戦場ヶ原雪上トレッキングA
戦場ヶ原展望台〜小田代ヶ原展望台

年月日 平成17年02月15日 快晴
メンバー 殿川 紘史  <単独>
主要コース 宇都宮自宅(6:45)−>(8:00)中禅寺湖(8:05)ー>(8:20)赤沼茶屋(9:00)ー><小田代遊歩道>ー>(9:15)シャクナゲ橋分岐ー>(10:15)戦場ヶ原展望台ー>(10:25)小田代周遊路分岐ー>(11:20)小田代ヶ原展望台(12:00)−>(12:15)貴婦人(12:25)ー>(13:40)泉門池分岐ー>(14:15)青木橋(14:30)−><自然探求路>ー>(16:00)赤沼茶屋(16:20)ー>(16:45)中禅寺湖(16:55)ー>(18:10)宇都宮自宅
撮影場所 戦場ヶ原展望台〜小田代ヶ原展望台周辺
所要時間 撮影:7時間  全体:11時間25分

     小田代ヶ原を横断するスキーヤー
 写真を繰りクリックすれば拡大出来ます   戦場ヶ原〜小田代ヶ原周遊コース概念図 

【戦場ヶ原概要】
『戦場ヶ原』は高度:1394mの中禅寺湖の奥にある湿原である。 男体山の噴火により出来た湖水が流出した土砂で埋められて湿原になっが、尾瀬ヶ原に比べると、乾燥化が進んでおり、湿原の中央を流れる湯川の周辺以外は白樺・唐松等の樹木の生育が進みつつある。 「湿原植物」は勿論、春先の「カラマツの伊吹き」、初夏の「ホザキシモツケ」、秋の「紅葉」、冬の「雪原」と四季折々の美しさを楽しめる。 戦場ヶ原の名称は、男体山の大蛇と赤城山のムカデがこの地で戦ったという伝説に由来する。 
【小田代原概要】
『小田代原』は、戦場ヶ原の西側にひつそりとしたたたずまいで、一見地味な存在であるが、雑踏から切り離された、静寂の中で、自然の営みを肌で感じることが出来る草原である。 戦場ヶ原と同じ様に湿原であったが、乾燥化が進み、湿原から草原へと変わったものである。 戦場ヶ原とは「ミズナラ」の林で隔てられていて、標高は戦場ヶ原よりも高く1410m、大と林に囲まれた盆地状の地形である。 草原は季節により、また陽の差し込む角度により、さまざまな表情がある。 北西辺のカラマツ林は樹齢200−300m年を数え、国内有数のカラマツ美林である。 「貴婦人」と呼ばれる「シラカバ」が小田代の中央にあり、カメラマンの撮影ポイントになっいる。

【過去の雪上トレッキング記録:平成15年と16年の2回の記録】
平成15年2月14ー15日:第1回目
北海道・羅臼岳登山口の山小屋で世話になった阿久津氏が故郷・栃木県船生に帰られたので「奥日光・湯本スキー場」へ同行後、其の日の午後から戦場ヶ原・三本松茶屋駐車場に駐車して、午後2時頃から国道#129より東側の戦場ヶ原をワカンを履いて戦場ヶ原で初めての経験をした。 其の夜はマイナス20度の寒い夜を車内で「冬山装備品の体感テスト」兼ねて過ごし、翌15日は14日とは反対側の戦場ヶ原と小田代ヶ原の周遊をした。
その記録は『戦場ヶ原雪上トレッキング記録:第1/2編』 と 『同・記録:第2/2編』を参照されたい。
平成16年2月24日:第2回目
第2回目は去年の2月、市内在住の友人:福川氏との日帰りトレッキングである。 その時のルートは「赤沼茶屋ー>戦場ヶ原展望台ー>小田代ヶ原展望台ー>貴婦人ー>雪原縦断ー>青木橋ー><自然探求路>−>シャクナゲ橋分岐ー>赤沼茶屋」のルートだった。 過去2回共に眼が痛くなる様な快晴の日だった。

第3回目の戦場ヶ原・小田代ヶ原雪上トレッキングは快晴を天気予報で確認した「平成17年2月15日」で奇しくも第1回目と同じ日になった。 2回目と同様に朝自宅を出てトレッキングをスタートした。 去年8月後半から約5ヶ月中止していた登山・トレッキング活動再開後の第2回目で雪上のワカン歩行に多少の不安を持った計画だったが過去の経験も在るので、単独の歩行になる。 ルートは第2回目同様の『戦場ヶ原・赤沼駐車場ー>戦場ヶ原展望台ー>小田代ヶ原展望台ー>貴婦人ー>雪原縦断ー>泉門池分岐ー><自然探求路>ー>青木橋ー>シャクナゲ橋分岐ー>赤沼茶屋』を辿った。 その写真撮影記録を以下に纏める。 

 スライドショー:『第1部』 『第2部』 
戦場ヶ原展望台の景色:正面に太郎山が正座し、全面に戦場ヶ原の雪原が広がる。  太郎山山頂部拡大(右2枚目)
戦場ヶ原展望台の景色:展望台から雪原に降りて前進すると周囲を取り囲む山並みが全部見える
<左から>錫ヶ岳・白檜岳・湖上山・三岳・山王帽子山・太郎山・小真名子山・大真名子山・男体山の一大パノラマ
展望台に戻り正面の太郎山をもう一度眺める 薄緑のサルオガセ 無傷の雪面に木々の陰
明るい平坦な樹林帯 しゃくなげ橋分岐で休憩するトレッカー 樹林帯を吹き抜ける風で起こる雪煙
鹿の食害防止用電気柵入口ゲイトの通過 此処からは小田代ヶ原湿原:白根隠山・白檜山・前白根山・湖上山等
ズミの茂る雪原の背後に白檜山に続く奥白根山は白根隠山の陰 丸い錫ヶ岳の拡大 小田代雪原
背後の高山から小田代ヶ原に吹き降りる風で雪煙が舞う。 サラサラの粉雪は舞い上がる 小田代ヶ原のスキーヤー
雪原のズミ 雪に埋もれ風に翻弄される地衣類:僅か10−20mm程度の苔も元気 雪原から吹き抜ける風
倒木の緑の苔・ミヤコザサも冬の強雨風に耐える。 一帯はズミが多い ズミの枝先の新芽は硬い。  雪原の風紋
表面の凍結した雪 周囲のミズナラ樹林の規模は大きく美しい 雪原に繁茂するズミ林帯:春先は白い花で・・・
ズミ林の間を縫ってワカンの跡が続く 広大な雪原は強風で常に粉雪の煙   北斜面に漏れる朝日と木々の陰
この付近から白樺が現れる ダケカンバの根元 正面の白根山から吹き降りる風に耐えるズミ樹林
小田代ヶ原展望台付近の湿原=雪原は春に白い花を付けるズミの木々が茂る。 ズミ独特の棘のような細かい枝先

赤沼茶屋〜戦場ヶ原展望台まではミズナラの樹林帯を通過する。 「戦場ヶ原展望台」で視界が広がり、西部から戦場ヶ原を展望出来る位置に来る。 「展望台」の名称に戸惑う。 全く高台はなく展望デッキが在るわけでもない。 戦場ヶ原の展望の問い地点の意味だ。 ヌズナラの大きい木々が疎らに茂る樹林対を通過。 「しゃくなげ橋分岐」標識付近で「スノーシュー」を履いてトレッキングする二人の男性に会う。 時折吹き抜ける突風で樹林帯の中にも雪煙が舞う。 鹿の食害防止電気柵の出入口は扉が外されているが通過するのが難しい。 積雪の為にザックを背負ったまま這うように背を屈める。 ミヤコザサが茂る付近は雪原からの風の通り道らしく殆ど雪はない。 僅か10−20mm程度の苔が雪の上に芽先をだしており、倒木の上の苔さえも陽光を浴びている。 其処を白根山方面からの風が吹く抜けて行く。 此処で敢て雪原の中に入り左右の展望を楽しみながら無傷の雪原にわがワカンの足跡を就けながら歩く。 直進している積りだが振り向くと蛇行している。 吹雪の中の迷走が予想出来る。 風で出来る雪面の模様が綺麗だ。 雪面から2−3mのズミの木々が増えて来た。 小田代ヶ原展望台は間もなくだが徐々に雪の量が増える様で、時折雪原をワカンでも踏む抜く時の深さが膝から股近くになることも・・・。 また正面の山から強風が雪煙を巻き起こした。 小田代ヶ原展望台の休憩所で昼食を考える時間になった。

 『雪上トレッキング:第3編』へリンク