大崩山(1643m)登山:第1/3編
日本200名山

登山年月日 平成16年5月14日  快晴
登山メンバー 殿川紘史 <単独行>
主要登山ルート 【5/13】えびの高原(10:00)−>(13:00)高鍋町(15:10)ー>(17:00)延岡市ー>(18:05)美人の湯駐車場(車中泊)
【5/14】美人の湯駐車場(5:20)−>(5:30)登山口(6:15)−>(6:40)大崩山荘ー>(7:00)三里河原分岐(7:05)ー<和久塚コース>ー>(7:50)小積谷ー>(9:50)上和久塚(10:50)ー>(11:00)和久塚坊主尾根分岐ー>(11:35)石塚ー>(11:45)大崩山山頂(11:50)−>(11:55)石塚(12:20)−>(12:35)和久塚坊主尾根分岐ー<坊主尾根コース>ー>(13:00)上和久分岐ー>(13:15)小積ダキ(13:40)−>(13:45)岩峰(13:50)−>(14:20)見返の塔展望台(14:25)−>(14::50)林道分岐ー>(15:15)渡渉点(15:25)ー>(15:30)大崩山荘−>(15:50)登山口(16:00)−>(16:15)美人の湯駐車場(車中泊)
所要時間 登山:10時間55分  <AM5:20-PM4:15>


   里河原分岐からの展望

       祝子川渓谷の清流
写真をクリックすると拡大出来ます
大崩山登山ルートマップ 【概念図@ A】 【地図】
【スライドショー】 
【第1/3編: 登山口〜上和久塚 @<登山口〜渡渉点> A<小積谷渓流〜上和久塚>
【第2/3編:上和久塚展望台 @<上和久塚展望台の眺望(1)> A<上和久塚展望台の眺望(2)・石塚の展望>
【第3/3編:下山路 @<和久塚尾根の眺望> A<小積ダキ先端展望台> B<下小積谷の渓流・山荘前渡渉点>

【大崩山登山情報】<日本200名山>
宮崎県北部、延岡市の西部に位置し、祝子川渓谷の奥の祝子川ダムまで来ると左手奥に緑の山肌が崩れ落ち、花崗岩が大きく露出した山が見える。 「ダキ」とも呼ばれこの山域の象徴的存在である。 ダムの先4キロ地点に登山口があり、無人小屋の「大崩山荘」は更に40分の距離にある。 深山幽玄の渓谷美と荒々しい花崗岩が露出する本格的な登山が楽しめる山(1643m)で日本200名山に挙げられている。
<登山ルート> 全部で5−6ルートあるが、最も一般的なルートが「祝子川登山口」である。 この「祝子川登山口」からも四つのバリエーションルートを選択できる。
@ 【和久塚コース】:祝子川登山口ー>大崩山荘ー>三里河原分岐ー>坊主尾根コース分岐ー>和久坊主尾根コース分岐ー>大崩山山頂  <登山時間:5時間10分>
A 【坊主尾根コース】:祝子川登山口ー>大崩山荘ー>湧塚分岐ー>林道分岐ー>上和久分岐−>和久坊主尾根コース分岐ー>大崩山山頂 <登山時間:4時間30分>
B 【二枚ダキコース】:祝子川登山口ー>二枚ダキ登山口ー>二枚ダキー>大崩山山頂 <登山時間:3時間40分>
C 【三里河原モチダ谷コース】:祝子川登山口ー>大崩山荘ー>湧塚分岐ー>吐野−>三里河原ー<モチダ谷コース>−>大崩山山頂 <登山時間:5時間>
今回は平成14年度と略同じ「@<和久塚コース>」を登り、「A<坊主尾根コース>」を下山路にした。 標準合計時間は「5時間10分 + 3時間30分」、合計=8時間40分

【登山の背景】
平成14年の春に九州の主要な山に登山した時に「祖母山九合目」管理人の加藤氏から「傾山」と「大崩山」は九州では最も面白い山だから是非、登山しなさいとのアドバイスで、2日間の天候待ちをして、4月29日に登山したが、終日小雨に降られ、ガスで全く視界の無い登山を経験していた。 九州への帰郷の序に、再度「大崩山」へ挑戦した。
【5月13日】
前日の5月12日に「霧島連峰縦走」と「高千穂峰」に登山後、えびの高原で車中泊。 翌13日午前10時にえびの高原を発って、「高鍋町」の友人宅に立ち寄り、約2時間旧交を温め、延岡市経由で「祝子川」登山口に近い「美人の湯駐車場」に午後6時頃到着。 ゆっくり入浴して14日の登山に備えた。 

大崩山登山 【第1/3編:登山口〜三里河原分岐〜上和久塚】

天気予報も晴天に変わり、午前5時起床し快晴の空を見て直ぐ出発に準備を急いだ。 正面の「大崩山花崗岩峰」が朝陽で赤茶けた写真を1枚撮影した。 登山口まで車で移動後朝食して出発とする。 5時20分に駐車場ー>登山口に向かう。 直ぐ朝食の定番メニューを食べ、6時15分に出発した。 2年前と同じルートの為に緊張感は無い。 大きい違いは「晴天」である事だ。 6時40分に大崩山荘前を通過して「三里河原分岐=渡渉点」に向かう。 樹林帯を出ると勢い良く流れる「祝子川」河原だ。 此処から見える大崩山花崗岩峰は実に見事で、広角レンズ(17mm)でも半分も捕らえ切れない。 

祝小川登山口の大崩山登山ルート概念図 美人の湯駐車場からの展望 三里河原:渡渉点から見上げる大崩山花崗岩峰群

全体と各部詳細に分けて「広角と望遠レンズ」で幾枚も撮影したのが下記の写真である。 2年前はごく一部しか見えなかったが、今日は100%、文句の無い素晴らしい光景が見える。 今日は充分時間も在るので大崩山を出来るだけ丹念に鑑賞したい。

三里河原:渡渉点からの展望】  幾つもの丸みを持つ花崗岩峰群はいつまで見ても見飽きる事が無い
三里河原:渡渉点からの展望】 どの位まで近ずけるのだろうか? 渡渉用丸太橋

先ず最初の危険地帯は此処の「渡渉」である。 長さ約15m、直径約40−50cmの丸太の橋で一本のロープでサポートされているが、丸太橋の下は4−5mには水量豊富な祝子川が白い水飛沫を上げて勢い良く流れていた。 前日の雨で丸太表面は濡れているが、丸太中央部には滑り止めの金属メッシュが取り付けてある。 「左手にロープと右手のストック」の3点支持を維持して丸太橋を難無く無事通過し、巨大な石に取り付けられた工事用パイプを組んだ「梯子6段」が
続く。 石の上部に立って振り返ると丸太が細く・長く見えた。 無事丸太橋を通過したら側に白い花を付けた木が見えた・・(笑)。 記念に撮影。

三里河原:渡渉地点の丸太橋】 長さ:約15m・丸太太さ:約50cm・一本の補助ロープ・パイプ梯子

祝子川の支流である「小積谷」に沿って『小積谷』を目指す。 樹林帯の隙間から差し込む朝日に照らされた渓流は言いようの無い美しい姿を横たえていた。 歩きながら片っ端からカメラ(広角レンズ)に収めた。 新緑の色を反映した薄い緑色の中に「泡立つ水・石に生えた苔・透明な水」が組み合わされた手付かずの自然美が展開する。 これ程の自然が残る「大崩山」はやはり凄い!! 花崗岩峰で有名だが「祝小川渓谷」も甲乙付け難い。 秋に訪れると又違った印象だろう。 今日は支流の「小積谷」の『和久塚コース』を辿るが、三里河原を直進して「吐野」に至る『三里河原モチダ谷コース』は違った渓谷美を鑑賞できるかもしれない。 以下に撮影した写真を掲げる。

渡渉直後の花 【小積谷渓流】  渓流の幅:約5m・諸所に苔むした石が散在する
【小積谷渓流】  渓流水面と殆ど接して木の根が露出・土は無いが川から水分の常時補給しているらしい
【小積谷渓流】  小さい落差で水が泡立って白くなり水が流れている実感が湧く。 限りない透明流れ。
【小積谷渓流】  渓流内の石の厚い苔:土の役目を果たして落下した種子が発芽・成長を開始

余りの美しさに見蕩れて登山ルートから離れてしまい、数箇所でルートミスしそうになった。 下中央の写真の「小石2個のケルン」に注目。 こんなケルンが3個あって、此処が渓流渡渉点のマーキングポイントになる。 此処を見落としたらドンドンミスルートを進むことになる。

【小積谷渓流】 渓流の幅は狭く、勾配は急になる    小石2個のケルン:見落としたらルートを失う 
【小積谷渓流】 上流に行くに連れて水量は減るが苔の密度は却って高くなるように見えた

7時10分から「小積谷」に至る約30分間、小積谷の渓流美を満喫した。 いよいよ渓流を離れて樹林帯の稜線や斜面歩きが始まった。 依然として視界は無く、ミヤコザサや木々・木の根・岩等を通過。 梯子の多い「下和久塚分岐」を過ぎると花崗岩が剥き出しになった斜面に出て初めての視界が広がった。 北西方向に小さく「祖母山」(日本100名山)が見えた。 

渓流最後の写真 【小積谷渓流】を離れて稜線と斜面のトラバースルートに変わる 祖母山望遠

9時30分に「中和久塚分岐」を左に見て大崩山山頂の標識に従って登り続ける。 樹林帯の木の幹に『上和久展望台』の標識が目に入った。 2年前は小雨・ガスで視界が全く無かったので、ルートを外れて展望台に上らなかった事を思い出した。

長かった樹林帯を抜けて花崗岩剥き出しの斜面のトラバース 中和久塚分岐表示 上和久展望台表示

山頂へのルートを外れて「上和久塚展望台」に向かった。 正面に迫る20m程度の丸い花崗岩の小山で何処から上れるのか見当も付かない。 

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