宮之浦岳縦走:第4日目
  <高塚小屋 −> 白谷山荘>

 登山年月日 平成14年4月13日  快晴
 登山メンバー 殿川紘史  (単独行)
 主要ルート 高塚小屋(8:00)―>縄文杉(8:45)ー>(9:30)大王杉・夫婦杉(9:50)ー>(12:00)ウイルソン株(12:50)ー><大株歩道>―>(13:15)大株歩道入口(13:25)―>(14:30)細川分れ(14:40)ー>(15:40)辻峠(15:50)―>(16:40)白谷山荘(泊)
 所要時間

8時間40分  <AM8:00−PM4:40>



<縄文杉:主幹>

<縄文杉:上部>



6時起床・朝食・昼食兼用品(アルファー米)で調理。 8時出発、縄文杉で再度写真撮影。 プロカメラマンと二人だけで自由にアングルを選択出来た。 アット思う間に30分経過後、今日の時間配分を考え残念ながら出発:8時45分。

<観覧デッキから縄文杉を望む>
 <縄文杉:7000年の刻印>
 <縄文杉:主要枝> <今尚成長している枝最先端の葉> <縄文杉着生植物:約20種に及ぶ>

大勢の観光客の為の登山ルートは驚くほど整備され、殆どが立派な木道と階段。 ルートの覆い被さる大木群の老木には10−20種の別の木々が共生しているのが屋久島の特徴で、この共生が森林の多様化を更に促進している様に思う

<ヒメシャラの枝の不思議な造形> <屋久島原生林の地下に蔓延る木々の根>

縄文杉から20分で大王杉と夫婦杉、更に30分でウイルソン株のルート標準時間に対して、ウイルソン株到着が12時丁度だったから4倍の時間を費やしてしまった。 天候は快晴で撮影には申し分なくツイツイ道草ばかり。 

<夫婦杉> <右の夫杉の主枝が左の婦杉の主幹に食い込んでいる><着生木:馬酔木の花>
<大王杉> <主幹の表皮が開き内部に空洞> <大王杉に着生した木々> <枝の付け根の空洞>
<屋久杉に絡みつく着生木々の根> <若い屋久杉に付いた苔> <楠川林道ー縄文杉までの木道>

昼食をウイルソン株を見渡せる場所で済ませ、後は巨木の周辺と内部を克明に観察しがらの撮影。 途中から縄文杉であったプロカメラマンの一行も追いついて来た。 残っている巨木の空洞内部の直径は7Mを越える。 中心から見上げると左右に直径2−3mの杉が数本巨根に密着してそそり立つのが見え、内部に祭られた祠と赤茶けた樹幹の感触がその数千年の樹齢を想像させてくれる。 数百年前?に如何してこの巨木を伐採し運び出す事が出来たのか不思議だ。(実際は薄く裂いた屋根材として人間が背負って搬出したらしい)

<ウイルソン株><株内空洞の祠><空洞化した株内に侵入した木の根><今尚光沢を持つウイルソン株の主幹>
<ウイルソン株の第二世代の屋久杉><株内の空洞から天空を見上げる><ウイルソン株周辺:休憩スペース>


50分位辺りを彷徨した後出発し、「大株林道入口」に13時15分着。 縄文杉等の屋久杉の巨木観賞路に沿う「大杉谷」と「北沢」の合流点、「トロッコ軌道」が交差する平坦な道路が始まる。 暫くは軌道跡の平坦な道路(木道・軌道・土道が交互に現れる)だが山道になれた足には逆に歩き難い。 10分休憩して気合を入れ直し「楠川分れ」(辻峠と荒川口の分岐点)を目指す。高度の低下と樹木の切れ間からの陽光で暑さ増し汗がドンドン出るため、絶え間なく水分補給をしながら、20−30分間隔で5分の休憩を入れてひたすら歩行。 約1時間で「楠川分れ」着

<翁 杉>    <翁 杉主幹に絡む着生した木々の根>  <びっしりと競合する着生中の幼木> 

 

ココで観光客の90%が向う「荒川登山口」と白谷雲水峡への「辻峠」の分れ口となる。  15分休憩して今夜の宿泊地「白谷山荘」を目指して「辻峠」の坂道を取る。 ここが屋久島縦走コース最後の急坂だ。 「最後・最後」と自分を励ましながら石段の多い登山道を進むが唯一人の行進。 頭上にオーバーハングした大きな岩を見過ごしたら、このルート最高部の「辻峠」にルート標準時間の50分で到着

<倒木更新の例> <伐採された屋久杉の枝に育つ広葉樹> <今尚朽ちない屋久杉の残材>

 <白骨化した屋久杉> <屋久杉に覆い被さる広葉樹> <三 代 杉> <切り株に育つ第二世代の屋久杉>
<大株歩道入口の大杉谷> <トロッコ用の軌道跡> <屋久杉の株を覆う苔> <大株歩道を進むグループツアー>
<大杉谷・大沢合流点:沢沿いの新緑> <マムシ草の花>

10分間木製ベンチにあお向けに横たわり休憩。 樹幹を抜ける風が心地よい。 大木の木漏れ陽も少なく、年中 高い湿度
の為に辺りは苔が多く、水溜りも処々にある。 20分で宿泊地の「白谷山荘」だ。 比較的歩き易い下り勾配のルートから見える広葉樹林帯には、伐採された屋久杉の巨木の根の直径は2−5mもありその表面全体に「濃い苔」が覆い、更にその苔を土壌として幾種類もの広葉樹が大小生えて他では見られぬ景観を呈し、限りなく撮影意欲を掻き立てる。 表層土が流され、石や樹木の根があたり一面を覆い、それに幾種類もの苔が生える様は壮観である。無数にある屋久杉の巨根はどれ一つとして同じ形はなく、幾ら見ても見飽きることなく、またシャッターを押す誘惑に負けてしまう

<絨毯のような苔:@ > < 苔:A > < 苔:B >
<苔むした石に落とす木陰> < 苔:C >  < 苔:D > < 苔:E >


予定時間の2倍の40分後の16時40分にヤット目的地の山荘に着く。 山荘はコンクリート造りで辺りの環境とはマッチしないが「異常に高い湿度」では木造では直ぐ腐食するのだろうか? 先着の若者グループ(8名)に挨拶し、最も奥の薄暗い一角を確保。  今夜こそ静かな睡眠を期待してーーー。 荷解きし炊事の用具・食料を小屋の前庭の外の大きいテーブル(4mX4m)に置き、陽光の有る内に小屋の周辺の撮影を優先。


<屋久杉の枝に下がる苔:サルオカセ?>  <七本杉> < 苔:F >  <切り株上の苔とマムシ草の花>

小屋の正面の大きいシャクナゲには、見事な黄色の花が満開でやや薄暗さの迫る辺り一面に輝きを増している。 此れは有名な「ピンク色の屋久石楠花」とは違うし、早すぎる。 名前は後で調べてみたい。  大型テーブルの四面に1m弱のスペース確保し、定番の「夕食+コーヒー+味噌汁」を食べながら周りの登山者とのオシャベリが続く。 この素晴らしい雰囲気の全員で記念撮影。

<白谷山荘前の満開のシャクナゲ> <薄黄色のシャクナゲ> <白谷山荘の同宿者の夕食後の団欒>


暗くなる直前に遅れて到着の一組の男女も加わり話題は色々と駆け巡る。 大阪・東京・横浜・四国等々の来訪者達。7時には暗くなり、四面を大木に囲われた狭い頭上の空間には、無数の星々がキラメク。 こんなに多くの星座を見たのは何時の事だろうか? 学生時代に登山して深夜の山頂から天空を仰いだ「利尻岳」以来だろうーーー。その時も「人工衛星」を流れ星よりも遅く動く発光体として確認したことを。 「暗黒+澄み切った空気」の理由だろう。 人工衛星が横切るシーンも観察出来た。 期待と緊張の屋久島縦走を90%無事終えた疲労と安心感で、眠気を感じまだ歓談を継続する若者達と別れて21時頃「シュラフ」に入る。 22時頃寝込んだようだ。 歩行時間=約8時間に比べて歩数が少ないのも撮影時間が多すぎる為か。      総歩数=16,700歩


 

『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。

『Shockwave.com』の無償ソフト :  http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html

<1> 縄文杉の写真集 (写真枚数:50 枚)  <平成15年7月23日まで観賞可能>
<2> 『苔と木の根の造形』の写真集
 (写真枚数:33 枚)  <平成15年7月27日まで観賞可能>