鳥海山(2236m)A:第2/3編
       
<下山:新山〜<外輪山ルート>〜鉾立登山口>
登山年月日 平成15年9月18日 小雨〜曇
登山メンバー 殿川 紘史・長沢 攻・福川 正勝
主要ルート 【9/17】道の駅「月夜野矢瀬親水公園」ー>317/#290/#7 −>鳥海山鉾立登山口(車中泊)
【9/18】鉾立登山口(6:10)ー>(7:20)賽の河原(7:30)−>(8:05)御浜神社(8:20)−>(8:40)御田ヶ原ー>(7:10)七五三掛(7:20)ー>(9:30)千蛇ヶ谷分岐−><千蛇ヶ谷ルート>−>(10:15)七五三掛・5合目(10:25)ー>(11:05)大物忌神社・鳥居前ー><新山直登>ー>(11:35)新山(11:45)−>(11:50)七高山(11:55)−>(12:00)新山(12:10)−><御本社>ー>(12:25)大物忌神社・御室(12:50)−><外輪山ルート>−>(13:10)行者岳ー>(13:25)伏拝岳ー>(13:35)文殊岳ー>(14:20)千蛇谷分岐ー>(14:25)七五三掛ー>(15:05)八丁坂ー>(15:10)御田ヶ原ー>(15:20)御浜神社(15:25)−>(15:40)賽の河原(15:50)−>(16:40)鉾立駐車場(17:25)−>(18:00)道の駅「鳥海」−><温泉>ー>(20:15)道の駅「鳥海」(車中泊)
所要時間 登山時間=10時間30分 <AM6:10-PM4:40>  総合時間=12時間05分 <AM6:10−PM8:15>


鳥海山の溶岩ドームの通路

鳥海山登山ルートマップ

スライドショー<下山:山頂〜<外輪山ルート>〜鉾立登山口>


新山〜神社〜<外輪山ルート>〜七五三掛〜鉾立登山口

七高山から新山に戻り、12時10分、登山ルートとは異なる「大物忌神社本社裏」に出る短絡路を下山ルートに選択して出発。 去年の登山時には、濃霧でルートファインディング出来なかった所だが、ガスが無ければ何の心配も無いルートで溶岩ドームを形成する岩の裂け目・穴を抜け、折り重なる石を渡り歩くスリリングなルートで面白かった。 一度スリップすれば大怪我は避けられない緊張感が・・・・・・。

堀込んだ落書き ドーム内の通路 溶岩ドームの上下を縫うように通じる神社裏への下山路

溶岩ドーム部を抜けると「平成火口」と記した10m程度の窪地の横を通り外輪部に近づき、90度角度を変えて、神社への急な石・石・石のルートが粘土質の混じる滑りやすい道になると「大物忌神社本社」はすぐ其処だ。 名前から連想する神社とは異なり、鳥居が無ければ、唯の石垣に囲まれた「山小屋」と錯覚しそうな神社だった。 12時25分、下山の安全を祈願する一礼をして千蛇谷の始まる神社敷地の外に出て、「昼食」に20分を掛けて空腹を満たした。 
「ゆで卵」「おにぎり」2個づつ、「バナナ2本」+ホーヒーのたっぷりの補給。 12時50分神社を出発。 丁度山頂で会話した「鳥海山山岳パトロール員」2名が通りかかり、その後に続いた。 「通行禁止標識」の横を抜け、5分も進むと外輪稜線の一部が崩壊した地点に着く。 この地点は崩壊が続いていて少々危険だが、上部をトラバースしたら問題なかったが、山岳パトロール員が先行してくれて気分的に安堵感があった。 新山から東進して外輪稜線に出るルートよりショートカット出来た。 最後は約10mの「鉄梯子」で外輪稜線に出た。 その斜面には「イワギキョウ」「イワベンケイソウ」が有った。 此処から見た鳥海山ピークは少し霞んでいた。

平成火口から外輪部  神社上部の道? 大物忌神社本殿  行者岳付近からの頂上部 谷から行者岳へ

その稜線を進むと「行者岳(2159m)」と記したピークについた。 外輪稜線の最高点らしい。 1m程度の新しく見える石像が鎮座していた。 今日は視界があるがガスの時はこのルートは面白みは無かろう。 朝に「千蛇谷」を登山して、午後に「外輪山コース」を下山にしたのは大正解だった。 去年は「ガスと強風」で諦めたルートだった。 千蛇谷までは100mを超えそうな崖が「七五三掛」まで連続しているようだ。   

行者岳から山頂を望む  行者の石像 外輪山稜線から振り返る下山ルートと山頂部  写真撮影??

外輪の南斜面は千蛇谷に比べてガスが濃いため視界が少ないが、ガスの間から残雪の白が切れ切れに見えた。 稜線の登山路は歩きやすかった。 「伏拝岳」標識と薊坂を経て「滝の小屋」への登山口の分岐点には小さい祠の横に「石の標識」が有った。 割に緩やかな下りが南斜面に見えるのがそのルートだろう。 

薊坂の残雪 伏拝岳の分岐と薊坂への標識 ガスの霞む山頂部 千蛇谷を覗く

薊坂の分岐を過ぎると2100mの高度以下になるにつれてルート側の植層に変化が感じられた。 ハイマツ主体から丈の低い「石楠花」と「ナナカマド」等が生えてきた。 札縛とした中に「ナナカマド」の赤い実は写真撮影意欲を変えてくれる。 北面の千蛇谷方面が良く見え、南面の緩やかな斜面側がガスで見えない状況がずっと続いた。 鳥海山稜線の近くが最も明るくやや赤みを帯びてきた(写真:右下)。

文殊岳方面への外輪稜線の展望:何度も振り返った鳥海山山頂や神社      露光を減らすとこんな光景?

稜線の「ナンブタカネアザミ」は全部枯れていて、「千蛇谷の薊」とはかなり違う。 この稜線の厳しい気候を想像させる。
ナナカマドも葉を全部失い赤い実が特に目立つ。  

千蛇谷方面 鳥海山西稜線 枯れた薊とナナカマド       唯一のナナカマドの彩り

文殊岳が高度2000m点で、ナナカカマドの数が増え、「ヤマハハコ」も見られた。 赤い彩りのナナカマドは外輪稜線の主役だ。 午後の天候の改善を期待したが、やや悪化するようにも見える。 

鳥海山外輪稜線:文殊岳付近からの展望:完熟状態?の真っ赤なナナカマドと白いママハハコ

いよいよ外輪コースも文殊岳を過ぎて終盤に近づき、「七五三掛〜千蛇谷」への降下ポイントもすぐ其処だろうか? まだなだらかな勾配が続くが、最後の急勾配でハイマツ帯を下り始めると「七五三掛」に差し掛かる。

外輪稜線:文殊岳付近からの展望

ハイマツ帯で「ハイマツの根」が露出して枯れている部分もあった。 14時20分に千蛇谷への分岐点を通過。 25分に「七五三掛」に到着して休憩。 14時40分に下山スタート。 15時5分に「八丁坂の階段」を上り終えて「御田ヶ原」の平坦地に到着したのは、15時10分。 黙々と御浜に向けて歩く。 鳥海湖は朝と同じくガスのためにぼんやりと見える。15時20分に御浜の風下の神社・社務所前で15分休憩。 此処からは下りで整備された石畳や階段が続くが、疲労した足には「石畳と階段」はショックが大きい。 「賽の河原」に15時40分に到着・5分休憩で下山を急ぎたくなる。 後から来た長沢さん・福川さんが先行してその後を追う。 3人3様のペースだが、駐車場に近い展望台で3人がそろった。 もう一度展望台から「鳥海山」を振り返ると、遥か彼方のガスの中に見えた。 夕方に近づき、頂上付近の稜線の空の色はやや色づいて見えた(写真:右下)。 

七五三掛への急坂下り部      ガスが漂う鳥海湖     展望台からの最後の山頂部  

16時40分鉾立の駐車場帰着。 登山届けに下山時間を記入して荷物を下ろした。 コーヒーを準備しながら、出発準備・休憩。 17時25分、鳥海ブルーライン経由で国道#7号沿いの道の駅「鳥海」に向かう。 蛇行した観光道路が嫌に長く感じた。 18時に、国道#7号に出て道の駅に立ち寄らず直接、近くの公営温泉で入浴。 入浴後休憩室で休み、20時過ぎに道の駅「鳥海」に到着。 国道から最奥・外灯で明るいスペースに駐車。 ベンチに運んで3人で夕食。 天気予報では明日は雨模様でがっかり。 福川さんは用件のために予定通り帰宅。 小生と長沢さんは休憩しながら、月山登山口(八合目:阿弥陀が原)に行く予定を立てた。 朝はゆっくり休んで、福川さんを最寄のJR駅に送る予定。 今日の鳥海山登山は朝の雨模様が曇りに変わって雨に降られなかったことは恵まれていた。
23時30分頃就寝。  総歩行数=34,400歩 

鳥海山登山【第3/3編】:<登山道の高山植物>へ続く