【2泊3日縦走計画】 |
第1日目<7月28日>:振内町駐車場ー>ゲイト入り口ー>北電・取水口ー>幌尻山荘(泊) 第2日目<7月29日>:幌尻岳山荘ー>幌尻岳ー>戸蔦別岳ー>幌尻山荘(泊) 第3日目<7月30日>:幌尻山荘ー>北電・取水口ー>ゲイト入り口ー>振内町駐車場 |
【幌尻岳〜戸蔦別岳縦走のスライドショー】 |
【第1日目:ゲイト〜山荘】 【第2日目:第1編(登山:山荘〜幌尻岳山頂)】 【第2日目:第2編(縦走:幌尻岳山頂〜戸蔦別岳〜山荘)】 【第2日目:第3編(高山植物)】 【第3日目:幌尻岳縦走;縦走の思い出】 |
【7月27日:移動【26日雌阿寒岳登山後】 |
7月27日:雌阿寒富士・雌阿寒岳登山後、道の駅「摩周湖温泉」(泊)(10:00)ー><国道:#241>ー>帯広市ー><#38>ー>新得町<知人の急勤務地周辺の撮影>ー><国道:#274>−>日高町ー><国道:#237>−>(15:30)振内町役場駐車場(泊) 約1ヶ月前に、北海道内に入っても「渡渉経験」もなく単独行動で果たして登山決行をするべきか否か相当に悩んで、最終決断しないまま、登山基地である振内町に入ったのは、7月27日の午後3時ごろだった。 |
振内町での登山準備・手続き |
天気もハッキリせず不安な気持ちで、「幌尻岳」の登山情報を入手のために、振内町役場に出向いた。 質問リストに従い「車道状況」「駐車場」「渡渉条件」「幌尻岳山荘の宿泊可能性」「単独行の可能性」等々を矢継ぎ早に訪ねたが、兎に角、親切なアドバイスだった。 役場入り口の「駐在所」と「振内タクシー」でより詳しい情報が得られることを教えられ、先ず側の駐在所に向かった。 駐在所での結論は「単独行動」でも注意すれば大丈夫である事、「大型キャンピングカー」でのアクセスは避けた方が賢明なこと、明日から3日間の天気は大丈夫であること、水量も減少して「渡渉難度」が下がっているなどの話で、明日から入山する決心が固まった。 入山手段は「振内タクシー」のみであるが、そこでより詳しい「渡渉ポイント情報」を得ることを勧められた。 詳しい入山届(登山)を提出して、大型車駐車場として「役場奥の駐車場の使用許可を役場で頼め」とのアドバイスまで頂き感謝・感激。 勿論役場も駐在所のアドバイスと聞き「身分証明」の提示だけで許可を与えてくれた(当然、車中泊も・・・)。 |
幸いにも「振内タクシー駐車場」も近くにあり、運転手兼経営者らしき40歳台の人が対応してくれた。 明日の入山・2日後の出迎えを前提に交渉開始。 結論は「メーターでなく片道:¥10,000」で合意。 大型バスも通行可能らしいが、大型キャンピングカーでは駐車場スペースと交差・折り返し点が難しいと親切な説明だった。 「往復タクシー代:¥20,000」の出費は痛いが「幌尻岳登山」成功の方がより大切だ。 本人は振内の「幌尻岳登山関係者」らしく、詳しい渡渉ポイントを「スケッチ」しながら懇切丁寧にアドバイスしてくれた。 困難なポイントは、最初から数ポイントである事が判った。 「単独」且つ「渡渉経験無」を前提に、「渡渉時の歩き方」(膝上〜腰下の水位)「靴」「水中でのストック裁き」「ポイントの見つけ方」まで約1時間近くを掛けたもので、最後は「単独行」でも行けそうな自信が沸いて来た。 明日なら「水位は全部腰下」だろう。 必要なら「地下足袋」を出して、貸与して呉れるとの申し出まで・・・。 札幌で購入した「渡渉シューズ」使用を伝え丁重に断った。 1週間前に10数名の東京からのパーティーの夫婦がこの「第一ポイントの渡渉」に失敗し、死亡したことも聞いた。 原因は渡渉時に使用した「ザイル」をスリップした瞬間に手を離し、急流に流され「岩に後頭部」を当てて死亡。 流された主人を見た奥さんが救出しようと流れに入り、奥さんも流され、同様に死亡した悲しい出来事を聞かされた。 他の10数名は何も出来なかった。 【タクシー予約内容】 <登山日> 7月28日: 午前8時・役場奥駐車場出迎え。 <下山日> 7月30日:午前12時頃・ゲイト入り口出迎え。 <料金> 片道:¥10,000 登山届・登山情報(山荘・渡渉ポイント・コース概要)・タクシー予約(往復)・食料品追加購入・キャンピングカー駐車許可等の全ての手続き・確認を完了して駐車場に戻る。 荷物の整理・2泊3日の「登山用品の確認・パッキング」(食料:2泊3日分+予備:2日分)を終了して 明日からの厳しい入山二備え入念にチェックした。 21時頃就寝したが、興奮で寝つきが悪かった。 |
第1日目記録:振内町ー>幌尻山荘(泊) |
午前6時起床。 食事も十分に摂り天気の確認で「天気は回復に向かう」の予報に安心した。 8時少し前に「振内タクシー」の昨日の人が迎えに来た。 道路状況は「全般は完全舗装」、部落を離れると「ダート」で道もかなり荒れたところを通過。 乗車時間は1時間を越えた9時10分にゲイト到着。 普通はこの地点で下車して「林道歩き」だが、予約した夫婦の出迎えをするので、サービスで「林道」の中に入るとの嬉しい話。 20キロを超えたザックでの歩行時間が短縮されて大助かりだ。 「ゲイトの鍵」を開けてダート道路をゆっくり前進。 約10分で、一人のご夫人と行き交う。 運転手氏との会話で「ご主人が遅れて歩行中」とのことで、もう少し前進し、そのご主人氏に出会うまで乗車して良いとのこと。 自分にとっては「幸運」の連続だ。 約5分後に「疲れた60歳台の男性」がその登山者だった。 一昨日の渡渉条件に比較して、今朝はかなり水位も減少しているとの情報を得て元気100倍。 親切な運転手氏と2日後の出迎え時間・場所を確認して、重いザックを背に歩行開始。 何処で折り返すのか心配したがやはり地元のプロ運転手、その登山者を乗せて下り始めた。 |
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最初の高山植物 | オオウバユリ | ガクアジサイ:ピンク色 |
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ガクアジサイ:薄い青色 | オニシモツケ | クガイソウ | エゾアズマギク |
目指す「ダム(取水施設)」までのダートの車道は「一般車通行禁止」の「北海道電力の保守専用道路」だ。 道の左側が幌尻岳山荘」に沿う「糠平川」で、処々に沢が合流して水量を増していた。 この川幅と水量を見て「15−16回の渡渉」が可能とは考えにくい程だった。その不安を和らげる如く「ピンクや薄青い岳アジサイ」・「オオウバユリ」・「オニシモツケ」・「クガイソウ」・「エゾアズマギク」・「キツリフネ」等がたくさん咲いていた。 天候も雨の可能性は無い様だ。 約1時間歩行して10時に「北電取水口」に到着した。 略1時間位歩行しただろう。 標準タイムが「1時間50分」だから、半分の時間を節約した事になる。 |
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クガイソウ | キツリフネ | 幾つもある沢の流れ | 取水口:ダム(車道終点) |
この地点で10分休憩して、車道終点で狭い橋を渡り「糠平川」の右岸に沿って前進した。 川幅は広く、水量も多い。 時折流れ込む沢の 流れも「滝」の様相に近い。 徐々に緊張感が増していく。 期待した登山者は全く見当たらない。 昨日は「誰か登山者がいる」から・・・と 聞いたが期待はずれだ。 川の右岸を見ながら前進。 途中で、「2種類の蝶」に遭遇し撮影。 「シシウド」は元気よく最初の蕾を開こうとし していた。 |
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取水施設付近の流れ | オオウバユリ | ズダヤシュク |
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青色のガクアジサイ | オヤマボクチと蝶 | 沢で見るせせらぎ? |
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ヤグルマソウ | 渡渉には広すぎる川幅と水量? | 開花直前のシシウド? |
「北電取水口」から、50分過ぎた午前11時に、とうとう「第1渡渉ポイント」に到着した。 登山靴をザックにしまい、「フェルト底の渡渉シューズ」に履き替えた。 丁度大きい荷物を背にした数名の登山者が「第一ポイント」を通過したばかりで、「第二ポイント」に向かう姿がわづかに見えたが、岩陰に去った。 「第一ポイント」は要注意ポイントの一つだと昨日のアドバイスを思い出す。 2週間前の「2名死亡」のポイントでもあることを思い出し緊張感が益々高まる。 巾=3−4m、 水深=50−80cmの様だが、流速はかなり早い。 約5分間状況を確かめて「入水開始」。 川底にある大き目の石に第一歩を乗せて、ストックで安定を確保しようと水に刺すと、目的の地点に先端が届く前に水流に流された。 先ず予想外に早い水流速度を認識した。 2本のストックで固定して「第2歩目」を次の川底の石に置くことが難しかった。 右足を最初の石から浮かせると水流で流されてしまい、見えている第二番目の石に乗せられないのだ。 「だぶついたスパッツトズボン」の為に必要以上に流水抵抗が増加している事に気がついた。 やはり「渡渉用のスパッツを購入持参すべき」だったと後悔したが遅過ぎた。 札幌市内スポーツ店の推奨の意味が始めて体感で判った。 初めての渡渉の恐怖感が股までとどく水の冷たさも意識できなかった。 アドバイスの「足は川底を這うように前に出す」を言い聞かせ、足が流されるのを防ぐ要領が少しずつ体感出来、第3歩、第4歩と確実に底を伝った。 石を踏み外すと腰の上までの深さがありそうだった。 そうしたら間違いなく「流されるかも知れない」。 無事に「第一ポイント」を渡りきった時の安堵感を今も鮮明に思い出す。 暫くそのポイントの流れを見返して「第二ポイント」に向かい前進。 これから14-15回もこんな渡渉が続く事の意味が大きいプレシャーに感じた。 「第二ポイント」「第三ポイント」と徐々に渡渉の要領を飲み込みながら前進した。 「四ノ沢」付近で大きい滝が流れ込んでいた。 |
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第一渡渉ポイント | 渡渉ポイント間の急流 | 大きな滝 | 優しく見える渓流?? |
大雨毎に流された「流木」が広くなった河原に体積し、其れを乗り越え、石の上にの「小さいケルン」を頼りにルートを辿る。 堆積した木に「白い硬いキノコ」も着いていた。 沢沿いの草むらの花が緊張感を和らげてくれた。 先行する数名の登山者は二度と見ることは無かった。 間違いなく「渡渉初心者」より早いだろうから・・・。 |
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ミヤマカラマツソウ | 流木に生えたキノこ | 可愛いケルン | オニシモツケ |
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堆積した流木群 | 綺麗な渓流にも見える糠平川上流部 | オヤマボクチ |
道中で高い岩を撒くか、沢を渡るかの判断に迷ったが昨日得たの「アドバイスノート」を取り出して「渡渉」を決断。 60cm位の水深の渡渉だが、やや「淵」に近く、水の流速は遅く予想外に安全に通過できた。 それ以降は、恐怖感が先行した渡渉も徐々に「恐怖感から楽しさ」に変化した。 合計15−16回の大小の渡渉の最後は「幌尻山荘」を目の前にしたポイントだった。 澄み切った川巾=6−7mで流れも速くない。 最深の注意を払い、水中歩行を避けて飛び石伝いに渡渉して終了。 12時45分に幌尻岳山荘に到着。 この1年間、登山したいが、「困難な15−16回の渡渉」の壁で決断に悩んだ「幌尻岳登山」が可能になった瞬間だ。 辺りは木も切られ、明るい。 朝は曇った天気も快晴になっていた。 渡渉に全神経を集中しての1時間45分が無事に過ぎた実感が篭る。 その間は、天気を見るゆとりは少なかった。 |
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幌尻岳山荘前:最後の渡渉ポイント 沢越しに見る幌尻岳山荘 山荘横の沢の急流 |
トップページの写真の立派な「幌尻山荘」の前庭で身支度を整えた。 濡れたスパッツ・渡渉シューズ・靴下を脱ぎ、持参した「ツッカケ」に交換。 膝に貼っていた「サロンンパス」が吸水して厚みが5−7mmにも増して元の形を失いコンニャクの様だった。 幸いにも今夜の山荘スペースは心配無いようだ。 宿泊を登録して「料金:¥3,000/2泊」を無人小屋の箱に納入した。 宿泊登山者数に比べて宿泊料を納める箱の現金は少ない様で、昨日駐在所のおまわりさんの苦言を思い出した(宿泊は多いが宿泊料を自発的に納入する登山者が少ない)。 山荘は2階建構造:1階入り口部分が「炊事場」、奥は宿泊スペース。 2階は全部宿泊出来、中央は2mX2mのドラフト構造で換気も配慮されている。 休憩を兼ねて「昼食・コーヒー」を摂り、明日の「日帰り縦走」の装備確かめて、デイバックに詰めた。 最奥部にスペースを確保して写真撮影で外に出た。 |
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戸蔦別岳北方面稜線 | 幌尻山荘上流の沢 戸蔦別岳からの下山ルート最後の渡渉 |
山荘と沢の上空の切れ間から「幌尻岳・戸蔦別岳」に連なる山稜がくっきりと見えた。 明日の登山の期待が膨らむ。 間違いなく快晴 の登山日和だろう。 沢の上流に木々の間に人陰動く。 多分「幌尻岳」−>「戸蔦別岳」を縦走して下山して来る登山者だろう。 ガイドブックを思い出す。 縦走後の下山の最後部分に「数回の渡渉」がある。 明日の縦走後のルートだろう。 山荘前の沢=最後の渡渉ポイントに10数名のパーティーが到着して、リーダーの支持で、渡渉を開始した。 学習を兼ねて「渡渉方法」を観察した。 |
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戸蔦別岳からの下山者の渡渉 | 山荘前の渡渉点 | パーティーの渡渉 |
沢の落ち口の石を伝う者、やや深いが流れの遅い上流側を膝まで浸かって渡る者と色々。 濡れるが「後者」の方が安全に見えた。 山荘前のスペースも幾つものテントが張られ、賑やかになった。 我々山荘内の宿泊者は、テント持参使用者のお陰で、ゆったり寝れそうだ。 外に干した「スパッツ」「渡渉シューズ」「靴下」は乾きそうにない。 |
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大パーティーの渡渉状況 | 山荘前のテントサイト |
先程の大パーティーが夕飯の支度を始めてので、山荘内に戻り夕飯の支度を開始。 キッチンには「豊富な良質の水」が潤沢に使用できた。 午後6時、定番の「夕食+コーヒー」だが、待望の「幌尻山荘」に落ち着き、明日の天気も申し分ないことに満足で、ことのほか美味い食事だった。 この山荘には古いが毛布やシュラフレイヤーが備えてあったので毛布を拝借してシュラフの下敷きにした。 室内もよく整頓されており、雨漏りなどは全くない。 キッチンスペースもちゃんと備えており、良質の水が豊富にキッチンから汲める程の設備を有する素晴らしい山荘である。 1泊¥1,500とは誠に有り難い。 やや暗くなり始めた7時ごろにはあちこちから登山者のイビキが聞こえ始めた。 何時の間にか、熟睡に入った様だ。 |
『スライドショー』は下記をクリックするとご覧に慣れますが、予め下記の[Shockwave.com]にアクセスして無償ソフトをPCにインストールしてから御覧下さい。『Shockwave.com』の無償ソフト : http://jp.shockwave.com/photojam/eula.html
【幌尻岳・戸蔦別岳縦走:スライドショー】 1・ 幌尻岳登山:第1日目<振内〜幌尻山荘> 2・ 幌尻岳登山:第2日目<幌尻山荘〜幌尻岳山頂> <幌尻岳山頂〜戸蔦別岳〜幌尻山荘> <高山植物・蝶編> 3・ 幌尻岳登山:第3日目<幌尻山荘〜振内町:縦走の思い出> |