My Diary 2005年05月度

05月01日 表妙義山縦走(妙義公園〜金洞山)<第1/2編>

【表妙義山縦走】   【妙義山登山マップ】 【妙義山登山・周辺観光マップ】 【金洞山周辺ルート】
北東〜南西に横たわる「表妙義山」は高度は低いが「谷川岳:一ノ倉」よりも転落死亡事故の多い危険な岩稜の稜線であり、熟練した岩登りの技術を持つ者しか入山してはいけないと明記された場所である。 ウエブでは幾つ物縦走記録があるが、予想以上に厳しいルートだった事が記載されている。 
<縦走ルート>は二つ。 @ 西(中之岳)ー>鷹返しー>相馬岳ー>東(白雲岳)のルート  A 東(白雲山)ー>西(中之岳)。 エスケープルートは唯一つの「天狗岳ー>タルワキ沢ー>中間道」だけである。
参考までにウエブで読める縦走記録のホームページ 【縦走記録:#1】 【縦走記録:#2】 【縦走記録:#3】

【表妙義縦走の背景】
2日前に「裏妙義山縦走」を終わり、北埼玉在住の登山仲間が案内して呉れるとの事で、一人では「危険度の高いルート」である表妙義山縦走は考えられなかったが、十分体調を整えた5月01日の快晴の日に縦走することになる。 上記ルートの西(中之岳)ー>鷹返しー>相馬岳ー>東(白雲岳)のルートと決まった。 午前4時20分起床・朝食も5時には終了してサブザックの点検をして今日も案内役を駆ってくれた平居さんを待った。 6時過ぎに自宅から到着したが、20分休憩後の6時半に道の駅「みょうぎ」ー>登山口駐車場の「妙義公園」へ彼女の車で出発。 6時50分に中之嶽神社を抜けて、金洞山・中之岳へ向かう。
写真をクリックすれば拡大出来ます  【スライドショー:『第1部』 『第2部』 『第3部』】

妙義山登山・トレッキング・縦走路と周辺観光情報概念図:幾種類もの概念図が処々に掲示されたもののコピー
「裏妙義山縦走」よりも手強い「表妙義山縦走路」に関する概念図や危険箇所の表示が特に多く、ザイル操作出来る熟練者以外の入山を強く規制する標示が非常に多い。 其れだけ危険度が高く、最近では「谷川岳・一ノ倉沢登壁」よりも易しく見える関係で熟練者でない登山者が入り込み死亡事故数は「谷川岳」よりも数が多いらしい。 「東岳〜バラ尾根」間の「鷹返し」は30mの「殆ど垂直の鎖場があり、このコース最難間ポイントだという。
道の駅「みようぎ」からの険しい表妙義の奇岩と稜線  星穴岳(右) 妙義神社背後の「大文字」と「険しい稜線」
道の駅「みょうぎ」駐車場から起床直後の陽が上がる前に撮影した表妙義山西方向の岩稜線で「表妙義縦走路の半分」で左手から「相馬岳」〜「天狗岳」〜「大おぞき」〜「玉石」〜「白雲岳」〜「大文字展望台」等が横一列に並んで見える。 
妙義公園駐車場からの「金洞山:西岳〜中之岳〜東岳」と「屏風岩〜石門巡り」方面の展望 中之嶽神社の轟岩
道の駅「みょうぎ」で午前6時半頃、今日の縦走路案内役の「平居さん」が北埼玉:神川町から到着。 小休憩後に彼女の車で、「表妙義山縦走路」基点である「妙義公園駐車場」に来た。 本日の縦走路約半分<金洞山(中之岳)・東岳・鷹返し等>が正面に見える。 
50mの急な石段 大国神社裏の山吹の花   大国神社社殿 中之嶽神社社殿と背後の轟岩 急坂開始
午前6時半に駐車場出発ー>中之嶽神社境内・大国神社・50mの急な石段・中之嶽神社社殿を通過して第四石門方面に進む。 此処までは昨日の「轟岩」「見晴台」「石門巡り」等で一度通過しているので距離感等も記憶に新しい。
新緑の中のルート 危険ルートの注意看板 此処から危険ルート開始 振り返ると軟らかい新緑 第1番目鎖場
第3石門に近い「見晴台」を右に分けて進むと「第四石門方面」と「金洞山」への分岐点に来る。 此処に大きい看板に「危険注意!」の標織が出て、誤って紛れ込まない様に標織が出ている。 今日の縦走路は危険なルートを辿る事になる。 急坂が直ぐに始まりすべり易い斜面となる。 一旦緩勾配の階段状のルートを過ぎると大きい岩の裂け目に長い鎖場が来た。 此処が第1番目の鎖場だが、難なく通過して右手に曲がり、中之岳を北から巻く様に進むと視界が開けた。
金洞山が二手に分かれる  金洞山ピークを見る 唯一の新芽吹いた樹 金洞山ピークへ:第3(左)・第2(右)鎖場
前には新芽が出ていない樹幹の先に尖がった岩が見える。 あの方向は「金洞山(中之岳)」山頂に近い。 後には「西岳」がある。 よく見ると右手に第2番目の鎖場(実際はロープ)が現れた。 此処をトラバースして登りつめると稜線に出る。 鎖に比べてロープの方が危険に感じる。 「すべり易い」・「ナイフエッジの岩で切断し易い」等。 一旦45度を上がり、20度程度の岩の左に進むトラバースが始まる。 ロープの緩みも大き過ぎて足場はしっかりしているが、危険を感じる。
第2鎖場上部からの素晴らしい展望:妙義公園   ルートの無い西岳   中之嶽神社〜さくらの里方面〜金鶏山  
巾:1−2mの狭く短いが「金洞山と中之岳」を結ぶ稜線だった。 此処からの展望は凄かった。 此処先30mには「金洞山」山頂への略垂直の鎖が2本ある。 此処で景色を見ながら休憩する事になった。 金洞山に向かって右手は急激に落ち込む絶壁で真下約150m−200mの落差である。 北方面は一昨日縦走した裏妙義の特徴ある岩塔群が見える。
第2鎖場上部からの展望:さくらの里(背後)・石門巡り内の奇岩群(見晴台・ローソク岩・大砲岩・鏡岩等)   妙義公園
南の絶壁の下には、昨日巡った「石門群の奇岩」や中之嶽神社社殿背後の「轟岩」等々の岩塊が黒く見え、其の中には、新緑の緑・白い芽・黒い杉の木々等が混じり、それらの後には「さくらの里」と「妙義公園」のピンクのさくらが見える。 後には現在では登山ルートの崩壊でアクセス出来ない「西岳」のずんぐりした三角形に近いピークがある。 ピンク色の桜の花・緑と白色の新芽・黒々とした怪奇な岩の塊のコントラストは自然の芸術品としか表現出来ない見事な景色だ。 そんな景色を見ながら水分と軽食を口に入れる。
石門群・さくらの里方面・金鶏山   吹き出した新芽 金洞山<西岳> 谷急山(背後) 第3番目鎖場
狭い稜線では樹を抜けない。 注意深く360度を見渡すと裏妙義方向(北方向)は霞で視界が良くないが、谷急山・烏帽子岩・赤岩・特徴ある小さい「丁須の頭」もぼんやりと見える。 正面=東側がこれから登る30m位の垂直の岩が迫る。 午前9時半頃から「30mの壁」登坂開始。 平居さんに先行して貰い数分で一気に登り切る。 下から見るよりも簡単で短い。 
金洞山ピークの石製祠 アクセス不能の西岳 裏妙義縦走路稜線 東岳と相馬岳方面 金洞山山頂到着
金洞山(西岳・中之岳・東岳の総称)は約10名が座れる程度の狭い山頂で北端に石製の小さい「祠」がある。 360度の展望が利きく。 西は眼前の「西岳」から背後の「星穴岳」の風景、北は「裏妙義縦走岩稜線」・それらの背後の「浅間山」、東は眼前の「東岳(1094m)」や其の背後の「相馬岳(1107m)」等の表妙義縦走の険しい岩稜線、南は落差200m以上絶壁を隔てて「石門群の奇岩」・「妙義公園」・「さくらの里」・今は登山禁止の「金鶏山(856m)」、更に遠くには軍艦の様に見える日本200名山の「荒船山(1423m)」・・・等が限りなく。
西岳北斜面(左)と南斜面(右)  裏妙義縦走路の稜線:烏帽子岩・赤岩・丁須の頭・御岳 裏妙義背後の浅間山
特に「裏妙義山縦走路」は2日前に4人で縦走したルートで此処から離れて見ると、ルートの輪郭が明瞭に思い出す事が出来る。 「丁須の頭」は本当に小さく尖った「爪楊枝」の先端のようだ。 烏帽子岳と赤岩は目立ってそそり立つ岩の塔である。 今日は霞ではっきりは見えないが、「浅間山」の丸い頂上もぼんやりと見え予想外に残雪は少ない。
南西方向:兜岩山・荒船山望遠 中之岳〜金洞山登山ルート   金洞山山頂標示 石門の奇岩群
日本200名山の「荒船山」の形は一度記憶すると直ぐ判る。 兜岩山は名前の通りの形だ。 南側の眼下には「石門巡り」の奇岩・奇石群が黒々と険しさを見せ、其の後には濃いピンク色の満開の八重桜で一杯の「さくらの里」が目立つ。
東岳への急坂岩場  石門群の奇岩・さくらの里・金鶏山・妙義公園 展望台と轟岩・等  石門群の奇岩とさくらの里
「表妙義山縦走路」を我々と逆方向から来る単独行の男性が眼前の「東岳」からの崖の下りを降りる姿が見える(左端)。
この「金洞山(中之岳)」ピークからは一旦、東に向かって急な崖下りをして鞍部に達し、其処から先の男性が降りている急峻な岩場を登れば東岳に到達する。 この急坂には鎖場は見えない。 周囲を見渡しながらスナック頬張り休憩時間がドンドン長くなる。 

『表妙義山縦走<中之岳〜石門巡り入口>−A』へリンク