「大和谷林道」に紛れ込んだのだ。 宮川ダム湖を一つ早く渡っていた事に気づくのに数分間。 親切な若者に礼を述べ、最深の注意で「堰堤前」まで戻り、#422を更に前進。  

道の駅「おおだい」とその周辺情報 宮川ダム湖の展望:大杉村付近

「大杉」で船着場の人らしい方に尋ねて、100%確信したルートが判った。 其処から宮川ダム湖面越しに「大台ケ原」方面を撮影。 「大杉谷概念図」の看板を見つけた。 非常に全体がわかりやすい概念図だった。 「瀬戸登トンネル」を過ぎた「新大杉橋」でダム湖の左岸に渡る。  此れは立派な吊橋で「通行重量制限(4トンMax.)」付だった。 大杉谷の左岸に刻まれた道幅の変化する舗装道路を走ること約30分で、「第4船着場」と「宮川第3発電所」の中間の駐車場に「ON氏の車」を駐車。 周囲は道幅も十分で、此処から見上げる大杉谷に連なる峰々は快晴の天気と一面の新緑で全体が輝いていた。 安全な駐車場を見つけて駐車出来たことで一安心。 車内に貴重品を残さず全部小生のキャンッピングカーに移した。 明日からの「大杉谷下り」に益々期待が膨らんだ。

宮川第3発電所・第4船着場間の駐車場と大台が原登山口 第1船着場からの大台ケ原方面の展望

 15時15分、此処から「大台ケ原」に向けて出発した。 吊橋の「新大杉橋」を右折して#422号から、直接「尾鷲方面」に出るルートは、険しい山間部を横断する道だけに不安があったが、案の定、道路崩壊の為に「通行不能」の表示があったので、#166経由で#169を辿り、「ワサビ谷」を左折して「大台ケ原ドライブウエイ」に入るルートに変更した。 再度大杉部落の第1船着場で停車した。 「大杉谷関連情報」が看板に判りやすく掲げられ、特に「大台が原〜大杉谷経由〜宮川ダム貯水池」間の概念図は今まで見たどの情報よりも判りやすく記載してあった。 今後の利用価値も高いと判断して「全面」を丁寧に撮影した。 

大杉部落の看板:大杉谷の説明 宮川ダム湖の佇まい

切符売り場の裏手の階段を下ると「第1船着場」に通じていた。 階段を数十段下ると予想外にも満水時よりも湖水面が10m以上も低く、まだサービス開始していない「3隻の連絡船」が係留されていた。 赤い楓の葉越しに見る湖水面は逆光線に光り、湖の最奥部の大台ケ原方面には「高い山並」が見える。 2日後に下る大杉谷の雰囲気が伝わる。 

宮川ダム貯水池:大杉部落から出る「連絡船」発着場<第1船着場> 4月下旬はまだサービス停止中

道中「関西のマッターホルン:高見山(1248m)」についてON氏の解説を聞き撮影した。 快晴の青空を背景に形の良い正角形の山が茶色に見える。 今回の関西訪問では時間を工面して一度は登って見たい気分になった。 宮川ダム湖最奥部の駐車場から2時間30分で、日没直前に目的地の「大台ケ原ビジターセンター駐車場」に到着。 頂上部は風も強くヒンヤリと感じた。 駐車場には10数台の数だったが、日没後には、5−6台になった。 全部大台ケ原訪問のトレッカー達だろう。 風向きとトイレへの利便性を加味して駐車。  今夜はかなり冷え込みそうな気配がした。

新緑輝く湖水周辺 関西のマッターホルン:高見山(1248m) 十二一重の花 大台ケ原トレッキングルート

小生のキャンピングカーで夕食準備、メニューは明日からの連続トレッキングのエネルギー補給の為に肉と野菜たっぷりの「ヤキソバ」「野菜タップリのサラダ」「味噌汁」それに「果物:リンゴ・ミカン」「コーヒー」の豪華版とした。 明日からのルート情報を確認しながらメモ。 明日:出発前に「桃の木小屋」へ宿泊予約を念のため入れることにした。 風が強く寒そうなので、上部ベッドは使用せず下部ベッドに逆平行に寝ることにした(下部ベットに寝ていても風で車が横揺れした)。 荷物は全部座席とON氏の車に移動して十分なスペースを確保できた。 

大杉谷下り記録:【第2日目:@AB編に続く】 【第3日目:@AB編に続く】